※この作品はR-18です。

真説・凄ノ王   作:鳳凰009

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第37話:旅立ち

「クッ、此処も駄目か!?完全に閉じ込められちまったな・・・」

 

 瓜生麗と雪代小百合は、昨夜の決意の通り、地上に出ようとしていたのだが出口は全て塞がっていた。小百合は不安そうに瓜生を見る・・・

 

「後は最後の手段だけだが・・・」

 

 瓜生の言葉に小百合は顔が綻ぶ・・・

 

「ただし、君を連れて行けるか不安だがね・・・何時もの俺なら、君一人連れてテレポートするくらい分けないが、地上には凄ノ王の邪念波が漂っている!俺の超能力が影響され、テレポーテーションに何らかの支障が出るかも知れない・・・仮に地上に出たとしても、俺は、凄ノ王の邪念波を封じる為、サイコバリアーを張らねばならない!君を守れる保障は無い!!」

 

 小百合はコクリと頷き、それでも構わないと呟くと、瓜生は更に言葉を続ける・・・

 

「地上は地獄だ!ありとあらゆる災厄が待っているだろう・・・魔物も無数に居る!凄ノ王の身体を通して、あらゆる魔が地上に溢れるかも知れん・・・高天原に起こった悲劇が、また来ようとしている・・・それに、魔物は本能的に女を犯す習性があるらしい・・・」

 

「それでも、私達は行かなければならない!」

 

 瓜生は、小百合と美剣千草がダブって見えた。瓜生は思わず微笑み、

 

「君がそんなに強い心を持っているとは・・・知らなかった!君を人形見たいに思っていた非礼を詫びるよ!!君が、凄ノ王の邪念波を受けても平気だった理由が、分かる気がする!!」

 

 小百合もそんな瓜生の言葉に微笑み返し、

 

「朱紗君への償いの為、それと、私の存在理由を見つける為でもあるわ!それを見つけられなければ、私は、私は魔神凄ノ王を生み出す道具でしかないもの・・・」

 

 その時、瓜生は凄ノ王の邪念波が消えているのを感じ取った。

 

(どういう事だ!?魔神凄ノ王の気配が感じられない・・・似たような気は3つ感じるが、凄ノ王程ではない・・・そうか、千草達か!!)

 

「どうやら、凄ノ王は地上から消えたらしい・・・己の分身を残してな!だがこれで、人間が住む世界は終わりを告げたようだ・・・魔は人に憑依し、闇の時代が来る!!ここに居る事が幸せかもしれない!それでも行くか?」

 

 瓜生の問い掛けに、小百合はコクリと頷くと、瓜生に抱き付き地上に飛んでと呟いた。瓜生は頷き、小百合を優しく抱きしめると、地上にテレポーテーションをした。

 

 

 

「どうした、今の衝撃は何だ?」

 

 千草が状況を聞くと、凄ノ王の念力攻撃により、バリアーが一瞬破られ、第八機関室に凄ノ王の分裂細胞が侵入したと報告が入る。その第八機関室では、凄ノ王に憑依された十二神将も居た。

 

「艦長、魔利支天殿!何故侵入を許した箇所を切り離さぬ?そのままにしていては、この艦全体に進入されますぞ!美剣千草の心を捨てなされ!!」

 

 千草は苦渋の表情をして決断する。

 

「あなたの言う通りです!お爺様、いや、梵天王よ!皆の者聞いた通りです・・・汚れたエリアを切り離します!!」

 

 天浮舟は、第八機関室を切り離した。千草は、心の中で見捨てた仲間に詫びる。

 

(済まぬ・・・今はそれしか言えぬ!)

 

 だが、魔神凄ノ王の力は強大だった・・・

 

 天浮舟は、凄ノ王の超能力に翻弄されると、千草は決断する。

 

「スーパー・リープを行う、これで一旦凄ノ王を振り落とす・・・全員、念を集中しろ!・・・今だ、行けぇぇ!!」

 

 天浮舟は、一旦凄ノ王を振り切る為、スーパーリープを行った。スーパーリープとはワープの事で、途中で凄ノ王は振り落とされ時空の狭間に落ちて行った。ワープ先で千草達は驚愕する・・・

 

「じゃ、邪神ヤマタノオロチ!?」

 

 強大な光の塊は、八つの頭をくねらせながら、天浮舟の後方に居た。その強烈な邪悪な波動は、千草達の精神まで蝕みそうであった。

 

「ど、どこでもよい、この空間から・・・り、離脱する!我らではこの邪神には・・・勝てん!!」

 

 天浮舟は逃げるようにこの空間から去った。皆、邪神の圧倒的な力を受け、体力を激しく消耗していた。

 

「クッ・・・邪神があそこまで来ているとは・・・凄ノ王を倒せねば、我ら全員魔の虜になるぞ!!」

 

 千草は邪神の恐怖を、身を持って感じるのであった・・・

 

 

 

 地上に出た瓜生と小百合は、崩壊したM市に愕然とする。涙を流す小百合の背後から、魔の集団が襲い掛かるが、瓜生の念動力で全滅する。

 

(醜い・・・これが俺の望んだ世界なのか!?俺がもたらした世界なのか?)

 

 瓜生は、自らの過ちに改めて気付き、涙を流しながら絶叫した。

 

「醜い!闇に侵された世界が、これほど醜いとは・・・小百合、俺はこの世界が・・・嫌いだ!俺は、この世界を憎む!!これを見て、お前が言った言葉が一つ一つ俺の胸に響く!!」

 

 瓜生は、前方に現われた魔物の群れに、強烈な念動力を叩き込む。

 

「捜そう!この世界を救える鍵が在るのなら・・・俺は、罪を償わなければならない!!」

 

 小百合はコクリと頷き、二人は魔の世界から人類を救う何かを求め旅立った!

 

 

 世界は、人としての文明を失いつつあった・・・

 

 今、世界中が魔の蔓延る世界となったのだ・・・

 

           第3章、世界崩壊!・魔神凄ノ王復活編

                    完

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