ラリドンと木々が生い茂った自然の村では、ロレッタという少女がギルドマスターをやっている。
僕は時々旅の途中、ロレッタに会うために何度かラリドンに寄ったりしているのだが、最近はめっきり彼女に会うこともラリドンへ行くこともなくなった。詳細に言えば、ラリドンへ行きたくない、個人的にどうしても行けない理由があった。
それは、ラリドンの森の巫女……ロレッタらが守り続けてきた神託の指輪スマラグドを僕は代わりに守ってほしいと渡されたにも関わらず、あっさりと敵にその指輪を奪われてしまったのが原因だった。
神託の指輪は叡智の鍵。全の円環を解放するそれは神聖的なものであると同時に危険な代物である。
そんなものを任せるほど、ロレッタは僕のことを信用してくれていたのに……。
だから今日はその事を伝えるために、ようやく僕とウィズは重い腰を上げてラリドンへと向かった。
「はあ……どうしよ。ロレッタに軽蔑されたりするのかなあ、嫌だなあ」
ラリドンに到着してからも僕は弱音を吐く。村は相変わらず自然の活気に満ち溢れていた。村人は畑を耕したり木に実った果物を収穫したりなど元気なようだ。
「ごめんにゃ。私があんな間抜けなことをしなければ……」
「ウィズが気にすることないよ。僕にもっと力があれば、ウィズが人質になることも指輪を奪われることもなくて済んだんだから」
本当なら指輪を奪った犯人、リアナを引っ捉えて指輪を奪い返したいところだが、あの時以来行方も掴めていない。
「ありがとう、気遣ってくれて。あ、でもロレッタはそれくらいじゃ君の事を軽蔑したりしないにゃ。ロレッタは優しいし、それは君もよく知ってるはずだにゃ」
「優しいのは同意だけどさ。頼まれた指輪を奪われた挙句、今更それを報告しに行くんだよ。軽蔑はともかく、怒られたりはするんじゃないかなあ……」
「にゃはは、き、きっと大丈夫にゃ……たぶん」
指輪を奪われたことを報告したらロレッタは僕のことをどう思うか、それを考えるだけで胸が締め付けられて苦しくなってしまう。
いかん、気持ちが後ろ向きになってしまっている。ようやくロレッタに本当のことを話す決心がついたというのに。
ここは自身を鼓舞しないと。小さなギルドの入口の前まで来て、大きく深呼吸してから気合を入れる。
ドアを開けると同時に僕は大きく挨拶した。
「よし。た、たのもーー!!」
「力みすぎにゃ! それじゃあ道場破りだにゃ!!」
つい、うっかり。ウィズに盛大にツッコミをされてしまうくらいのへんちくりんな挨拶をしてしまった。うぐっ……気合を入れたはいいが、そのせいで変な挨拶になってしまった。
後悔しても遅く、僕の大きな声は当然ギルドの中の人にも聞こえるわけであって。小さなギルドだから人は少なかったものの、中にいたロレッタと過去にロレッタの看病をしていた女性が目をキョトンとさせ僕を見ていた。
「あ、あなた……!? 最近来ないと思っていたら……どうしてたの」
……あ、あれー?
てっきり、時間さえ凍るような寒い空気になる、と思っていたのだが、ロレッタと女性は驚いた様子で僕の元まで寄ってきた。
あ、そうか。ここのところ全くラリドンに訪れていないから、僕が久しぶりに来たからそれでびっくりしているんだ。
「ずっと、会えなくて……心配したんだから……そしたら今度はいきなり来るし……」
「あはは、ごめんごめん。魔法の腕も上がってきたからさ、その分依頼が増えたりして昨日やっと全部消化したんだ。それで今日はロレッタに会いに来た……て、わけ」
「そ、そう……私ほら、影薄いからてっきりあなたに忘れ去られたのかと……」
「いやいや! ロレッタを忘れたりするはずないよ。一日も忘れたことない」
ロレッタを忘れるなんて言語道断。ずっと会いたくても、その気持ちを抑えてきたのだ。こうして会えたことを嬉しく思っている……が、ここに来た本当の目的を忘れた訳では無い。
しかしどうにも今は指輪のことを話せる雰囲気ではなかった。
「そ、そうはっきり言われると恥ずかしいよ……。でも……そうなんだ、どんどん強くなっているのね……あなたに指輪を任せて……本当に良かった。今も指輪を無事なんだよね」
「う、うん! もちろんだよ」
ぎゃあーーーっ!! 何やってんだ僕、言い難いからと言って、爽やかに嘘を付いてしまった。
……うわー、ロレッタも女性の方もほっとして嬉しそうにしてる。これは前言撤回できないよなあ。
ウィズも何やってんだボケと言わんばかりに僕の耳に思い切り噛みつ……ぎゃー!? バカやってしまった事は自覚しているけど容赦無さすぎだろ!!
