真悟は夢を見ていた・・・
闇に覆われた世界で、神話に出てくるような衣装を身に纏った真悟は、背中に小百合に似た女性を守りながら、八つの頭を持つ数十メートルはあろう巨大な大蛇と戦う夢を・・・
「姫よ!そなたは必ず私が守る!!」
その大蛇は、八つの頭を蠢かせながら、不気味な声で真悟に言う、
「ソノオンナハ・・・ワレヘノイケニエナルゾ!」
「大蛇よ、貴様の言い分も分かる・・・だが、姫に罪は無い!このままおとなしく去れば、お前を見逃そう!!引いてはくれぬか?」
真悟は、慈悲深い表情で大蛇を見つめた。大蛇はそんな真悟の言葉に耳を貸す事も無く、真悟に襲い掛かってきた。真悟は背後の女性を少し遠ざけると、大蛇に果敢に立ち向かった。だが大蛇は強く、真悟は防戦一方だったが、手に持って居た剣が真っ二つに折れ、真悟は慌てて大蛇から距離を取った。
「私も共に戦います!」
小百合に似た少女の声が聞こえたかと思うと、真悟の背後が目映いばかりの光を放ち、光の聖剣が現われた。聖剣は神々しい輝きを発しながら、真悟の手の中に握られた。真悟が念を刀に送ると、光の聖剣をギュッと握りしめ、大蛇目掛けて振り下ろした。大蛇は忽ち光に包まれ、呻きながらも、
「ワレハカナラズ・・・フッカツスル!タトエ、イクトシツキカカロウト・・・カナラズ!!ヒメヨ、ワレヲダマシタソナタガ、タトエナンドウマレカワロウト、カナラズソナタノミニ、ワザワイヲアタエルコトヲワスレルナ!!!」
大蛇は呪いの言葉を浴びせるも、真悟が光の剣を、天に高々と掲げると、光に封印された大蛇は、天空高く消え去った。それと共に空を覆っていた闇は晴れ、青空が顔を出した。
真悟はホッとし、光りの剣が消え去った。
そんな夢を見た真悟は、一瞬安らいだ表情を浮かべたものの、次に見た夢は何処か現実的だった・・・
今まで見て居た夢とは全く違う場面になり、真悟は旧体育館の中で、背後に怯える小百合を庇いながら、ノスフェラトゥの幹部達と対峙していた。
「クッ!?雪代さんには手出しさせない!!」
「フフフ、雪代!?ハハハハハ!」
「な、何が可笑しい!?」
「朱紗真悟、背後に居るお方を良く見て見ろ!」
白髪の男が、真悟の背後に居る小百合を指差し、真悟は釣られるように背後を振り向き驚愕した。小百合の姿は消え去り、代わりに女王カーミラが目を爛々と輝かせて居た。
「カーミラ!?何故貴様が此処に?」
驚いた真悟だったが、カーミラからは笑い声が響いてくるだけだった。真悟が何度問い掛けても、カーミラは笑い続けた。真悟はムッとし、カーミラの悪魔のようなフードに手を掛けると、
「女王カーミラ!雪代さん母娘を巻き込んだ事・・・後悔させてやる!!」
真悟は、一気に悪魔のようなフードを強引に剥ぎ取ると、カーミラの白い裸身が見えてきた。盛り上がった下腹部には、薄い金髪の恥毛が生え、視線を胸にむければ、ピンク色に染まる乳輪や乳首を露わにさせ、形の良い美乳が飛び込んで来た。真悟は、その美しい裸身を何処かで見た気がしたが、更にカーミラのフードを全て剥ぎ取って、カーミラの素顔を見た時、真悟は思わず呆然として立ち尽くした。何故なら、カーミラの素顔は・・・邪悪な笑みを浮かべる雪代小百合だったのだから!!
「バ、バカな!?雪代さん、どうして君が?」
「ハハハハ!そのお方こそ、我らが女王カーミラ様の正体、雪代小百合様だ!!」
「な、何だと!?う、嘘だ?そんな事・・・」
信じられない事実を目前にし、真悟は思わずよろめいた。小百合は邪悪な笑みを浮かべたまま真悟に手を差しだし、
「朱紗君・・・私に力を貸して!一緒にこの世界を・・・滅ぼしましょう!!」
「嘘だ!?嘘だぁぁ!!ウッ・・・ウッウウワァァァ!!!」
真悟は、思わず慌ててベッドから飛び起きた。ハァハァ荒い呼吸を無意識にしていた。真悟は、それが夢である事に気付きホッとし、思わず顔に浮かんだ汗を右手で拭った。
(ハハ、雪代さんがカーミラな訳ある筈無いじゃないか!何で俺は、あんな変な夢を見たんだ?)
