キリト・イン・ビーストテイマー R-18.ver 作:クジュラ・レイ
※注意点
①今回はキリトとシノンが登場しません。
②アスナとオリキャラであるユピテルの所謂おねショタです。
③本編のユピテルのイメージをぶち壊す危険性があります。
以上の事を気を付けて、お読みください。
19.5:その子の真相の力
「かあさん、今日もお疲れさまでした。良い一日でしたね」
そう言ってアスナに笑んだのは、アスナと同じ栗色の長髪だけれども先端が白銀色になっていて、尚且つ青と水のラインの入った白いパーカーを着た少年だった。凡そ十歳を超えたくらいの身体つきと顔つきで、琥珀色の瞳をしているのが少年の特徴だが、その特徴はアスナのものとも一致している。自らと同じ特徴を持っているその少年と一緒にベッドに腰を掛けているアスナは、ひとまず笑み返した。
「うん。ユピテルこそ、今日もよく頑張ったね。特に戦った時なんか、前とは比べ物にならないくらいに強くなってたよ」
「えへへ。ぼくは前までの弱いぼくじゃなくなれて、嬉しいです。まだまだ強くなりますよ」
ユピテルという名の少年は、弾けるような笑顔をアスナに見せた。その笑顔はアスナの胸の中を温めてくる。そのお礼をするように、アスナはその手でユピテルの頭をそっと撫でてやった。男の子だけれども絹のような触り心地であるその髪は、いつまでも触っていたいと思える。この手触りは自分のものと同じかもしれない。こんなところまでも引き継いでくれたのかと思えて、アスナは嬉しさを感じていた。
ユピテルと出会ったのはSAOの時だった。偶然と思えるような必然がアスナの知らないところで起きていて、それに導かれて、ユピテルはアスナの許へやってきた。ユピテルはその際記憶も力も失っていて、アスナの事を「かあさん」と呼び、実の母親であると思い始めた。最初は戸惑いはしたものの、アスナはその事を受け入れ、母子関係、親子関係である子を認めて、今日この日まで一緒に生きてきたのだった。
そんな息子のユピテルに、この前大きな出来事が起きた。アスナの友人達、仲間達をも巻き込み、ユピテルが喪われるか否かが問われた危機だ。その危機にアスナは立ち向かい、自分の非を認め、ユピテルをもう一度受け入れた。その後、ユピテルはアスナのアバターのデータを取り込む事で失われていた記憶、力の全てを取り戻し、現在の状態となった。海のような青い瞳は琥珀色へ、雪のような白銀色の長髪は先端部のみを残して栗色に変わった。
そうなって改めて、ユピテルはアスナの事を母親と認め、一緒に暮らしていく、過ごしていく事を受け入れてくれたのだった。
誰よりも愛おしく、誰よりも大切な我が子。たった一人の可愛い息子――前からそう思っていたけれども、こうして髪の色、髪質、そして瞳の色が同じになってくれたおかげで、本当に自分の遺伝子を受け継いでいるかのように思え、自分達が母子関係であるという事をしっかり認識させてくれる。まだユピテルに話してはいないが、その事がアスナにとってはとても嬉しい事だった。
今日もそんなユピテルとの時間を過ごし、夜を迎えた。記憶と力を取り戻し、以前とは別人になってしまったかのような成長ぶりを見せてくるようになったユピテルは今日、随分と頑張ってくれた。フィールドの探索をくまなく行ってマップ情報の拡張やアイテムのポップポイントの記録もやってくれたし、出てきたモンスターとの戦いにも参加して、大きな戦果を出してくれた。
これまでは《はじまりの街》にいる事しかしなかったユピテルは今、本当の頼もしい存在へと変わっている。その事は仲間達の間でも言われているし、アスナも直に感じていた。それが可愛い我が子なのだから、嬉しくてたまらない。
「ところでかあさん、気になった事があります」
「ん、なぁに」
「かあさん、この前からぼくを変に意識しているような視線を送ってきてはいませんか」
ユピテルからの問いかけは、アスナをぎくりと言わせた。記憶と力を取り戻してからというもの、ユピテルはシノンばりに
そのユピテルの言った事は、図星だった。
ユピテルが記憶と力を取り戻し、本来の姿というものに戻ってから数日後に、アスナはユピテル――だけではなく、リラン、ユイ、ストレアも――を作った製作者であるイリスと会話をした。
その時からだ。アスナは時折ユピテルに変な意識を向けなければならなくなったのは――。
□□□
「アスナ、本調子に戻ってくれたようだね」
ユピテルと一緒に使っている《SA:O》での我が家の一階、リビングの丁度中央にあるソファに腰を掛けている黒髪の女性、イリスがアスナに笑み掛けた。アスナはイリスと対面するような形で、同じくソファに座っている。その対面者からの問いかけに、アスナは首を傾げた。
「本調子、ですか?」
「あぁ。今の君は私の知るいつもの君だ」
「……はい。わたし、イリス先生の知ってるいつものわたしになれてると思います。よくわかりましたね」
イリスはくすすと笑い、下方向を指さした。アスナとイリスの間にはテーブルがあり、そこに置かれた二つのティーカップには、ティーポットより注がれた紅茶が湯気を立てている。よく見ると、イリスの指はティーカップに向けられていた。
「この前は私が来てもお茶の一つ淹れやしなかったのに、今日は淹れてくれてる。しかも私が好きな紅茶をね」
