キリト・イン・ビーストテイマー R-18.ver 作:クジュラ・レイ
09.5:QuietStartear
□□□
第70層東部 深夜12時
ヒースクリフとのデュエルに敗北したキリトは、シノンと共に血盟騎士団へと入団する事となった。別にそれは、キリトにとって気持ちの悪い事ではなかったのでどうだってよかったのだが、問題はシノンの方だった。
ヒースクリフとデュエルする前夜、夜遅くまでキリトは鍛錬に励んでいたのだが、その途中でシノンがやってきて、いきなりその胸の中へと飛び込んできた。
あの時はシノンの気持ちなどをあまり深く聞こうとはしなかったものの、あまりにシノンの震えが大きかった事と不安そうな表情は、昼間になった今でもキリトの胸の中には残り続けている。
そしてそれは、ヒースクリフとのデュエルが終わった頃にどっと蘇ってきて、静寂なところはないかとアスナと話している時も、まるで春のまま時間が止まっている第70層東部のスプリングフィールド、舞い散る花弁の雪の中をシノンと共に歩いた時も胸の中で渦を巻き続けていて、キリトはほとんど落ち着く事が出来ずにシノンとのある場面を迎えた。
桜吹雪の舞う並木道の奥、ひっそりと佇んでいる小さな村の宿屋の一室。小さき村の一日の終わりを思わせるかのような、もしくは村そのものを表現しているかのような簡素な食事を済ませて、チェックインした部屋へと二人は向かった。
待ち受けていた部屋は、いつも使っている22層の我が家の寝室とほとんど変わりがなく、簡単なテーブルと椅子のセットが部屋の中央に置かれていて、入口側の壁の角には少し小さなクローゼットが佇んでいて、部屋の最も奥にある、少し小さめの窓に隣接する形でベッドが置かれている。そのベッドの枕元には青い月上りが差してきており、朝には朝日が直接枕元に届いてくるのがわかった。
元々一人で使うために作られているのだろう、二人で使うには少し窮屈に感じられるような部屋だったが、二人は気にせずに部屋の中へと歩みを進めて、そのうちキリトがしっかりと戸に鍵を閉める。振り返ると、既にシノンがベッドに腰を掛けて、窓の外に広がる夜空を眺めていた。
その顔は、月の光で青白く染められていて、どこか美しさと儚さが感じられた。まるで昨日の夜が戻ってきているようにも感じられるシノンへと、キリトはそっと歩み寄り、その隣に腰を掛けた。
ぎしりとベッドが軽く軋んだ音が小さく部屋の中に響くと、シノンの口が開いた。
「私達以外、使っている人がいないみたいね」
「あぁ。アスナの話によると、アスナ達と俺達しか、この穴場スポットを知らないらしいからな。宿屋も、使っているのは俺達だけみたいだ。村の連中も全員、NPCだよ」
「なら、大丈夫ね」
シノンは小さく言った後に右手をふっと振ってウインドウを呼び出すと、何かを思い出しているかのようなぎこちない手つきでウインドウを操作していき、とある設定を呼び出して、それのオフボタンをクリック。出て来た警告ウインドウも同じようにオフボタンをクリックして消去すると、全てのウインドウを消した。
その動作を最後まで見たキリトは胸の中で大きな弾みが起きた事を感じて、シノンに聞こえないようにごくりと唾を飲み込んだが、シノンは動作をほとんど見せないで静かに言った。
「キリトも」
「え、あ、あぁ」
私ばかりがこんな事をしてどうするのよ――そんなシノンの気持ちを感じたようなキリトはすぐさまシノンと同じようなオプションウインドウを呼び出して、シノンが操作した時と同じように進めていって、やがて最深部へと辿り着いた。
