「よし、お前ら、集まったな!」
「「「はい! よろしくお願いします!」」」
翔がアゼンダの取り調べに向かっている最中、ヤミが授業を受けている最中。小・中学生組は、大会に向けたトレーニングを始めようとしていた。
ヴィヴィオ達はいつもトレーニングに使っている公園に集合していた。周りには同じようにトレーニングをしている人がたくさんいる。この公園はどちらかというと、そういった目的に使われることが多い場所だった。
欠席者はゼロ。ヴィヴィオ、コロナ、リオ、クロ、ティナ、アインハルト、綺凛の7人とノーヴェだ。それに加えて、ノーヴェの姉妹が2人ほど助っ人に来ていた。
みんな、制服から動きやすい服装に着替えている。やる気は十分だ。
2か月後の大会に出場することが決まったため、今日から、それに向けた特訓が開始される。
「まず言うと、お前たちはみんなそれぞれ戦い方が違いすぎる。一緒に訓練しても、特技を伸ばすのは難しいとアタシは判断した。だから、基礎トレ以外―――個人的なレッスンは個別に、先生は姉さんたちに任せることにした。2人のことは知ってるよな?」
そう言って、ノーヴェが紹介したのは2人の女性だった。
コロナのコーチは中性的な外見のオットー。リオのコーチは栗色のストレートヘアが特徴的な大人な女性、ディードだ。ヴィヴィオのことはノーヴェが担当する。
「じゃあ、みんながどのくらい強くなったかっていうのは、大会までのお楽しみってことですね!?」
「そういうことだ。ガッツリトレーニングして、驚かしてやれよ」
「私とティナは大会に参加しないから、サポートに回るわ」
「頑張ります……」
ノーヴェは地面に置いていた箱から、白いリストバンドを子供たちの人数分配った。
「それでだ、っと。ほい。トレーニングの前に、まずはこいつをつけてくれ」
子供たちは首を傾げながらも言うとおりにする。すると、効果はすぐに表れた。
「か、体が重いです……っ!」
「魔法もうまく使えません……」
「筋力制限ではなく、魔力制限ですから」
「慣れてきたら、少しずつ負荷を負荷を増やしていきますよ」
ノーヴェの姉2人が説明する。
「お前らの年なら、魔力は使えば使っただけ伸びる! 2ヶ月もみっちり練習すりゃあ、見違えるくらいになるだろうさ。基本、寝るとき以外は外すなよ。とりあえず、ウォーミングアップ代わりに少し走ってこい」
「「「は~い……」」」
帰ってきた子供たちは、みな盛大に息を切らしていた。ノーヴェは最初はこんなもんかと頷き、柔軟、訓練メニューの説明をして解散した。リオとコロナは各々のトレーニングをするために離れていく。
ヴィヴィオはノーヴェが担当するため、その場に残っていた。
「んでだ。アインハルトと綺凛なんだが……」
ノーヴェは残った2人に向き直る。
「正直2人の流派は特殊っつーか。アタシよりも、自分たちの方が詳しいだろ? 2人とも基本は出来てるし、後は伸ばしていくだけなんだけどさ……」
それは確かにそうだ。綺凛は刀堂流、アインハルトは覇王流だが、どちらもおいそれと手を出せるような代物ではなかった。
「魔法戦ならともかく、刀―――それも真剣は専門外でさ……だったら、家の方で訓練したほうがいいんじゃないかって思ってさ。アインハルトの方も、今の覇王流の型をアタシが崩すのは違うって思ってるんだよ」
2人とも完成されているがゆえに、ノーヴェもうかつに手が出せないでいた。
「だからその代わり、練習試合をしこたま取ってきてやる。ある程度まで行ったら、実践が一番の成長材料だからな」
「「ありがとうございます!!」」
ちなみに、クロとティナはこの2人について回ることになっていた。
「あ、そのことなんですが、今週末にデバイスが出来上がるらしいので……」
「八神家は仕事がはえーのな。了解、そこには入れないでおくよ」