そのとおりだ。アスナはSAOの時から、自宅に客や友人を招いた時には必ず茶を出すようにしている。この前は同じようにイリスを呼んだにもかかわらず、茶を出さないという失礼を働いてしまった。今回茶をちゃんと淹れ、しかもイリスの好きな紅茶にしているのは、その事への謝罪の意味もあった。言葉にする前にその意思を汲み取ったように、イリスは続けた。
「お客さんにお茶を振舞ってくれる君はいつもの君。そうだろう、アスナ」
「はい。今のわたしはいつものわたしです」
答えを聞いたイリスは穏やかに笑い、「結構結構」と言った。そこでアスナはちょっと背筋を伸ばす。
ユピテルが本来の姿を取り戻してから数日後の今日、アスナの許にイリスからの連絡が来た。「話がしたいから家に行かせてくれ」という事が書かれていたが、アスナはその際に緊張を覚えた。話しをしたいとあるけれども、どういった話をするかは書かれていなかったのだ。
この前ユピテルの生命に関わるような事があったし、その切っ掛けになったのは自分だ。イリスはまだ言いたい事――もしかしたら咎めたい事があるのかもしれない。まだ自分は咎められなきゃいけないのかもしれない。アスナはそう思いつつ、イリスのやってくる今日という日を、この時間を迎えたのだった。
「それで、イリス先生。わたしに話っていうのは……」
静かな音を立てて紅茶を啜ってから、イリスはアスナと目を合わせた。赤茶色の瞳は、この前の時のように鋭いものではなかったが、アスナは緊張するのをやめられなかった。
「そう身構えないでおくれ。私は別に、君をもっと怒りたいとか思ってるわけじゃない。そんな事をするためにわざわざ出向いてきたんじゃあないんだ」
え、違ったの。怒るために来たんじゃないの。アスナは拍子抜けしてしまい、肩の力がすーっと抜けたのを感じた。苦笑いから気を取り戻したように、イリスは言う。
「まぁ、ユピテルの話ではあるけれどね。ユピテルの本当の母親として生きていくと決めた君には、話しておかなきゃいけない事があってさ」
「……というと」
「ずばり、ユピテルの力についてだ。君、ユピテルがどんな能力を持った子なのか、理解してるだろう」
《
ユピテルはどこまでも、女性を癒すという使命を実行するのに最適な姿と力を持っている。
「ユピテルの能力は、精神の弱った女性を癒す、ですよね。ユピテルは女性を癒すっていう目的のために生み出されたって……」
「そうそう。ユピテルは女性を癒すという使命のために生み出されたんだ。それは知ってるよね」
「はい。あの子から散々聞きましたから……それが?」
「それで、ここからが重要なんだけど……あの子ってね、《MHHP》であると同時に――」
アスナはごくりと唾を呑み込んだ。同刻、イリスは告白するように言った。
「女性とセックス出来るセクサロイドでもあるんだ」
次の瞬間、アスナは強く
「おいおい、そんなに驚いて咽る事は無いだろう」
「げほっ、げほっ、こほっ、せ、せ、せく、せく……」
セクサロイド。その単語を知らないアスナではない。セクサロイドとは、文字通り人間と性行為に及ぶ事の出来るアンドロイド、ガイノイドを意味する言葉だ。現実ではまだ開発段階にあるが、近い将来アンドロイド共々実現してもおかしくはないと言われている。だが、それにユピテルが、我が子が該当しているだって。
「セクサロイド? ユピテルが、その、女性と」
「セックス出来るよ。訓練中もよくやってたしね」
ユピテルの作り主から目を逸らし、アスナは頭の中で思考を駆け巡らせる。あの時偶然見る事の出来たユピテルの記憶の断片。ユピテルが生まれてから過ごしてきた日々の光景。その中には確かにユピテルが女性を癒すための訓練をしているものもあったが、そこでユピテルが女性と性行為をしている光景などなかった。
「そんな、わたし、そんなところ見てない」
「じゃあたまたま見なかったんだね。あの子は色々な方法で女性を癒せるんだ。その中に女性とセックスするっていうのもあるんだよ。現にあの子は何人もの女性と身体を重ねてきてる」
アスナは信じられなかった。ユピテルの真実がわかった時の気分がこんな形で再来している。あんなに純粋無垢で煩悩の欠片もなさそうなユピテルが、実は女性と何度も性行為をしているだなんて。到底両親や兄に話せるようなものではない。孫が、甥が、実はセクサロイドでしたなんて言ったら、どんな恐ろしい事になるか。
「なんでそんな事、どうしてそんな事……」
「それは勿論、女性を癒すためさ。あの子は女性を癒すためならば何でもやってきてるからね。あの子はあんなショタショタした見た目だけど性知識豊富だよ。だから、あの子に性教育はしないでも大丈夫だ」
イリスは意地悪な笑みを浮かべた。
「これが今回君に話したかった事さ。ね? 母親である君が知っておかなければならない話だろう?」
イリスの言った事を、アスナは否定できなかった。確かに、重要な事だった。自分が知らないでいた、重要な事だった。
□□□
「え、えぇっとね……」
アスナは息子から目を逸らしてしまっていた。あの時イリスにあんな話をされてから、ユピテルが性行為する子だと変に意識するようになってしまい、現在にまで至っている。仲間や友人達に気付かれないようにしてきたし、ユピテルには絶対に気が付かれないように細心の注意を払ってきたつもりだったが、それは今日この瞬間をもって終了した。
