Star Dust Space chapter1 作:深緑 風龍
-エレメントフェニックス本部 ガルッチの部屋- -夜ノ刻-
ガルッチ「それにしても、この本を見るの久々だな。」
ミライ「ねえ、その本何?なんだか禍々しいしいけど…。」
ガルッチ「あーこれか。何故か禁書の間のところで面白い本ないかなって思って見つけた本なんだ。」
ガルッチが見せびらかしているのは、『混沌を司る3大魔神の書』の本だった。
何故禁書の間にあったかは謎であったが、おそらくこの力を求めて身を滅ぼし、絶望に落ちゆく者もいれば、この本のせいで殺戮を起こしたとも言われる呪われた本という噂があった。
ガルッチ「なんかこれを手にしたとき、貴方を待っていたかのような感じがしてね。」
ミライ「ねえ、どんな本なの?教えて。」
ガルッチ「うん、今開くね。」
本を開くと最初のページにある文字があった。
『コノ本ヲ手ニスル者ヨ。我ハコノ本ヲ書イタ者、絶望ノ魔神 ディスペア・ダーク・ガイアガ、忠告ヲシヨウ。コノ本ヲ読ンデモ力ヲ欲スルナ。サモナクバ、命ノ保障ハナイト思エ…。』
ミライ「文字まで禍々しいのね…。」
ガルッチ「おそらく書いたのはそのガイアだと思うな。でもこの文字だけ禍々しく書いてるだけで、他は普通に書いてあるんだ。」
ミライ「普通の本なんだよね?」
ガルッチ「ううん、禁書の間にあった以上、普通じゃないよ。じゃなきゃおかないしな。」
ミライ「それもそうね。」
次のページをめくるとそこには右腕だけ禍々しく描かれた少年がいた。
ミライ「この魔神さん、なんだかお兄ちゃんに似てるね。」
ガルッチ「僕も見たときは、え?って思ったからな。」
『絶望の魔神 ディスペア・ダーク・ガイア 混沌を司る3大魔神の一人。あらゆる者達の絶望を糧とし、解き放つときは闇の閃光が放たれる。武器として自分の右爪と常闇月の刀を使い、全ての希望を斬り捨てる。一見悪のような魔神だが、これでも優しさを持ち、兄妹思いや友達思いがある。特に唯一の友である希望の神 ホープ・ライト・ウラノスと仲が良く、喧嘩するところはあまり見られなかった。仲間意識の高い魔神である。』
ミライ「へぇ、性格もお兄ちゃんに似ているね。」
ガルッチ「だな、でも面白いのはコメントのところ。」
『妹のコメント なんでお兄ちゃんはいつも我とかいうのかな?普通に私とか僕とかそういうの使わないのかな。教えてお兄ちゃん。』
『弟のコメント お兄ちゃん、ごめんね。君のプリンを食べたの僕なんだ。後で買ってあげるからね。』
ミライ「これと関係ないこと書かれてるのね…。しかも弟のコメントが…。」
ガルッチ「結構仲が良かったって証拠だな。」
ミライ「そうね。」
次のページをめくると、今度は左腕に刻印が書かれた吸血鬼少女がいた。
『破滅の魔神 ルイン・ブレイク・ヘラ 混沌を司る3大魔神の一人。この魔神は全てを破壊させるぐらいの力をもち、人に破滅へと導くことができる。武器は破滅の大剣と呼ばれる『アレガステイン』を持っていて、その大剣で星を壊すことが出来る。しかし、これでも無邪気な女の子で、兄であるガイアに甘えている。勿論弟のハデスも甘えてはいるけど、姉としてちゃんとやっている。他にも甘えてはいるが運命の女神 フェイト・ディスティニー・アテナには特に甘えている。能力は恐ろしいが、甘えっ子の魔神である。』
『兄のコメント 我が言うのも何だが…可愛いものだ。出来れば何時までも我に甘えてほしいものだが…。』
『弟のコメント お姉ちゃん、僕に甘えてもいいけど威厳は見せてね?』