「あらあら。黒猫ちゃんったらお腹空いてるのね」
女性が微笑ましげにその光景を見つめる。普通お腹すいたからと言って飼い主に噛み付く猫なんていないと思うんですけどね! 僕達の場合は別に飼い主飼い猫という関係ではないんだが……て、ウィズそろそろやめろ!?
なんとかウィズを引き剥がしたところで会話を再開した。
「そうだ。……村の人たちみんな、あなたの帰りを待っていたの……祝宴をするために」
「祝宴?」
「あなたはラリドンとロレッタ様を救ってくださった救世主。村の住人はみんなあなたに感謝しているのです。それでこの間、聖域の深層が徐々に復活してきたので記念に祝宴を企画していたのですが、あなたへの感謝への祝いも兼ねて、あなたが来るまで祭りをしないで待っていたのです」
「聖域が復活したのか!!」
聖域といえば指輪の叡智の扉より現れた腐龍によって自然のほとんどが枯れたはずだ。
前来た時は復活の目処さえ立っていなかったけど……良かった。
「うん、村の人たちと協力してなんとか……。だから今日は祝宴をしよう……あなたへの感謝と、聖域の復活を祝って」
「あなたが来てから祝宴をしようという案はロレッタ様が考えてくださったのですよ。それにロレッタ様は何かと理由付けてあなたに会いたがってましたから」
「そ、そういうのは……言わなくていいから。そ、それより……今からみんなを呼んでくるから……祝宴の準備をしよう」
そう言って、ロレッタと女性は外に出ていく。僕とウィズはギルドの中に取り残された。
……さっき女性が、ロレッタは何かと理由を付けて僕に会いたがっていたと言った。それってつまり僕に会いたかったという意味だよな、というかまんまそれだよな。
なんだろう。心臓がドキドキとすると同時に嬉しくなってきた。
「君、さっきから何をニヤニヤしてるにゃ。指輪のことはどうするにゃ?」
「…………あ、はぁ〜っ」
そうだった。本来の目的は指輪の報告だよな。つい嘘をついてしまったけど、どうやって説明しよう。あの時僕が嘘なんてつかなければまだ少し楽に報告できたかもしれないのに……ああ、自分で自分の首を締めてる感が半端ない。おかげで先程のドキドキも吹き飛んでしまった。
……でも今言えば、祝宴がギクシャクしてしまいそうだしなあ。
「言いづらいなら私からロレッタに言うにゃよ、元はと言えばあれは私の責任だし」
「……僕が言うよ。任されたのは僕なんだし、嘘までついてしまったからね」
「わかった、だったら私はせいぜい君とロレッタの関係を隅から見守るにゃ」
「ウィズ……お前の方こそニヤニヤしてるみたいだけど、一体何を考えてるんだ?」
「何でもないにゃい、せいぜい頑張るといいにゃ、にゃははは」
「あ、おい」
良からぬ笑みを見せるウィズは、僕の質問をはぐらかしてギルドを出ていった。あれはもしかしなくても楽しんでるな? 流石は猫になっても師匠というか、弟子の感情の機微には鋭い。
ともかく僕は指輪のことをどう伝えるか試行錯誤しながらウィズの後を追うのだった。
■
祝宴は夜になってもなお続いた。明日のために家に帰って眠りについた子供たちもいれば、料理をどんどん運んでくる村の女性や酔っぱられてもひたすら酒を飲み続ける男たちもいる。