アインハルトのデバイスの完成予定日も決まっていた。ちなみに綺凛は、なんだかんだ刀堂流の娘であるため、それなりに良い物をすでに持っていた。
そう言うとすっかり回復したヴィヴィオを連れて、ノーヴェはその場を離れて行った。
「さてと、今日は特にやることは指定されてないんだけど、どうする?」
「せっかくです。交代で1本、どうですか?」
異論を挟む者はいなかった。順番を決めて、武器を構える。
離れた場所では、ヴィヴィオ、コロナ、リオもそれぞれ特訓を始めていた。
少女たちは、それぞれ汗を流すのだった。
――――――――――――――――――
「ふぅーっ……」
アインハルトは自室のベッドに横になっていた。シャワーはすでに浴び終わり、上下ともにラフなTシャツとパンツになっている。
「っ、痛っ……」
身体を動かすと、至るところに鈍痛が走る。昼間の模擬戦、結局はノーヴェが止めに入るまでずっとやっていたのだ。怪我はないが、張り切りすぎたせいで全身が筋肉痛になっている。
(クロさん、やっぱり強かった。ティナさんも予想以上に……)
クロとは前に1度、ティナとは戦ったことは無かったが、今日のトレーニングで、その凄さを改めて教え込まれた気分になっていた。
(2人とも、私よりも年下なのに、ずっと戦い方を知っている)
クロはその身に宿っているクラスカードの英霊の記憶が。ティナは翔と出会うまでにこなしてきた任務の数々が。2人に年齢以上の実力を与えていたのだ。
何をすればよいのかわからず、路上のケンカばかりしていたアインハルトよりも、相手の倒し方を知っていた。
(でも、前みたいな差は感じない)
前にクロと戦った時のような、一方的な差は感じなかった。
(きっと、ヴィヴィオさんたちに出会ったから、ですね)
事実、みんなと練習するようになって、自分の腕がめきめきと上昇しているのが分かっていた。
自室にこもり、大量のトレーニング機器と格闘していたころに比べると、なんと成長の早いことか。
きっかけはノーヴェに路上試合を申し込んだことだった。今でも面倒を見てくれる、大恩のある人物だ。そして、それと同じくらい考えるのは。
「綺凛さんは翔さんの
アインハルトは何か志があって武偵を目指しているわけではない。己の目的を考えた時、武偵になっていた方が色々と便利だと思っていたのだ。
武偵の免許とは、いわば傭兵のライセンスだ。
戦場で覇王流の強さを証明したいと思っていたアインハルトとしては、管理局のような公的な機関に所属するよりもずっと動きやすく、便利な立ち位置と言えた。
しかし今では、そう思い込んでいた道がぼやけてしまったように感じていた。
今の生活が楽しいと感じれば感じるほど、自身を今まで動かしていた『覇王イングヴァルト』の記憶を思い出してしまう。
「私がやりたいことを、考えないと」
そのくらい前向きに考えられるくらいには、アインハルトの心は変わり、そして決まっていた。
しかし、その考えにまだ自信を持つことは出来ない。
「翔さんなら、何と言うんでしょうか……」
ふと口から出た名前。
アインハルトは、実は翔について知っていることは少ない。それは、関わった事件が機密になってしまったり、過去で戦ったりしているからだ。
それと同じく、戦う理由もわからないでいた。
あそこまで強力な意志の力を持つ人は、そうそういるものではない。アインハルトの心を変える大きな一因になった人だ。
今の関係を言い表すなら、なんだろうか。
「こんなことなら、私も
呟いて、はっとなる。無意識に口から出た言葉にアインハルトは赤面した。
(そんな、今の言い方じゃまるで……翔さんとの関係が欲しいから
不純な考えを断ち切るように、頭を振り、天井を眺める。
綺凛は公言こそしていないものの、その意図があることは明白だ。そして翔も、そのことについては理解している。
