DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜 作:アンダーグラウンド
「み、耳を立てて、アンテナが」
「うんうん、分かった」
僕は実家から離れて暮らしているため、父さんの声を聞くことは少ない。この街はかつて父さんが、無名の下積み時代から過ごしていた場所だった。
父さん自身もアンテナを立てることが出来、昔はよく、大きなネコと一緒に遊んだものだと言っていた。それがあって、今の僕の現状も耳に挟んだらしい。父さんは今にも、「トトロ」と言いそうな雰囲気で昔を懐かしんでいた。
「そっしゃーしゃー」
『それじゃあ失礼しました』と言ったのだろう。配送業者が自動ロボット──いわゆるドローン──を連れて、玄関から出て行く。前のマンションでも6畳二間で、十分以上の広さがあった。そこから、さらに6畳一間を足した間取りの、壁の厚いマンションを父さんに提示された。前の僕なら、ただ広いだけの世界は即行で断っていただろう。だけど今僕の世界には、ズングリとした、大きな毛玉が転がっている。
「あーアル、気持ち良かったー」
「にゃ〜ん」
6畳の一室の床に、埋まるほどの大きなマットレスを敷いた。引き戸なので、そのまま開けっ放しにする。
アルはもう一日中でもそこに転がって、優雅な『ネコ生』を楽しんでいた。
義姉の来ない休日は、外に出なければ、お互い好きなだけそこに転がって、気が向いたら愛の証を掛け合っていた。
「そろそろ、良いんじゃないか」
「ん、ん?」
お互い、さらけ出すものは全部さらけ出していて、食い気味のアルは珍しかった。
「もー相変わらず鈍いなー」
「だ、だから、何だよ」
アルはよく筋肉の付いた、たくましい尻を向けて来る。腹を床に付けているから、フェラチオを要求しているワケではない。アルは尻尾を立てて、ゆったりと揺らしている。
「いつもアルが先行してるから、全然気が回らなかった、ごめん」
「いいよ、俺も大してやりたいと思ってなかったから。でも無性に、ギンの愛を味わってみたい衝動に駆られる」
こ、コンドームは付ける……ベキだよね。アルを受けるときは、ほとんど意味を成さないから、付けていないけど。──腸の中に入ったら大変だし。
父さんに貰ったコンドーム──なにも段ボールに詰めなくても──を手に取ると、急に現実感に囚われる。男同士の愛は、経ったこの一枚の薄皮で、隔てられているんだ。
「どうした? ──コンドーム? ああ、人間には必要なのか。俺が頑張って腸内洗浄するよ」
「腸内洗浄しても、腸は傷付き易いし、吸収率も高いから」
「──ギンの愛は伝わったよ」
アルは優しく僕の唇を舐める。それからお互いの口内を舐め合う。アルのザラザラとした舌──上顎──下顎──「んっ、んっ……んふぅ」アルが僕の舌を押し返してきて、僕の舌を一周する。僕の上顎を、ザラザラとした感触が支配する。頭がおかしくなりそうだった──頭が真っ白になって、そのまま何も考えられない──
「っはあ……はあ……」
「んっ、はあ……──ありがとう、アル」
コンドームと一緒に入っていた指サックで、排出をせき止める、アルの肛門をなぞる。
「にゃ、にゃあ〜」
時々出す──ネコ語と言うべきだろうか──この声は、『動物が起こす鳴き声ではない』。それは傍に置いて──。
「アル、感じるの早すぎ」
アルの肛門をなぞる度に、アルは身体をビクビクと痙攣させる。
「そ、そんにゃこと言ったって……アルのこと想ったら……」
「これから存分に想うんだから」
その流れでアルの肛門に人差し指をそっと挿れ……。
「アル、息を吐いて、力を抜いて」
「ど、どうやるのにゃあ〜」
僕はいつもやっている腹式呼吸の要領で、息をゆっくり長めに吐く。ふぅ〜〜〜……息を吸うのは自然に任せる。
僕の呼吸音で落ち着いたのか、アルは肛門を緩める。僕はすかさず、アルの肛門に指を突っ込む。『鳴く』アルに再び言って聞かせる。人差し指を回して、アルの肛門をほぐす。だんだんアルの肛門が開いてくる。そのまま、二本目、三本目と、指を挿れていく。
「も、もう、いいんじゃにゃいか」
「そうだね」
アルは僕の半分以上立っているそれを、完全に起こしに掛かる。「ああ……アル……アル……んんっ……もっ、いいよ」上目遣いでこちらを見るアルに、吐き出したくなる衝動を抑える。完全にアンテナを張ったそれに、薄皮を被せる。案外、するりと入るものだ。
未だ、せき止める意思を持ったそれはしかし、僕の陰茎が入るには十分だった。ズク……ズク……と、一歩一歩、足を確かめるように、洞窟の中を掘り進んでいく。コンドームの上からでも、アルの熱と柔らかさが伝わって来る。ああ……コンドームを外して、直接食べたい。そんな堕落した想いを認めつつ、無事に終着点まで辿り着く。
「全部、挿ったよ」
「顔もアナルも熱くなって、どうしたらいいんだ?」
性知識だけは豊富なアルは、いざという時、頼りにならない。そのままアルに横になろうと促して、ペニスの挿った感覚を覚えて貰う。僕は時折腰を動かして、アルへの愛を立たせる。その度にアルは、声にならない声を発する。アルの尻尾が揺れて、翼が僅かに持ち上がる。アルは細かく身体を動かし、身体を巡る情動から逃れようとする。
「さっ、もうしたいよ、アル」
「おっ、れも……っだ」
ゆっくり身を起こすアルに合わせて、僕も身体を起こす。アルは隣に置いてあった、ボックス型の椅子に上体を預ける。
「いつもはここにギンが逃げるのにな……」
「ふふっ、止めたくなった?」
「っいいから……さっさと始めてくれ」
背の低いボックス型の椅子は、身体の大きなアルに尻を突き出させる。普段僕を責めるアルが、受け身になっているのを見て、もの凄く興奮してきた。
「アル、かわいい」
「んおっ──ほぉ──ぁふぅ……」
僕は前後する事にだんだんと慣れてきて、速度を速めて行く。アルの肛門も、適度な締まりになってくる──。
アルのナカから発せられる熱が、アルの体毛が、アルの上下する腹が……その、すべてが愛おしい。
「アルううううううイくよおおおおおおおおお」
「んあああああああああああギンんんんんんんんんん」
アルの肛門が締まり、尾と腰がビクビクと跳ねる。
(んっ、キツ──)
僕は口を閉じ、すべての感覚を吐き出す事に注ぐ。アルは思い切り口を開け、嬌声を伝える。
アル、アル、アル……。
僕は満足するまで熱を感じ、自然にアルのペニスに手が行く。……アルも、射精していた。萎えた陰茎から、残った精を吐き出している。
「アル、きもちよかった──」
コンドームを外すことも忘れて、互いに舌を絡ませる。その……愛を覚えた瞳に……愛おしさを込めて──。