ミライ「甘えっ子魔神って、何だが可愛いわね。」
ガルッチ「この子を見ると、フランを思い出すなあ。」
ミライ「フラン?」
ガルッチ「あの金髪で猫耳姿がフランなんだ。本来は猫耳姿じゃないけどね。」
ミライ「意外とそういうのが好きなのかな?私も試して見ようかな?」
一瞬ガルッチはドキッとした。猫耳をつけたミライを想像すると、少し鼓動が速くなっていった。
ミライ「一瞬想像してたでしょ。」
ガルッチ「…バレてましたか。」
ミライ「鼓動を聞いてたんだもん。すごく速かったよ。」
ガルッチ「つ…次めくるよ?」
次のページには、両脚に刻印が書かれた妖怪少女らしき子がいた。
ガルッチ「この子、こう見えても男の子なんだって。」
ミライ「え?女の子じゃなくて?」
ガルッチ「うん。」
『殺戮の魔神 スローター・リッパー・ハデス 混沌を司る3大魔神の一人。この魔神は人類の残虐本能である無差別な殺戮を持っていて、その力は全ての生き物を滅ぼせるぐらいで、俊敏性がものすごく高い。武器はグラウザムヴィンドドルヒで疾風の如く斬り裂く事ができ、もう一つの武器カトブレパスナイフは僅かな傷でも致命傷になってしまう。見た目は女の子ではあるが、これでも男の子でもある。よく間違われる事が多いが、気にしていない。むしろ男の娘と呼ばれて欲しいぐらいの願望を持っている。オネエ系ではないが、無邪気な男の娘としていて、心の女神 ハート・エモーション・ヴィーナスと仲が良い。ちょっと変わった魔神である。』
『兄のコメント 結構フラフラと出掛けてるが、せめてどこへ行くのか言って欲しいな…。我は寂しいぞ…。』
『姉のコメント いろいろ変わってる弟だけど、それでも可愛いけどね。』
ミライ「男の娘…ねえ。この子誰に似てるんだろ?」
ガルッチ「こいしかな?」
ミライ「小石?なんで石なの?」
ガルッチ「いや、人の名前だよ。僕の髪の色とちょっと似ていて、無意識に行動している女の子なんだ。今あの子何してるかな?」
ミライ「ふーん…お兄ちゃんってロリコンさんかな?」
ガルッチ「な!?きゅ…急に何を!?」
ミライ「だって、あんなぬいぐるみといい、何してるかなって言ってるところでなんだかお兄ちゃんって、ロリコンさんかなって思っちゃった。」
ここまで言われると、なんだか否定しづらくなってしまった。確かにあの時は急激に執着心が湧き上がり、フランとこいしとあったと同時に恋に落ちてしまった。でも正直言えば会おうにも会えないもので、時空を超えない限り無理なのである。でも何故かいつか会えると心の奥で思っていた。あの感じはそう伝えてるのではないかと思った。
ガルッチ「…もう、否定するのやめようかな?さすがにこれは…認めるしかないかも。」
ミライ「ロリコンさん確定?」
ガルッチ「ロリコンですいません。」
ミライ「もう、別にいいのに。お兄ちゃんがロリコンさんでも、嫌じゃないもん。私の事だけじゃなく、そのフランちゃんとこいしちゃんの事も思ってくれるもの。」
ガルッチ「そうは言うが…。もう…犯しちゃったし…。」
ミライ「そうね。でもお兄ちゃんだからこそなのよ。一緒になれるってだけで私は構わないわ。」
ガルッチ「そうなのかな?」
ミライ「そうなんだよ。」
そこまで言われると、少し気が楽になった。でも初心なところはどうも治らないっぽいので、赤面しまくるだろうと思った。
ガルッチ「な…なあ、ミライ。」
ミライ「なあに?」
ガルッチ「その…悪いけど…ギュッと抱きしめて…くれるかな?」
ミライ「いいよ。」
そういい、ミライはガルッチを優しく抱きしめた。