僕も満腹に差し掛かり、デザードのフルーツを摘んでいた。ラリドン産のフルーツはどれもこの日のために用意した新鮮な採れたてで、口にすれば甘い味が口内に広がった。
ウィズはと言うと、猫らしく魚をがっついいた。ずっとさっきからその様子しか見てないが、どんだけ食ってんだ……。
「ねえ……ちょっと、いい」
楽しそうに騒いでいる村人達を眺めながらゆっくりとフルーツを食べていると、後ろから声がして振り向くとそこにはロレッタがいた。
彼女の姿を見て、指輪の事を伝えなければならない気持ちがふとこみ上げてくる。……だが、正直、伝えるのが怖くてその気持ちに蓋をした。
平然を装って僕は答える。
「どうしたの?」
「あなたに聖域の状況を見せたくて……よかったら一緒に行こう……」
ああ。そう言えば、僕は聖域が腐龍に侵されてそれ以降、一度もそこを見ていない。聖域を初めて見た時は、聖域の空間は神秘的とも思わせる自然に満ちており、荘厳な光景だったことを覚えている。
どれ、今の聖域の状態が気になるし行くとしますか。
「そういうことね、おけ。僕も気になるし行ってみよう」
そう言った時、それってつまりロレッタと聖域に二人きりて事だよなあ……と気づく。べ、別に嫌らしい事は考えていないぞ、ちょっとだけしか。
■
そして僕達は聖域の深層へとあっさりとたどり着いた。
前は封印によりここに入ることすらも不可能だったが、今は誰でもすんなり通れる状態だ。聖域の途中までは魔物がちらほら沸いていたのだが、腐龍に魔物たちが怯えて以降、寄り付くことはなくなったらしい。
「封印の力はまだ戻っていないんだな」
「復活したばかりだから……まだ草木や花がちょっと豊かになったくらい……もう少しすれば……前みたいに綺麗な場所になるよ」
確かに腐龍に荒れ尽くされた時よりは、少しは自然が元に戻っているしあの時よりも空気が綺麗な気もする。しかし当初よりは、やはり草木や花は小さくそして足りない。腐龍に怯えて逃げたのは魔物だけでなく、動物もここに帰ってこないらしい。賑やかなくらい聴こえていた鳥の鳴き声も、今は極わずかしか聴こえない。
それでも、やっぱりここは聖域というだけあって魅入ってしまうくらい、綺麗な場所だしなによりいるだけで気持ちが穏やかになれた。夜ということもあってより幻想的に見える。
これで少しだけ復活したということなのだから、ここからさらにもっと美しい光景を見せてくれることなのだろう。その時には動物もここに帰ってきてるかもしれない。
「そうなんだ。楽しみにしてるよ」
「うん。その時は……封印の力は戻ってると思うけど……指輪はそのままあなたに任せようと思うの。……これからもお願いしていいかな?」
「…………っ!」
言おう言おうとは思っていたが、やはりここで言うべきだろうか。ロレッタに指輪の事を問いかけられた瞬間、そんな感情が蓋を破って込み上がってきた。
自分の顔がなんとなく苦痛に歪んでいるのが分かる。ロレッタはそれを不思議そうに見ていた。指輪を奪われたと知ったら、ロレッタの瞳には僕がどう映るのだろう。
軽蔑する? 恨まれる? 一生顔を合わせてもらえなくなる? ……まさか、許してくれるとでも?