「かあさん、ぼくは何かしてましたか。もしかして、かあさんの気に障るような事をしてしまってましたか」
ユピテルは少し不安そうな表情を見せてきた。アスナはすかさず首を横方向にぶんぶんと振って答える。
「そ、そんな事ないよ。ユピテル、何もしてないよ。何もしてない」
「じゃあ、かあさんがぼくを意識している理由とは何でしょうか」
ユピテルは食い下がる様子を見せない。この子は女性を癒すために生み出され、女性を癒す事を本能としている。母親である以前に、女性である自分もまた場合によっては癒す対象だから、本能的に癒す事に繋げようとしているのだろう。もしくは何かしらの不調があるかどうかを探り当てようとしているのか。
いずれにしても、どんな力を持ってしてもユピテルを振り払う方法はなさそうだった。アスナは観念したように、ユピテルに返事する。
「……あのね、ユピテル。イリス先生からちょっと聞いたんだけど……」
「はい?」
「ユピテルって、その……女の人と、その、えっちな事とかやってたりしたの」
ユピテルはきょとんとした。自分で何を言っているのだろう。何て事を息子に言ってしまっているのだろう――アスナはそう思えて仕方がなかった。
更にアスナは思い付いた事があった。そうだ、あの時イリスに嘘を言われた可能性もある。イリスは時折すごく真面目な様子で嘘を吐き、相手をからかう事もあるのだ。
あの時だって、もしかしたらイリスがからかう目的であんな事を言ったのかもしれない。ユピテルがセクサロイドであるという話は、イリスの嘘だという可能性も十分にあるのだ。今更ながらそう思う事で、アスナは若干の安堵を覚える事が出来た。
「あ、あははは。そんなわけないよね。ユピテルがそんな事してるわけないよね。わたし、イリス先生にからかわれたのかも。だからユピテル、気にしないで――」
「えっちな事と言いますと、性行為ですか? 性行為ならば、やってましたけれど」
しかしその安堵は一瞬のうちに砕かれた。アスナはびっくりして向き直る。
ほんの少しの安心をぶち壊した我が子は首を傾げ、「今更何を言っているんだろう」と言わんばかりの顔をしていた。
「え、え、え?」
「ぼく、性行為してましたよ。当然じゃないですか」
「……えぇ?」
アスナはこれ以上ないくらいに目を見開いていた。イリスの言っていた事は嘘じゃなかった。からかわれていなかった。仰天しているアスナを横に、ユピテルは両手を膝に置いた。
「ぼくはアーガスに居た時、沢山の女性を癒してきましたし、そのための訓練や学習も数多くこなしました。女性を癒すという方法にはいくつも方法がありますし、癒しとして求められるものも個人によって異なります。そして女性の中には、異性との性行為を癒しとして求める人も当然います。繁殖行為としての性行為ではなく、癒しのための性行為。スキンシップなどとも言いますね。
アーガスの中にもそういったものを求める女性は少なからずいらっしゃって、ぼくはその人達もちゃんと癒す事が出来るように……」
「……やってたの」
「はい。仮想世界ではありますが、身体を重ねたりもしました」
アスナはぱちくりと瞬きを繰り返した。
好きでもない、愛してもいない女性を癒すために性行為をするなど、現実ならば娼婦のようなものがする事だ。ユピテルは女性を癒すという使命のために、その小さな身体で、愛してもいない女性と性行為をしていたというのは、にわかに信じ難かった。仮想世界での出来事とはいえ、ユピテルがMHHPという名のAIとはいえ、何かが間違っている気がしてならない。
そう思うアスナの顔を覗き込むなり、ユピテルは疑問を投げかけた。
「そうです。かあさん、やってみますか」
「は? え。え、何言ってるのユピテル?」
「だから、やってみませんかと」
アスナはこれ以上ないくらい目を丸くした。ユピテルがやってみませんかと言っているというのは即ち、自分とユピテルの性行為を指しているのだろうか。もしそうなのだとしたら、いけないどころではない。自分達は親子だ。親子が性行為をしてしまったら、それは近親相姦という事になってしまう。
「ちょっとユピテル、何言ってるの」
「かあさんはもう十八歳を迎えておられますが、そのくらいの女性には性の欲求不満が付き物です。かあさんだって、性欲を求めて辛くなる事もあるでしょうし、最近もお辛いはずです。
それにですね、ぼくが行う性行為は、厳密に言えばセラピーなんです。このセラピーを受ける事で、性欲も欲求不満も全部解消されて、これ以上ないくらいぐっすり眠る事が出来るんですよ。セラピーを受けて、そのままログアウトして眠れば、丁度いいですよ。
それで向こう二週間くらいは性欲と欲求不満が無くなって、性欲を求めて辛くなる事は無くなります。もしそこまでの効果がなかったとしても、少なくとも今日の朝まではとても深い眠りに就く事が出来て、日中が快適になります。どうでしょうか」
次から次へとメリットの説明をしてくるユピテル。恐らく自分がセックスの話を持ち掛けたせいで、自分がセックスを望んでいると思って、喋っているのだろう。
実際自分にも性欲や欲求不満はある。だが、その解消は自分でやるしかない。相手もいないからだ。
