DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜 作:アンダーグラウンド
白粒降り積もり、今日も心は雪解けを待つ──。
白い髪の女は、雪のような頬を紅く染める。流麗な水の流れる着物を着て、座敷の奥に正座していた。
「パパ……アルちゃん──どうなの?」
女は突き抜けるような快活さで、巨大な黒猫に尋ねる。
「アルにゃんはここに帰って来たくないらしいニャン。ママ……たまには心配したらどうニャン?」
「心配なんて言葉、私たちの世界に存在していないわ」
「「私たちにあるのはただ一つ、愛だけ!!!!!」」
「マイハニー!!!!」
「ダーリン!!!!」
巨大な黒猫は白い翼の生えたライオンに姿を変え、女に飛び付く。女は白羽を背に生やし、柔らかく受け止める。
長い長い濃密なキス。年月を重ねたそれは、深く淡く、雪のように溶け合う。
「好きだ、好きだ、好きだ、好きだ」
「一度にいっぱい言ったらあふれちゃうわ!!」
「俺の愛を受け止められるのは、お前だけだぜ!!」
「やーん、そーちゃんだーいすき」
白い獅子はゆっくりと女を押していき、ひと羽ばたきする。女と宙に浮かぶと、そのまま股間の熱を押し付ける。
「ああ、ラブリーの中、気持ちいよお」
「そーちゃんの熱くてステキィ」
肉の中に埋まる熱が律動し、芳醇な香りが流れ出していく。
「おお! これがハンバーガーか!」 アルは嬉しそうにかぶり付く。
「結構細いところまで再現出来るみたいだよ。そしれこれがヒカリのスープ」
「それは銀のために作ったんだからね!! 1日かけてダシを取って──」
スープを飲みながらアルは、星宮ヒカリに視線をぶつける。
「えっと、次の料理教室は……」
リアルで一週間に一度、星宮に料理を習っている。主に保存に効くものを一緒に作り、その日の献立を考えてくれる。
「いつもの曜日、時間でオッケーよ」
また明日ね、星宮は僕の手を握る。
「おいこのアマっ──」
「ベーっだっ」
星宮は舌を出してアルと敵対する。そのままログアウトしてしまった。
「ある、いくらなんでも言葉が汚いよ」
「お前まで肩持つのかよ。月一の告白を断って、友達で居ようなんて、ムシが良すぎるぜ」
普通ならここで反発するんだろうけど、アルは僕以上に僕のことを想ってくれている。
「はい、激辛ドラゴン肉カレー」
大皿に盛られたそれに、ステーキ並みの大きさの肉が入っている。じっくり弱火で熱を通し、軽く表面を焦がしてある。カレーは市販の固形ルーではなく、いくつかのスパイスを混ぜたもの。インド風のエスニックな香りが立ち込める。大きなドラゴンの半熟卵をかけながら、いただく。
「ギン、サイコーだぜ!!」
縦に切り分けておいた肉が、するするとアルの口に滑り込んでいく。「うますぎる──」顔だけでなく、身体中が楽しそうに動く。
僕は半熟卵の欠片を、継ぎ足して行くのに追われる。
「ひー、か、辛い!!」
激辛と銘打ったものの、かなりの甘口だ。辛いものに慣れて、リアルの食事に影響が出たら大変だ。それでもアルにとっては大変な辛さに違いない。
「ほらほら、水を飲んで」
アルの食事風景を見るのは毎回楽しい。