※この作品はR-18です。

Star Dust Space chapter1   作:深緑 風龍

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ある人物の話をしよう。なに、ただの気まぐれさ。その子は誰にも気づかれず、誰にも理解する事が出来なかった。気がついた時には行動を起こし、そして忘れる。いつも笑っているくせに、どこか哀しい眼をしていた。そんなとき、ある3人の理解者が現れた。一人は破壊者、全てを壊し、いつも孤独で過ごしていた。一人は殺戮者、親を殺し、民を殺し、自分さえ命を投げ出し、だが本当は重い苦しみを持っていた。一人は人外、かつて父親に裏切られて、復讐するためにある戦争にきた。だが既に、父親は亡き者となり、そして狂戦士と共に散っていき、転生してもなお、本心は生きる意味を探している。4人は互いの苦しみを理解し、気が付いた時には、恋人になっていた。誰にも、ただ一度も理解されず、ただ一度も共感する事ができず、それでも4人は、苦しみを背負ってなお、生きている。

今回は、その子の過去と、過去を知りたい殺戮者と破壊者と人外の話…。


第4-5章 古明地の過去 こいしの苦しみ

-地霊殿 さとりの部屋-

 

さとり「ようこそ、地霊殿に。ガルッチさん、フランさん、イリヤさん。」

ガルッチ「いえいえ、そんな畏まらなくても…。」

フラン「そうそう。」

さとり「まあ、別に良いけど…。お燐、お空、荷物を。」

燐「はい、さとり様。」

空「うにゅ?荷物ってどこにあるの?」

ガルさと「手に持ってるそれが、荷物なんだけど…。(・・;)」

空「そうでした、テへ☆」

燐「テへじゃないよ、この鳥頭!それじゃ、皆さん。こっちに…。」

ガルッチ「あーすまんが、ちょっとさとりさんと話して良いか?」

燐「別に構わないですよね?さとり様。」

さとり「ええ、後で部屋の案内させるから。」

 

そう言い、4人は部屋を後にした。

 

ガルッチ「さてと…。何故こんな事言ったのか…、分かりますね?」

さとり「ええ、心を読んだとき、大事な話があるって聞こえたので。」

ガルッチ「そうか、さすが覚妖怪。あ、アールグレイで良いか?」

さとり「それで良いわ。」

ガルッチ「それじゃ…、『トレース・オン』。」

 

手元からティーポットとコップが現れ、中から紅茶が現れた。

 

ガルッチ「んで、話と言うのは…フランとこいしとイリヤと添い寝をしていた時の…。」

さとり「その時の夢ですね。」

ガルッチ「ああ。普通なら自分だけの夢、例外として他人の夢を見るんですが…、今回は後者の事なんです。」

さとり「他人の夢…ですか?」

 

そう言うと、少し紅茶を飲んで話を続けた。

 

ガルッチ「その夢…どうやらフランも似たような夢を見たといいまして…。そこで、気ががりな人物を聞きました。」

さとり「私のことですね?」

ガルッチ「そう、単刀直入で聞きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴方とこいしは、本当に姉妹なのですか』?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言うと、さとりは少し驚いた顔をして、紅茶を飲んだ。確実ではないにしろ、あの夢には、夢で他の男に犯されていた人物が、こいしと似ていたからである。

 

ガルッチ「夢の内容は僕が憶えています。それで読んでください…。」

さとり「もう読みました。なるほど、それで私とこいしは本当の姉妹なのか…ですか。」

ガルッチ「ええ、でもあくまで直感なので、それを知っているなら…教えてください。」

 

そう言うと、さとりは戸惑っていた。おそらく、過去を振り返りそれを伝えると、きっと失望と軽蔑するのではないかと、恐れていた。

 

ガルッチ「…やはり、言えないんでしょうか?でしたら…。」

さとり「待って、確か貴方はあの小説を持っているでしょ?」

 

あの小説ってもしかして…。

 

ガルッチ「『サブタレイニアン・ごみ屑・ローズ』の事ですか?」

さとり「そう、それ書いたの…私よ。」

ガルッチ「え?」

 

さすがに頭が追いつかない。さとりが、あの小説を書いたって事?