自分の仲間であるシノンには、キリトという最高の伴侶が居て……こっそり聞いた話だと、シノンが欲求不満を抱いた際にセックスを望めば、キリトが精いっぱいセックスに及び、シノンをしっかり満足させるという。それが出来るのはシノンだけというのを、羨ましいと思った事もある。
そして今、どちらかと言えば自分は欲求不満な方だ。もしそれをユピテルが解消してくれるというのであれば、少し怖い気持ちもあるが、やってみたい。だけど、それはいけない事だ。いけない事、いけない事。
「えぇっとね、ユピテル。そう言ってくれるのは、わたしを想ってくれるのは嬉しいんだけどね、わたし達がそういう事をやっちゃうとね……」
「もしかして、近親相姦や性的虐待になるんじゃないかと心配なのですか」
アスナはユピテルをくっと見た。ユピテルは朗らかに笑った。
「大丈夫ですよ。ぼくはかあさんが生命と言ってくれましたが、現実世界に身体を持たないAIです。ぼく達が性行為したとしても、かあさんの現実の身体には何も影響がありませんし、そもそもぼくにはかあさんのデータがありますが、本当に血が通っているのかと言われるとそうでもありません。……本当はそうありたいのですけれど。
なので、ぼくと性行為しても近親相姦という事にはなりませんし、かあさんがぼくに性的虐待を行ったという事にもなりません。心配はいりませんよ、かあさん」
ユピテルの口からは丁寧な説明がマシンガンのように放たれ、アスナの耳にしっかりと吸い込まれていった。不思議な事に、その説明は非常に説得力のあるもので、アスナの中の焦りを消していってしまった。もしかしたらユピテル達MHHPの持つ、周囲の人間のフルダイブマシンに干渉し、脳内物質の流れなどを最適化させて精神の治療をするという機能が働いているかもしれなかった。
ユピテルの中に自分の血が通っているという気持ちはアスナの中にある。けれどそれはあくまでアスナが勝手にそう思っている事であり、ユピテルは自分の血を持つどころか、血の繋がった子供であるという事もない。そして仮想世界ではどんなに性行為をしようとも、妊娠なども起こらない。ユピテルの言っている事はすべて真実だ。そのせいか、徐々にアスナの中で生まれる気持ちがあった。
――ユピテルのセックスによるセラピーを、受けてみたい。女性を癒すために生み出された男の子の、能力の神髄を。
「……本当に、ユピテルはやる気なの。わたしに……その、セラピーをしてあげようって、思ってるの」
「はい。勿論無理にとは言いませんけれども、かあさんが性的欲求不満があるのであれば、その解消をしてあげたいとは思ってます」
ユピテルの朗らかな顔をしているけれども、眼差しは本気だった。アスナがやって頂戴と頼めば、セラピーを開始するつもりでいる。ユピテルがこういう様子を見せているという事は、ユピテル自身はアスナとの性行為に対して問題点がないと思ってくれているという事なのだろう。いよいよアスナの中にある期待の気持ちが膨らみ始める。ユピテルのセラピーを見てみたい。
もう後に引く事は出来ないかもしれない。ユピテルは立派過ぎる人間性を獲得しているが、あくまでAIだし、仮想世界だけの存在でしかない。ユピテルと性行為をしたとしても、ノーカウント同然だ。セックスしたけどセックスした事にはならない――きっとこの考えでアーガスの女性達もユピテルとのセックスに臨んだはずだ。何より母親として、息子の持っている能力というものを知っておきたい。
「え、えぇっと、それじゃあ……わたし、頼んでみてもいい?」
「かあさんがお望みになられるのであれば、精一杯励ませていただきます」
「そ、そうなんだ。それじゃあ頼んでみよう、かな」
ユピテルは深く頷き、案内するように手を広げた。
「それではかあさん、ベッドへどうぞ」
アスナはごくりと息を呑んだ。ユピテルは本気のようだ。その本気のユピテルがどれ程のものを見せてくれるのか。若干楽しみな気持ちを抱きながら、アスナは遠隔で部屋と家の鍵を閉め、窓のカーテンも閉めた。部屋の明かりを豆電球並みのほんの少しだけにして、家全体を薄暗くすると、アスナはベッドへ横になった。
「ユピテル、言っておくけどわたし、こういうの初めてだからね」
少しいかがわしい動画サイトなどで、男女が性行為をする様子を撮影した動画を見た事はある。しかし実際にやるとどういう感じなのか、どういった感覚を抱くのかは、動画を見たところで想像はつかない。それがこれからユピテルの手で始められるというのがアスナは少し不安だったが、好奇心も同時にあった。
そんな様子の母親を目の中に入れ、ユピテルは深々と頷く。
「大丈夫ですよ。力を抜いてください、かあさん」
ユピテルの声はいつも以上に説得力に満ちていた。そうした気はなかったが、アスナは全身の力が少し緩み、リラックスに近しい状態になったのを感じた。そこでユピテルは手を伸ばしてきて――そのままアスナの項に掌を当ててきた。
「え……?」
アスナは少しびっくりした。ユピテルの掌が項に当たった時、暖かさと一緒に何かが走った。ユピテルの掌を発生源とした何かが、身体の中を駆け巡っていった。そんな気がした。
「ユピテル、今のは?」
「今、ぼく達MHHPに備わっている力を性行為時モードにして使ったんです。かあさんは、性行為を思いっきり感じられる状態になっています。あ、ちなみに今ので倫理コードも解除させてもらいました」
