※この作品はR-18です。

真説・凄ノ王   作:鳳凰009

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第四章:獣神魔王・朱紗和子堕つ編
第38話:獣神討伐隊(その1)


 あれから二週間が過ぎた・・・

 

 世界には魔が溢れ、生き延びた人々は、魔に怯えながら暮らしていた・・・

 

 朱紗和子は、娘涼子、妹光子と別れ、関東の魔神と恐れられる魔神凄ノ王の分身、獣神魔王の動向を探っていた。生き延びた人々の話を聞くと、獣神魔王は人間狩りと称し、男は殺し、女は居城に連れ帰り、性奴隷として扱っていると知った。

 

(思っていたより厄介そうね・・・獣神魔王の居城を攻めるには、私だけでは無理ね)

 

 和子は、どう獣神魔王を倒すか思案していた。獣神魔王が狩りをする時、必ず腹心の二体の魔物を連れていて、その二体の魔物の超能力も凄まじいと知った。

 

(この街に居ると言う、獣神魔王に立ち向かう集団の力を借りるしかないか・・・)

 

 駄目もとで、和子は獣神討伐隊のリーダーに接近する事にした。

 

 イメージにある街とはかなりかけ離れていて、崩壊した家々に集まってきた人々が、集団で住み着いて居るだけだった・・・だが人々は、そんな状況の中でも生き延びようと必死だった。

 

 和子は、それらの人々を見て確信する・・・

 

 人の心は強いと・・・

 

 その思いを無にさせない為にも、先ずこの関東を蹂躙する、獣神魔王を討たなければならないと思った。

 

「こちらの街に、獣神討伐隊が居ると聞いたのですが?」

 

 和子の問いかけに、町の人々は慌てまくり、俺は関係ないと逃げ惑う。和子は思わず眉根を顰め、

 

(どういう事!?獣神討伐隊とは、この人達の味方の筈なのに・・・この脅えようは一体!?)

 

「アハハ、おばさん、そいつらに聞いても答えるわけ無いよ!内のリーダー過激な奴でさ・・・この間も、魔物事この街の人間を殺しちゃってるしね!おばさん、獣神討伐隊に用があるの?あたしは、獣神討伐隊でサブやってる、錦織・・・錦織(にしきおり)つばさよ!!」

 

 錦織つばさと名乗った少女は、白いヘルメットを取ると、中から茶髪のショートヘアーが現われ、何所から調達したのか、肩にマシンガンをぶら下げているのと反比例し、顔は美少女だった。体格良く、アイドルレスラーのようなその姿に、和子は思わず呆然としていた。

 

 

 身堂竜馬は、茂坂公司、黒田ミコの二人を連れ、関東の荒野を彷徨っていた・・・

 

 魔神凄ノ王の猛威を、辛くも逃げ延びた三人だったが、行く先々で魔に遭遇し、命からがら逃げ続ける日々が続いた・・・

 

「み、身堂君・・・そろそろ休まない?」

 

 ミーコは、身堂に休憩しようと訴えると、身堂はやれやれと言った表情で、

 

「それは構わないが、ここは獣神魔王とか言う化け物の勢力下らしい・・・もたもたしてたら、人間狩りってやつに遭遇しちまうかも知れないわね!?」

 

 ミーコは、この間聞いた話を思い出し、身体が震え出す・・・

 

 とある町に着いた時、そこの住民から、獣神魔王という化け物が現われ、人間の女を捕らえては、その宮殿に連れ帰り、性奴隷にしているという話を・・・

 

「そうだぜミーコ・・・身堂さんの言う通りだぜ、さっさっと奴らの勢力圏から逃げ出さなきゃ、どんな目に遭うか・・・」

 

「わ、分かったわよ!あたいだって、化け物に犯されるのは真っ平ゴメン何だから!!」

 

 身堂とモサも、ミーコの反応に思わず笑い出すが、不意に身堂の表情が引き締まる。身堂は険しい表情で周囲を見渡すと、

 

「二人共、どうやら遅かったようだ!」

 

「「エッ!?」」

 

 身堂が刀を抜き構えを取ると、草むらより魔物が2体飛び出してくる。身堂は二人に下がっていろと言うと、魔物に切り掛かった。

 

「バカガ・・・カタナデオレノカラダニ・・・キズガツクカ!!」

 

 鳥と獣を合わせたような魔物は、身堂を嘲笑うように嘲笑するが、身堂の刀の切っ先が光ると真二つになった。

 