そこにあるウインドウの中身は、倫理コード。異性との性交渉などを可能にする、一般のプレイヤーあたりならばなかなか気付かないであろう隠されし機能だ。
その機能の存在を、SAOが始まった数日後にキリトはオプション画面を弄繰り回していた時に偶然発見しており、それをそれから二年近く経った今になって出会ったシノンに教えたのだった。
呑み込みの早いシノンはキリトから軽く教えてもらうだけで、オプションをどう操作すればこうなるのかを把握してしまい、今やシノンの方が早くこの画面へといけるような状態だった。シノンに先を越されてしまったものの、キリトは倫理コードの設定を切って性交渉が可能になった事を把握すると、素早くウインドウを閉じた。
だが、これから出来る状態だというのに、シノンの方は俯いたまま何もアクションを起こさない。衣服を着たままでは出来そうにないのに、前にした時のように装備ウインドウを起動して、衣服の着脱をしようとはしない。
シノンがしたいと言ったからそれに応じたというのに、もしかして気が変わったのか――そう思ってキリトが口を開こうとしたその時に、シノンがようやく顔を動かした。そしてそのまま何も言わずに、その柔らかな桜色の唇をキリトの唇へと付けた。
「んっ」
倫理コードを切って性交渉可能になった後からぬ急なキスにキリトは少し驚きながらも受け入れて、シノンが今どのような気持ちでいるのかを把握すると、その背中に手を回し、ゆっくり、静かにベッドの方へと倒れた。
その時に、キリトがシノンの身体の上に覆いかぶさっている姿勢になったが、そのキリトの顔へとシノンは両手を伸ばし、頬に当てる。
「……始めましょう、キリト」
「……うん」
キリトが頷くや否、シノンはその顔を寄せて再び唇を合わせるが、直後にシノンの舌がキリトの唇を割って、その口の中へと入り込む。シノンの唾液に包まれた舌を、キリトは自らの口内で受け入れるや否、舌で絡ませてやる。
「んっ、んぅっ、くふ、ぅんっ」
くちゃ、ぺちゃ、ちゃぷんという粘っこい音を両者の口の中で軽く鳴らすと、キリトの方からシノンの顔から離れ、つぅと糸を引いた。息が余り出来なかったせいか、少し赤くなってとろんとしかけているシノンの顔を見ていたその時に、シノンの手が黒いシャツのボタンを掴んでいる事に気付いたが、直後にシノンの指がキリトのシャツのボタンを一つ、外した。
その事にきょとんとすると、キリトは軽く微笑んでからシノンの顔に自らの顔を近付けて、キスを始めた。同時にシノンの身体へと手を伸ばして服をまくっていき、シノンの腹部を露出させるとそこで一旦止めて、シノンのズボンのベルトを緩めて、下げていった。
一方シノンの方も、指を動かしてキリトのシャツのボタンを全て外して、キリトの上半身を裸にする。
そしてキリトは、シノンの服を下着ごと最後までまくり上げて、脱がした。黒いパンツだけを履いているシノン/詩乃の身体がキリトの黒色の瞳の中に映され、詩乃の瞳の中には裸になったキリトの姿が映し出されている。詩乃の顔は穏やかで、これからの事を何も恐れていないようだった。
「来て」
詩乃の鈴のような声を耳にしたキリトは頷いて、その胸の中へと顔を埋めた。そのまま、暖かくて柔らかく、肌触りのいい詩乃の二つの膨らみの内一つへと手を伸ばし、優しく置いた。直後に、詩乃の口から小さな声が漏れてぴくりと身体が揺れる。
「やっぱり詩乃は、ここなのか」
そう言ってキリトが両手で両乳房を覆い、ゆっくりと揉み込み始めると、リズムを刻むように詩乃の身体がぴくぴくと反応を示した。徐々に、詩乃の息が荒くなってきて、静寂に包まれていた部屋の中にその音が響くようになり始める。