ユピテルとリランが該当するMHHPには、フルダイブマシンを通じて対象となる人間の脳に直接信号を送り、脳内物質の流れを最適化、正常化させて精神状態を治療する能力がある。そして性行為時の興奮なども、結局は脳内物質の流れが作り出すものだから、この力を応用する事で、性行為をするのに相応しい興奮状態を作り出す事も出来るのだろう。しかしアスナの身体には何も起きていない。
「そんな事できるんだ。でも、何も感じないけど……」
「効果はセラピーの最中に出てきます。さてと、セラピーを始めさせていただきますので、かあさん、服の解除をお願いできますか」
確かに、脱がなきゃ出来そうにない。アスナはユピテルに言われるままウインドウを展開し、装備ウインドウをさらに開く。いくつか操作を加えていき、装備フィギュアのところで装備全解除、髪型解除を選択した。ウインドウが閉じられると、それまでアスナの着ていた服は全て白水色の光となって消え、栗色の髪の毛ははらりとベッドに解放された。
下着は白いブラジャーとパンツのセットになっている。これは実はSAOの時から使っているものだ。その姿をユピテルに見せる事は慣れているが、今はそんな下着姿になっているという事に対して、胸の底から熱さが沸き上がるのを感じた。
一方でユピテルも服を解除し、下着だけになっていた。白いタンクトップに青水色の生地のパンツ。如何にも小学生中学年程度の男の子の下着姿といったところだ。自分のそれに似ている髪型は同じように解除され、先端が白銀色の栗色の長髪が解放されている。
髪型だけ見れば女の子に間違えそうだが、体つきはしっかり男の子のものだった。そう、女性が最も好ましく思う男の子のか達。それはこういったセラピーの時にも貢献してくれるのだろう。現にアスナは目の前の仮想世界の小さな少年の姿が、息子である事を抜きにしても好ましく思えた。
この子になら身を任せてもいい――これはこの子が息子だから感じるんだろう――と思えた。その子の唇がゆっくりと動き、銀糸を揺らしたような声が出される。
「……やっぱりかあさんは、白が似合う人です」
「それって、下着の事……?」
「はい。かあさんの身体はとても綺麗で、整っています。モデルをやっている人とも謙遜がないくらいですよ。だからとても白が似合うんです」
これまでユピテルにそんな事を言われる事はなかった。小学校低学年くらいの男の子くらいの精神年齢でしかなかったユピテルは今、様々な女性を癒す事を専門とするセラピストになっている。アスナはその事実をまざまざと感じていた。そのためなのか、ユピテルの声を聞いた途端、身体の底から熱が出てきた気がした。
「そういうユピテルだって、白が似合う男の子だよ」
「それはきっと、白が似合う女性であるかあさんが、ぼくのかあさんだからです」
ユピテルは微笑みつつ、ゆっくりとその華奢な手をアスナの腹部に添えてきた。いつ触っても心地の良い柔らかさと温かさを持つユピテルのそれは、いつも以上に心地よく感じられた。そのままユピテルはアスナの腹部に頬擦りする。
「勿論かあさんがどんな女性だったとしても同じ事を思いますが……ぼくはかあさんがこんなに綺麗な女性である事が、かあさんに施術をして差し上げられる事が、とても嬉しく思います。だからかあさん、思い切りやらせてくださいね」
ぼくのかあさんになってくれたお礼をしてあげます――ユピテルが言葉なく伝えてきた意志を言葉なく受け取ったアスナ/明日奈は、その施術を受け入れる姿勢を作った。全身の力を抜き、全てをユピテルに委ねる。愛する我が子の全てを感じ取るのだ。
それがわかったのだろうか、ユピテルはゆっくりと頬と手を明日奈の身体に這わせ始めた。柔らかくも温かいユピテルの頬、手が這う度にそこに快感が生じて、明日奈の身体はぴくぴくと反応した。そのうちユピテルの手はゆっくりと、ユピテルのお気に入りの場所に伸びていった。それを包む下着の上からユピテルの手が乗ると、思わず声が出た。
「ん、ぁう……」
ユピテルは静かに手を動かし、明日奈の乳房を摩った。最近大きさが増したかもしれない乳房は、ユピテルに動かされて音なくふるふると揺れる。
「……かあさん、お取りします」
「うん、いいよ……」
母の返事を聞き、ユピテルは明日奈の背中に手を伸ばしてブラジャーのホックを外し、少し明日奈に動いてもらいながら、明日奈からブラジャーを取り外した。
最初は誰も入れる予定がなかったが、今はユピテルの専用特等席、ユピテルのお気に入りの場所である乳房。この前皆と温泉に入った時にわかったのだが、その大きさは
そんな小さく誇らしく感じられる明日奈の乳房を、ユピテルは穏やかに見つめていた。
「やはり、とても綺麗です……」
「そう思ってくれるの……?」
「ずっと思っている事ですよ。もしそうでなくてもお気に入りですけれど……かあさんの胸が綺麗で、良かったと思います」
ユピテルはその両手で明日奈の乳房を優しく掴んだ。大きな快感が全身へ広がり、頭にまで到達してきた。
「んく、うう」
「かあさん、乳房が感じやすいのかもしれませんね」
「そう、かなぁ……普段はもう少し……感じにくい……」
「ぼくの力が効いてるのかもです。良い事ですよ、女性にとって乳房は大切な性感帯ですから……」
