※この作品はR-18です。

DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜   作:アンダーグラウンド

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体力が続きませんでした。


愛し合うということ

 僕と帝は地方の温泉に入りに来た。電車に揺られ、途中で弁当を食べた。旅館に到着し、二時間貸し切りの大浴場に入り(書き入れ時に男二人だけ──帝が言うには、社員旅行で頻繁に来ているから、お得意様で特別……らしい)、夜になった。

「アル、多分もういいよ」

「うひょー」

 電子体から実体になるアル。タッパーに入れておいた、料理の残りを渡す。

 アルの毛が抜けるとややこしいので、人の姿だ。

「アルって、箸の持ち方知ってるんだね」

「んー、ギンのやり方を覚えてるだけだよ。ガツガツ……精通もギンのオナニーの後だったし」

「ギンは精通、オナニーだったのか」

 帝は興味深々で聞いてくる。

「どっちも食後に見境いなさ過ぎ。ってか、普通にセクハラだよ、コレ」

 男臭い話にウンザリしつつも、妙に安堵がこみ上げてくる。

 アルはどんなオナニーしてんだ── 舌で舐めたり、脚の腹で擦ったり── へー──

 さすがに聞いていられなくなってきたので、ロビーをうろつくことにする。

 

 ロビーにはいくつか掛け軸が立ててあって、古い茶碗やら日本画やらが置いてある。アルの世界では、どんな書家が有名なんだろ。僕の父は古いものが好きで、日本家屋を買って、そこにいろんな創作家の作品を並べてある。そんな父の元で、僕は物心つく前から筆を持っていた。事故をきっかけに離れていた書は、アルが呼び戻してくれた。──ああ、ひたすら仮名だけ書いていた、子供の頃の記憶が蘇る。

「なにやらずっと見つめていますけど」

 この旅館の女将さんだ。

「この掛け軸は、私の父が書いたんですよ。毎日飽きもせず、ひたすら書いていましてね。どうです、雪解けのような流れる線でしょう」

 無名の書家。背景は女将さんが語るだけ。「どうぞゆっくりご覧になってください」早々に去ってしまう女将さん。後には雪に残った、足跡のような輪郭だけが浮かぶ。取り留めもない輪郭を頭の中でなぞる。そうすると、自分の体温で輪郭は溶けていってしまった。確かにそこに居たはずの人は、もう居ないんだな。

「あれ、銀嶺じゃん、偶然偶然」

「えーっと、誰だっけ」

「よく言われるんだよ、影が濃すぎて覚えていないって」

 夕映暮葉──わずかな記憶を辿る。たしかあの時は、こんなに殺気立ってなかった。

「いーなぁー幸せそうで。おまえに憧れて、おまえ並ぶように、いや、おまえを超えるように努力したんだぜ」

 夕映はさっと袖をめくると、刃物で直接刻まれた痕が見える。直感で分かる、アルと同じ影の魔法。

「日進月歩のおまえに置いていかれる恐怖。こうでもしないと拭えないんだ」

「影の魔法──」

「次に会った時は銀嶺が死んじゃってるかなー」

 帝に呼ばれて気がつくと、後には影も形もなかった。

 

 

 帝はものすごいニヤニヤしながら、大浴場に入りに行くと言って出て行った。

「アル、帝になに言ったのさ」

「別に、ただ恋人同士だって自慢しただけ」

 さらりと流して、浴衣を脱がせてくる。全裸のアルに抱き寄せられて、キスを受ける。人の姿のアルもいいけど── 「後で電子世界でやろう」 キスもそこそこに、耳元で囁かれる。乳首の周りを指でなぞられて、僕は嬌声を上げる。胸から腹を手のひらでなぞってきて、腹全体を撫で回され、上下してくる。アルの胸が密着して、熱が伝わってくる。腰、尻、太ももをさっと撫でられ、身体が離れる。無言で見つめ合い、再びのキス。互いに舌を絡ませたり、押したり引いたり。そうしていると、アルの勃起したチンポの先が、自分のチンポの先に当たる。お互いに指で完全に剥いて擦り合う。「アル、痛い」「我慢しろ、もう直ぐ濡れる」やがてぬるぬるとした感触が強くなる。

「あ、アル──」

 僕はアルに想いを吐き出す。アルはそれを受け取って、強く擦り付けてくる。

「アルの、熱い」

「ギンのもな」

 ティッシュで処理して、ポリ袋に入れる。アルが自身のモノをティッシュで処理している光景に、興奮する。

「精液まみれのアル、かわいい」

「それを見てるギン、すっげーかわいい」

 僕の手を取って、頬にキスしてくる。

 「さぁ、入ろう」アルが促す。

 アルに湯をかけられて、汗を流される。股間の精液も流され、萎えたチンポをめくられると、再び起き上がってくる。「やだ、アル」亀頭に湯をかけられながら、指先でイジられる。「しっかり洗わないとな」桶に張った湯で、袋ごと洗われる。湯の熱さとアルに揉まれて、桶の中に射精してしまう。「いっぱい出たな」桶の中の湯をかき混ぜられて、羞恥心がこみ上げてくる。タンパク質の塊である精液が凝固し、湯の中に白く浮かんでいる。

「俺のも洗わなくちゃな」

 アルも同じように袋ごと桶に漬ける。さっき僕が出した精液が浮かんでいる。手を引っ張られ、自然にアルのそれに指が動く。

「ふぅー」

 片手でしばらくゆらゆらと桶を回して、感慨にふける。「一緒だな」「うん」性的な感情を超えて、愛情を感じる。

 アルの身体は僕が流し、露天風呂に入る。

「あーーーーーあったけーーーー」

「あったかい、ね」

 それからお互い無言で風呂に浸かる。言葉を超えたなにかが、湯の中に溶け出している。

「ギン」

「なぁに?」

「愛してる」

「うん」

 気恥ずかしくて、素直に返答出来ない。僕は湯を見つめる。そういえば、アルから言ってきたのは初めてだ。

 アルが僕に肩を寄せてくる。僕も肩を寄せ返す。

「僕も……愛してる」

「おっ、やっと言ったな」

 うるさい、と言う気力は出なかった。温泉が熱くて、体力はそこに持って行かれていた。

 アルの大きな二の腕を肩に感じる。手を伸ばすと、アルの手が触れる。アルが握り返してきて、互いにしばらくそうしていた。

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