※この作品はR-18です。

真説・凄ノ王   作:鳳凰009

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第85話:兜甲児と愉快な仲間達

「薄っすらとは覚えているのだが、僕は何て事を・・・あの時、救助に向かった街で魔物と戦っていた僕は、龍神魔王というこの山陰を支配する魔物の配下、将軍の一人ヘルと出遭った!だが、僕の力では遥かに及ばず、ヘルは自分の研究実験として僕に鎧を被せた・・・そこから僕は・・・そうか、あれは全て現実に・・・僕は、取り返しのつかない事を・・・」

 

 デュークが頭を垂れうな垂れると、マリアは兄のせいではないと泣きじゃくり、デュークを庇った。そんなマリアの右肩に手を乗せた甲児は、

 

「何言ってるんだよ、マリアちゃん!そんなの当たり前だろう・・・しかし、ヘルか・・・何処かで聞いた気が!?」

 

 ヘルと言う言葉を聞き考え込む甲児に、一緒に来ていた光子力研究所のもりもり博士が口を開いた。

 

「甲児君、此処で名前が出たヘルと、これから話すヘルが同一人物かどうかは分からんが、昔、君のお爺さんの発言に興味を持った科学者が居った!名をDrヘル!!君のお爺さん、兜十蔵博士が発表した魔神復活論は、滑稽な話として認められず、君のお爺さんは学会に失望し、研究所を弓教授に譲り、世捨て人同然の生活をして居た!そして十蔵博士は、来る日に備え、魔神と戦う事の出来る力の研究に勤しんだ!」

 

 甲児も、その事は亡き祖父から聞いて居た・・・

 

「知人の一人に、超能力の話を聞き、その力と科学を融合出来ないかと十蔵博士は考え、試行錯誤の末、バトルスーツの試作データーを完成させた!そこに、Drヘルが巧みに近づき、十蔵博士の完成したばかりのバトルスーツのデーターを盗んで行った事があった!!危惧を感じた十蔵博士は、改良に改良を加え、今君の纏っている無敵の対魔神用決戦兵器、バトルスーツZを完成させたのじゃ!!」

 

 もりもり博士の発言に、甲児はゴクリと唾を飲み込んだ。もりもり博士は更に話を続け、

 

「じゃが、君も知っている通り、Zにも弱点がある!その強大な力の為、使用者の体力を激しく消耗し、33分33秒しか装着出来ない・・・それ以上の時間を、1秒でも過ぎれば、Zは暴走し、甲児君、君は死ぬ!!ダイザーを見る限り、初期の十蔵博士の案を採用しているとしか思えんのだが・・・しかし、ヘルは70を過ぎる老人の筈・・・魔物に憑依されたとしても、デューク君に勝てるとは到底思えないのだが・・・」

 

 もりもりが首を傾げて考え込む中、甲児は、ヘルメットに備わった音声入力に声を発し、

 

「パイルダー・・・オフ!!」

 

 甲児の掛け声と共に、バトルスーツZの鎧が、元の姿に戻って行く。甲児は首を回し、腕を回して戦いの疲労を軽減させると、

 

「まっ、気にする事無いだろう!?もりもり博士!会って見りゃあ話は早ぇじゃねぇか!!龍神だろうが提灯だろうが、ヘルだろうがベルだろうが・・・悪党なら、この兜甲児と愉快な仲間達が、相手になってやらぁ!!」

 

 甲児の力強い発言に皆は歓声を上げたが、さやかは甲児の発したある言葉が引っ掛かり、

 

「ちょっと甲児くん、愉快な仲間達って誰の事よ?」

 

「そうよ、モサやボス、もりもりさんは兎も角、あたい達美女達に失礼よ!!」

 

 さやかとミーコが、顔を向け合い、「ねぇ」と相槌を打つと、思わず甲児は苦笑した。デュークはヨロヨロ立ち上がると、

 

「甲児君、僕も行こう!!この身体では戦士としては無理だが、君達の道案内ぐらいは・・・」

 

 デュークの言葉に、不安そうな表情のマリアに気付いた甲児は、

 

「気持ちだけ受け取っておくよ!今は、身体を治す事に専念してくれよ!!君の分まで、ヘルの野郎には利子つけて返してやるからさ!!」

 

 甲児はそう言いながらマリアにウインクし、マリアは、甲児が自分の事を気にして、デュークを宥めてくれた事に心底喜び、

 

「甲児・・・気をつけてね!」

 

 マリアは甲児に抱き付き、頬にキスをした!

 

 思わず顔の綻ぶ甲児だったが、その瞬間を見て居たさやかの表情が一気に険しくなり、

 

「な、何なのよ~・・・あの娘は~~!!甲児くんも甲児くんよ、デレデレしちゃってさ・・・キィ~!!」

 

 さやかが般若のような顔で、マリアを威嚇すると、ボスが徐にさやかに話し掛け、

 

「まあまあ、さやかぁ!お前には俺が居るだわさ!!」

 

 その言葉が終わると共に、哀れボスの顔をさやかの鋭い爪が引っかいた・・・

 

「甲児くん、くれぐれも気をつけてくれよ!凄まじい超能力を持った、朱紗真悟と言う人物さえ、龍神魔王には敗れ、捕らわれたようだからね!」

 

 デュークの言葉を聞いた瞬間、ミーコ、モサ、咲苗、レイ、つばさの五人はハッとし、咲苗が取り乱しながら慌ててデュークに問い返し、

 

「デュークさん!今、朱紗真悟って言いましたよね!?そんな、真悟様が、真悟様が・・・」

 

 咲苗がよろめくのをレイが支え、甲児は、五人の表情が真っ青になった事に驚き、

 

「何だぁ!?みんなして・・・朱紗真悟って言う奴は、みんなの知り合いか?」

 

「し、知り合いも何も・・・俺達は、朱紗のアニイに救われなかったら、此処に無事に居られなかったですよ・・・・アニイが負ける何て・・・」

 

 モサは膝から崩れ落ち、思わず涙を流した。女性陣もショックで言葉も出なかったが、甲児はそんな五人を励ますように、

 

「おいおいおい、何暗い顔してるんだ?俺達がこれから向かう場所は何処だ!?その朱紗真悟って奴が、捕らわれている場所に向かうんじゃねぇのかよ?お前らがそんな顔をしてたら、助かる者も助からねぇぞ!!」

 

 甲児の発破に五人は元気を取り戻し、今度は自分達が真悟を助ける番だと意気込んだ。甲児はニヤリとすると、

 

「ヘヘヘン!やっと何時もの顔になったな!よし、行こうぜ!!」

 

 兜甲児と愉快な仲間達は、デュークに聞いた龍神魔王の本拠地に旅立って行った!

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