※この作品はR-18です。

真説・凄ノ王   作:鳳凰009

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第91話:龍の洞窟へ

 一方、変身したハニーは、キューティーハニーとなってザンガーと数回剣を合わせると、ザンガーはハニーの凄さを実感し、その場から逃亡する。追うハニーは、向こうからやって来たイキドマリと出くわした。イキドマリはハニーの姿を見て驚き、

 

「ハニ-ちゃん!?その姿は?」

 

「それより、ザンガー見なかった?」

 

「それが、それが、僕のせいで十兵衛が・・・」

 

 イキドマリは、その場に崩れ去り号泣した。ハニーが話を聞くと、互角の勝負をしていた十兵衛とザンガーだが、捕らえられたイキドマリを人質にされ、十兵衛もまたザンガーの手に落ちて攫われたと告げる。

 

「しまった!?十兵衛ちゃんが・・・おのれ、ザンガー奴!!」

 

 歯軋りしながらハニーの拳が震えた・・・

 

 ハニーはイキドマリに、

 

「私は、十兵衛ちゃんを助けに向かうわ!留守を任せたわ・・・ヒキコモリさん」

 

 ハニーの言葉にイキドマリは頷くも、

 

「ハニーちゃん気をつけてね!でも僕、ヒキコモリじゃなくてイキドマリ何だけど・・・」

 

 ハニーは、そんな事お構いなく、ザンガーの後を追った。自分の情けなさに肩を落とすイキドマリであった。

 

 

 八十八達は、ついにライガー一味の居場所を発見した・・・

 

 そこには、ライガーを始めとした、丸ゴシ達旧ハレンチ学園の教師達の姿もあった。攫われた女性陣は裸にされ、首に首輪を嵌められた姿で、柱に縛られて居た。その中には、アユとジェーンの姿もあった。

 

「酷い・・・何て真似するのよ!今に見てらっしゃい!!」

 

 涼子が今にも飛び出しそうになるのを、慌てて光子が止める。

 

「涼子、焦っては駄目よ!こっちは人質を捕られているんだから・・・」

 

「でも、おばさん・・・此処で時間を掛けている間にも、真悟が・・・」

 

 俯き項垂れる涼子に、八十八がニコリとし、

 

「二人共、此処は俺とマカロニ先生で十分だ!あんた達は、朱紗真悟を救出に向かってくれ・・・なっ、マカロニ先生!!」

 

 八十八が目でマカロニに合図を送ると、マカロニも頷き、

 

「ああ、元々あいつ等との決着は、俺達ハレンチ学園の関係者で付けなければと思って居た所だ!!二人は安心して龍の洞窟に向かってくれ!!」

 

 マカロニが親指を突き出し、涼子達にウインクする。

 

「二人共・・・でも、私達もこのままじゃ・・・おばさん、おばさんは此処で、八十八君を援護して!真悟は私が救出するわ!!」

 

「む、無茶よ、涼子!」

 

 涼子の発言に、光子が目を丸くして首を振るも、

 

「大丈夫、無茶はしないわ!」

 

 涼子の目を見た光子は、やっぱり姉和子の子供だと改めて思うのであった。姉同様、涼子も自分で決めた事は変えないだろうと悟る。

 

「分かったわ・・・でも、絶対に無茶はしないように!直ぐに私も後を追うから!!」

 

 涼子は頷き、八十八とマカロニにウインクしてその場を後にした。

 

「いいのかい?此処は龍神魔王の本拠地に近いんだぜ!?」

 

 八十八が涼子を心配し、光子に問い掛けると、

 

「大丈夫、あの娘も朱紗一族だもの・・・さあ、作戦を考えましょう!!」

 

 三人は救出方法を思案するのだった・・・

 

 

 

 ハレンチの砦では、ザンガー部隊の生き残りがまだ暴れ回って居た。ハニーと分かれたイキドマリは、魔物の群れに囲まれ絶体絶命に陥る。

 

「ヒイィィ!オ、オヤブ~ン、アッアア・・・」

 

 恐怖で引き攣るイキドマリは、死を覚悟した・・・

 

 その時、一陣の風が通り抜けると、魔物の群れは身体に風穴をあけて倒れこみ息絶えた。思わず腰が抜け、その場にへたり込むイキドマリは、一人の魔を発見した。全身を鋼のような筋肉で包み込み、頭から二本の角を生やす魔を・・・

 

(ヒィィ、まだ居たぁ・・・)

 

 殺されると思ったイキドマリが、ガタガタ震えて居ると、

 

「おい、そうビビるな!見かけは化け物になっちまったが、心は人のままだぜ!!俺は、合田!合田源児だ!!お前に聞きたい事がある!!」

 

 魔物の正体は、かつて真悟とボクシングで死闘を演じ、後に真悟の仲間になった合田源児だった。合田は、凄ノ王パニックを何とか生き延びたが、黒い塊に身体が触れた時、魔に憑依された。しかし、合田の精神力は魔を上回り、人の心を失わなかった。もっとも、その精神力の源は、愛する女性、朱紗涼子を探し出し守る事であった。

