DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜 作:アンダーグラウンド
大量の造花が、山のように積み重なっている。
夫を飾るのに、どれがいいか迷ってしまって、と若い奥さんは言う。
造花の中から茶色い鼻先が飛び出し、続いて顔が覗く。
「やあ、来たのかい。どうだい、調子は」
「それよりこの造花……」
「あはは、診察室まで埋もれてしまっているね」
茶色い毛皮の、大きな日本狼が再び造花に潜る。出た頃には白衣を着た、人の姿になっていた。
「いやいや申し訳ない。片付けるのに協力してくれたら、バイト代出すよ」
うちの奥さんはズレてるんだよなあ。まるで私をマスコットキャラクターか何かだと思っている節がある。
動物病院の院長、草鍋薫は冗談めかして言う。「私が狼の姿で優位な時といったら、セックスのとき位だよ」
草鍋は失敬失敬と言って、顔を染める銀嶺に詫びる。
三十分後、銀嶺と草鍋は、すべての造花を段ボールに詰め直す。
「さあさあ、ギンちゃんとアルくん、どっちからにする?」
ボサボサの縮れた毛をまとめ、草鍋は後手に結い上げる。
電子体から実体へ、銀嶺が紙袋を咥えて現れる。電子世界で着替えれば、若干の手間が省ける。草鍋の提案だった。ライオン姿の銀嶺から、服の入った紙袋を受け取る。
「目、鼻、口、耳、問題なし」
続いて聴診・触診。──男に触られるのは好きではない──銀嶺は別のことを考え、気を紛らわせる。
「今、1日何回挿れてもらうの」
「一回と言ってるんですけど……休日は四、五回がザラで」
「ほどほどにねえ」
銀嶺は尾を上げられ、肛門の状態を見られる。「ちょっと腫れてるかな」少し触るよ、と草鍋はゴム手袋にローションを塗る。肛門を指で押され、銀嶺のそれは上を向く。「それじゃあ、ちょっと入れるよ」無遠慮に腸内へ、草鍋の指が侵入する。瞬間、銀嶺の腰が跳ねるが、草鍋は構わずに前立腺の大きさを確認する。銀嶺は我慢出来ずに腰を振り、先走りが診療台を濡らす。「ぁ……あ……っせんっせっ……ぁっ」草鍋は、動物相手なら抜いてやってもよかったが──と頭で呟き、「はい、終わりー」銀嶺の肛門から指を引く抜く。
「大丈夫? しっかり立って」
「は、はい」
「はい、着替えてきてください。しばらく待つよ」
草鍋は診療台の上に飛んだ、銀嶺の先走りを拭きにかかる。
(かなりの量だな──)
電子世界の簡素な院内で、アルの触診を受ける。身をよじり、適切な治療を望む。
「アルの……せいっ……だからね」
健康診断で肛門を見てもらうと言ったのに、朝からアルに肛門を舐め回された。
「くっそ、草鍋のヤロー、ギンにセクハラしやがって」
「そう、だ……戻らない……と」
「俺様の健診を受けないで行かせねえぞ」
アルの舌の動きが速くなる。
(随分と本格的に抜いてきたんだな──)
ギンは精液の臭いにまみれていた。