DARKNESS FUR MOFUMOFU !!!! 〜僕はただモフモフしたいだけ〜 作:アンダーグラウンド
「貴様か、神無亜……」
乳白色のドームが裂け、巨大な人形の影が姿を見せる。両手には闇のつるぎを握っている。
直ぐに影は霧散し、ギンとアルの姿が浮かぶ。
創世の王はヒカリにまたがり、腰を振り続ける。
ヒカリは虚空を見つめている。
「ああ、神無亜……貴様を夕映に縛り付け、そうして闇の楔の役割を果たしてもらおうと思ったのだ。今からでも遅くはないぞ」
「誰がてめーのいいなりになるかよ」
「大勢の人の意識が集まるゲーム世界に閉じ込め、夕映にギンを始末させたのは結果として失敗だった」
「余興は終わりだ、ギン。神無亜は己のものだ」
「もうアルにその名前はない。さっさとヒカリを解放しろ」
「──この女は、己の番だ。大量に己の子供を作り、人の世界までも支配するのだ」
「それにな、この女は大変気持ちがよい」
突き入れられたヒカリは目を大きく開き、子宮に入る熱の圧迫に支配される。
アルは再び影でつるぎを握り、創世の王目掛けて遠投する。
「壊せはしないが、反発させることはできる」
弾かれたそれをライオンのギンが咥え、もう一度創世の王に突き刺す。
今度はギン自身が弾かれ、後方に大きく吹き飛ぶ。
アルの影は柔らかくギンを受け止め、今度は二人掛かりで創世の王に突っ込む。
何度目かの攻撃で、二人はついに力尽きる。
「どうした、もう終わりか?」
アルはギンを見て、キスをする。二度と戻って来られないかもしれない。
ギンの本物の影に、アルは姿を移す。
闇から鬼が現れ、アルカディルは光のつるぎを翻す。アルカディルと共に、闇を消していく銀嶺。
魔法の光線とと共に、ヒカリが現れ、煌びやかなステージが展開する。
「今日の鬼はひいふうみい……あと六体よ!!」
ヒカリはさっさと次の現場へと向かう。
ギンとアルが結婚したあとも、世界は何も変わらない。闇が解放され、影に鬼が潜む世界になっても、二人の間には光が照らしていた。
「相変わらず元気だな」
「ああ、本当にな」
「ヒカリ、一人で走ったら危ないぞ!!」白鳳がヒカリを追い、飛び立つ。
ギンとアルはわずかな時間も惜しいと、キスをする。
(永遠に続く世界の、ほんの一場面かもしれない──だけど僕らのこの一瞬は永遠だ──)
「ギン」
「なに、アル」
「ずーっと、ずーっと、愛してるぜ」
「ふふっ、僕もだよ」
改るアルに、僕は笑ってしまう。
「若くして総理候補か、すごいな、暮葉」
「全然だよ、ギンには敵わないって」
「もー、しっかりしてよね、パパ」
夕映の妻は、その腕に子供を抱く。
夕映が赤ん坊に指を近付けると、赤ん坊はしっかりと夕映の指を掴む。
僕はスタジアムで活躍する帝を見ながら、この小説を書き終える──。
これにて完結の形式を取らせていただきます。
かつてありえないほど巻き巻きでしたが、詰め込めるものは全部詰め込みました。
ここまで読んで下さった読者の皆様に、宇宙規模の多謝を──。
2016.04.16 アンダーグラウンド、筆(♂)を降ろす