翌日の放課後、この日は超能力クラブの会合も無く、真悟が帰ろうとしていると、モサが話し掛けて来た。
「おぉぉい朱紗ぁ!ちょっと俺に付き合わないか?」
そう言うとモサは、真悟に何事か耳打ちする。見る見る真悟はスケベ顔を浮かべると、
「ほ、本当かよ!?行こう、モサ!!ヘヘヘ」
真悟は嬉しそうにニヤニヤしながら、モサを急きたてると、モサもニヤニヤしながら頷き、二人は学校の裏山の途中にある公園に向かった。裏山側にはあまり人は住んで居らず、この公園は人が滅多に来なかった。モサは真悟の肩に手を回し、
「ヒッヒッヒ、お前なら乗り乗りになると思ったぜぇ・・・本当にあの場所から、水泳部や陸上部の女子更衣室が丸見え何だぜ?・・・でも、誰にも言うなよな?朱紗だからこそ、こっそり教えてやったんだからよ!」
モサは、ニヤニヤしながら真悟に念を押してそう言うも、真悟はだんだん焦れてきて、
「分かってるって、モサ!所で、俺にも双眼鏡貸してくれよ?」
真悟もスケベ顔でモサに答えた所を見ても、真悟も根はモサと同じくスケベなようだった。覗き場所に到着すると、モサは真悟に双眼鏡を渡し、方角を指差しながら見てみろと促す。真悟は、言われるまま女子水泳部の更衣室を覗いてみると、成る程、練習が終わったばかりの少女達が、覗かれているとも知らず、健康的な裸体を披露していく。真悟は忽ち興奮し、その裸を雪代や美剣に代えて想像すると、見る見る反り返るほど勃起し、モサに気付かれないように腰が引けた。
「ス、スゲェェなぁ・・・こんな良い場所を見つけるとは・・・流石だよ、モサ!」
「まあな、苦労したぜぇ・・・それより、俺にも見せてくれよぉぉ」
「お前ら、こんな所で何が見えるって?俺達にも見せてくれよ!!」
モサが真悟に催促したその時、突然背後から男の声が掛かり、真悟とモサは慌てて振り返えった。そこには、夕べ真悟と美剣を襲った長髪の男、そして見た事も無いが、妙に色気のある短髪の小柄な女の子の二人が立っていた。慌てて双眼鏡を隠す真悟だが、女の子は呆気なく真悟から双眼鏡を取ると、真悟達が見ていた辺りを見てみる。
「ありゃりゃ!?何これ丸見えじゃん・・・へえ、あの子結構オッパイあるのねぇ?」
そう言うと、長髪の男に双眼鏡を渡し、長髪の男も覗いて見て、思わず口笛を吹いた。
「ヒュゥゥ!なるほど、こりゃあ丸見えだ・・・いいのかい、君達!?これは立派な犯罪だぜぇ・・・警察行く?」
警察と言う言葉に、真悟とモサの表情は見る見る困惑し、思わずビクリと反応する。オドオドしている真悟とモサの仕草に、思わず女の子は笑い出し、
「アハハハ、樫ちゃん、あんまり苛めると可哀相だよ・・・男だもん、女の裸に興味あるよねぇ?」
女の子はそう言うと、自分の着ていた服の胸元をたくし上げる。小振りながら、形の良い女の子のオッパイが飛び出し、ピンク色した乳輪と乳首を見た瞬間、真悟もモサも目を見開いて驚き、そしてあっという間に股間が反応して、思わず二人は勃起している事を悟られまいとへっぴり腰になり、そのコミカルな姿に長髪の男と女の子は笑い声を上げた。
「クックック、ミーコは露出狂だもんなぁ!?どうだ、ミーコはわりかし可愛いだろう?オッパイは小さいがな・・・アハハハ」
ミーコと呼ばれた女の子は、樫ちゃんと呼んだ長髪の男に、頬を膨らまして抗議し、
「デカければ良いってもんじゃないよ!・・・ねぇ?」
ミーコは、悩ましげな視線で真悟とモサを見つめ、まるでストリップを見せるように腰を振りながら挑発する。その弾みに、ミーコのピンク色のパンティがチラリと見え隠れを始め、モサは鼻息荒く、乗り出すようにその姿に目を奪われる。真悟も照れながらも、しっかり目が釘付けだった。
「ククク、お前達、女の裸好きそうだなぁ!?・・・ところで、お前ら名前は?」
長髪の男が、真悟とモサに名前を聞いて来ると、モサは揉み手をしながら、