 

さとり「それはただの小説ではなく、私にとっての…黒歴史…。日記の本なの。」

ガルッチ「んじゃあ…あれは…。」

さとり「貴方とフランさんが見た夢は…おそらくこいしの夢。こいしにとっての悪夢そのものよ。」

ガルッチ「…詳しく、聞かせてくれませんか。」

さとり「…分かりました。私の妹の命は、晩御飯のおかずより安いものでした。私のポケットに詰まっているはした金でお釣りが来るくらい、惨めな命だったのです。こんな言い方をすると怪訝に思われるかもしれませんが、貴方の思う通りでございます。私と妹は、血の繋がりなどまったくありません。」

ガルッチ「…それじゃあ、こいしは…妹ではなく…奴隷?」

さとり「軽蔑…しました?貴方の場合、奴隷制度そのものを嫌っていますよね。」

ガルッチ「普通なら…軽蔑するだろうけど…、買わなければこいしと出会ってなかったと言う事実もありますしね…。その事について、こいしは憶えてるのですか?」

さとり「いえ、妹はそれを知りません。何故って心の中で思ってますね?そりゃあ貴方、知らない幸せというものがあるでしょう。あの子はある時期より前の記憶がさっぱりございません。」

ガルッチ「だが、記憶がなくても…魂は憶えている。」

さとり「そうですね、一度忘れることになっても、夢だけが思い出させる…。」

ガルッチ「だが何故、記憶が無いんだ?」

さとり「あの子が自分から忘れただけの話なのです。誰しも辛い過去からは逃れたい、忘れたい。その過去が凄惨なものであればある程ね。そうして過去のほの暗い足音がすっかり耳を覆ってしまったら、生き物というのはとうとうそれごとすっかり忘れてしまうようにできているのです。そういうものなのです。まぁ、貴方の場合、忘れようにも忘れることが出来ないでしょうね…。」

ガルッチ「…ああ。憎しみと怒りだけは、今でも忘れることが出来ない。」

さとり「そういう訳で、妹は自分の世界の一部に鍵をかけました。それから、私はあの子がうっかり鍵を開けてしまわぬよう、地上の著名な薬師に頼んで、食事に薬を混ぜて、鍵に鎖を巻く日々でございます。」

ガルッチ「毒薬…じゃないよな?」

さとり「そのような事はしません…。」

 

だろうな、そこまでやろうとしたら怒るわ。

 

さとり「さて、後は本の通りって言っても納得しないでしょうね。」

ガルッチ「ああ、この小説にはさとりさんはこいしを殺しているシーンがある。なのに何故…。」

さとり「こればかりは、自分の心を見せないといけませんね。」

 

そう言うと、手元から一瞬の光を放ち、そこには『鍵』のような物が出てきた。

 

さとり「間近で見るのは初めてでしょう。一応これも武器の一つ、心の女神からの副産物『キーブレード』と呼ばれるものよ。」

ガルッチ「一体、何を見せるのですか?」

さとり「今からこれを使って、私の過去を見せます。あくまで『見せる』だけで『触れる』事は出来ませんので…。」

ガルッチ「分かりました。それじゃあ、お願いします。」

 

そう言うと、さとりは部屋の中央に立ち、ガルッチはさとりの肩にそっと手を添えた。

 

さとり「記憶『メモリーディメンション』。」

 

唱えると同時に、視界が真っ暗になった。

 

-さとりの記憶-

 

視界が明るくなると、そこには見覚えない場所に来た。

 

ガルッチ「さとりさん、ここは?」

さとり「ここは旧地獄街道の町外れ、奴隷市場です…。今は私が撤去させましたが、当時の私は……そこに立ち寄りました。」

 

辺りを見渡すと、ほとんどが人間の奴隷で、みんな生きる希望を捨て、絶望してばかりの人達だった。

 

さとり「あ、あれが当時の私です。」

 

