※この作品はR-18です。

やはり俺の英語教師がめぐり先輩というのは間違っている   作:町歩き

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寸止めって大事。そんなお話です。


ありふれた掛け替えのない時間

お昼のニュースを見ながら、自分たちで作った料理を美味しくいただく。

そんなありふれた掛け替えのない時間に浸りつつ、先輩が作ってくれた卵焼きをゆっくり

味わいながら食べていると、先輩が流れたニュースについて思ったことを口にする。

 

「うわぁ~、八幡くん。お金払ってさ、こんな緑色のお肉を食べさせられたら嫌だよねえ」

 

「全くですよね。確かここってスマイル0円を売りにしてましたけど、

こんなんじゃ客の笑顔が0になりますよ」

 

答えると先輩はけらけら笑い出し、その笑顔を見て俺はほっこりしてしまう。

この笑顔になら財布の中身を全部出してもいい、そう思えるくらい素敵な笑顔。

思いつつ食事を続けていると先輩が俺が作った料理を褒めてくれた。

 

「八幡くんが作ってくれたほうれん草の胡麻和えと油揚げと里芋のおひたし

凄く美味しいね。なんかさっぱりしてて良い感じだよ」

 

「お口にあったなら良かったです。しょっぱくはないですか?」

 

「うんうん。これかかってるの、お醤油じゃないよね?」

 

「めぐりさんが持ってきてくれた野菜、どれも美味しいんで、素材の味が引き立つよう

かけてあるのは蕎麦つゆを希釈したやつですよ。

それだと薄味醤油よりもほんの少しのしょっぱさ加減になるんで、いいかなって」

 

「蕎麦つゆか~。なるほど、こういう使い方もあるんだねー」

 

先輩は感心したようなほーとした声をあげて言うと、なにやらもじもじしだす。

 

「それとね、持ってきた野菜、褒めてくれてありがとう。一生懸命育てたから嬉しいです」

 

「いえいえ。こっちこそ、お相伴させていただけて嬉しいですよ」

 

答えると、先輩は「うふふん」と満足気な笑みをにんまりと浮かべてくれた。

その笑顔に微笑みを返しながら、唐突に思い出したことがあったので口にしてみる。

 

「そういえば、めぐりさん」

 

「なーに?」

 

「さっきの話、確か桂剥きから始まった気がするんですけど」

 

「あー、そっかあ~。うん、それでね、八幡くん」

 

それまでの間がまったくなかったように話し出す先輩に驚愕しつつ、視線で先を促す。

 

「そうやって皮むき器を作って生計を立ててる人がいるのにだよ。

八幡くんのようにそれを必要としない人がいたら、その人たち可哀想じゃない?」

 

「い、いや……。ちょっと待ってくださいよ、めぐりさん。

なんか俺が悪いみたいな流れにもっていくの、止めてくれませんかね……」

 

言うと、先輩はずずいっと前のめりになってにこぱっと微笑む。

 

「じゃあ今度ね。八幡くんが上手な桂剥きのやり方、私に教えてくれる?」

 

「いいですよ。二人で一緒にもっと美味しいものが作れるよう、またご飯作りましょうね」

 

「うんっ!」

 

そんなやり取りを交わしながら、俺と先輩は楽しい食事を続けるのだった。

 

 

 

× × ×

 

 

「うう……、苦しいよお」

 

「めぐりさん。食べてすぐ横になるのは、お行儀が悪いですよ」

 

「だってえ~」

 

「だってじゃありません」

 

「う~……」

 

食事を終え洗い物を済ませると、先輩はリビングにバタンッと倒れ込んで唸り出す。

まあ確かに作りすぎた分を先輩一人にお任せした俺も悪いのだが、まさか平らげてしまうとは。

 

「めぐりさん、結構食べる方なんですね」

 

「う~ん、普段はそんなでもないんだけどねえ。なんか美味しくって、ついね」

 

床におでこをぐりぐりさせながら先輩は言うと、苦しい苦しいとぶつぶつ言い出す。

まったく困った人だな、と呆れた気持ちになりながらもそんな風に言われると

少しくらいお行儀が悪くてもいいかもな、と思ってしまう。

 

「背中、さすりましょうか?」

 

「うん、お願い~」

 

先輩は言うと背中を向けてきたので、そっと手を添える。

そしてゆっくりとその背をさすっていると、先輩が眠そうな声で小さく呟く。

 

「あぁ……幸せだなあ……」

 

その呟きに目頭が熱くなるのを感じていると、先輩が声を掛けてきた。

 

「八幡くん」

 

「なんですか? めぐりさん」

 

「八幡くんは、幸せかなあ……」

 

どう返せばいいのか悩み頭の中であれこれ言葉を組み立てるが

多分思ったままを伝えたほうが良いように感じ、そのままを口にする。

 

「……めぐりさんといれて、幸せですよ」

 

答えると、先輩はぐふふっと笑い出す。

喜んでもらえてなによりだが、その笑い方は海老名さんみたいだからちょっとやめて欲しい

そう思っていると、先輩はころんと仰向けになりこちらへと手を伸ばす。

 

「八幡くん。抱っこ……」

 

言われて少し戸惑ったが先輩がぼんやりとした目で見つめてくるので

恐る恐る体を屈める。

すると先輩は俺の首に手を回し抱えるようにぎゅっとしてきたので、

その背中に手を入れ柔く抱きしめる。

微睡むような感覚の中、頬が触れ合い鼓動が速くなるのを感じていると

先輩が耳元で甘く囁く。

 

「八幡くん。そういうこと。その、してもいいよ……」

 

 




いいとこで終了。残念無念また今度です。

これ、18禁にしたほうがいいのかなー。
まあそうすると、ひなたさん読めなくなりますね。ふふふ

それでは次回で。
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