DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜 作:アンダーグラウンド
部屋の中は静まりかえっていた。明かり取りから月光が覗くが、部屋の奥までは届かない。軋む木の床に、滑らかに脚を滑らせる。21世紀にもなって、ここは世界と隔絶されたような印象を受ける。床も壁も天井も、すべてが黒く塗られ、心は閉じ込められたようだ。俺はいつも通り毛繕いをして、自慰を始める。生まれた時からこの部屋が俺の世界で、太陽などは影が光を見るようなものだ。届かない世界に夢を見るものの、決して届かないことは分かっている。水音を滴らせて、股間を濡らしていく。相手はいつも決まっていた。俺が存在している理由であり、俺がずっと望んでいたものだ。あいつの葛藤は肌身で感じる。あいつの気持ちは誰よりも知っている。あいつを孤独の闇から解放したい。そんな白昼夢をよく見るのだ。影である以上、あいつと同じ世界は見れないのに。射精はいつも一人だった。ぬらぬらと銀に光る液体が陰茎を伝い、黒い毛皮が吸い込んでいく。
「墨影様ですね」
「状況は」
影に名を付ける者など居るだろうか。影の中に居る者は誰であっても、その名で呼ばれている。
面を付けた大鬼と対峙する。何度やっても己の牙が通じず、ついに身体が叩き潰される。苦痛や恐怖は闇に潜む者の養分だ。糞尿を吐き出して、誰も見る事のない影の中で惨めに死んでいく。孤独と絶望の中で、闇に堕ちる。
──影は死ねない。持ち主の真似をする道化の役割がある。大鬼の邪気が己を腐らせるものの、決して死ねはしない。全身の血を抜き、臓物を抜き、新たに生えてくるそれを待つ。元あった俺の身体はもうない。意識が判然とする前に、顔も分からない大勢の者たちの前で、強制的に射精させられる。影を閉じ込めておくために、真名で縛り、血で縛る。太古から続く因習。傷口から邪気が入らぬよう、また、死をはね除ける意味を込めて、生の象徴である精液を搾られる。次々と精を受ける盃が受け代わり、その盃は小さな盃へと移され、各々の持つ、木の像の口に当てがわれる。精の出ない幼児の時でさえ、形だけでも射精させられ、排尿を強制された。今も媚薬を飲まされて、雌の匂いを嗅がされる。俺の女はただ一人だ。肛門に冷たい棒が入れられ、まじないを受ける。
ギン──
僕の名前は──あった、全教科学年一位。一年遅れが卑怯だぞ、という野次は飛んで来ない。運動も背丈も学年の中で一番、その上ルックスもいい。これで余計なことに意識を飛ばさなくていい。僕の心を置く場所はそこではない。
嬉々として友達の絡みを交わしていると、隅の方で一人、こちらを見ている奴がいる。
「誰だって顔してるな」
「えーっと、誰だっけ」
夕日のようなオレンジの髪、目はオッドアイで赤と水色。こんなに特徴がはっきりしているなら、覚えているハズだけど。
「全教科学年二位の夕映暮葉だよ」
「あーっと、覚えてないや、ごめん」
「ふん、安い挑発だな、まあいい。勝手にライバル視してるから、以後宜しく」
夕映と握手を交わす。手は温かく、本気でライバル視しているらしい。何だか申し訳ない気分になる。
僕はごめん、ごめん、と友達に向き直る。「イキナリ窓の外見てどうした」えっ──
振り返るものの、夕映の姿はどこにもなかった。
「む、むむむ」
「なんだよ、アル」
アルは仕切りに僕の手を嗅いでくる。
「雄の臭いを感じる」
「そ、そりゃあ、男として通してるから、いろんな雄の匂いがあっても」
「いいや、コレは歴然としたマーキングだ。誰に触られた」
「そんな、いちいち覚えてないよ」
アルもよくマーキングしてるけど、ネコのマーキング姿勢と犬チンポが、ちぐはぐなのが面白い。──笑っていい部分じゃないな。
「ほら、いつものマーキングだ」
「これから料理作るんだけど」
「汚い手のままで出来るか」
「アルの方が汚いと思うんだけど」
トイレシートの上で、手を器にしてアルのおしっこを受ける。包茎の先から淡い黄色の尿が出て来る。器では受けきれず、尿があふれ出す。
「なにも全部出さなくても」
「これくらいしないと収まりが付かねーの」
アルが器から尿を舐めようとしたところを、すかさず手を離す。
「だーめ」
「ケチ」
横になり、アルに身体を舐められながら、アルの尿を潤滑液にオナニーする。アルが乳首を前歯で甘噛みしてくる。僕は玉袋を揉みながら、亀頭を撫で回す。
「おかわり」
「えっ」
僕の股間に生暖かい尿が降り注ぎ、潤滑が増す。「全部じゃなかったのかよ」「誰が全部って言ったよ」さっきの倍の量の尿が出て、僕の股間を濡らす。辺りにはアンモニア臭が漂う。アルの尿と僕の先走りが混ざり合い、ばちゃばちゃと激しい水音がする。
「あーギンにチンポ擦り付けてえ」
「アルの毛皮洗うの大変なんだからね」
料理前にされても困る。そんな他愛ない会話をしつつ、僕は熱がピークに達する。
「アルっ──」
ビュル──ビュル──
出た先から、アルの尿と混ざり合う。僕の生殖がアルに侵されている感覚に、高揚感を覚える。
「はぁ……はぁ……」
僕の股間は、自身の精液とアルの尿で、ぐしゃぐしゃに汚れていた。
「さぁ、飯食おうぜー」
素っ気ない態度とは裏腹に、アルのチンポはガチガチに震えていた。