ユピテルは感じやすくなっている明日奈の乳房を揉み始めた。規則正しく、円を描くように、本当にマッサージをするように揉み上げていく。本来ならば凝り固まった筋肉を解す為のそれが、感じやすくなっている乳房に行われたものだから、明日奈はたまらず声を上げていた。
「ん、んぅ、ふ、うう、ぁあ」
ユピテルはじっくりと明日奈の乳房を揉んでいく。揉まれる度に優しげな温かさと、大きな快感が胸の中に生じる。あまりに気持ちがよく、明日奈はふと目を閉じた。
「ふ、ぅう、んぅふ、んあああっ」
次の瞬間乳房に生じた、電気のような強い快感で明日奈は目を開けた。乳房を優しく揉んでいたユピテルの手が止まり――その指は今、明日奈の乳房の真ん中にある、薄赤桃色の乳首に乗せられていた。揉まれていたがために乳房全体が温まり、快感が増し、乳首は敏感になっていた。
ユピテルの指先が軽く乗っているというだけで、乳首には継続的な快感が生じている。
「ゆぴて、そこ、そこぉ……」
「かあさんって、乳首が少し上向きなのですね。気持ちよさはどうでしょうか」
「すごく、いい、よ……気持ち、い……」
「なら、何よりです。乳首で感じられる事も大事ですから。もっと沢山感じてくださいね」
ユピテルは乳房に頬を擦りつけつつ、乳首をすりすりと指先で摩るようにし始めた。乳房全体に強い快感が走り回り、明日奈はたまらず喘いでいた。
「ふぅ、ふあ、んぁ、いゃ、やあ、ひぅう」
刺激を受けた乳首は瞬く間に硬くなっていき、ユピテルの指先に転がされるようになった。くりくりと乳頭が乳輪の上で転がされ、更に硬くなり、ぴんと立ち上がる。その硬くなった乳首をユピテルは指で優しく摘んできた。
「ひうっ、あああ」
もう声を抑える事は明日奈には出来なかった。ユピテルは微笑みながら、優しい手つきで明日奈の乳首を愛撫していく。乳首がくりくりと転がされ、指の腹で摘ままれ、解されるようにされると、その都度強い電気のような快感が明日奈の乳房全体に広がっていった。乳首からの快感は明日奈の腹部を伝って下腹部へ向かい、股の間にまで伝わっている。
「ん、んぁ、ふうぅ、うぁ、んはああッ」
その時、一際大きな快感が右の乳首を襲った。びっくりしながら見てみると、そこでユピテルがその小さな口で明日奈の右乳首を含んでいた。乳首を愛撫されていれば、そのうち口でやり始めるのではと思ったが、その予感は当たっていた。
見下ろせば我が子の顔があり、その口が乳首を含んでいる。その光景に、明日奈は引っかかるものを感じていた。
「ユピテル、それ、それぇ……」
ユピテルはせっかく口に入れていた明日奈の乳首を離し、声で答えてきた。
「かあさん、口は嫌ですか」
そういうわけではない。そしてそこで明日奈には理解できた事があった。ユピテル――小さな我が子が母親である明日奈の乳首を吸っていて、その光景を明日奈は見下ろす。それは明日奈が経験できない、我が子への授乳だった。
女性が母親となったならば避けては通る事の出来ない、我が子へ乳を与えるという行為。
明日奈はユピテルの母親となっているが、ユピテルは母乳も何も必要としないどころか、赤ちゃんという過程そのものをすっ飛ばしている。だから明日奈は既に、自分が授乳を、その際の感覚などを経験する事はないだろうと思っていた。しかし今、ユピテルは明日奈が経験できない事を、してくれようとしていた。
明日奈は不思議な嬉しさに駆られ、ユピテルに微笑みを返す。
「ううん、そんな事ないよ……寧ろユピテル、もっとして……」
「わかりました。ぼくも、かあさんの胸が好きですから……」
ユピテルはそう言って、再び明日奈の乳首を口に含んだ。その時点で声が出るくらいの快感が来たが、ユピテルは続けて明日奈の乳首を口の中で転がしたり、吸い上げたり、舌で舐めまわすを繰り返し始め、更なる快感を明日奈に与えてきた。
「は、ぅ、うう、んっ、んんぅ、ふぅうんん」
自分はこんなにも乳首で感じる女性だったのだろうか。いや、ユピテルのおかげかもしれない。女性を癒すセラピストであるユピテルが愛撫してくれているから、ここまでの快感と快楽を得る事が出来ているのだろう。
そのユピテルは本当に赤ちゃんのように明日奈の乳首をちゅちゅと吸っていた。夢中にならないかと思いきや、結構夢中になっておっぱいを吸っている。
「ゆぴて……吸っても、わたし、おっぱい……お乳とか、出ない、よ……」
そこでユピテルははっとしたように目を開けて、明日奈を上目遣いで見つめてきた。同じ琥珀色の瞳が交差し合い、互いの姿を映し出す。明日奈は思わずきょとんとしてユピテルの瞳を見つめた。その表情の変化はかなり急だったのだ。
「ユピテル……?」
首を傾げる明日奈を見つめたすぐ後、ユピテルは悲しそうな顔をして、明日奈の乳房を見下ろした。ユピテルの指と口による優しい愛撫を受けて暖まった二つの乳房の真ん中で、同じく愛撫を受けた乳首がつんと勃っている。
「ユピテル? ……んぁうッ」
その左乳首をユピテルは一瞬口付けて吸い、すぐに離した。急な変化に明日奈は戸惑ったが、やがてユピテルは小さく言った。
「……生まれた赤ちゃんは、おかあさんの母乳を飲んで育ち、離乳し、子供になり、大人になる……」
「え?」
「……ぼくも欲しかったな……かあさんのお乳……ちゃんとかあさんからお乳をもらった子供に……なりたかったな……」