「へへへ、男なら分かってもらえますよねぇ、先輩?自分は茂坂公司、通称モサ公って呼ばれてますです」
「モサ公か、スケベそうな良いあだ名じゃねぇか・・・でお前の名は!?」
長髪の男は、モサと対した時とは違い、少し険しい顔で真悟に名前を聞くと、真悟も正直に名前を打ち明け、
「朱紗です!朱紗真悟!!」
真悟がフルネームを言うと、ミーコは不思議そうに小首を傾げた。朱紗と言う名前はそう多くは無い筈である。ミーコは自分の知っている人物の弟では無いかと思うと、
「朱紗!?ひょっとして君、朱紗涼子の弟?」
「姉ちゃんです!家の姉ちゃんを知っているんですか?」
意外な所で姉の名前が出て、真悟は驚いた。ミーコも、こんな所で涼子の弟と会うとは思わなかったのか、涼子の事を思いだし、懐かしそうに目を細めながら、
「涼子とは、1年の時に同じクラスだったんだよねぇ!一緒に遊んだ事もあるよ!!でも最近は、涼子も陸上部で忙しいし、あたいも樫ちゃん達と遊んでたから、最近はあんまり接点無いんだけどねぇ・・・あたいは黒田ミコ!!ミーコと呼んでくれれば良いよ!!」
妙に馴れ馴れしい所はあるが、真悟もモサも、ミーコに好印象を持った。そんな真悟とミーコの会話を聞いていた長髪の男は、
「何だ、妙な所で繋がりがあるな!?俺は樫村ってもんだ!まあ、自分で言うのも何だが、顔は強面だが、つるんでみるとそう悪い奴でもねえぜ?」
樫村は先程とは打って変わり、二人に対しフレンドリーに話し出した。モサはこのままいけば黙っていて貰えると判断したのか、再び揉み手をしながら話し掛け、
「エヘへ、さいですか・・・先輩達、以後よろしくです!」
モサは媚を売るように二人に愛想笑いをして、真悟はそんなモサに呆れて、
「モサ、そろそろ帰らなきゃ遅くなるぜ!」
「エッ!?あぁ、もうそんな時間かぁ・・・」
モサも時計を見て真悟の言う通りだと思い、樫村とミーコにお辞儀して立ち去ろうとすると、
「待てよ、朱紗!お前が朱紗ならちょうど良かった!お前に紹介したい人が居るんだ・・・実はその方に、お前を連れて来て欲しいと頼まれてなぁ」
「あたいは良く聞いてなかったけど、樫ちゃんは真吾ちゃんの事を捜してたんだぁ?」
「いや、昨日美剣と一緒だったからな、こいつなら何か知ってるんじゃ無いかと思って後を付けてきたんだが・・・正解だったぜ!」
真悟は小首を傾げながら、樫村が言った言葉が気に掛かり、
「僕に会いたい人が居るって!?誰です?」
樫村は、そんな真悟を見て薄ら笑いを浮かべると、真悟の問いに答え、
「俺達のボス!破壊王と呼んでいるお方さ!!」
真悟は、樫村が発した破壊王と言う言葉に反応し、思わず身を固めた。美剣が警戒していた人物である破壊王、その破壊王が自分に用があると聞き、警戒感が沸き起った。そんな真悟に気付いたのか、樫村は破壊王に付いて語り始め、
「俺は、破壊王に会うまでは、何の生き様も見出せねぇ、ちゃちな不良だった・・・あの人のお陰で、俺は生まれ変われた!一緒に来い、朱紗!!お前もあの人の話を聞けば、今後のプラスにきっとなる」
先輩である樫村が言い終わるのを待って、真悟は表情を険しくしながら即断を下した。
「断る!破壊王は、美剣部長の敵じゃないか!!だったら会う必要は無いよ・・・さよなら!!!」
真悟はムッとしながら、モサを促しこの場を離れようとすると、樫村が尚も説得しようとするのをミーコが止めた。
「行かしてやんなよ、樫ちゃん!女の裸は覗く度胸はあっても、破壊王に会う度胸は無いってさ」
ミーコの挑発は、真悟の心に響き、真悟はムッとしながらミーコを睨み、
「俺が破壊王にビビっているだって!?良いさ、会ってやるよ!!」
「へぇ・・・フフフ」
ミーコは意地悪そうに笑い、真悟はまんまとミーコの策略に引っかかり、破壊王に会う為、樫村とミーコの後に続き、モサも成り行きで一緒に行く事となった・・・