先の知らない未来は恐怖を膨張はさせるばかりで、それだけで僕は狼狽える。それでもなんとか「言わなければならない」という一心で彼女から目をそらさずにしっかりと見つめる。
「どうしたの?」
「あ、いや」
う……やっぱ怖っ、ああダメだダメだ! 今がチャンスというか、そのような状況なんだから今言わないと。
「ロレッタ、話があるんだ。その……指輪のことで」
そう切り出した後は、自身でも驚くほどにペラペラと指輪の真実と行方を言うことができた。
だけど指輪の事を言えば言うほど、どうしても空気が重くなっていくのが分かる。だけどここまで来たからには逃げるわけにはいかないし、そのつもりはない。
今日、久しぶりにロレッタに会って、指輪の事を尋ねられた時に嘘を吐いてしまったことも全てさらけ出した。
「そう……なんだ」
勘違いかどうかは分からないが、いつもより違う声音でロレッタはぽつりと言う。いつの間にか自然とまた僕は彼女に目線を合わせられなくなっていた。今はすっかり顔を合わせられなくなっている。
「本当にごめん」
「最近……会いに来てくれなかったのも……それが理由?」
「うん」
「あなた達に……怪我はなかったの?」
「疲れたくらいで、なんとも」
「そう……それなら、良かった」
それ以上、何も問われることは無かった。それはおかしいと思い、僕はハッと顔を上げる。
「え、ロレッタ。普通ここは怒るとこなんじゃ……」
むしろ怒ってくれないとバツが悪いというか。僕がM気質というわけではなく。
「怒るとしたら……全く私に会いに来てくれなかった事を……怒る、かな」
「……ああ、それもごめん」
「全然会えなくて……ずっと、心配してたんだから……そこは反省して」
「は、はい……それで指輪のことは?」
「怒ってないよ……それよりも大変な目にあったんだね。あなた達が無事で良かった……」
ん……怒ってない? 僕の聞き間違いでなければロレッタはそう言った。でもそれが真実ならそれはそれでおかしい。
僕はロレッタが代々巫女として守ってきた指輪を託されて、それを敵にしかも情けないくらいにあっさりと取られたのに。……それを怒ってないって。
「指輪が無くても……あなた達が無事で……たまにラリドンに来てくれるなら……私はそれでいいんだよ……」
ロレッタはそう言うと、僕の方に近づき後頭部に腕を回してきて、自分の胸に抱き寄せてくる。
て……え? これってもしかしなくても抱きしめられてる!??
うわわ、ロレッタってこんな大胆な女の子だったか? もっと人見知りが激しくて、恥ずかしがり屋だったような……だったらなんで!? ええ!? ど、どうしてだだだだ!?!? しかもなんか女の子の甘い匂いがしてるんですけど!?
ひ、ひとまず落ち着くんだ僕……。
「あの……ロレッタ、これは?」
「だ、抱きしめてるんだよ……もしかして……嫌だった?」
「そ、そんなことない」
そんなことはない……ないんだけど自分の顔がめっちゃ真っ赤になってるのが分かる。あと体の底がどんどん熱くなって、ロレッタの匂いを嗅ぐだけで頭がクラッとしてしまいそうな慣れないようで心地よい感覚。
その感覚に意識すら呑まれてしまい、身を任せてしまいたくなる。気づいた頃には僕とロレッタの唇が近づいて……
「んっ」
やがて重なる。しばらくの間、ロレッタに会えなくて辛かった思いが一気に吹き飛んだ気がした。
僕達はお互いにこうなることを望んでいたのかもしれない。だけど、僕は指輪のことばかりに気取られてそれに気づくことができなかったのかもしれない。
ぷるんと柔らかく瑞々しい唇を軽く味わってから離すと、ロレッタは極度の恥ずかしがり屋なだけあって、熱で爆発するんじゃないかと思うくらい顔を真っ赤にしていた。心做しか、ふらふらしてるようにも見える。
「ロレッタ、大丈夫?」
「う、うん………心臓がドキドキしてるけど……とても……嬉しいから」
「あ、ああそうなんだ。でも体調悪くしたら危ないから今日はもう帰ろうか?」
「いいえ。これくらいならまだ大丈夫だから……それに、その……まだ足りない気がするし……」
足りないというのはキスのことだろう。ロレッタはすっかり僕に体をすり寄せて唇を愛おしそうに見ている。
……実をいうと僕もまだ物足りない。夜の森の奥に二人きりという事もあって、その欲望を抑えられそうにもない。
