DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜 作:アンダーグラウンド
好景気に沸いた日本は、常に科学技術で世界をリードしていた。この平坦なドアノブのないドアも、電脳外殻で見れば鍵穴が現れる。その隣に出現した鍵を挿せば、ドアのロックが外れ、ドアが自動的に開く仕組みだ。逆に鍵穴から鍵を外せば、ドアが閉まり、ロックが掛かる仕組みだった。
「さあ、行こう」
今日は休日で、アルとデートを楽しむ予定……なのだが、アルはそわそわと落ち着かない。
「あーセックスしたい!!」
「ストレート過ぎだってば、アル」
僕ももちろんアルとセックスしたいけど、アルと散歩するのは別の楽しみがあった。
街中は電脳外殻を通して見れば、色んな看板や宣伝映像が並ぶ。電脳外殻を外せば、酷くのっぺりとした建物ばかり。超効率化を目指して作られた街が、今はそこら中にあった。
「うおー!!!!! NE☆KO☆KAN」
アルの目がハートマークになる。
「もー、食べ物の事ばかりなんだからー」
僕が目指しているのはそこじゃなく、ファッション雑貨店。
ショーウィンドウに飾られた電脳マネキンは、指で押すと映像が飛び出して来る。その映像の隣に、マネキンが着ている服のリストが並ぶ。
店のドアの前に立つと、OPENの文字が現れるので、それを押す。実際のドアを触らなくてもいいので、実に衛生的だ。この機能が最初に導入されたのが、病院なのも頷ける。
店の中には人がまばらに居て、実際の商品を手に取っている。ネットワークが発達し過ぎた世界でも、意外に人は居るものだ。
「アルは写真に写せても、シミュレーションアプリが使えないんだよなー」
シミュレーションアプリ……その人の体型を模したマネキンが、服を着るというものだ。今では電脳外殻があるので、自分に直接着せて、確認することが出来る。
「ここで何をするんだ?」
アルは腰を低くして、唸る。
イキナリ戦闘モード!?
「いやいや、アルにオシャレしてもらおうと思って」
バンダナとかリングとか、それからチェーンとか。動物のアルでも、オシャレ出来ると思う。──裸のアルは、余り人に見られたくない、という、独占欲的な気持ちもあった──
「あ、ほらほら、ペーズリー柄の黄色いスカーフ」
なるべく音が鳴らないものが良いだろう。それでアルの大きな身体に合うもの──。
「ダサい」
アルは端的に切って捨てると、匂いを嗅いで物色し始める。
提案しては次々と切られていく──「おっ、これなんかどうだ?」と、アルが棚にある商品に爪を指す。
「く、黒猫が魚を咥えたスカーフぅ〜???」
幾ばくかの口論の後、結局根負けして買ってしまった。
超効率化を目指した街のお陰で、街から外れると、よく整備された河川敷が姿を現す。
趣味で写真を撮っていた父さんの、20年前の風景とはまるで違っていた。建物は辛うじて遠くの方に見えるだけで、辺りはもう、緑、緑、緑だった。
「うおおおおおおおおお」
ダダダダダダーーーーー!!!!!!! と、河川敷を走り回るアル。どんなに人の言葉を喋っても、こういうのが好きなんだな。
僕も走ってみるが、あっと言う間にスタミナが切れる。アルはもう随分遠くの方まで行ってしまって、急に心細さを覚える。
なんでこんなに悲しいんだろう。服の袖で涙を拭うが、いくら拭っても拭い切れない。交通事故に合っても、こんなに泣いたことはなかった。やがて声が漏れて、アルの名前を口にする。
トン、と背中にいつもの感触がする。いつも聞いている、喉の鳴る音がする。アル……アル……。
「腹減った」
「うん」
アルでも食べられるように作った弁当。滅多にしない料理で、結構焦がしてしまった。それをアルは、一言も文句を言わずに食べる。
「美味しい」
アルの喉を鳴らす音が大きくなる。
「本当?」
だんだん塩辛くなってきて、無理やり飲み込む。
弁当を畳むと、僕は服を全て拭ぐ。食後のデザートだ。
「こんな草むらで……良いのか?」
「いつも無理やりやってくるくせに」
仰向けになり、両手を伸ばしてアルを受ける。まだまだ肌寒い季節に、アルの毛皮と体温が温かい。
前戯も済ませていないのに、僕らは一人前にチンポをおっ立てていた。
「あーアル、温かーい」
「ギンも温かいよ。特にその笑顔が」
アルらしくないシャレに、思わず笑ってしまう。
「な、なんだ、変なこと言ったか?」
「なんでもないよ。さっ、今度はアルが仰向けになって」
アルの柔らかくヒクつくそれを、初めて間近で見た。僕のより、ふた周りくらい大きい。こ、こんなのが入っていたなんて──。ネコのように突起はなく、つるんとしていた。ああ、やっぱり現実のネコとは違うんだな。突起で血が出ても、それはそれで悪くないと思っていただけに、少し残念だった。そんな僕の気持ちもお構いなしに、アルのそれは元気に脈打っていた。試しにすっと輪郭をなぞると、ビクビクと反応が返ってくる。かわいい──瞬間的にそう思った。
それから意を決して、アルのチンポにしゃぶりつく。ちゃんと獣特有の匂いがして、アンモニア臭が香る。弾力のある陰茎に、水っぽい先走りがアクセントを添える。いつもしてもらってばかりで、アル自身はオートフェラチオをしていた。こんなに気持ちいいことを、アル一人にやらせるワケにはいかない。頭を大きく動かして、隅から隅まで舐めていく。大体の反応を掴んだところで、大きく反応したところを一気に責め立てる。
「すまん、ギン、もう無理だ」
「いいよ、出して」
懸命に飲み干そうとするものの、想像以上の獣臭さと苦みで、ほとんど受け止められず、こぼしてしまう。臭気が鼻を突き、涙がにじむ。
「ご、ごめん、アル」
「気にすんな、ホラ、今度はギンの番」
僕は納得出来ず、アルの毛皮に溜まった精液を舐める。口に毛が入っても気にするものか。
手持ち無沙汰なアルは、僕の肩に舌を這わせる。だんだんとまた、アルの分身が身体を起こす。
「あーもう、限界!! ギン、かわいすぎる!!」
「うん、どうぞ」
アルの精子が僕の腸内を泳ぎ、アルに抱かれたまま、僕はまどろみに沈む。