DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜 作:アンダーグラウンド
(追記)タイトル追記。
ジーワ、ジーワ……と、セミの鳴き声がする。初夏の香りがして、梅雨のジメジメした雰囲気から一転する。
アルにつまずいて、持っていたクリアファイルを投げ出してしまう。写真が何枚も宙に舞い、リビングの床に散らばっていく。
「こーら、アル、机の下から手を出さない」
「今時、写真を現物で持ってる方が悪い」
アルは手を引っ込めて、冷たい机に背中を押し付ける。机が若干宙に上がり、机の上にあったコップが倒れる。コップからこぼれた、ジュースの魔の手から写真を救うべく、腕全体で濁流をせき止める。セーフ──
「──じゃない!! こら、アル!!」
アルは逃げ出そうと上体を起こして、テーブルが斜めを向く。机の上の、皿に入れたポテチと執筆ノートがサーっと流れる。
そのままダッシュでリビングから逃げ出し、後には地震が起きたような惨事だけが残った。
チリーン──と、アナログな風鈴の音が聞こえる。街のほとんどを街路樹やら草木やらが埋め尽くし、都心近くでも窓を開けていられる。網戸は、網目の極小のものが主流になり、サッシは樹脂で出来たものが標準だった。車の音も昔は凄かったらしいが、今はセミの鳴く音の方が、うるさいくらいだった。
写真を一枚目一枚目拾い上げ、アルバムに収めていく。星宮さんと初めて電子世界に入る前に、撮った写真──初めて部活をした時の写真──五月の大型連休で、星宮さん、帝と一緒に、近くのテーマパークに遊びに行ったときの写真──。高校に入る前に撮った写真──風景ばかりで、人が写っていない──。それからこの黒とピンクの写真は、アルがカメラを舐めてきたときのものだ。アルの写真が半分近くを占め、父さんのコネで現像してもらった。もちろん、アルのハメ撮りは、デジタルカメラに収めている。
「アル、一緒にスイカ食べよ」
ドタタタターーー!!!! と、重厚な足音を鳴らして、アルがすっ飛んでくる。
「ス!! イ!! カ!!」
本格的な夏に食べるスイカより、初夏の香りを楽しみながら食べるスイカが好きだった。
アルは1/8にカットしたスイカを、あっという間に平らげてしまう。
「もっと!!」
「お腹壊すからだーめ」
初めの頃はこんな些細なことでも喧嘩していたのに、アルは随分と聞き分けが良くなった。
それでも、絶対に、何がなんでも、頑として、セックスだけは譲らなかった。したいときにする、それがアルの信条で、僕はいつもアルを待つ。日常生活でもそれが響いていて、口論が感情のぶつけ合いに発展すると、僕は自然に身を引いてしまう。
お互いがお互いを思いやり過ぎていて、これでいいのか悩みは尽きないけど、今日もアルは元気にチンポを立たせる。
「朝やったばかりなのに」
「休日の昼間は貴重なのだぞ」
まるで王様のようにふんぞり返って、優雅に尻尾を揺らしている。
僕はアルの腹を挟むように、両手を突く。アルのほとんど犬のような、長くて太いチンポをしゃぶる。ゴムのような弾力があって、尖った先から甘い蜜を滴らせている。アルはアルで、全裸の僕から下がる、蛇口の水栓を開けにかかる。
「アルのチンポおいしい」
「ギンのチンポ以上においしい食いモンはないな」
先走りを口から流れるままにして、アルの陰茎をぐちょぐちょに濡らす。「んっ……んっ……」アルの舌の突起が、僕を喘がせる。スーっとアルの輪郭を上から下になぞっていく。「んぉあっ……」アルの陰茎が瞬間跳ね、ちゅぱっ──と僕のチンポから、口を離す水音がする。「もー離さないでよぉー」頬に火照りを感じながら、アルに甘えた声を出す。僕は腰を落として、再びアルに捧げる。「ああ、お前のこと、ぜってー離さねから」殺し文句を言われて、僕の奉仕が一瞬止まる。「やめろってアル」「やめねー」──「んっ──んっ」「はぁ……はぁ……ぴちゃっ……ぴちゃっ……」互いの水音が、呼吸が早まり、動作が大仰になっていく──「アルうううううう」「ギンんんんんんんん──」
ドピュ──ドピュ──
アルの熱が口内を駆け巡り、歯が浮きそうになるのをこらえる。僕の腰が上がるのを、アルの吸引が許さない。「ぅくっ……アル……アル……」「んおおおおぉぉぉ……ギン──」アルの腰が僕を突いてきて、口内に溜めた愛が噴き出る。
お互いの震えが止み、引き抜かれたそれから、白熱した愛がこぼれる。
未だ敏感に剥けるそれに、初夏の風が優しく吹き抜ける──