そして、ある程度揉み込んだところで、キリトはそっと詩乃の乳首へと人差し指を置いた。まるで氷にでも触れられたかのように、詩乃の身体が勢いよく弾んで、大きな声が漏れる。
「ひゃぅっ」
そのままキリトの指が動き始めて、乳頭を弾いたり、軽く押し込んだり、撫で上げたりすると、徐々に詩乃の乳首が若干の硬化を始め、弾力を帯びた反応をキリトの指に返し始める。若干の硬化をしたその乳首を、キリトの人差し指と親指がきゅぅと摘まんでやると、びくんと詩乃の身体が軽く仰け反る。
「ふああっ、あっ」
「大丈夫か、詩乃」
「へい、き、もっと、続け、て」
キリトは頷くと、硬くなった乳房の先端に唇を軽く付けた後に、口に含んだ。粘液に包み込まれた舌が乳頭に触れると、詩乃の口から大きな声が漏れたが、キリトは気にせずに詩乃の右の乳頭を舌で、左の乳頭を指先で弄り始める。
まるで飴玉を舐め回すかのような舌が、詩乃の敏感な乳首へと絶えず刺激を送り込み、その応酬のように詩乃から大きな声が出される。
「くああ、あぁぅっ、あっ、あぁっんっ」
キリトからの刺激を受けた乳首は強い弾力を帯びる。それの右側をキリトは前歯で軽く噛んで銜えて、左側を少し強く摘まみ、一度に引っ張り上げた。電撃のような強い刺激が走ったかのように、詩乃の身体が大きく弾んで、下半身の下着の中心に大きな黒い染みが出来上がる。
「やっぱり、ここだけで……」
他人よりも感じやすく出来ているのであろう、詩乃が乳首からの刺激だけで一度目の絶頂を迎えた事を把握したキリトは、大きな染みの出来上がっているシノンのパンツに手を伸ばした。その染みの部分に触れるだけで、ぺちゃぴちゃと粘液が絡みついてきて、雌の匂いが鼻へと流れ込んできた。
「詩乃のここ、もうこんなか……」
愛液で濡れた詩乃の膣口に、キリトは下着の上から手を乗せた。それだけでまた詩乃の身体が反応を示して、声が漏れる。そのまま弄ぶかのように膣口のスリットを指でぐにぐにと押し込んだりしてやると、刺激を受けた膣口より分泌液/愛液が蜜のように溢れ出て来て、下着を真っ黒に汚した。
もはや意味をなしていない下着に手をかけて、そっと下ろしてやると、スリットと下着の間に愛液の糸が伸び、毛のないスリットは粘液に包み込まれて、月明かりを浴びて軽く光っていた。そして、鼻で軽く息をするだけで、雄を性的に刺激する雌の匂いがむっと吸い込まれてくる。
「き……りと……」
「うん。するよ」
「……う……ん……」
粘液に包み込まれた淫裂を、くちゅんという音を立てながら少し開いてやると、蜜を溢れさせている膣の姿が露わになり、むせ返るような雌の匂いをキリトの鼻の中へと注ぎ込んできた。余りに強い雌の匂い、雄を本能的に興奮させるフェロモンに、キリトは強い勃起感と興奮を覚えたが、何とかこらえて顔を近付けて、舌を入れ込む。
「ふぁああああっ、あぁっ、んぅっ」
舌を粗方進み入れると、溜め込まれていた蜜が溢れ出てきて、キリトの口の中を満たす。まるで飲み物を飲むかのようにごくごくと喉を鳴らしながらそれを飲み、ずぞぞぞ、ぢゅるるると音を立てて更に啜る。
同時に、スリットの上部に位置する、少し勃起して硬くなった陰核に手を伸ばして、乳首の時と同様に弄繰り回して、軽く摘まんだりしてやると、詩乃の身体が強い反応を示して仰け反り、ベッドがぎしんぎしんと軋んだ。
「くふ、ん、あぁっ、あぅ、ん、くぅうんっ、ぅ、ああああ――っ」
キリトが刺激を進めて、舌先で膣内を舐めましたその時、詩乃の身体が勢いよく跳ねて、大量の愛液が一気にキリトの口内へ押し寄せた。――陰核と膣口への刺激で二度目の絶頂を迎えた事を察しながら、キリトは溢れてきた愛液を啜り、飲み干す。そしてある程度味わってから、詩乃の膣口から顔を離すと、紅潮して息を荒くしている詩乃の顔が見えてきた。