さとりが指を指す方を見ると、確かにさとりそのものだった。だが、あの優しさあるさとりとは違って、冷酷で罵倒していそうなさとりだった。

 

過去さとり「はぁ、くだらない場所に着いたわね…。何か私に興味を持つような人間は…。」

『寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。』

過去さとり「あら、何かしら?」

 

ガルッチ「…あっちって確か。」

さとり「そう、そこにいるのが、人間の頃の古明地こいしです。」

 

場面は代わり、そこには…。

 

ガルッチ「ぐっ…。」

 

現実から背きたかった。だが、真実は時に残酷なものでもあった。そこには確かに、古明地こいしそのものであった。しかし、彼女の胸は今より無く、唯一ないのが右腕だった。

 

ガルッチ「あれが……こいし?もはや奴隷そのものじゃねえか…。」

さとり「ガルッチさん、なんだかつらそうですが…大丈夫ですか?」

ガルッチ「大丈夫、進めて…。」

 

あの様子を見て、ガルッチはとてつもない動揺をしていた。さとりから見たら、ガルッチの右腕は、魔神になりかけだった。その時、ディーラーにお金を投げつける様子が見えた。おそらく、当時のさとりだろうと思った。そしてそのままこいしに巻き付かれてる鎖を引っ張り…。

 

過去さとり「ついてきなさい!」

 

そう言い、走って行った。

 

ガルッチ「…当時のさとりさんには、こいしの能力に気づかなかったのですか?」

さとり「私にもさっぱり…、ただ一つだけ言えたのは…あぁ、あれを飼いたい!って思うばかりでした。」

 

場面は代わり、そこに着いたのは地霊殿の玄関だった。そこには、当時のさとりと奴隷のこいしが映っていた。

 

過去さとり「おまえはがらくたですよ?おまえは家畜の餌にも劣るごみ屑でした。なんの価値もない、死んでも誰も悲しまない気付かない、そんな屑でした。」

奴隷こいし「あ、ぅ…。」

 

一瞬ガルッチは、胸を抑えた。あまりにも悲惨な姿で、言葉そのものもボロボロだった為か、急に苦しくなった。

 

さとり「だ…大丈夫ですか?」

ガルッチ「はぁ…はぁ…、だ…大丈夫……。続けて…。」

 

過去さとり「けれど、おまえは私が買いました。そしてこれから私が飼うのです。おまえに価値を与えてやったのです、判りますか?」

奴隷こいし「わ、から、なぃ…。」

過去さとり「可愛いがらくた。今のおまえは精々道端の小石くらいの価値ですよ。おめでとう、価値が上がりましたね。」

奴隷こいし「こ、いぃ…?」

過去さとり「小石。」

奴隷こいし「こいしぃ……?」

過去さとり「あら、気に入ったの? じゃあ名前はそれで良いわ。おまえの名前は古明地こいし。よろしく、こいし。」

 

さとり「実際は、家族ごっこでも始めようと思ったのもその日です。今は私にとっての家族です、それだけは確かです。」

ガルッチ「こいし……。」

さとり「その頃のこいしは――笑いました。初めて見た笑みでした。それはこの世の始まりのような、あまりに清らかな笑顔だったのです。

 なんて美しい、惨めな存在だろう、と思いました。こんなごみ屑が、こんな尊い笑顔を浮かべることができるのです。まるでちぐはぐです。世界はこんな矛盾だらけでできているのです。そんな矛盾を煮詰めるように内包したそのがらくたを見つめながら、なんて素晴らしい買い物をしたのだろうと、私も笑顔になりました。」

ガルッチ「人は誰だって矛盾を作る…。僕たちみたいなものでも…ね。」

さとり「そうね、貴方の言う通り。世界はこんな矛盾だらけで出来ている、矛盾のないものなんてないんだから…。」

 

そしてまた場面が変わった。今度は服をきたこいしと、さとりがいた。

 