そうは思いながらも、頭の片隅に何か違和感を覚えて居た・・・
(そう言えば・・・俺は雪代さんとカーミラが一緒に居る姿を、一度も見た事は無かった!カーミラがテレパシーで話し掛けてきた時、雪代さんは黙って居たし、俺が囮になって雪代さんを逃がした同じ場所に、カーミラは現われて・・・)
自分が愚かな考えをしている事に気付いた真悟は、頭をブルブル振り、
「そ、そんな訳ある筈無いじゃないか!雪代さんは、カーミラに酷い目に合わされた被害者じゃないか!!」
真悟は自分の頭をポカポカ殴り、心を落ち着かせると、自分が部屋で寝ている事に驚いた。
(俺は、ノスフェラトゥと戦っている途中で意識を失っていた筈だが・・・美剣さんが俺を運んでくれたのか?)
朦朧とする中考えていた真悟は、自分の目の異常を感じた。
「な、何だ!?ふ、布団が透けている・・・布団だけじゃ無い・・・部屋も、ア、アネキの部屋も・・・」
ちょうどそこに、制服に着替え終わった涼子が、モーニングコールをしに、真悟の部屋に入って来た。
「オッハヨ!真ちゃん!!何時の間に帰ってたの?」
涼子は、まさか自分の制服の下を、真悟に透けて見られているとは露知らず、涼子は機嫌良く真悟に話し掛けた。真悟は顔を赤らめながら涼子を見て居ると、当初は姉涼子の服が透けて見え、薄っすらと涼子の裸体が見えていたのが、目が慣れてくると、まるで涼子は、全裸で真悟の部屋に入ってきているようであった。涼子の健康的な裸体に、真悟は勃起してしまい、布団で慌てて隠すと、涼子は小首を傾げ、
「どったの、真ちゃん?真っ赤な顔して!?」
涼子は、不思議そうに真悟を覗き込むと、涼子の豊かな胸が真悟の側で真悟を挑発するように現われ、真悟は慌てて右手で目を塞ぎ、
「な、何でもねえよ・・・す、直ぐ起きるから出てってくれ!!」
「まぁ!?折角起しに来て上げたのに・・・真悟のバカ!!」
真悟は、慌てながら涼子に部屋から出て行くように言うと、涼子は怒って下に降りて行った。真悟は、自分に透視能力が見についた事を悟った。
「あのままアネキの裸見てたら、また俺の中の何かが目覚めて、アネキを犯しそうだぜ・・・透視能力か見えすぎるのも困るもんだなぁ・・・念動力の力もますます強く・・・エッ!?」
真悟は、念動力の力を試そうとしたが、念動力は使えなかった。透視能力の代償に、真悟は念動力の力を失ったのではと危惧する。
(こ、これじゃ、ノスフェラトゥと戦えないぞ!部団連合だって、何時仕掛けてくるか分からんと言うのに・・・)
真悟は、念動力を使えなくなった事で焦り、恐る恐る下に降りてみると、全裸の涼子がむくれながら朝食を食べていた。台所を見ると、これまた全裸の和子が流しで洗い物を済ませていた。和子の魅力的なヒップを見ている内に、また勃起した真悟は、こりゃダメだと逃げるように玄関へ向かった。
「真悟、朝ご飯食べないの?」
「ママ、ほっときなさいよ!」
和子は不思議そうに振り返るも、涼子はほっときなさいよと話し、真悟は顔から汗をかきながら、
(朝から、お袋やアネキのヌード見ながら飯食ってたら、俺はますますおかしくなっちまう・・・とは言え・・・)
真悟には、自分を含む男女の人々が、街中を全裸で歩いているようにしか見えなかった。思わず下を向いて歩く真悟であった。途中モサと会い、一緒に通学した真悟は、モサが瓜生から貰ったペンダントの力で、透視能力に目覚めた事を思いだし、
「そ、そういやモサ・・・あれからお前の透視能力の方はどう何だ?」
思わずモサにお前の透視能力はどう何だと尋ねると、モサは、最初にペンダントを貰った2、3日ぐらいしか効果は無く、もう一度瓜生に貰いに行くと、才能の無い奴は無駄だと冷たくされた事をボヤいていた。
「アニイにも言われたけど、何か最近の瓜生さんは、出会った頃と違うんスよねぇ!ミーコもちょっと最近の瓜生ちゃん怖いって言ってやしたし・・・」
「折角の機会だ!この前言った通り、瓜生グループから離れる良いチャンスだぜ!!」
「そうっスねぇ・・・ミーコにも伝えておきやす!」
「ああ・・・所でモサ、さっきからミーコって呼び捨てにしてるが?」
「エへへへ、実は俺達・・・付き合ってるんスよ!だから・・・もう透視能力何か無くても、ミーコのアソコは・・・」
「な、何ぃぃ!?ほ、ほ、本当かよ?」
「ヘイ!あっしもミーコで大人になりやした!!」
(そ、そりゃあ、俺だって見た事や触った事ぐらいはあるけど、俺はまだ・・・童貞だぁぁぁ!)
思わずモサを見た真悟は、モサの股間が光輝いているような錯覚に陥り、敗北感を味わった・・・