その目元に涙があったものだから、キリトは少し驚いて、詩乃へと声をかける。
「詩乃、平気か」
「へい、き……それより、もう、がま、ん、でき、ない、よ……はや、く、きぃとの、ほし、い」
そろそろ、詩乃の蜜の溢れる膣口の中へと性器を入れて、詩乃と一つになりたい――キリトの胸の中に渦巻く思いを感じ取っているかのような詩乃の視線に、キリトは強い興奮を感じて、自らの性器に目をやる。やはりというべきか、これ以上詩乃への愛撫を続けるだけで、詩乃を置いて達してしまいそうなくらいになっていた。
「わかった。やるけれど、いいな」
「だい、じょぶ」
詩乃の少しだけ強気そうな笑みを見てキリトは微笑むと、詩乃の粘液に包み込まれた膣口に自らの性器、陰茎の先端を付着させた。既に同じように粘液で包み込まれていたキリトの陰茎、詩乃の膣口が軽くぶつかった際に、粘液が混ざり合ってくちゅんという音が鳴る。
「いくよ、詩乃」
「き、て」
キリトは頷くと、腰に若干の力を込めて、膣肉を押しのけるように一気に陰茎を膣口奥へと押し込んだ。ぐちゅんという粘液が交じり合うような音が勢いよく響き、間もなくして詩乃から悲鳴のような快感の声が上がって、キリトの陰茎の最先端が詩乃の子宮口にぶつかって停止する。
「くああ――――――――っは」
挿入されただけで絶頂を迎えたのか、それとも詩乃の膣口を勢いよく押し広げたせいで、中に傷が出来てしまい、痛みに悶絶したのか――キリトは思わず詩乃に話しかける。
「詩乃、大丈夫か」
目元に涙を浮かべて息を荒げながら、詩乃はゆっくりと顔を動かして、瞳の中に不安そうな表情のキリトの顔を映しながら、音無く微笑んだ。
「へいき……だってキリト、やさしいもの……でも、キリト、なんだか、おっかなびっくりになってる……もうちょっと、肩の力抜いて……」
そう言って詩乃が震える手を伸ばして、キリトの頬に添えると、キリトは少し驚いたような顔をして、その手を握り返す。直後に、詩乃はキリトの頬から掌を離すと、手を軽く広げて伸ばした。
「キリト、抱き締め、て。ぎゅうぅ、って」
「わかった」
キリトは汗だらけになった詩乃の身体に手を伸ばし、その背中を支えると、繋がったまま詩乃の身体を抱き起した。その際にも、キリトの陰茎が詩乃の膣内をくちゃくちゅと擦り、確実な刺激と快感を詩乃に与え、声を漏らさせる。
「くっ、ふぅ、はぁ」
「詩乃……」
耳元で囁くように言うと、詩乃はゆっくりとキリトの背中に手を伸ばして、抱き合っている姿勢になる。続けて、荒い息を混ぜながら、詩乃の口が開かれて、鈴のような声で言葉が紡がれた。
「キリト、夢で見た事、話すね」
「夢って、昨日の?」
「うん。あの時、私、現実世界に帰ってたの。目を覚ましたらアインクラッドの家じゃなくて、現実世界で、東京で暮らしてる時の家だった。そこで、私はキリトを探したの……どこ、どこって。
でも、街中に出ても、路地裏に行っても、建物の中に入っても、どこを探してもあなたの姿は無くて、そうして気が付いたの。「キリトなんていなかったんだ」って……気付いた瞬間、もう叫ばずにいられなくて……夢の中で叫んだところで、目が覚めた」
詩乃の、キリトを抱き締める力が強くなる。
「あの時起きても、あなたの姿はなかった。私、怖くなって、しばらく布団の中で震える事しか出来なかった。でも、外からあなたの声が聞こえてきて……飛び出さずにはいられなくなって……そこで、あなたを見つけた……でも、あなたに対する不安は全然消えなくて……こうしてもらう事を、あなたの頼んだの……。
