第67話:凄ノ王の罠(その1)
美剣千草が艦長を務める天浮舟(ラン・グーン)は、スーパーリープで振り落とした凄ノ王の消息を追っていた。邪神ヤマタノオロチとの遭遇に、凄ノ王の力が更に増す前に決着を着けようと焦っていた。だが、あれから約一ヶ月にもなろうとしているのに、凄ノ王を発見する事は出来なかった・・・
「まだ、発見出来ないか?邪神の影響で凄ノ王が力を増す前に、奴を倒せねば、我らは魔に堕ちるやも知れんのだぞ!」
千草が焦っているのを感じた、千草の祖父、梵天翁は、そんな千草を宥め、
「艦長、焦るな・・・凄ノ王に隙を突かれるぞ!狡猾な凄ノ王は、必ずその隙を狙う!!」
千草は、梵天翁の忠告に返す言葉が無かった・・・
(確かに・・・だが、急がねば邪神が・・・)
その時、千草の脳裏にテレパシーで進言した者が居た。美剣九人衆の一人、万華鏡子である・・・
(千草様、私にお任せ下さい!凄ノ王相手に通じるか分からず、今までは静観していましたが、私もこの一ヶ月、精神を鍛えました!必ず凄ノ王の居場所を・・・突き止めて見せます!!)
千草は、鏡子が何をしようとしているのか分かり、困惑しながらも、何も手がない今、鏡子の進言を許可した。鏡子は、周りに居た九人衆を見つめながら、
「皆、千草様の許可が下りたわ!恥ずかしいから、皆で周りを囲んで私を隠してね!!」
頬をちょっと染めて、鏡子は他の美剣九人衆に頼むと、
「あら、あの技を使うの?」
「あの技を最初に見た時は、ドキッとしたわよ!」
神薔薇あけみと弁天ゆりが、鏡子をからかうと、精神集中しようとしていた鏡子は、
「ちょっと、あんた達!静かにしてよね・・・」
鏡子は、一糸纏わぬ魅力的な身体になりながら、あけみとゆりを嗜める。軽く咳払いした鏡子は、
「では、いくわよ!秘儀万華鏡!!」
鏡子は、まるでオナニーするように、胸を弄り悶え出した。
「アァァン・・・アッハアァァン・・・ウッフゥゥゥン・・・アッアッアァァ」
鏡子は一層激しく悶え始めると、鏡子の胸から母乳が数滴下に垂れた。床に広がった鏡子の母乳は、嘗てと同じように、まるで鏡のようであった。
そこに映像が映り出すと、一同が響めいた!
「ハァハァ・・・で、出たわ・・・見て!これは火星だわ・・・千草様、分かりました!凄ノ王は火星付近に居ます!!」
千草は顔を真っ赤にしながらも、
「きょ、鏡子、ご苦労様でした・・・皆に通達、準備が整いしだい天浮舟は、スーパーリープで火星に飛びます!!」
(鏡子のあの超能力・・・あ、あの技が、私に無くて良かったわ・・・)
千草は、さっきの鏡子の姿を思い出し再び頬を染めると、梵天翁は意地悪そうにニヤリとスケベ顔で千草を見た。千草はそれに気付くと、更に真っ赤になって抗議する。
「お、お爺様!い、いや、ぼ、梵天翁、からかわないで下さい!!」
「ホッホッホ、スマンスマン・・・じゃが、艦長もまだお若いの・・・わし位になると何の反応もせんようになるわい」
梵天翁は、益々スケベ顔で千草をからかっていたが、
「じゃが、此処からは気を引き締めねばな・・・凄ノ王も我らに気付いているやも知れん!」
梵天王の言葉に、千草も真顔になり頷き返した。天浮舟は、凄ノ王の居る火星に向けて飛び立った!!
凄ノ王は苛立っていた・・・
自分の分身が倒された事に凄ノ王は怒り、最後の分身龍神魔王に激を飛ばす!!
「オマエハ、必ずヤツヲ倒せ!!スサ一族ヲ、スサ真悟ニ近づけルナ!!」
凄ノ王は、最初の天浮舟との接触で、虜にした何人かの魂を吸収し、徐々に言語を覚えていった。凄ノ王は、美剣一族の天浮舟が、自分の居場所を突き止め、こちらに向かっている事を察知した。
(ヨウヤクお出ましか・・・クックック!!)
宇宙に浮かぶ邪悪な精神体は、不気味な笑みを浮かべた・・・
スーパーリープ中の天浮舟は、凄ノ王との決戦に向けて大騒ぎだった・・・
「急いでサイコバリアー増幅装置を張れ!!」
「超能力増幅装置は異常ないか?」
「原子分解砲発射準備完了!!」
凄ノ王との決戦に、皆が準備を完了させて行く。
「まもなくスーパーリープ終了!火星付近に到着します!!」
空間が揺らめき、天浮舟は火星付近に姿を現した!
だが・・・
「な、何ぃぃ!?す、凄ノ王高速接近・・・か、回避間に合いません!!」
凄ノ王は、天浮舟を包みこむように圧縮して行く。ミシミシ天浮舟が軋む音を立て始め、天浮舟は脆くもじわじわ破壊されて行った。
「か、艦長!このままでは天浮舟がぁぁ!!」
艦内が大騒ぎになる中、千草は目を閉じ凄ノ王の気配を読んだ・・・
「皆の者、慌てるな!これは凄ノ王の精神攻撃による幻覚だ!!惑わされるな、この程度で天浮舟は破壊されん!!」
千草の激が艦の中に響き渡る・・・
だが、凄ノ王の精神攻撃は、艦内に居た一人一人に仕掛けられて行った・・・