※この作品はR-18です。

DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜   作:アンダーグラウンド

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つゆ だくだくで

 帝と向かい合って、地域の弁当を開ける。肉、肉、肉ばかりだ。帝も同じ弁当を開けている。

「おっ、美味しそうだなあ。見ろよ、肉汁が浮いて、艶があるぜ」

 帝はパチンと箸を割って、肉を摘む。幾分か冷めているけど、軽い湯気が見て取れる。

 正午の日差しを受けた車内は、どこか厳かだった。窓に流れる田園風景を呑みながら、肉を摘んでいく。

「──うん、おいしい」

 言って僕は、日差しと影のコントラストを楽しみながら、いただく。

 肉の香りと紅生姜のアクセント、帝の雑談が華を添える。水分を含んだ丸みのある麦飯は、噛むほどに香りを増す。

 電車の揺れる音に心を傾けながら、昼食の時間は過ぎていく。

「ごちそうさまでした」

 帝に続いて、僕も手を合わせて感謝する。僕の存在を認識する貴重な時間だった。膨れた腹に、多幸感を噛み締める。

「いきなり4番を任されて打っちゃうなんて、すごいなあ」

「まあ、本当はマグレだけどな。だが自慢には十分だろ、ははははは──」

 豪快に笑う帝に、ほんのりと異性を意識する。つい数ヶ月前までは、笑っても陰を見せていたのに。

 しかも190cmを超えた身長になり、筋骨共にたくましい。電子体のアルは、細微な僕の感情を察知する。

「そういえばアルは、人間の姿に成れるようになったんだよな」

「そうだね。でも服が窮屈だし、荷物を持つのも嫌だし、歩き辛いしって──」

「アルらしいな」

「俺ァ、温泉に入れればいいからな。それ以外はどうでもいい」

 アルはむくれているのか、あまり喋らない。

「碧波と金椿は?」

「アオナミもキンツバキも、雌だからな。こういうのには細いんだよ」

 それ以外にも、何度言ってもギンと一緒に行くな、ってうるさくてな。今はオレの意識の世界に籠ってるよ。

「そ、そうなんだ──」

 心当たりはあるけど、言うタイミングが見つからない。言わなくても、問題ないと思っていたけど──。

「いつかオレのアオとキンも人の姿に成るのかなあ。お嫁に行くとなると淋しいぜ」

 すっかり父親らしい口調になる。これは、『そういう関係』に発展していないな。当然と言えば当然か。自分の母と娘への強い想いから、そうなったんだし。──碧波も金椿も、元は一つだったらしい。第三者が想いを測るのは極めて無粋だが、余程強い想いがあったのだろう。

 しばらく他愛ない談義を交わしていると、電車は目的地へと着く。

 

 

 季節は冬。山に囲まれた土地は雪が積もる。豪雪地帯ではないけど、それでも厚みのある雪が積もっている。

「おおおおお、雪が降って来たなあああああ」

 妙にテンションが上がる帝。僕も朧げな、雪の冷たさを思い出してワクワクする。

 白い息が上に向かって、あっという間に見えなくなる。

 灰色の空に覆われ、息の詰まるような孤独が迫って来る。シンシン──という言葉は、的を得ていると思う。

「アル、ゲームの世界より寒い」

「電子の世界も寒いぞ」

「温かい服装にすればよかったね」

 大きな旅館の前に、大型バスが何台か止まっている。この書き入れ時だ、人も多い。

「帝、ここ何人分の広さ?」

 10人は寝られる広さの大部屋に、男二人だけが立っている。

「厚かましいかもしれないが、バグ退治の御礼──だとさ」

「そのモノマネ、笑っちゃうからやめて」

 帝は腕を組んで眼鏡を上げる。帝とは正反対の、細面の父親。ちぐはぐなのが笑いを誘う。

「さぁーて、早速入るかぁ」

「僕、ここで入ってもいい? 大浴場だと人が居そうで」

 今の今になって言うのは気が引けるけど、庭にある風呂だけで数人分の広さはある。心と身体のことを突っかからずに言えたのは、互いに死線を抜けてきた親友だったからだ。

「なるほど。オレはギンの嫌な場面が分からないから、都度言ってくれ」

 謝ることも出来ずに、僕は背中に風が流れるのを感じる。

「さっさ、大浴場に行くぞギン。急げ、急げ」

「えっ、えっ、でもっ、今っ──」

「心ばかりのお礼だが、大浴場二時間貸し切りサービスも付けた──どうだ」

「そのモノマネ駄目だって──」

 笑っていいんだか、泣いていいんだか。

 素直に泣くべきなのだろう──ドタドタと足を踏み鳴らす帝に続く。

「まだ湯に浸かってねえのに、顔濡らしてんじゃねえぞ、わはは」

 帝の背伸びしない、屈託な表情に救われる。

 さぁ、入るぞー!!── 豪快に声を上げる帝の方を見ると、タオルを肩に担いで全裸になっていた。

「どうだ、大きいだろ──」

「ちょっ、やめろって帝」

 袋ごと抱えた帝のチンポは、想像以上に大きい。アルとどっこいどっこい、ってところか。結構黒ずんでいて、無造作に毛が生えている。

 僕もフンドシを脱ぐと、アルのために剃ったチンポが姿を現す。「ほーぅ」帝は頭を下げて、まじまじと見つめてくる。僕は思わず拳で殴るものの、難なく受け止められる。

「もっ、入ろっ」

「そーだなっ」

 笑う帝と、恥ずかしがる僕。壁なんて初めから無かったんだ。

「チンポ、中まで洗ってんのか」

「そーだよ」

 さながら観察のようにして、興味深々で身体を洗うところを見られる。

「普通だな」

「フツーだよ」

 帝も自身のそれを剥いて洗う。大きくても、柔らかなピンク色をしている。

 自然に太ももに目が行き、筋肉の盛り上がりに性的な感情が湧いてくる。

「おっ、おおお?」

「あーもう、先入るよ」

 ライオンの口から滝のように湯が流れる。激しい水音と熱気が、莫大なエネルギーを纏っている。

「いやーいい湯だなー」

 帝はドボンと豪勢に片足を突っ込んで、滝の流れる方まで平泳ぎする。

 僕もそちらの方まで泳いでいって、互いに無言でエネルギーを感じる。

「あーなんだか、いろんな気持ちが溶け出していくぜー」

「ほんと、いろいろあったよn──」

 帝は僕の肩に手を回して、抱き寄せる。 な、なに── 「肩まで浸かろうぜ」

 僕は肩に回された腕の厚み、肩に当たる胸の厚みに、少なからず興奮していた。

 しばらくそうしていると、だんだんと帝に、父親のような兄のような雰囲気を感じる。……実際は僕の方が年齢は上だけど。そういえば帝は、従兄弟なんだよなあ。

「さぁー、ちっと上がって、また入るかー」

 帝に続いて、風呂のふちに着く。先に上がる帝の尻は、綺麗に肉が付いている。僕は少し、オカズにしてみたい気持ちが湧く。

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