そうすれば、キリトが生きてるって実感と、温もりをもらう事が出来るから……駄目ね、私は……強くなりたいって思ってたのに、全然強くなる事なんか出来てなくて、寧ろ、あなたに甘えてばっかりになってる……あなたが居なくなった時の事を考えたら、怖くてたまらなくなる……」
詩乃の黒色の瞳を見ていると、キリトは自らの中で大きな疼きが起きたのを感じ取った。
詩乃は普段、誰の助けも必要がないと言っているように、とても大人っぽくて、落ち着き払っている。だが、本当は、キリトの事を夢に見てしまうくらいに、キリトへ依存している。――そう考えると、胸の鼓動が大きくなって、身体が疼いてくる。
彼女は、キリトと一緒に生きているが、本当はキリトに依存してしまっている。人が誰かに依存してしまう事は悪い事のはずなのに、キリトはそれを今、悪い事だと思う事は出来ず、寧ろとても心地よく感じられる。
そう。自分の心は、彼女に依存される事を心地よく感じてしまうくらいに、弱い。
「俺もなんだ、詩乃。俺も君が回線切断とか、メディキュボイドの不調で、俺の目の前から消えてしまったらって考えると、怖くて仕方が無くなるんだ。俺も、君と同じだ。強い、強いってみんなから言われてるし、強くなりたいって思ってるけれど、俺も君に甘えてる部分が多い……自分で乗り越えなきゃいけない壁を作っちゃってるよ。俺も、駄目だ……。
でも、君に甘えっ放しなのは駄目だって思ってる。もし君が同じように思ってるなら……」
「今だけは、そのままで居たいかもしれない」
「えっ」
キリトが軽く驚いて顔を向けると、詩乃はキリトの身体に寄りかかりながら、言った。
「私達、現実世界に帰っても、一緒に居るって約束してるけれど、キリトがどこに住んでる人なのかわからないし、会えるのは、再会できるのはいつになるかわからない。それに、SAOで別れたが最後、もう会えなくなるかもしれない……だから、私は、甘えてたいな。でも、そんなのは駄目だよね、やっぱり……」
「駄目、だろうな……」
「だから、普段はよほどの事が無い限りは、あなたに甘えるのは、やめようと思ってる。夢で飛び起きて、あなたに抱き付いてしまった私が言っても、説得力はないかもしれないけれど……それでもね、あなたに甘えたくないわけじゃないの。今は、こうすれば、全てを忘れていられるの……私がかつて、銃で人を殺してしまったことも、ゲームに閉じ込められてしまったことも、あなたが失われてしまうかもしれないことを、全て忘れていられる……」
まるで愛の告白とも受け取れる――いや、詩乃からの告白は既に受けているのだが、もう一度改めて言われる事で、胸の中が強く高鳴るのをキリトは感じ取りながら、詩乃の言葉を聞き続ける。
「私、普段から、あなたに甘えないように、甘えすぎないようにする。でも、こうしている間だけは、この時間だけは、あなたの温もりを、沢山感じさせてくれる時間だけは……いっぱい甘えさせてほしい……全て、忘れさせてほしい、この間だけは……」
「いいよ。この時間だけは例外だ。詩乃も思いっきり俺に甘えてくれ。言い方悪いかもだけど、憂さ晴らしをしてくれ。そして俺も、この時間だけは、甘えさせてもらいたいし、色んな事を忘れていたい。駄目か?」
「いいわよ。だって、あなただもの……」
キリトが小さく礼を言うと、詩乃は息を荒げつつ、小さく言葉を紡いだ。
「キリト、思い切り強く、して。今日は、それくらいしたいの」
「思い切り激しく? そんなふうにやって大丈夫なのか」
