「ヘヘヘ、快調快調!さぁて、化け物退治と行きますか!!」
甲児がダイザー軍団の群れに向かって行くと、街の住民が唖然とするも、一人の中学生くらいな少女が老人に近づいて来た。ハーフなのか瞳は青く、髪は尻まで伸びる茶髪であった。少女は目を輝かせながら老人に話し掛け、
「ああ、あれは・・・私が夢で見たのと同じ姿だわ!あの人なら、あの人なら、兄さんを救ってくれるわ!!」
「何じゃと!?マリア、お前予知夢を見たのか?しかし、お前の兄デュークは・・・」
「ううん、兄さんは生きて居るわ!私には分かる!!兄さんは、暗闇の中で助けを求めて居るの!その闇を払ってくれるのは・・・彼だわ!!」
マリアと呼ばれた少女は、Zに身を包んだ甲児を、憧れの眼差しで見続けた。彼女の兄は、世界崩壊後、この街で魔物と戦う勇敢な戦士だった。だがある時、数キロ先の街の住民を助ける為出かけたデュークは、それ以来行方不明になって居た・・・
ダイザー軍団の魔物も、Zに身を包んだ甲児の存在に気付き、邪魔だとばかりに集団で攻撃してくる。
「甲児くん!!」
さやかが心配そうに見守る中、甲児に雨霰とダイザー軍団の攻撃が加えられたが、何故か魔物達は脅え、後退りし始める。Zを身に纏った甲児は、何事も無かったように無傷だった。
「何でぇ、そんなもんかよ?だったら、今度はこっちの番だぜ・・・ロケットパ~ンチ!!」
甲児が両手を突き出すと、装着していた腕の鎧が分離し、物凄いスピードで魔物の群れの身体に風穴を開けて行く。街の人々からどよめきが沸き起こる中、腕の鎧が再び甲児に装着されると、魔物は崩れ始め消滅する。
「ヘヘヘン!ざっとこんなもんだぜぇ!覚悟しやがれ、化け物共!!」
ダイザー軍団を駆逐して行く甲児の前に、頭部から左右合わせて六本の角を生やした魔物が姿を現した・・・
それは、何処かZに似た雰囲気を持ったダイザーだった!
騒ぎを聞きつけ、龍神魔王七大将軍が一人ダイザーが、甲児の目の前に姿を現すと、普段おちょうし者の甲児にも、ダイザーから放たれる気が、さっきまでの雑魚とは違う事が分かった。
「やっと親分のお出ましか・・・喰らいやがれ、ロケットパ~ンチ!!」
甲児が再び腕を前に出し、腕の鎧を射出すると、以外な事にダイザーも甲児と同じようなポーズを取り構えた。
「スクリュークラッシャー・・・パンチ!!」
甲児と同じように、ダイザーの腕の鎧が飛び出した。意外な事に、ダイザーの腕からは人の腕が見えて居た。二つの鎧は互いにぶつかり合い、元の場所に戻る。
(な、何だと!?Zのロケットパンチと同じような技があいつにも・・・しかも、互角だと!?)
Zの下の甲児から、余裕が完全に消えて居た・・・
「う、嘘ぉ!?甲児くんのZと同じような武器が、あの魔物も持って居る何て・・・」
「あ、ああ・・・兜ぉぉ、負けるなよ!!」
さやかとボスが不安そうに甲児に声援を送る。咲苗、つばさ、レイ、モサとミーコも、息を呑み戦いを見守り続ける。レイは万が一に備え、サイコバリアーを何時でも張れる用に身構える。
「フフフ、どうだ?ヘル様より頂いた素晴らしい力は!こんな物もあるぞ・・・半重力・・・ストーム!!」
ダイザーの胸から、重力を遮断する光線が甲児に照らされると、甲児の身体は無重力状態のように空中に浮かぶ、
「な、何だコリャァ!?」
「まだまだ、スペース・・・サンダー!!」
ダイザーの頭部にある6つの角が輝き、稲光が甲児を直撃する。
「ウワァァアァアァァァ!!」
甲児が悲痛な叫び声を上げると、さやかから悲鳴が漏れる。マリアは目を瞑り、甲児を励ました。
(お願い、しっかりして・・・あなたなら必ず勝てるわ!)
マリアのテレパシーを感じた甲児が、首を左右に振りながら我に返ると、
「ち、ちきしょう、油断した・・・まだ、身体が言う事を・・・」
ダイザーが半重力スト-ムを解除すると、甲児は地面に叩き付けられた。
「フフフ、止めだ・・・ダブル・・・ハーケン!!」
ダイザーの両肩から、二つのハーケンが飛び出し、ダイザーはそれらを合体させ、双頭の武器にして、甲児目掛けて突進する。
「チッ、ダブルZブレード!!」
甲児の両足の鎧から、二本の剣が飛び出すと、甲児は剣を両手に取り、二刀流でダイザーと斬り合った。
「な、何なんだわさ・・・あの魔物、Zと似たような武器を持ってる何て!?兜ぉ!負けるんじゃないわよ~!!」
ボスが驚き、必死に皆と甲児を応援する。甲児は軽く舌打ちし、
(チッ、お爺ちゃんが残してくれたZの力・・・)
「Zの力を・・・舐めるなぁ~!!」
甲児の思いに応える様に、Zを装着している甲児のパワーが格段に上がり、ダイザーを押し始め、ダブルハーケンを叩き折る。これにはさしものダイザーも驚愕し、
「な、何だと!?」
よろめくダイザーに、甲児はチャンスとばかりに必殺技を叩き込んだ。
「こいつで止めだぁ!ブレストファイヤー~!!」
甲児の叫びと共に、Zの胸元が赤く輝き、高熱のエネルギーをダイザーに叩きつける。
「グゥゥオォォォ~!!」
ダイザーの悲鳴と共に、ダイザ-の鎧は溶け出した。ダイザーの中が見えた時、甲児は慌ててブレストファイヤーを止めた。
「な、何だぁ!?ダイザーの中に人が・・・どうなってんだ?」
甲児は、呆気に取られながら見ていたが、まだ息があるのを確認し、ダイザーの鎧を剥ぎ取ると、中の人物を連れ、皆の下に連れて行った。咲苗とレイがダイザーの様子を見ると、突然マリアが近づき絶叫する。
「そ、そんなぁ!?に、兄さん・・・デューク兄さん!!」
マリアは、横たわるデュークにしがみつき号泣していると、咲苗が優しくマリアに声を掛け、
「大丈夫よ!命に別状は無さそうだわ!!」
「ほ、本当!?兄さん、しっかりして!兄さん!!」
その時、マリアの呼び掛けに反応したかのように、デュークが目を覚ました。
「ウッウウ・・・僕は・・・エッ?マリア!?僕は今まで・・・」
辺りを見回し、デュークは、今まで自分が何をしていたのか覚えて居なかった。意識を取り戻したデュークに、マリアが大喜びで再び抱きついた。デュークは、街の人々、マリア、甲児から話を聞き、自分のしでかした行いに恐怖した・・・