過去こいし「お姉ちゃんは無駄が多すぎると思うよ?」

過去さとり「はぁ…。」

過去こいし「無駄遣い多すぎ。これでも一応形式上は地底の主なんだから、もっとひとの上に立っている自覚を持つべき。」

過去さとり「左様で。」

過去こいし「なんで自分の部屋のリフォーム代を地霊殿の経費で落としちゃうの? そんなんだから四季様に怒られてお仕事増やされちゃうんだよ。」

過去さとり「こいし?」

過去こいし「はい。」

過去さとり「あんまり舐めた口ばっか聞いてると豚肉百グラムより安く市場に売り飛ばしますよ?」

過去こいし「すみませんでした…。」

 

さとり「…ごめんなさい、訂正させて。」

ガルッチ「?」

さとり「よくよく考えたら、私…毒薬入れてたわ…。」

ガルッチ「…やっぱりか。心の中で腑に落ちんなぁって思って心読んだが…。」

さとり「本当にごめんなさい、殴らないで…。」

ガルッチ「いや…殴ろうとは思わんよ。ただこいしをこんな風にした奴を…いや、言わないで置こう。」

 

今のガルッチは冷静では無かった。あまりにも酷い過去を見せられたため、ものすごく動揺していた。

 

過去さとり「私の金は私のものです。地霊殿の金も然り。」

過去こいし「もうほんとお姉ちゃんは金に汚すぎて最高です!」

過去さとり「ありがとう。貴方を抱擁したいわ。それから頭蓋を叩き割らせて。」

過去こいし「抱擁で留めてくれると助かるんだけど。主に私の命が…。」

過去さとり「じゃあ売り飛ばして良いですか?」

過去こいし「どうぞ叩き割ってください。」

 

ガルッチ「…Mですか?こいしって…。(・・;)」

 

さすがのガルッチでも、ツッコミは忘れなかった。絶対ツッコミの才能を持ってるわとさとりは思った。

 

さとり「少なくても…そこまでないと…私は思うわ…。(・_・;)」

 

自分の過去だと分かっていたけど、こんな口調でやっていた自分に恥ずかしく思っていた。

 

過去さとり「頭蓋を叩き割られるより売り飛ばされる方が困るとは、貴方の優先順位面白いですね。」

過去こいし「まぁ、お姉ちゃんに殺されるなら本望だよ。」

 

ガルッチ「あれ、なにこのデジャブ…、僕も言ってた気がする…。(-ω-;)」

さとり「恥ずかしい…というか、殺されるなら本望って…可愛すぎる…。」

ガルッチ「さとりさん…落ち着いて…。」

 

過去こいし「お姉ちゃん、眼が犯罪者です…。」

過去さとり「冗談ですよ。私はこいしを困らせるのが好きで好きでしょうがないのです。」

過去こいし「知ってる。でも眼が犯罪者なんだけど…。」

過去さとり「こいしが児童ポルノに抵触する年齢だからいけないのです。」

(ガルさと)過去こいし「そんな歳じゃないし!(それは貴方だけ…。)」

過去さとり「胸もぺったんこだし。」

過去こいし「それは幼少期の栄養失調の所為で…。」

過去さとり「私を誘っているとしか思えない。」

過去こいし「お姉ちゃんって筋金入りのロリコンだよね。」

 

ガルッチ「まあ…ここにもロリコンがいますけどね…。」

さとり「分かっていますが…卑下しすぎないように…。」

ガルッチ「はい…。」

 

過去さとり「そうでなければ貴方を買い取った筈がないでしょうに。」

過去こいし「真理すぎる…。」

 

正直ここまで性格が悪いとは思っても見なかった…。というか今思えば…、あの時までのシリアス何処行った。心の中でそう思ったガルッチとさとりだった。

 

ガルッチ「んで、あの書類は?」

さとり「四季様より渡された膨大な始末書。」

ガルッチ「さとりさん…、貴方ねぇ…。」

さとり「しょうがないじゃん、地霊殿にも地デジを通したかったんだもん。地底デジタル波放送。」

ガルッチ「何その地上デジタル放送みたいな感じ…。」

 

あまりにも呆れてしまい、顔を抑えてしまった。やれやれだぜ…。(承太郎風)