 

 人々が、合田の姿に恐れおののくのにお構いなく、合田は涼子を捜して各地を巡り、山陰地方にやって来た。

 

「此処に、朱紗涼子っていう高三ぐらいの女性が居ないか?」

 

 震えていたイキドマリだったが、涼子の名を聞くと目を見開いて驚き、

 

「エッ!?涼子さんは、昨日まで此処に居ましたが、此処を襲撃した魔物を追って、家のリーダー達と行っちゃいましたよ・・・仮に魔物を倒しても、弟さんが龍神魔王に捕まったのを、そのまま助けに向かわれたと思いますけど・・・」

 

 イキドマリが恐る恐る合田に教えると、

 

「何ぃ!?昨日まで涼子は此処に居たんだな?そうか、無事で居てくれたのか・・・」

 

(だが、朱紗が捕まっただと!?俄かには信じられんが・・・)

 

 その時、砦内ではまだザンガー部隊の生き残りが暴れて居て、ヤマト達と戦って居たが、

 

「情報を教えてくれた礼だ・・・」

 

 合田はそう言うと、風のように舞いながら魔物に近づき、拳で敵を倒して行った。魔物が魔物を倒す姿に、呆気にとられていたヤマト達だったが、イキドマリが一同に合田を紹介する。

 

「あっ、皆さん、こちら合田源児さん!姿は魔物になっちゃいましたが、心は人のままだそうです・・・それに何と、朱紗涼子さんの彼氏だそうです!!」

 

 その言葉にヤマトが大いに驚き、イキドマリの何気ない一言に、合田の身体が真っ赤になって行く。

 

「おいおい、からかうなよ!」

 

 そう言いながらも、悪い気がしない合田は、ニヤリとしながらイキドマリの背中を軽く叩くと、イキドマリは吹っ飛んで行った。

 

「スマン!魔物の身体になってから、力の加減が難しくてな・・・お~い、大丈夫か~?」

 

 足をヒクヒク痙攣させるイキドマリを、合田が持ち上げて詫びる姿に、ヤマト達は思わず微笑んでしまった。だが、合田の名を聞き、青沼だけはビビって居た。

 

(合田源児と言えば、安の・・・俺の事も聞いて居るだろうな・・・)

 

 青沼は意を決し、合田に話し掛けると、

 

「合田さん、俺は嘗ての耳宇高校2年の青沼一馬です!合田さんの噂は、安から良く聞いて居ました!」

 

 意外な人物の名を聞き、合田がジロリと青沼を睨むと、青沼はビビリながらも、合田の目を見続けた。

 

(これが、青沼グループの・・・聞いていたイメージと全然違うな?)

 

「では、お前が朱紗の彼女を・・・」

 

「はい!俺達が雪代さんに取り返しのつかない、酷い事をしました・・・この世に魔物が溢れた時、俺は魔に憑依されてしまいましたが、朱紗君や、朱紗君のお母さんのお陰で、人の心を取り戻す事が出来たんです!合田さん、朱紗君を助けてやって下さい!!」

 

 合田の本能が、青沼を信じられる男だと判断する。

 

(ウ~ム、あれからこの男に何があったかは知らんが、此処まで人は変われるものなのか?)

 

 合田は、青沼をマジマジ見て居たが、

 

「フッ、お前も色々あった様だな・・・お前に言われるまでも無く、涼子と共に、朱紗も助ける!俺も奴には借りがあるからな!!」

 

 騒ぎを聞きつけ、小百合と京子も出てきたが、京子は合田に脅え、小百合は最初こそ震えたが、やがて合田に微笑むようになって居た。

 

「おい、青沼!あの娘が朱紗の?」

 

「あっ、はい!彼女が雪代小百合さんです!!まだ、俺は完全には許してもらえては居ないんですが、側に居ても、恐れられる事だけは無くなりました!」

 

 青沼が苦笑しながら合田に話した。合田は頷くと、失神から目覚めていたイキドマリに、龍神魔王の居城、龍の洞窟の在りかを聞いた。

 

「なるほどな、そこに朱紗が捕らわれて居るという訳か・・・お前達、世話になったな!俺はこれから、龍の洞窟に向かう!!」

 

 合田が意を決した表情で立ち上がり、旅立とうとすると、

 

「待って、待って下さい!俺も・・・俺もあなたと一緒に、龍の洞窟に向かいます!!」

 

 そう言葉を発したのはヤマトであった。ヤマトは、自分をこの地に呼び寄せた女性が、龍の洞窟に居るような気がして居た。そんなヤマトの申し出を、合田は別に構わないと言い、合田とヤマトという奇妙なコンビが、ハレンチの砦を旅立って行った・・・

 

           第七章、龍神魔王・戦士集結編

                  完

 

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