DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜 作:アンダーグラウンド
「あははっ、どうした、どうした。逃げているだけでは勝てんぞ」
ついに巨大なバグが街の目前まで迫り、大量のバグが街中を飛び交う。電子世界の影響は、現実の世界にも影響を及ぼす。生活のほとんどが電子化しているこの世界で、その影響は計り知れない。
「つえーな、女」
「あたしら誰が一番強いかで、競い合ったからね!!」
蜂の尻を両腕に持った敵は、ミサイルの要領で針を飛ばして来る。
俺は避けきれず、翼に針を喰らい、そのまま落下する。
「もー終わり……な、ワケないわよねえー!!」
針には毒が仕込んであり、翼が麻痺する。辛うじて立ち上がるが、だんだん両脚の感覚もなくなってくる。
「散々あたしらの同胞殺しておいて、直ぐに死ねると思ってんじゃないよ!!」
敵は蜂の羽でこちらに飛んで来る──。「この針でメタメタに突き刺してやる!!」右腕を真っ直ぐに上げ、振り下ろす──。
「──なっ……におぅっ……!!」
「てめーがあのまま針を飛ばしてたら、今頃、俺は生きてねーな……」
敵の腹に、人の形をした「影」の拳が突き刺さっている。
俺は拳を引き抜き、「ウラアアアアアアアア──」両手の拳で、ラッシュを掛ける。
「──じゃーな」
敵は宙に飛び、四散する。
敵の巨大な拳を弾き、隙を伺う。
「オラよっ」
オレは吹っ飛び、電子の建物に突っ込む。
「どーやら、パワー不足のようだな──ええ?」
「さらにさらにぃ──」
大男が腕を上げると、空間に骨の蛇が二匹浮かぶ。
「コッチにはスピードもある!!」
「やれやれ、背伸びした闘い方は嫌いなんだがな」
オレは変身してオオカミ男になる。索敵に回している『アオ』と『キン』を、遠吠えで呼び寄せる。
骨の蛇は双狼の牙で、容易く砕け散る。
「な、なにぉう──?!」
顔を歪ませる大男に、オオカミの脚力で近付き、頭から叩き斬る──。
「ふべぁっ!?」
理解出来ない顔をしたまま、敵は縦に裂け、電子の塵へと還る。
アオとキンが交尾を迫るのを無視して、オレは次の敵に向かう。
レザーのパンツを穿いただけのドラゴンは、仁王立のまま静止している。
「気持ち悪い」
「そう言うな、レディ」
「ますます気持ち悪い」
「ますます凹むじゃないか」
男性嫌悪の象徴らしく、いつまで経っても変わってくれない。
借金まみれで逃げ出した父さん、それの象徴がなんでゲイの格好したドラゴンなのよ──。
「ゲイはただの趣味だぞ!!」
「私の思考を読まないで、気持ち悪い」
片想いしてる神織くんに素で引かれるし、未だに五十嵐くんにも引かれてる。
あー私の人生って、なんでこんなに不幸なんだろう。
「おっ、いたいた」
空中をスケートボードで移動するバグ。頭上からスプレー缶が降って来る。
「危ない、レディ!! ぎゃー!!」
私をかばったは良いものの、スプレー缶が爆発して炎上する。
目の前の黒炭をアクアの魔法で消火し、ライトの魔法で敵のスケートボードを吹っ飛ばす。
「あら、意外とやるねえ。だけど──」
全身を巨大な雄牛に変えて、火を纏った敵はこちらに突っ込んで来る。
私のパワーのある魔法は全部、炎系。つまり相性サイアク。
周りに誰も居ないことを確認すると、ステッキを回して衣装の変身を解く。
柴犬の耳と尻尾の魔法も解けて、ドラゴンの角と尾が現れる。
「すべてを脱ぎ捨てて諦めたか、そのまま潰れろ」
「潰れるのは貴方よ」
私は巨大な四足歩行のドラゴンに変身し、前脚の鉤爪で敵の頭を叩き潰す。
炎が消え、残った敵の身体は美味しそうだった。