「あっ……」
僕はふらふらしているロレッタをお姫様抱っこすると彼女がぽつりと声を漏らす。聖域の中心にそびえ立つ巨大な老木の根の部分に背を預けさせてなるべく楽な状態を維持させる。
体が弱いロレッタもこれなら少しは安心できるだろう。
「じゃあするよ、続き……」
「う、うん…………ちゅる、んん」
そう言って僕は、老木に背を預けたままのロレッタと唇を重ね合う。
互いの唇を押しあったり啄んだり吸ったりして柔らかい感触を堪能していると、静かな聖域に控えめな水音が響く。
ちゅぱっ……くちゅっ、ちゅぷっ……
僕はキスをしたままロレッタの髪を撫でたり細くも心地よい肉付きをした二の腕を揉む。髪はふわふわと柔らかくそれでいて滑らかで、二の腕は一度触れてしまうだけでいつまでも堪能してしまいたくなるほどの極上の触感をしていた。
僕はなるべくロレッタを気遣いながら試しに舌で唇を割って舌先を少し挿入すると、彼女の方からもちろっと舌先を出してきて舌先どうしでつつき合う。絡め合うような深いキスまではいかなくとも、どうすれば彼女は喜んでくれるかどうすれば気持ちよくなれるか、そう考えてキスをするだけですごく幸せな気分になれた。
僕はそのまま唇から首筋へと舌を這わせていく。
「……ん、はああ、首、くすぐっ……たい、んあぁ……」
ロレッタは身を少し震わせながら、甘い嬌声を漏らす。舌先からは彼女の首筋の薄い肉付きの感覚と癖になりそうな甘い味がして、涎でテカテカになるまで首筋が舐め続けていく。
愛撫されて喘ぐ艶かしいロレッタの声を聴きながら、次に布越しにお世辞にも大きいとはいえない胸へと僕は顔を埋める。見た感じ大きくはないものの、僅かながら女性らしい柔らかい感触があった。
思わず鼻息と呼吸が荒くなり、顔をさらに埋めてロレッタの匂いと胸の感触を盛大に味わう。
「私、胸……小さいのに……そんなに胸が好きなの?」
「うん。好きだしとても気持ちいいよ」
「それなら……もっと、気持ちよく感じるために……服脱いだ方がいいよね」
「いいの?」
いきなりそこまでレベルを上げて悶え死にしたりしないだろうか? そう冗談半分で考えたがロレッタならありえる気がしてきた。
「いいよ。その代わり……私の色んなところをもっといじって……私もあなたのこと感じたいから……」
「わ、わかった。それじゃあ脱がすよ」
そこまで言われると断ることもできない。興奮で震える手をどうにか動かしながら、衣服のボタンを一つずつ外していく。一気に上半身を抜かしてブラのホックを取ると、ロレッタは上半身に一糸まとわぬ姿になる。細身で華奢でありながらも美しい体型と小ぶりで可愛らしい乳房が露わになったロレッタは顔を朱に染める……が、僕の行動に期待しているかのように瞳は潤んでいた。
普段は物静かなロレッタのエッチな姿に僕は思わず生唾を飲み込む。
ロレッタの胸へと手を添えて力を加えると、手全体が僅かな膨らみへ沈んでいく。
そこからさらに両手で胸を揉んだり、こねたり、乳首を摘んだりしながら柔らかな感触を楽しむ。
それだけに留まらず、僕はロレッタと唇を重ねて舌を絡めあっていく。さっきよりもさらに興奮しているせいか、僕もロレッタも貪るかのように互いの舌と唇を求めあった。
れろっ、じゅるじゅるるっ、ちゅぱぱ、くちゅるるっ
痺れるような味わい深いキスに夢中になり、胸を揉みしだくと重なった唇の隙間からロレッタの吐息が漏れる。
唾液を混ぜ合うような激しい口付けを続けた結果、口元や頬の周りには唾液がまとわりついていた。興奮で羞恥心が麻痺してるのか、ロレッタは僕の頬と口元についた涎を大唇をつけて大胆にすすってくる。
「ずずっ、んはっ……このキス、最初はすごく恥ずかしかったのに……だんだん気持ち良くなってる……」
どうやらロレッタは快楽の虜になってしまったらしい。目は淫靡に染まっており、彼女の体に触れてみると熱を帯びていた。
このあたりまでくれば次に進んでもいいのかもしれない。
僕はもう一度ロレッタに軽くキスをすると、胸へと口をつけて乳首を舌で弄んでいく。すると、ロレッタは体をよじらせて、特に下半身をもじもじと動かしていた。
「ふあ……おっぱい舐められて、変な感じなのに……気持ち、いいっ……んあ」
