※この作品はR-18です。

真説・凄ノ王   作:鳳凰009

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第66話:バイオレンスジャック

 朱紗和子は、目の前に現われた半裸の女性と対峙していた!

 

「あなたは!?見た所、敵では無さそうだけど・・・」

 

 女は、和子を、そして青沼犬を見てニヤリとしながら、

 

「ウフフ、私の姿は、見る者によって違うわ!ある者は女神と、あるものは悪鬼とも私を呼ぶわ!このジャックナイフを見て人は言う・・・バイオレンスジャックとね!!」

 

 和子は、思わず唾を飲み込み、女の発言に驚く、

 

(バイオレンスジャック!?暴力の嵐・・・私には、彼女からそんな危険な匂いは感じないけど?)

 

 そんな和子の心の中を読んだかのように、女ジャックは笑みを浮かべながら、

 

「ウフフ、あなたに頼みがあって此処に来たわ!この娘を・・・朱紗真悟の思い人であるこの子を・・・あなたに託したい!!あなたの側に居る犬なら、この娘を良く知っている筈よ!!この娘の処女を奪い、仲間と共に輪姦したその犬ならねぇ!!」

 

 女ジャックの意地悪そうな視線に、青沼犬はクゥゥンと言いながらションボリした。和子はハッとしながら、

 

「止めて!昔は確かに酷い事をしたのでしょう・・・でも、彼は変わったわ!人として生まれ変わろうとしている!!」

 

 和子は女ジャックに抗議すると、女ジャックは再び笑み、

 

「ウフフ、余程その犬にお熱のようねぇ?知っているわ!だからこそ、あなたにこの娘を託したいの!この娘は、度重なる酷い仕打ちに、精神を崩壊させた!!今の彼女を見れば、英雄神に目覚め始めた朱紗真悟の心は・・・再び憎しみに支配される!!でも、あなたの側に居れば、彼女は徐々に心を取り戻せる!!」

 

(この人、どうして真悟が英雄神だって!?でも、その通りにね・・・彼女の言う通りだわ!真悟が、雪代さんのこんな姿を見たら・・・)

 

 和子は、女ジャックの言葉に同意して頷いた。英雄神に目覚め始めた真悟を、再び悪神凄ノ王に目覚めさせる訳には行かなかった。

 

「分かりました!雪代さんの身は、私が責任を持って預かります!!」

 

 和子の言葉に、女ジャックは満足そうに頷くが、ふと真顔になると、

 

「このまま、山陰に向かうと良いわ!そこが決戦場になる・・・すべてのね!!その時、雪代小百合の力が必ず必要になるわ!!ただし、早乙女門土には気をつけて!!あなたもその身で感じた筈、奴は危険な男よ・・・私達はまだ奴に手を出せない・・・では、任せたわ!!」

 

 女ジャックは、そう和子に言い残し、マントを翻して去った。和子は、小百合の脳裏を覗くが、余りにも惨い仕打ちに途中で止めた。

 

(可哀相に・・・私が真悟の、お母様の代わりをしてあげる!今はその身を休めて頂戴!)

 

 和子は小百合に同情し、優しく髪を撫でた。青沼犬は、そんな小百合を見てクンクン鳴いて居た。

 

(早乙女門土・・・奴にはどんな秘密があるのかしら?)

 

 和子は女ジャックの言葉を思い出し、思わず身を固くした。

 

 

「そうか、小百合は見つからなかったか・・・竜子は、その女から敵意を感じなかったそうだから、無事だとは思うが・・・」

 

 瓜生は真悟の報告を聞き、小百合の身を案じた。真悟はコクリと頷き、

 

「ああ・・・瓜生、俺はこれから、龍神魔王のいる山陰に飛ぶ!君にこの関西地方の浄化を頼みたい・・・このエリアに、君の力に対抗できる魔は居ない!頼む!!」

 

 瓜生はコクリと頷くも、真悟が焦っている事に気付き、

 

「それは構わないが・・・焦るなよ、朱紗!凄ノ王の分身は一筋縄ではいかないぞ!!」

 

 真悟は頷き、竜子とガイデルを見つめると、

 

「二人共、世話になったね!瓜生を頼むよ!!」

 

「真悟さん、御礼を言うのは俺達の方だよ!ありがとう!!俺達も瓜生さんと一緒に、後から山陰に向かいます!どうかご無事で!!」

 

 ガイデルの言葉に真悟は頷き、今度は竜子を見つめると、竜子はあの時の事を思い出し、頬を染めながら真悟に別れを言おうとするも、

 

「あ、あのう・・・その・・・あの時はお助け頂き・・・真悟様には、何て言ったらいいか・・・ご無事で、行ってらっしゃいませ!!」

 

 ガイデルは、何時もと違う竜子にキョトンとし、瓜生は真悟と竜子の妙な雰囲気を笑った。真悟は瓜生に心の中を覗かれたような気がして、少し動揺しながら、

 

「で、では、皆・・・生きてまた必ず会おう!!」

 

 真悟は、三人に別れを告げ旅立った・・・

 

 ガイデルが所要で外に出た時、竜子は恥ずかしそうに瓜生に話し掛け、

 

「ね、ねえ・・・さっきは何で笑ったの?もしかして・・・」

 

 竜子は頬を染めながら、瓜生の様子を窺うと、瓜生は愉快そうに、

 

「フフフフ、朱紗に身を任せたんだろう?知っているよ!君の心を覗かせてもらったからね!」

 

「・・・・・・・・」

 

 瓜生は竜子にウインクすると、竜子は益々真っ赤になり、思わず俯きながら、

 

「う、瓜生のバカ!あのう・・・ガイデルには・・・その・・・」

 

 瓜生は、モジモジする竜子を見て笑いながら、

 

「どうしようかな!?って言うのは嘘さ・・・君が悪夢を忘れられたのなら、俺がとやかく言うことじゃないしね・・・これから忙しくなる!その代わり、俺に力を貸してくれよ!!」

 

「エエ!私の力が役立つなら!!」

 

 竜子は頷き、真悟の、そして雪代の無事を祈った・・・

 

 

 龍神魔王は、深い眠りの中、凄ノ王の本体からの指示を聞いた。

 

「スサノイチゾクヲ、スサシンゴニ、コレイジョウチカヅケサセルナ!!」

 

 龍神魔王は、テレパシーで二人の龍の巫女に指示を出し、配下の七大将軍を招集した。

 

 遂に、最後の魔神が動き始めようとしていた・・・

 

            第五章、鳥神魔王・雪代小百合崩壊編

                    完

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