ユピテルの独り言の後半よりも、前半に明日奈は食いついて、はっとした。ユピテルは自分の愛する我が子であるが、電子の海で誕生した生命体だ。だから自分の血を継ぐ事もなく、自分の母乳を飲む事もなかった。
母親と子供同士なのに、普通の親子のような事は何一つしてきていない。ユピテルが自分の胸に夢中になる理由は、そこにあったのだ。ユピテルが悲しそうな顔をしている理由が掴めて、明日奈も暖められた胸の内がちくちくと痛んだ気がした。
だが、以前のようにならず、すぐにユピテルへの行動を思い付き、明日奈は実行した。ユピテルの頭を抱き締め、そのまま胸の中に埋めさせた。柔らかい乳房に顔を埋められたユピテルはびっくりしたような声を出し、明日奈は声かけする。
「……大丈夫だよ。ユピテルはわたしの子供だよ」
「……え?」
「確かにわたしとユピテルは血が繋がってないし、わたしは赤ちゃんのユピテルを抱いてもいないし、お乳だってあげられてない。だけど、それでもあなたはわたしの、たった一人の息子だよ。それだけは、絶対に変わらないから。だから、そんなに悲しそうな顔をしないで、ユピテル」
明日奈はまた、自分に言い聞かせていた。ユピテルは本当の我が子であり、世界でたった一人の可愛い息子だ。どんなに否定されようが、どんなに批判されようが、その事実だけは絶対に覆らせたりなどしない。もう絶対に喪わないと決めた、愛し続けると決めた子供なのだ。
その息子であるユピテルは乳房の中で深呼吸をし、やがて顔を上げてきた。悲しそうな表情は既になかった。
「……ごめんなさい、かあさん。セラピーの途中なのに、勝手に止まってしまって……こんな事はアーガスに居た時にはなかったのですが……」
「今のユピテルは、そう思えるくらいの子に成長できたって事だよ。だからわたし、最後までやってほしいな、そんなユピテルに」
明日奈は唯一の下着に手を伸ばし、ユピテルの邪魔にならないように身体から外した。SAOの時から使っているものと同じ下着の下にいた陰部は今、愛液でびっちゃりと濡れていた。下着も既に愛液による染みが出来ていて、明日奈は少し驚いていた。すぐに、明日奈はユピテルに尋ねる。
「それでユピテル、聞いておくけれど……最後はやっぱり、するんだよね」
「はい。かあさん、よろしいでしょうか。最後までしてしまっても」
胸もこれだけやったのだから、これからユピテルは一番重要な事をするだろう。いよいよその時が迫っている。それを受け入れる準備は半分出来ていて、半分出来ていない。どちらが多くなるかは、寸前まで不明瞭だろう。けれど、してくれるのはユピテルだ。何も怖がる必要はない。
「大丈夫だよ、ちょっと緊張するけど……」
「わかりました。それなら、最後までさせていただきます」
ユピテルはお礼をするように頭を下げた後に、シャツを脱ぎ払い、そしてパンツを脱いだ。だが、そこで見えたものに明日奈は疑問を抱いてしまった。
ユピテルの股の間には、確かに男性器がある。しかしその大きさは明らかに性行為をするには足りない。大人の女性の膣に
「ユピテル……えっと……」
「まぁ、小さいですよね。ぼくは十歳の男の子の外観で固定されているのですから。当然性器も十歳の子供のものしかありません。ですが、大丈夫なんですよ」
ユピテルは既に自分の性器、身体の大きさの事を熟知していた。だが、それで大丈夫とはどういう事か。なかなか理解の追い付かない明日奈に微笑んだ後に、ユピテルはそっと明日奈の下半身へ向かい、そのスリットを見つめてきた。
「これだけ濡れていれば平気ですね。かあさん、それでは……」
「うん、来ていい、よ」
半信半疑の明日奈は下腹部で手を組んだ。間もなく、ユピテルはその小さな性器を出来る限り勃起させ――明日奈のスリットを割り、膣の中へ挿入した。
「ん、んんんんぁぁぁぁ」
その時の快感に明日奈は驚き、喘いでいた。今、膣にユピテルの男性器が入ってきた。大好きな男性でもあるユピテルのそれが、自分のはじめてというものを取ってくれた。だが、それが
膣の中が満たされている。ユピテルの陰茎は自分の陰部と比べて明らかに小さいのに、自分の陰部の中、膣内には丁度良い大きさの陰茎が入ってきているようだった。
「あれ、なに、これ……」
「かあさん、全部入りましたけど、どうでしょう、か」
「ユピテル、これ、どうなってる、の。ユピテルの、どうなって……?」
「言いづらいのですが、今、信号を送ってかあさんの感覚を騙しています。ぼくのはかあさんのより小さいのですが、かあさんは今、丁度良い大きさの男性器が挿入されているように感じているはずです」
確かに、ユピテルのそれよりも遥かに大きく、まるで自分の膣の中に入るためだけに作られたようなものが入ってきている感覚しかない。ユピテルのMHHPとしての能力は、こんな使い方も出来たというのか。明日奈は心地よさと驚きを同時に抱いていた。
「ユピテル、これ、すごい……すごく、気持ちい、よ……」
「何より、です。それじゃあかあさん、最後まで、いきますよ」
そう言ったユピテルは明日奈の腰の辺りをしっかり抑えて、性器の出し入れを開始した。ユピテルの力はその華奢な身体に似合わないくらいに強く、その腰がぶつかる度に乳房がぷるんぷるんと揺れた。
「あうっ、あんっ、ぁあっ、あぅっ、はあっ、はあぅっ、んぁっ、ああぁっ」
