DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜 作:アンダーグラウンド
初夏も過ぎ、もう直ぐ巨大なバグと対峙することになる。その前にみんなで海に行こうということになった。
さらにその前に、僕とアルの二人だけで、少し早めに海に来た。まだ海開きはしておらず、海岸は遠くを見渡しても誰も居ない。
「アルー誰も居ないよー」
「あーいい潮風だ。どっかでセックスできねーかな」
電子体から実体へ、姿を変えるアルは、辺りを見回す。僕は両手を広げて、波に運ばれて来るエネルギーを感じていた。
「ふふふ、衛星もドローンも、無意識の住人のコネクションで、証拠を消せるんだよね」
「そりゃあ、そうだが、ギン、誰かしらに見られるんだぞ」
「たまには誰かに見られる青姦もいいじゃない」
「海のヤローが羨ましいぜ。ギンの気持ちを大きく出来るなんて、俺には出来ないからな」
アルと他愛ないやり取りを交わして、砂浜を歩く。
「大きなネコちゃんね」と、お姉さんに声を掛けられるが、電脳外殻で大人しいと適当に理由を付ける。この翼は──それはPVの撮影で取り付けた翼なんです。脆いので、そこは触らずに──と、僕は手でアルの頭を撫でる。するともう、お姉さんの視線はアルの頭にしか行かず、満足のいくまでアルを撫でる。アルが嬉しそうに喉を鳴らすのを見て、僕はアルの尻尾を踏んづけたくなる。
「もーアルのバカ、バカ、バカ、バカ、バカー」
「悪い、悪い、悪い、悪い、悪いって」
僕はむくれて、しばらく無言で歩く。アルが僕の手を押して来て、そのままアルの背中に手が行く。
「あの孤島でやらない? 今は売りに出されていて、誰も居ないはずだよ」
「ほー、かなり木が生い茂ってるな」
電子の世界に入り、アルの背に乗って孤島に降りる。
「でも横から丸見えじゃねーのか」
「アルが僕の無意識だってのを忘れそうになるよ」
「俺には俺の意識があるからなー。最近はギンの無意識を覗いてないよ」
「ギンには好きなだけ僕を知ってほしい」「分かったよ」僕はギンの口にキスをする。
ノミやダニ、それから、いろんな虫やら蛇やらの危険があるけど、そこはテキトーに省く。
僕は能力バトルの王道なんてすっ飛ばして、ライオンの姿に変身して能力を発動させる。
「はぁー、無茶苦茶やるなー」
「アルのためだもん、なんだってやるよ」
僕はもう、腰が疼いて疼いて堪らない。ああ、アルとセックスしたい!!
光を鏡に応用し、辺りの風景を反射させる。二人だけの秘密の世界、お互い夜になっても繋がり続けた。
星宮さんが夏の太陽で顔を赤らめている。日焼け止めはして来たのかな。事前の準備もなしに倒れられては困る。
「あ、あの、か、神織きゅん……」
噛んだ。やはりこの日差しは女の子には厳しいようだ。かなり冒険したビキニを着ている、日焼け止めは大変そうだ。
「早く泳ぎに行こーぜ」帝は丈の短い、スパッツ型の水着を着けている。──さすが背伸びしていない、楽しみにしていただけに残念だ。──サーフボードを脇に抱えて、本格的に泳ぐつもりだ。
僕はもう友達が居なかったせいで、海に行く機会はついぞあらず、テキトーにアルの好みの水着を買った。「フンドシ、Tバック、ブーメラン!!」もちろんアルは冗談で言っただけで、ハーフパンツのダボっとしたものを選んでくれた。周りから見れば同性愛だけど、僕の心は女の子だ。(この小説では分かりやすく同性愛の体で書いている)
「魚、似合ってるぜ」
電子体のアルが、肩で小突いて来る。
水色の布地に、大きな黒い魚のワンポイント。なんだかアルに選んでもらうと、ひどく似合ってる気がする。
「あの、あの、あの、あの……いいいいい一緒に泳がない? 神織くん」
「じゃあ、既に泳いでいる、帝の所まで走ろう」
「う、うん……」
僕の後について来る星宮さんは、つまずかないよう、俯きながら走っている。