DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜 作:アンダーグラウンド
巨大な閃光が天から降り注ぎ、ボスのHPは大幅に減っていく。
「はーい、お待たせしました!!」
桃子は呪文を唱えてボスをなぎ払っていく。
背中合わせに黒い虎を従えた女が、レイピアを構えながら範囲魔法を唱える。
「このボス達もログアウト出来ない要因になってるのよ。みんな協力してくれる?」
青い稲妻が飛び出して、ボスを割いていく。中から二人の男が現れる。
「「も・ち・ろ・ん」」
協力するよなー!! と、一字一句息が合う。ボスは二閃の刃に溶けていく──。
プロミネンス系の技を連発し、巨大な牛の虚像が突撃していく──。
ボスの攻撃は超長距離の弓矢と、魔法で打ち消される──。
「やったー!!」
星宮ヒカリは決まりのポーズを取る。
「モモ、やっと会えたな──」
弓矢を構えた男は、恋人に声をかける。
黒に光るコートを羽織り、銀髪の男は闇の剣を振るう。辺りに闇の残滓が飛び散り、バグの胴体が寸断される。男は背中を見ることなく、目の前に群がるバグを斬り伏せていく。男の両側から襲い掛かるバグに、鋭い牙が食い込む。動物の唸り声がし、あっという間にバグが飛び散る。その男の後ろでは激しい爆音が鳴り渡り、凄まじい戦火が繰り広げられる。
男は頭上を見上げ、宙に浮く巨大な城を確認する。「アル──」──ギンっ!!──お互いに声を掛け合い、男はアルと呼ばれた黒猫へ飛び乗る。背から漆黒の翼が広げられ、アルは城を目指して飛翔する。後には黒い羽根が舞い上がる。
眼下の戦況は目紛るしく、一進一退の攻防が続く。空中でも戦闘が繰り広げられ、鳥の羽根を生やしたドラゴンが火を吹く。闇の残滓を応用して、超広範囲の斬撃を創り出す。数体のドラゴンが、血飛沫を上げながら落下していく。
闇を繰る者の正体──先ほどまで、男が闘った相手もそうだった。黒いローブを取り払うと、人の姿に、竜の角と翼が生えていた。腕からは鱗が見え、目は爬虫類のそれだった。闇を嫌悪し、支配下に置こうとした者の正体──。
キリのない敵の猛攻に、ギンとアルはなかなか城に近付けないでいた。すると咆哮がこだまし、巨大な二頭の竜が現れる。光の塊が空高くから落ち、敵の群れに突っ込む。光の塊は激しい閃光と共に爆発する。
「ヒカリ、白鳳──」
次々と撒かれる流星に、敵はどんどん数を減らしていく。
ギンとアルは振り向かず、進み続ける。
いよいよ城に降り立ち、創世の王の元へと歩みを速める。
途中、二人の周りに風が吹き付け、天に昇るいななきがする。
「帝、碧、金、天風、それから──暮葉──」
天風の能力──人の意識に姿を移す能力。それと対になる、人の無意識に姿を移す能力──。
かつて対立したライバルは、風のように優しい笑顔を見せる。
「ギン、一緒に戦ってくれるか?」
「もちろん」
ぼくは旧友のように握手を求める。暮葉も自然に握手を返し、それ以上の言葉は必要なかった。
「んじゃ、行こうぜ」
アルはせっかちそうに言うと、真っ先に駆ける。
「いっちょやってくるかー」
続いて帝が駆け出し、碧、金、天風、暮葉と続く。
みんなの背を受け、ぼくはもう、走っていた──