途端、過去のさとりはこいしにちょいちょい、と手招きして、こいしを膝に乗せた。

 

過去こいし「なぁに?」

過去さとり「鬱陶しいから書類をこいしの愛液まみれにします。」

過去こいし「斬新なストライキだなぁ。」

 

ごそごそ、服の下へと手を滑り込ませる。言いつけ通り、ちゃんと下着を外してあった。

 

過去さとり「えらい、えらい。」

過去こいし「やん…。」

 

ガルッチ「うっ…これはあかん…。」

さとり「私も…。」

 

意外と2人には耐性が無かった。というかあんたの過去だろ、さとりさん。

 

過去さとり「あー、だる。どうして始末書とか書かなきゃいけないのでしょうね?」

過去こいし「地霊殿のお金を私用に使いすぎた所為だよ。」

過去さとり「地霊殿に入る資本はすべからく私の資産でしょうに…。」

過去こいし「その発想が間違ってるんだと思う…。」

 

ガルさと「それにはこいしに同意。」

 

だから、あんたの過去だろ、さとりさん。っと思った瞬間、場面が変わった。どうやら一気に変わったようだ…。だが、不可解な事が起こった。なんと、そこに居たはずのさとりがいなくなっていたのだ。

 

ガルッチ「あれ?さとり?」

 

BGM 東方ボーカル born to love you

 

辺りを見渡すと、そこにはつらそうなこいしがいた。そのこいしが…なんとガルッチを見ていた。

 

過去こいし「だ……れ?」

 

しかも声をかけられた。どういう事だ?いや、おそらく無意識でやっているんじゃないかと思っていたが…もしかしたらと思い、ガルッチも声をかけた。

 

ガルッチ「僕が、見えるのか?」

こいし「うん………、誰……なの?」

ガルッチ「そうだね………。ちょっとした幻って言えば良いかな?おそらく、君にしか見えない幻であり影、とでも言うべきかな。」

過去こいし「そう…なん…だ…。」

 

ガルッチは少し横たわってるこいしのベットに座った。

 

ガルッチ「…。」

過去こいし「なんで……泣いて……いるの?」

ガルッチ「…君が、苦しそう…だから……。ねぇ…。」

過去こいし「なぁに?」

ガルッチ「君は……姉の事…どう思ってるの?」

過去こいし「お姉ちゃん…の事?」

 

そう言うと、つらそうな顔をしながら考えていて、こういった。

 

過去こいし「いい…お姉ちゃん…だよ。」

ガルッチ「どんな……酷い事を…してもか?」

過去こいし「うん…。」

 

情けなかった…、過去は変えられないと分かっているのに、どうにかしたという自分がいた。だがそれは許されない。過去を変えたらきっと後悔をするに違いないと思った。

 

ガルッチ「君の……幸せって……あるか?」

過去こいし「あるよ…。お姉ちゃんに……出会えたこと…。」

ガルッチ「…。家族だって事が……嘘でも?」

過去こいし「うん…。こんな私でも……買ってくれた…お姉ちゃんに…色々と……教えてくれた…。価値を…意味も…名前も………愛も…。」

 

意識が途切れ途切れになりながらも、過去のこいしは話した。ガルッチは、泣くことしか出来なかった。どんなにさとりに酷い事されても、殺したいと思われても、それでもさとりの事が、大好きだった。

 

過去こいし「もう…私の…命が……消えちゃうかも…しれない…。けど…、願うことなら……お姉ちゃんに……殺され……たい。」

ガルッチ「こいし!」

 

過去の出来事だって事は、ガルッチも承知の上だった。今はこいしを、強く抱きしめたいと思った。まるで、自分もそこにいるかのような感じだった。

 

ガルッチ「すまない…、そこまでして…さとりの事を…!」

過去こいし「私の事……心配して……いるの?」

ガルッチ「心配するに……決まってるだろ!こいし、君は…死にたいのか?」

過去こいし「…うん。」

ガルッチ「どうして…どうしてなんだよ…。まるで……まるで僕みたいじゃないか…!それで君はいいのか!?」

過去こいし「構わない…わ。」

 

