DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜 作:アンダーグラウンド
「アルがそんな風にオナニーしてるの初めて見たんだけど」
「俺もギンを見るまではオートフェラチオだけだったぞ」
アルが手でマスをかいているのはどうでもいい──いや、まったく良くないけど──、僕は今、女性モノの下着を着けているのだ。
「うほー」
「これじゃあ、本当に変態みたいじゃないか」
「ネコ耳にネコしっぽ、ブラジャーにパンティー、完全に変態だぞ」
「こ、言葉にされると余計……」
「そ……その表情……あぁ、いい……」
「お、おい、抜きにかかってんじゃねぇよ」
1リットルは出ていそうな先走りが、トイレシートに水溜りを作る。アルの前脚でこすられた陰茎は、極太の砲台を作り、発射に向けてビクビクと脈打つ。
「ギ──ぎんんんんんんんんん」
ビュルビュルと打ち出されたアルの精液は、アルの顔を超えた辺りで向きを変え、重力に従って落下していく。第二射、第三射──約30秒の間、僕はアルの射精を見ていた。こんなものを普段挿れられていたのか──僕のパンティーに包まれた雄がムクムクと立ち上がる。
「アル……挿れて……」
意図してそうしたわけじゃない──という弁明は、変態を裏付けるだけか。
僕は唇に指を当てて、流し目でアルの挿入を誘う。
「ギン……俺は……今……出したばっかだぞ……はぁはぁ」
僕は這い寄って、アルの股間に頭を埋める。
「は、反則だぞ、ギン」
アルの強烈な雄の匂いが、僕の腰を振らせる。アルに挿れてほしい、その一心で萎えた陰茎を舐める。
「ギンのふさふさなネコしっぽが揺れてる、すっげーかわいい」
「ほんとう?」
舌足らずな言葉でアルを誘う。腰を上げたアルに合わせて、僕は仰向けに寝転ぶ。髪が精液でずぶ濡れになって、余計淫らな気分になる。
「ギンのパンティーに張ったテントも、かわいい」
このままイッちまえよ。グイグイとアルの弾力のある肉球が、僕の雄の部分を刺激してくる。布地の擦れが混じり合って、雄の精を吐き出したい気分に駆られる。
「だんだん濡れてきたぜ」
「う、うぁあ──アル……」
背筋が跳ねて、膝が上がる。思わず胸に手をやると、ブラジャーの感触がする。僕は目をつむって、全身を巡る猥雑な感覚から、身をよじる。
「おめーのしっぽも、だいぶぐしょぐしょだぜ」
どうしてもアルの陰茎に当たってしまう尻尾は、だんだんと濡れて重たくなってくる。ああ、しっぽを舐めて綺麗にしたい──。
上がった僕の足を、アルのザラザラとした舌が伝ってくる。
「ああああああああああ」
強い刺激に慣れない雄は、早々に立ち上がり、生暖かい精を吐き出す。最後までグイグイとアルに押され、右も左も分からなくなる。
「すんげー濡れたな」
布地の濡れた感触を確かめたあと、爪を引っ掛けてパンティーを剥がす。
「雄くせえな」
「そんなこと言わないで」
「わかったよ」
萎えた陰茎を乱暴に舐めて、再び刺激を加えてくる。
「はぁ? 不具合ぃ」
どうやら初めにチュートリアルがあったらしいが、すっ飛ばされたらしい。
あの後に出てきたモンスターは、体力ゲージも名前も出ている。
「ま、まぁ、いいや」
僕は【大魔法都市──不滅のヘルグラ】から伸びる街道を歩く。今居たヘルグラから、東西南北へ樹状に伸びる街道が走る。
すでに聖者ヴィネーンの試練をクリアし、幾つかのミッションを出来る状態にある。前のボス、狂気のルルルを倒して手に入れた小型弓──グリグライ・グーンと併せて、僕の基本的なバトルスタイルは出来るようになった。ヴィネーンの思念で作られた大弓──フィフフィーネを火力の中心に据え、搦め手として、状態異常を与え易い、出の早い小型弓をサブに仕込む。
「あとは補助魔法を使えれば、道中の消耗も減らせるかな」
カチャカチャと指に付けたリングが鳴る。
このヘルグラには、各ステージを突破した者の名前が、羊皮紙に掲げられている。
「ありえねーよな、グループなら分かるが、個人名だとよ」
おっちゃんのアバターをした武蔵丸という人が、僕の肩を叩いてくる。アルは、俺の嫁に手を触れんじゃねえ、と憤慨している。
ここに書かれる名前は、偽名も使える。TOPの半数を、個人名で同じ偽名が占めている。なぜ偽名だと分かるかと言うと、この名前は僕が付けたからだ。まあ、ゲームに使える時間なんてたかが知れているから、後半は名前落ちしている。
「yagyuu0560、akira@siguno、JJJ9999HANA、ここら辺が常連か」
一体のボスを倒すのにも苦労するのに、これはなんなんだろう。
僕はもう、ほしい魔法が使えるようになったので、帝やヒカリと一緒にゆっくりと遊んでいる。帝は野球部に、ヒカリはバレエのレッスンに取り組んでいる。それぞれ、メジャーリーガー、宝塚を目指しているらしい。合間を見つけてログインしてくる。僕の将来はというと、結局、推理小説家になるんだろうな。一応、アルに持ち上げられて、芸大に行くことにしているけど。どこまでアルが無意識を意識して言ったのかは、教えてくれなかった。
街の喧騒から外れて、郊外のベンチに座る。辺りは一面、銀世界だった。
「えーっと、使い魔の召喚」
いくつか記号を書けば、使い魔を召喚出来る。僕は自分でデザインした、抽象的な羽をザッと書く。右上に太陽、左下に月、互いを中心で重ねる。
「ふー、まるで感触が違うな」
十数パターンしか動きがないので、動く度にブツブツ文句を言う。アルは金毛の、翼の生えた雄ライオンになっていた。
「俺ぁ今すぐにも泣きそうだぜ」
アルの頭を撫でると、グルグルと鳴き声が返ってくる。
「決して太陽には届かないと諦めていたからな」
「なにそれ」
「俺は影、決して交わることのない影」
降る雪は、互いの体温で溶けていく──。