ロレッタの身が怯んで乳房が離れそうになるがすかさず吸い付いて離さない。ちゅぱちゅぱっ、と水音を鳴らして吸い付きながら、下半身の下着に手を入れて指先で秘部に触れてみる。
ねちょりとした温かい愛液と柔らかい秘肉の感触が返ってくる……どうやら僕の知らない間にロレッタは少しイってしまったらしい。
彼女の表情を見ると物欲しそうに僕を見て、秘部を指で軽く刺激すると切なそうな甘い吐息を漏らした。猥りがわしいその姿は男の脳をショートさせてしまいそうなほど官能的で、月明かりに照らされて素肌を晒した森の巫女の姿はどこか美しくもあった。
「そんなに……じっと見つめられると、恥ずかしい……」
性的かつ綺麗なその姿に思わずボーとしてしまい、ロレッタが震える声で話しかけてきてハッとなった。
「あ、ごめん。それじゃあ続けるよ」
そう言うとロレッタはこくりと頷き、秘部へと指を何度か這わせてから中へと挿入していく。そこから、じっくりほぐして行くようにして軽く指を前後させはじめる。ぐちゅぐちゅっと愛液と秘肉と指が交わる音が響く。
「はああぁっ、んん……んやあっ……」
ロレッタは蕩ける表情で嬌声をあげながら腟内の刺激に身を震わせる。彼女は体が丈夫ではないため、少し遠慮していたが、ここまで感じてくれるようならあまり問題は無いようだ。
少し早く、そして少し強めに膣壁に指を押し付けたり前後に出し入れしてこすりつけたりなどして、ロレッタを快楽へと導かせる。
気持ちよさそうに感じている淫らな彼女を見ているだけで、僕自身もそんな彼女に酔いしれる気分になりそして興奮していた。一物はズボン越しから見てもわかるほどガチガチに固く大きくなっており、それにロレッタの手が偶然当たる。
「ひゃうっ……え、ええっ! も……もしかして、これって……もしかしてあなたもものすごく興奮しているの?」
「ま、まあね」
さすがにここまでしておいて興奮してないのはありえないだろう。しかしそれでも予想外の僕の一物の大きさにロレッタは驚いていた。
そして彼女はもう一度、今度は両手を一物に添えてきた。
「ろ、ロレッタ……?」
「男の人は、おちんちんを大きくしてるだけでつらいんだよね…………大丈夫、私があなたを気持ちよくしてあげる…………」
そう言って、ロレッタは僕のズボンとパンツをまとめてずらして露わになったガチガチの肉棒に舌を這わせてくる。キスのおかげで熱を含んだ生温かい舌で亀頭を舐められて、くすぐったいのと快感が同時に襲ってくる。気持ちの良い舌ざわりが何度も肉棒に刺激を与えてきて、ぴちゃぴちゃと涎を絡ませてくる。
ロレッタの舌使いはぎこちないものの、逆にそれが返って心地よい。舌にされるがまのの肉棒をこれでもかというくらい硬くなってもピクピクと快楽に震えていた。
「んっ、れろっ……どうしてだろう、いつまでたっても収まらない……もしかして、あまり気持ちよくない?」
「っ……すごく気持ち良いよ。でもロレッタがよければさらに気持ち良いことをしたいかな」
彼女の舌でもうしばらく受身のまま快楽を受けるのもアリと言えばアリだが、肉棒は快楽を得れば得るほど大きくなるばかりで自身も欲求不満に陥ってることがわかる。
だからもっと強い快楽を得たい……そういう意味で視線をロレッタに向けると、彼女は首を縦に振っていた。よく見れば秘部は先程よりも濡れていて愛液が月明かりを反射してより淫靡になっている。ロレッタもあれだけでは足りないと我慢していたのだろう。
僕は彼女が同意したのを確認して、改めて彼女を老木の根の部分に背中を預けさせる。愛液に染まってしまった下着を脱がして秘部を露出させてから、ロレッタの良い肉付きをした太ももを掴み股を開かせて肉棒を秘部へと近づけて、きつく押し返すような膣内へ少しずつ挿入していく。
「あっ、ふぅあ……す、すごい、ふとい……っ!」
性器が擦れ合い絡み合う快楽に僕とロレッタは身を震わせる。
膣壁がきついくらいに肉棒を締め付けてきて、僕は射精感に必死に耐えながらも愛液の滑りを利用しながらなんとか膣肉をかき分けて奥まで突き入れていく。
なんとか奥部まで挿入できたものの、ロレッタは身を悶えさせながら少し苦しそうな息を上げてくる。そりゃあそうだ。ものすごく狭い腟内に半ば無理矢理に一物を挿入したのだから。その証拠に膣壁が絶え間なく一物を締めあげてくる。
僕は少しでもロレッタが楽になるように口づけをして、どちらからともなく舌を絡め合う激しいキスをする。びちゃびちゃと涎が交わりはじけ合う音が響く。