ガルッチ「ん…やっぱ…慣れが必要かな…?」
ミライ「慣れなんて必要ないよ。こんなに可愛い反応が見られるからね。」
ガルッチ「そう…だな。今だけでも、君の温かさを堪能しておこうかな?」
抱きしめられながらページをめくると、この魔神達の親が書かれていた。
『憎悪の大魔神 ディテスト・シェイド・クロノス 混沌を司る3大魔神の父親 本名は蒼天星龍。一見普通の人間に見えるけど憎悪や怒りは人以上に高く、自分を制御仕切れないことがある。やられたらやり返すというところもあり、もし友を殺されたと分かると、その者を必ず殺すという。その為報復の大魔神とも呼ばれている。人間の頃は剣道の世界大会で出場し、優勝したこともある。その為武器は蒼天・桜花丸を持っており、一度斬ると桜が舞い散るかの如く、血飛沫をあげる。もう一つが月夜・黄泉刀と言うものがあり、こちらは魂を強制に殺すという刀。怒りや憎悪を抱かなければ、普通に大人しい人で、妻である愛と奇跡の女神 ラブ・ミラクル・レアこと、東風谷早苗と一緒にいることがある。』
『愛と奇跡の女神 ラブ・ミラクル・レア 混沌を司る3大魔神の母親 本名は東風谷早苗。元々普通じゃないところがあり、見えない物が見えるとか、近付くと呪われると言った忌みの子と呼ばれていた。しかし、憎悪の大魔神 ディテスト・シェイド・クロノスこと蒼天星龍と出会ったとき、いじめが酷くなる代わりに星龍が代わりに報復をしてくれた。そして星龍に自分は人間ではなく、現人神だと伝えても気にせず接するどころか、物凄く接してくれた。いつしか彼に恋い焦がれ、結婚するときは彼にしようと決意する。しかし、ある事件のきっかけで星龍と共に海に身を投げることとなったが、奇跡的に隠れ家という物を見つけ、絶望の魔神・破滅の魔神・殺戮の魔神を生んだ。そして自分を現人神から愛と奇跡の女神として生きることになった。』
ガルッチ「お互いこの人達は愛してたんだな…。」
ミライ「そうね。迫害されてた人を助けるというのはいいわね。」
ガルッチ「幸せ者だな、星龍さんと早苗さん。」
『ソウダナ。』
ガルッチ「ん?」
突然謎の声が聞こえたガルッチは、辺りを見渡した。
ミライ「どうしたの?」
ガルッチ「何か、声が聞こえたんだが…。ミライ、聞いたか?」
ミライ「ううん?声なんて聞こえないもん。」
『悪イガ、君二用ガアル。』
ガルッチ「僕だけ?どこにいるんだ?」
『君ノ精神世界デ待ッテイル。』
途端に声が聞こえなくなった。どうやら、ガルッチに用があるらしい。
ガルッチ「仕方ない。ミライ、悪いけど…もう少し強く抱きしめてくれるかな?」
ミライ「急にどうしたの?私は構わないけど。」
ガルッチ「ありがとう。少し瞑想するからさ。」
ミライ「わかった。」
-ガルッチの精神世界- -夜ノ刻-
精神世界に入るといつもならあの3人がいるはずなのに、今回はいなかった。ステンドグラスの床はいつも通りのはずなのに空虚を感じた。
ガルッチ「どうなってんだ?ジャック達は何処に?」
少し辺りを見回しているとあの声が聞こえた。
『待ッテイタゾ、ガルッチ。』
そこにいたのは、もう一人の自分かと思える姿であったが、違うところがあった。ガルッチの髪の色はアクアマリンに対して、あちらの方は灰色だった。もう一つは目の色が蒼色に対し、あちらの方は、黒眼だった。そして何より決定的に違うのは禍々しい右腕があった。
ガルッチ「…君が、あの本を書いた張本人なのか?」
『ソノ通リダ。名ハ…知ッテイルダロウ?』