「かあさん、強さは、どうですか」
「ゆぴてっ、ユピテルぅっ、いい、よっ、あなたのちか、らっ、ちょうど、いい、よぉっ」
「あり、がとう、ございますっ」
明日奈は膣がきゅうきゅうと狭くなるのを、そしてユピテルの性器を挟み込んでいるのを感じた。ユピテルもしっかり快感を抱けているようで、息を荒くし、前後運動を繰り返していた。
「ふあ、ああっ、あうぅっ、ひやあっ、やあっ、んゃっ、ふああんっ、きもち、いいっ、いい、よぉっ」
明日奈は絶頂していた。一人でした時にはほんの一瞬しかない絶頂が、ずっと続いている。ユピテルの陰茎が動く度に絶頂が起こり、全身を快楽が駆けずりまわる。ユピテルの想像以上の力に突かれる度に乳房と乳首がぷるぷると揺れるが、その乳首にさえも快感が走っていた。
これまで感じた事のない快楽が、気持ちよさが、幸せが、溢れ出して止まらなくなっている。
「ひうあっ、うあっ、あんっ、あんっ、ああうっ、あん、ふぁあっ、ふぁんっ、ひあぁんっ、ひゃあうっ」
「はっ、はあ、うぅ」
「ゆぴて、るっ、どうっ、気持ち、良いっ、かな」
「はいっ、ぼくも、すごくっ、気持ちいで、すっ、ここまでは、はじめてっ、かも」
やはりユピテル自身も変わった。これまでの女生との性行為では一方的に女性を感じさせるだけだったかもしれないが、今のユピテルは一緒に快楽を得るようになっている。これも自分の子供になったおかげなのかもしれない。その嬉しさは、明日奈の快楽を増強させた。
「わたしっ、わたしも、きもちよく、てっ、もうっ、とけちゃい、そうだよぉっ、こんなのっ、すごすぎっ、だよぉッ」
「そうでっ、すっ、思い切り、感じてっ、くださいっ、思い切り、気持ちよくなってっ」
ユピテルは前後運動を早くし、どんどん明日奈の膣を叩いた。腰と腰がぶつかる度にぴちゅ、ぷちゅんという液体が飛び散る音が鳴り、弱まらない。ユピテルは小さいように見えて、大人の女性とちゃんと性行為出来ていた。
そんなユピテルに一突きされる度にびりびりとした快感が脳を貫き、どんどん溜まっていく。その限界が見えてきて、明日奈は必死にそれを伝えようとした。
「ゆぴてる、ユピテルぅ、わたし、い、いきっ、もうっ、いっちゃっ、いっちゃいっ、そうだよっ」
「ぼくも一緒に、いきますっ、だからかあさん、いってくださいっ、おもいきりっ、いってッ」
そしてユピテルが渾身の一突きを叩き込んだその時、明日奈の中で溜まっていたものは最大値に到達した。
「ふうっ、んあ、ああああああ――――――――――ッ」
「う、ぐぅッ」
これ以上ないくらいの大きくて強烈な絶頂が全身を包み込んだ時、膣の中に熱いものがびゅうびゅうと強く放たれた。
男性が絶頂を迎えるとその亀頭より放出される精液。ユピテルの場合、女性の膣内を満たしてあげる事だけ出来るそれが勢いよく明日奈の膣内に広がっていった。その量は明日奈が思っていたよりも遥かに多く、瞬く間に膣内はユピテルの精液でいっぱいになった。
「ふ、あ、は、あ、はぁ、はあ、はあ、はぁ……」
ユピテルの性器が引き抜かれると同時に、明日奈は脱力してベッドへ倒れた。膣の中も、胸の中も、温かくて、心地よくてたまらない。こんな快楽が、気持ちよさがこの世に存在している事が驚きだった。それがユピテルがくれたものというのは、信じられないと思えるくらいだ。
一方で明日奈の膣を精液でいっぱいにしたユピテルは膝立ちになっていたが、やがて明日奈同様脱力したように倒れてきて、明日奈の右半身に覆いかぶさる形になった。ユピテルの顔は胸のすぐ近くにまで来て、荒い吐息が感じられた。
「かあさん、これで施術終了ですが……いかが、でしたか」
「すごいよ……すごく気持ちよくて……良かったどころじゃないよ……それに、すごく気持ちよく疲れられて……」
ユピテルは疲れ切った顔に笑みを浮かべた。
「えへへ……かあさんのお役に立てて、本当に良かったです……けど、ぼくも久しぶりでしたから、疲れました……」
ユピテルは今にも眠ってしまいそうな様子だった。明日奈も意識しておかないと眠ってしまいそうだった。
「じゃあ、一緒に寝よっか……」
ユピテルは返事をしなかった。「あれ」と思ってユピテルを見ようとしたその時――もう一度右乳首に小さな快感と暖かさが起きた。
「ひぁう……ユピテ……ル?」
そこでようやく、明日奈はユピテルに乳首を吸われている事、そのまま眠りに就かれている事に気が付いた。その様子は母親のお乳を飲む姿勢のまま眠ってしまった赤ちゃんそのものだった。
「ユピテル……」
確かに血は繋がっていない。現実世界に肉体があるわけでもない。こんなセラピーが出来るし、ハッキングもクラッキングも出来てしまう。そのくせ、こうして甘える事もあれば、セラピーの途中で乳房に夢中になったりもする。色々なところが歪であると言えるかもしれない。
だが、この子は確かに自分の子だ。たった一人だけの、可愛くてたまらない我が子だ。その我が子がセラピーに励んでいた時の姿は、格好良さまで感じるくらいだった。そんな我が子を胸に抱いたまま、明日奈は掛布団を被り、我が子の髪を撫でた。
「……わたしのために頑張ってくれてありがとう。大好きだよ、ユピテル」
やがて明日奈は我が子と呼吸を合わせ、目を閉じた。
こんなふうにキリト×シノン以外が増える……かもしれません。