「お生憎様!あたし、仲間の戦い方を見ていて、最近超能力に目覚めたのよね・・・・今のは、念動剣さ!!」

 

 身堂の勇士を見たモサとミーコは歓声を上げ、残った猪に似た魔物は、小賢しいとばかり唸り声を轟かすと、

 

「調子に乗るな!超能力など、我ら程度でも扱える!!」

 

 そう言うと、魔物は身堂に念動力を叩きつけ、身堂は、吹っ飛ばされた拍子に刀を落としてしまった。

 

「クッ、しまった!?」

 

 身堂は、眉間に皺を寄せ苦痛の表情になる。勝ち誇った魔物は、身堂を宙に浮かせると、身堂の刀で身堂をバラバラにしようとする。何とか逃れようとするが、身堂は身動きが取れない。魔物が刀を身堂に振り落とした時、ミーコが超能力で刀を奪い取った。

 

「ナ、ナイスミーコ!!」

 

 モサは思わずミーコを褒めるが、刀を奪われた魔物は、モサとミーコの方に襲い掛かってきた。

 

「に、逃げろぉぉ!二人共ぉぉ!!」

 

 身堂が絶叫するが、二人は恐怖で固まってしまった・・・

 

 殺されるかも知れないという恐怖が、二人の足を震えさせた・・・

 

 だがそこに、砲撃の雨が魔物に降り注ぐと、魔物は不意の攻撃を喰らってバラバラになり息絶えた。

 

「よう、竜馬ぁ!しばらく見ねぇ内に、随分甘ちゃんになったな?」

 

 十数人の人影の中に、身堂は懐かしい顔を見出した。身堂はその顔を、額に付いた傷跡を見ると、今まで見せた事も無い笑顔を見せて叫んだ。

 

「も、門土!早乙女門土(さおとめもんど)か!!」

 

 早乙女門土・・・

 

 彼は中学時代に、身堂と共に暴れまわった仲だった。退屈な事を嫌い、数々の騒動を巻き起こす彼を、学校の者達は、学園退屈男と呼び恐れた。身堂が剣道部の試合のある日、門土はある学校との果し合いで校舎を爆破し、少年院に収監されたのだった。それ以来の再会に、身堂は心底嬉しく思っていた。

 

 門土はニヤリと笑い、身堂の傍に近づいて行った。ミーコは、門土と言う人物に本能的に恐怖を持った。自分でも何故かは分からなかったのだが・・・

 

 

「あっ、門土お帰り!ン!?その三人は誰?」

 

 錦織つばさは、門土が連れ帰った三人を訝しげに見た。

 

「ああ、こいつは昔のダチで身堂竜馬!後はオマケの二人だ!!」

 

 門土にオマケ扱いされたミーコはむくれ、モサは苦笑いを浮かべた。ミーコは頬を膨らませると、

 

「オマケじゃないよ!あたいは黒田ミコ、ミーコって呼んでくれれば良いよ!こっちはあたいの彼氏で、茂坂公司!モサって呼んでもらえば良いよ!」

 

 門土は、生意気そうなミーコを気に入ったようで、ニヤニヤしながら見ていた。

 

(あんな、間抜けそうな奴が彼氏じゃ・・・勿体ねえな!)

 

 ミーコは、門土の身体を舐め回す様な視線に気付き、その冷酷な視線に、思わず冷や汗が流れた・・・

 

「ふ~ん、あたしは錦織つばさ!つばさで良いよ!!獣神討伐隊で、門土のサブやってるんだ・・・三人ともヨロシク!!」

 

「「こちらこそ!」」

 

 ミーコとモサは、親しげにつばさに答えたが、身堂は心の中で、つばさに敵意を持った。

 

(あの女は何だ!?門土のサブだと・・・この身堂竜馬が加わったからには・・・何時かお前を叩き出す!!)

 

 そんな身堂の思いを知る由も無く、つばさは門土に報告を始め、

 

「門土、さっき獣神討伐隊に用があるっておばさんが来てたよ!今留守だって言ったら、また来るって帰って行ったけどね!!」

 

「フン、こちとらババアに用はねえよ!!」

 

 ソッポを向いた門土を見たつばさは、ニヤニヤしながら、

 

「でもそのおばさん、女のあたしが言うのも何だけど、中々良いスタイルしてたよ!」

 

 その言葉に、門土は思わずニヤリとして、

 

「へえ、まあ会ってやるだけなら構わないか・・・」

 

「門土!」

 

 身堂は、少しムッとしながら門土の名を呼ぶと、門土は冗談だと身堂を諭し、顔合わせは終わった・・・

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