嫌だ…、消えて欲しくない…。大切な者が…目の前で消えるなんて嫌だ…。死なせたくない…、助けたい…。だって…僕の……僕にとって…。

 

ガルッチ「僕にとっての恋人を、この目で見たくない!!逝かないで……こいし…。」

過去こいし「……お兄……ちゃん?」

ガルッチ「もう…僕のこと、お兄ちゃんって呼んで良いんだ!たとえ繋がっていなくても、僕にとって君は、恋人なんだ!」

過去こいし「こい……びと…?」

 

ガルッチは、泣きながら頷いた。その時、まるで本当にいるかのような感じで、過去のこいしはキスをした。唇のところが、暖かく、温もりを感じた。

 

過去こいし「ありがとう……お兄ちゃん。こんな……私の事……大事に…思って…くれて……。」

ガルッチ「こいし?」

過去こいし「ねぇ、教えて。貴方の……名前…。」

ガルッチ「……ガルッチだ。」

過去こいし「ガルお兄ちゃん……貴方のこと……忘れ……ないわ…。」

ガルッチ「え?」

 

途端、過去のこいしが倒れた。そして…喋らなくなってしまった…。

 

ガルッチ「こいし?なぁ、こいし!」

こいし「…。」

ガルッチ「こい……し……。」

 

どんなに声をかけても、こいしは喋らなかった。

 

ガルッチ「嫌だ……死なないでよ……こいし…!」

過去こいし「…。」

ガルッチ「う……うぅぅ…。」

 

泣きたかった…、泣き叫たかった…。こいしはまるで、人形のように喋らなかった事に、ガルッチは嘆きたかった。自分の無力さ、自分への憎しみ、大切な者を失われてしまった苦しみ、それを全てはき出したかった…。

 

 

 

 

 

 

-地霊殿 こいしの部屋-

 

こいし「お兄ちゃん!」

 

─こえが、きこえた…。

 

フラン「お兄ちゃん!」

 

─声が、きこえた…。

 

イリヤ「お兄ちゃん!」

 

─声が、聞こえた…。

 

3人「お兄ちゃん!」

 

目を開けると、そこにはフランとこいしとイリヤが、心配している顔があった。

 

ガルッチ「こいし……フラン…イリヤ…。」

こいし「大丈夫なの?お兄ちゃん。」

フラン「さとりお姉様が、お兄ちゃんが倒れたって聞いたときびっくりしたんだよ?」

イリヤ「私もよ?しかもお兄ちゃん、こいしの名前を呼びながら泣いていたから…。」

 

そうか…どうやら、途中で気を失われてしまったようだな。だが、それでもガルッチは、3人を、強く抱きしめた。

 

フラン「お兄ちゃん?ちょっと、苦しい!」

イリヤ「どうしたの?急に抱きしめて。」

こいし「私達、何があったのか…分からないんだけど…。」

ガルッチ「よかった……夢で……よかった…。」

 

3人は首を傾げるかと思ったが、ガルッチと同じくらい抱きしめた。

 

イリヤ「何があったのか分からないけど、私も…よかった…。」

フラン「つらい夢から覚めて、私も…よかったわ。」

 

そして、4人はしばらくして、地霊殿から出た。

 

-旧地獄 入り口- -夜ノ刻-

 

ガルッチ「すまない、こんな場所にさせて。」

こいし「いいの、それより何?話って。」

フラン「その前に、こいしちゃん。」

こいし「何?」

イリヤ「今からの話は、こいしちゃんにはつらい物かもしれないわ。それでも、聞く?」

こいし「…私は…、構わないよ。」

ガルッチ「分かった。それじゃあまず、サードアイを僕に向けて。」

 

さすがのこいしでも驚いた。

 