「大丈夫よ。これでも、あなたのペースに付いて行けるんだから。そうでなきゃ、あなたの妻になろうだなんて、思わなかったんだから……」
詩乃の大胆とも取れる発言に、夫であるキリトは目を丸くしてしまったが、そのうち詩乃の身体にしっかりと手を当てて、言った。
「そっか。それじゃあ思い切りやらせてもらうけど、準備はいいな」
「来て、キリト」
キリトは強く頷くと、ゆっくりと詩乃の膣内から陰茎を引き抜いて、そこからいきなり腰を突き上げて、一気に子宮口へと陰茎の先端をぶつけた。あまりにいきなりな事に詩乃が軽く悲鳴を上げたにもかかわらず、その動作を一定のリズムを刻むように繰り返し始める。
「ぅああ、くあっ、はあっ、あんっ、うむんっ、ふぁあっ、あぅんっ」
じゅぽん、ざぷん、じゃぷんという液体がぶつかり合うような淫らな音が、詩乃の甘い声に負けじと鳴り響いて、詩乃の愛液がベッドへ何度も飛び散り、ベッドそのものが激しく軋む音を立てる。
「思い切り、激しく、してるけど、大丈夫か、詩乃」
「はあっ、ああっ、あんっ、うんっ、だいっ、あぅ、じょうっ、ぶっ、あぅっ」
詩乃の答えを聞くや否、キリトはその
この前はこんな動作を数回続けた程度で射精感が込み上げて来て、たちまち射精してしまったというのに、性器が慣れてしまったのか、中々に射精感が込み上げてこない。
「くぅはっ、あぁぁんっ、あんっ、あぅんっ」
その時に、キリトはふと気が付いた。先程から膣口に挿入を繰り返しているだけだが、あれだけ刺激されて散々感じていた胸、乳首ががら空きになっている。
「詩乃、もうちょっとだけ、激しくするぞッ」
「ふぇっ、えっ、あっ、ひゃああんっ」
そう言ってから、キリトは腰を突き上げて詩乃の子宮口を叩きつつも、余っている手を使って、突き上げられる事でぷるぷると揺れている形良い詩乃の乳房、その先端の乳首を掴んで捻ったり、揉み込んで、軽く潰したりし始める。
ただでさえ敏感なところが度重なる快感で、更に敏感になっているところを刺激されたその途端、詩乃から悲鳴にも似た大きな快感の声が上がり、ぎゅうと膣内が狭まって、キリトの陰茎を締め上げた。余りに強い締め付けが来たものだから、キリトは溜まらずぐぅと声を上げて、射精感の前兆のようなものが来た事を全身で感じ取る。
「キリト、きいぃとっ、私っ、わたしっ、もう、いくっ、いっちゃ、う」
「俺もだっ、一緒に、いく、ぞ、詩乃ッ」
「きてっ、キリトの、いっぱい、おなかに、そそいっ、で」
絶頂感で頭が満たされる寸前、キリトは思い切り詩乃の膣内へと陰茎を突っ込み、強く子宮口にぶつけた。次の瞬間に、強い射精感がキリトを支配して――キリトの思いが詰め込まれた熱き液が、陰茎の先端より、詩乃の子宮内へと勢いよく流し込まれた。
「くっ、あっ」
「くああっ、あああ――――――――――――――ッッ」
快感の絶叫が、月明かりの満ちる部屋の中に木霊して、どくんどくんと詩乃の膣内がキリトの精液で満たされる。そしてキリトの勢いある射精が終わると、汗だらけになって力尽きた詩乃がベッドへ倒れ、同じようにキリトが詩乃の膣口から性器を引き抜いて、一息吐く。
「あぁ……はぁ……は、激しかったね、キリト……」
「そういう要望をなさったのは姫様ですぞ」
「そうだったね……でも、すごくよかった……」
そう言ってから、詩乃はキリトの両頬に両手を当てる。
「キリト、朝、早く目が醒めても……」
「一緒に居て、だろう? わかってる。二人だけになった時、俺は君の傍を離れたりしない」
「……ありがと」
詩乃はそっとキリトの顔を近付けて、そのまま唇を合わせた。その行為から間もなくして、二人は手を取り合ったまま、深い眠りの中へと向かって行った。