ガルッチ「ああ、その容姿は…絶望の魔神 ディスペア・ダーク・ガイアだろ?」
ガイアと呼ばれる人は少しニヤリと笑っていた。
ガイア『君ノ戦イ方ヲ見サセテモラッタ。ナカナカノ動キダ。』
ガルッチ「ほう、そいつはありがたい。皮肉でも受け取らせて貰う。」
ガイア『皮肉デハナイガ…、マアヨイカ。此処二来タノハ他デモナイ、我ノ力ヲ受ケ継イデ欲シイ。』
ガイアがそう言うと、少し疑問を感じた。一体どういう事なのか、ガルッチは考えていた。
ガルッチ「何か受け継いで欲しい理由があるのか?」
そういうとガイアは、その記憶を思い出すかのように答えた。
ガイア『少々訳アリデナ。今肉体ガ滅ビテシマイ、魂ト力ガ残ッテイタ。シカシ、イズレニセヨ、ソノ力モ、コノ魂モ滅ビテシマウ。ソウナル前二、君二託シタイ。コノ力ヲ使イコナセルハズダガ、一部ダケ封印サレテイルンダ。ソレデモ、強力ナノハ事実ダ。頼ム!コノ力ヲ受ケ継イデ欲シイ!』
そういうとガイアは土下座しながらお願いされた。
ガルッチ「あの…土下座はやめて。事情は分かったよ、力も受け継いであげる。」
ガイア『本当カ!』
ガルッチ「その代わり、絶望の力の使い方を教えて欲しい。僕の5つ目の人格としてだ。」
ガイア『スマヌ、マサカ肉体モ授ケラレルトハ思ワナカッタ。』
ガルッチ「お互い様だろ?今後もよろしくな。ガイア。」
ガイア『アア、ヨロシク頼ム。ガルッチヨ。』
そうしてガルッチは、絶望の魔神を仲間として受け入れた。
ジャック「んで、もう俺達出てきていいのか?」
エミヤ「さすがに私も待てないぞ?特にギルガメッシュが。」
ギル「一体何時まで待たせるというのだ。何様のつもりなんだ?」
ガイア『魔神様ダ。モウ出テキテイイゾ。』
ガイアがそういうとどこからともなく現れた。
ガルッチ「ジャック、エミヤ、ギルガメッシュ。一体何処に?」
エミヤ「少々姿を消していたのだ。」
ギル「全く、急に我のところに来たかと思えば急に倒れたのでな。」
ガイア『オ恥ズカシイナガラ…申シ訳ナイ。』
ガルッチ「…。つうか、なんで方言?しかもよく響くんだが…。」
ガイア「スマン、アレハ魔神ノ威厳ノ為二シテイタ。後方言ダガ、言語ガ難シクテナ。」
ジャック「なら、俺の出番だな。ちょい手を出せ。」
ガイア「?」
ガイアは普通の左手を出すと、ジャックは詠唱を始めた。
ジャック「汝、全ての言語を話せず、理解していないのならば、我が力で、全ての言語を話し、理解させよう…。『全・言語解放』!」
途端に光がガイアを包み込み、そして光がはじけた。
ガイア「…。」
ガルッチ「本当に効果あったのか?」
ガイア「何だ?今の魔法は…。あ。」
ジャック「よっしゃ成功だぜ。」
ガルッチ「おーこれで普通に会話できるな。」
エミヤ「とりあえず、改めてよろしくな、ガイア。」
ガイア「こちらこそ。」
ギル「さて魔神よ、まずは貴様の実力を見せて貰おうか。」
ガイア「よかろう。一部使えないところはハンデとして貰おう。」
戦いが始まると同時にガルッチは元の世界に戻った。
-エレメントフェニックス本部 ガルッチの部屋- -夜ノ刻-
ガルッチ「今戻って…ん?」
ガルッチが目が覚めた時には既にミライは眠っていた。
ミライ「スゥー…スゥー…。」
ガルッチ「寝ていたのか…。」
にしても…可愛い寝顔だな。もしかして…僕の温もりを感じて眠っちゃったのかな?
ガルッチ「さてと…本を片付けて寝ようかな?」
そういい、ガルッチは魔法を使い、『混沌を司る3大魔神の書』を本棚に入れ、ミライを抱えて布団に入った。
ガルッチ「…おやすみ。」
-番外編…END-