こいし「お兄ちゃん?私、心を読めなくしたのって、知っているよね?」

ガルッチ「だからこそなんだ…、それに、見せるのは…こいしにとって、残酷な真実…。こいしが忘れ去られた過去…。それを見せる為に…。」

こいし「私の…真実?」

ガルッチ「うん、口だけでは説明仕切れないからさ。」

こいし「分かった。じゃあ、始めるね。」

 

その途端、こいしのサードアイは開いた。さとりのサードアイと違って、こいしのサードアイは、綺麗で澄んだ蒼い眼をしていた。

 

ガルッチ「記憶再現『サブタレニアン・ゴミ屑・ローズ』。」

こいし「ッ!?」

 

こいしのサードアイは閉じようとしたが、必死でガルッチが見た記憶を探した。そして、その記憶を見つけ、こいしに見せた。瞬間、ガルッチとこいしに頭痛が走った。

 

ガルッチ「ぐっ…。」

こいし「な…何?これ…。」

ハデス『これって…。』

ガイア『記憶供給!?ガルッチ、一体何処でそれを!?』

ガルッチ「分からない…、でも…何故か…急に…。」

 

こいしのサードアイが閉じたと同時に、頭痛が止んだ。

 

こいし「これが…本当の…私?」

ガルッチ「はぁ…はぁ…。そうだ、それが君が忘れ去られた過去。こんな事をさせてすまなかった…。」

こいし「そう言うことね…。」

ガルッチ「?」

こいし「あの時、誰かに見られてる気がしていたけど…、お兄ちゃん…だったのね。つらそうな夢と、過去を見せて…ごめんなさい。」

ガルッチ「え…?」

 

まさか、最初からずっと見ていたのか?犯されてる時も…さとりと話している時も?

 

こいし「最後、私が死にかけていたとき、励ましてくれたんだよね?」

ガルッチ「え…あ…うん。」

こいし「貴方のおかげで、私は救われたの。死んだはずの古明地こいしを、蘇らせてくれた。だから、貴方に会いたいって思ったの。お礼を言いたくて、幻想郷中、探し回った。でも、見つからなかった。そんな時、フランちゃんのお姉ちゃんが見ていたテレビを見て、見つけた。ガルお兄ちゃん、私を蘇らせてくれて…ありがとう。」

ガルッチ「んじゃあ、あの小説と違う方向にったのって…僕が、こいしと話したから?」

 

信じられないものだった。もしそうだとしたら、本当に命の恩人なのかも知れない…。

 

???「ようやく、見つけた。」

4人「!?」

???「よう、久しぶりだなぁ。こ・い・しちゃん。」

 

坂道から現れたのは、柄の悪そうな悪男がいた。

 

悪男「お前を買って何時頃だったかなぁ?そろそろ、俺のイチモツが恋しくなったんじゃねえか?」

 

こいつが…こいつが…コイツガこいしを…!!

 

悪男「ん?なんだそこのガキ、何俺の許可を取らず見てんだ?あぁ?」

ガルッチ「黙れ下郎。だがようやく会えたなぁ…、貴様がこいしの右腕を斬った下郎だな!」

こいし「お兄ちゃん?」

ガルッチ「下がってろこいし。フラン、イリヤ、こいしを守ってやってくれ。彼奴は、僕が殺る。」

悪男「ほう、俺に喧嘩売ってんのか?今なら土下座してくれれば、全部許してやるけどぉ?」

ガルッチ「殺し合いなら、もうとっくに売ってんだよ。こいしの右腕を奪った瞬間になぁ!!『バーサグビーストモード』!」

 

瞬間、ガルッチの耳は猫になり、ジンオウガの尻尾も生えた。それだけでなく、蛍のような虫も現れた。

 

ガルッチ「我が身に纏え、雷光虫!」

 

まるで、ガルッチに従うような感じだったのか、虫たちはガルッチによった。

 

悪男「そこまで死にてえのか、いいだろう。ぶっ殺してやる!」

ガルッチ「『超帯電モード』!」

 

どこからともなく雷が落ち、ガルッチに当たった。

 

こいし「ガルお兄ちゃん!」

ガルッチ「大丈夫ダ、今体ニ力ヲ宿シタダケダ。」

フラン「お兄ちゃん、来るよ!」

悪男「死ねぇ!!」

 