「んちゅっ、はあぁ……おちんちん、私の腟内でどんどん大きくなってる……ねえ、動いてもいいよ」
「も、もういいの? まだつらくない?」
「私なら平気……でもあなたは苦しいでしょう。それにずっとこのままだと……私も……我慢できそうにないから」
そう言ってロレッタは、震える腰を控えめに前後させながら膣奥と亀頭をキスさせあう。ほんの少し性器同士が擦れ合うだけでも快楽に脳が支配されそうになり、自然と僕も腰を動かしていく。
ずぷっ、ずぷ……、ぬちゃっ、じゅぷっ、ぐちょっ……
「あああっ……! ふうぅっ……んん、おくにきてるっ、凄っ、んああ!」
ロレッタの熱く締まりの良い膣内の感触に僕は腰が砕けそうになるくらい震えてしまい、それでもなお腰を前後に振り続ける。愛液でぐっしょりと溢れたその秘所は、僕が肉棒の出し入れをする動きに合わせて結合部からちゅぷちゅぷと淫猥な水音を響かせる。
最初はロレッタの事を気遣い腰を控えめに振っていたが、幸い彼女は気持ち良さそうな声を上げながら感じているようだった。それにこうも休みなく強烈な快楽に襲われては僕の本能も我慢できそうにない。
「ひゃあっ、んああっ、ああっ……」
腰を速く振ると、ロレッタが驚くような声をあげるがすぐにそれは甘い喘ぎに変わる。
腰と腰がぶつかり二人の体が快楽と反動で激しく揺れて、それに巻き込まれる形で僕達のいる真下の草がカサカサと音を鳴らす。
ロレッタの膣をいつまでも堪能していると、やがて体の奥底から濁流のように熱が急速に込み上げてくるのがわかった。それが肉棒へと接近するにつれて、僕は今まで以上の快楽がくると理解した僕は、ラストスパートと言わんばかりに腰を動かすスピードを上げる。
「ロレッタ、もうそろそろ限界だから、一気にイくよ……」
「んあっ、わかった……私ももうイっちゃいそうだから、このままっ、ふぁん! は、激しく突いて……っ」
「くっ……出る」
どぶっ、びゅくるるっ、どっどぷっ、どくどくっ、どぴゅぴゅっ
「ひゃあああっ、うああ、あ……凄い、熱いのが……お腹に注ぎ込まれてる……」
痺れを帯びた最も強い快感が身体中を駆け巡り、肉棒が大量の精液をロレッタの膣内に流し込む。膣はそれを受け止めるように断続的に肉棒を絞り上げ、体から快楽がゆっくりと抜けていくと同時にようやく勢い良く溢れ出る精液も流れを止めた。
肉棒を引き抜くと、肉棒がフタ代わりとなっていた腟内から精液が溢れ出てロレッタの健康的な色をしたお尻へと伝っていた。
「ん、ふふ……いっぱい出たね」
「気持ちよかったよロレッタ」
二人で会話を交えながら快楽の余韻に浸る。
しかし……本当にこれで良かったのだろうか。ロレッタに許してもらったとは言っても、信託の指輪は危険な代物だ。何をしでかすのか分からない連中の手の内にあっていいものではない。
いつか……必ず取り戻さないと。
そう決意して、僕達は風邪を引く前に衣服を着る。
「ねえ、これからもまた………ラリドンに来てね。私達は……いつでも歓迎するから」
「うん、その時にはちゃんと指輪も取り返すよ」
「ありがとう……でも、無茶だけはしないでね」
「分かってるって」
まあ今回はロレッタに指輪の事を伝える事で精神的に辛かったものが取れた気がした。それはある意味、僕にとっての小さな進歩だと言ってもいいかもしれない。
とりあえずはラリドンへと戻るとしよう。帰るのが遅れたらウィズに心配される。ましてや僕達二人に何かあったと感づかれてもしたら恥ずかしさで悶え死にそうだ。
僕達は聖域に見送られるようにラリドンへと帰るのだった。
地の分に関するアンケートです。どちらかと言うと、結果に準ずるわけではなく私が皆さんのご意見を伺うためのアンケートですので、それでもよろしければお答えください。
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一人称視点(魔法使い視点)
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二人称視点(黒猫のウィズ特有の君視点)
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作者に任せる