─悪男の殴る。しかし受け流された。

 

悪男「ちっ、じゃあこれはどうだ!」

 

─悪男の妖術・灼熱の術。しかし躱された。

 

ガルッチ「無駄ダ…、テメェハ俺ヲ怒ラセタ。ソノ罪…死ンデ償エ!!時符『タイムアルター・チェンジ・ザ・ワールド』!時ヨ止マレ!」

 

彼の怒りは、凄まじいもので、悪男はようやく後悔をした。相手にするんじゃ無かったと…。

止まった中のガルッチは、すぐさまロストメモリーと常闇月の刀を抜き、悪男を斬りつけた。何度も何度も繰り返し、尻尾でなぎ払ったり、禁術を使ったりした。

 

ガルッチ「『トレース・オン』!」

 

ガルッチが投影したのは、ヘラクレスが持っていた斧剣だった。

 

ガルッチ「終ワリダ!『是・射殺す百頭《ハンドレットライブズ・ブレードワークス》』!!」

 

既に死んでいるにも関わらず、ガルッチは何度も殺し続けた。斬って斬って斬りまくり、最期には斧剣を投げつけた。

 

ガルッチ「ソシテ、時ハ動キダス。」

 

動き始めた瞬間、悪男は血飛沫をあげた後、斧剣が爆発して、悪男はこの世を去った。

 

ガルッチ「はぁ…はぁ…、四季映姫に…裁かれるんだな。」

 

終わった瞬間、強制的に『ウィングフォーム』に戻った。

 

こいし「お兄ちゃん!」

ガルッチ「ちょ、こいし。待って!」

 

制止させようとしたが、地面に倒れた。

 

こいし「本当に…ごめんなさい…。」

ガルッチ「謝る事はないよ…。悪いのは彼奴だったんだ、別に君が悪いわけじゃない。」

こいし「でも……でも…!」

ガルッチ「こいし。」

 

ガルッチは、少しでも泣き止ませる為に、キスをした。ただ過去のこいしまではいかず、逆にものすごく深いキスになってしまった。

 

こいし「ぷはぁ……お兄ちゃん…本当、ディープキスが…上手過ぎる…。」

ガルッチ「はぁ…はぁ…、落ち着かせようとしたが…逆に、欲情が勝っちゃったか…。」

こいし「ううん、お兄ちゃんのおかげで、少し…落ち着いたわ…。」

ガルッチ「そっか…、すまんが…誰か負ぶってくれ…。」

イリヤ「あ、それなら、バーサーカーに頼もう。」

 

途端にバーサーカーこと、ヘラクレスが現れ、ガルッチを負ぶった。

 

ガルッチ「それじゃ、戻るか。地霊殿に…。」

 

そう言うと、5人は大穴のところに戻っていった。しばらくして、旧地獄街道を歩いている途中、こいしが話しかけた。

 

こいし「ねぇ、お兄ちゃん。」

ガルッチ「何だ?」

こいし「帰ったら…フランちゃんとイリヤちゃんと一緒に……シようね。」

ガルッチ「……うん。///」

 

-to be continue⇨-




かくして、哀しい眼をしていた少女の苦しみは、殺戮者によって解放された。どんなにつらい事があろうとも、どんなに真実が残酷でも…、少女は進み続けるだろう。そして、殺戮者もまた、進み続ける。破壊者も、人外も、共に進み続ける。果てしない道を、4人は進み続けるでだろう。
殺戮者は、改めて決意した。たとえどんなことがあろうとも、大切な者を失わせないっと。
たとえこいしの価値しかなくても、殺戮者にとっては『サファイア』。殺戮者は、永遠に手放す事はないだろう…。

-始原の城-

はぁ…結構精神的に病みそうな事しちゃったな…。

ケフカ「次はどうするんだ?」

また気まぐれに書くよ。

イリア「いつも通りって事ね。」

そゆこと。それでは4-6章で、また会いましょう。
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