アインハルトが思い出すのは、やはり公園で見た光景だ。
他人の情事―――正確にはその一歩手前、さらに正確にはその後何も起こってはいなかった―――を簡単に忘れられるほど、アインハルトは大人ではなかった。
頭の中に思い描いたあの時の情景が、動き出した。
「ん……ぁ……っ」
薪をくべすぎた火のように、体の熱は熱くなり続ける。
翔と綺凛の顔が段々と近づき、やがて重なる。綺凛はうれしそうに笑って、翔に体を預けた。誘惑された通り、翔は服の上から大きなふくらみを鷲掴みにしていた。
綺凛は自分の武器が効いた事がうれしいのか、それとも恥ずかしいのか、はたまた別の感情か、体をくねらせる。
アインハルトは物陰に隠れてみていることしか出来ない。
気が付いた時には、綺凛とアインハルトは入れ替わっていた。
綺凛と比べれば圧倒的に少ないボリュームだが、翔は変わらずに愛でてくれる。薄いTシャツ越しにもわかるほど自己主張し始めた突起を丁寧に、丁寧に。
いつの間にかシャツはめくり上げられ、右手が胸元へと延びていた。もう片方の手はお腹に。その奥でじんじんと熱を持ち始めたところをあやすように撫でている。
ほんのりと感じられるふくらみの頂点にある、小さな突起。ここが硬くなることを知ったのはつい最近だった。しびれるような感覚があることも知った。
それがどういう時に起こるのかも、知ってしまったのだ。本能的に『いけないこと』だと思いながらも、その手を止めることは出来ない。
想像した翔の手つきが再現される。
「だめ、またこんな、翔さんと、綺凛との、んっ、ぃっ、2人とも、こんなこと、してないのに……っ」
お腹にあった手が、誘惑に負けるようにズボンの中に伸びていた。その下にある三角布が隠しているところは、しっとりと湿り気を帯び始めていた。
まだ数回しか経験のないアインハルトでも、この粘液の意味は理解出来た。その時は、トイレでのことを思い出して赤面したものだ。
今のアインハルトは、意味よりもその先のものに目を向けていた。
鍛え抜かれた腹筋が、不規則に痙攣し始める。足に力が入り、お腹の奥底からふわふわという浮遊感が生まれ、全身に広がっていく。
まぎれもなく、女性が達するときの体の反応だ。
「ふぅーっ、ふぅーっ、ふぅー……っ!」
歯を食いしばり、目をつぶる。ここまでくればもう止まれない。
あふれ出る粘液を指先に塗りたくり、ワレメにある硬い部分を一心不乱に擦り続ける。
(あ、あっ! クル、もうクル、クルクルクルクルクルクル―――!!)
ピピピピピ―――――
「っ!?」
端末の
相手は―――チームナカジマのグループ通話だ。
何か悪いことをしてしまったという罪悪感が、なぜかこみあげてきたアインハルトは、じっとしていられずベッドから立ち上がってそれに応じた。
目の前に半透明の画面と、見知った顔が5つ映し出された。努めて平静に口を開く。
《こんばんは。皆さん》
映った顔の中に、先ほどまで想像していた顔もあり、罪悪感がはっきりとしたものになる。
《お疲れ様です! 今日のトレーニングはどうでしたか!? ――――あれ? アインハルトさん、立ってます?》
《ぇ、ぁ、っと……ちょ、ちょっと落ち着かなくなってしまって》
《もしかして、トレーニングしようとしてるんじゃないですか!?》
《少しだけ、はい、トレーニング、しようかと》
《だめですよ、アインハルトさん! 体はしっかりと休めるようにって、ノーヴェ師匠に言われてるんですから!》
《そ、そうですよねっ! はいっ、今日はもう、やめておきます》
ヴィヴィオは人差し指を立てて怒り出す。何とかごまかせたと、アインハルトはベッドに腰を下ろした。
「……っ」
腰を下ろしたことで、内股に熱を持った粘液が滲むのを感じた。お腹の奥がじくじくと脈打っているのが分かる。考えてしまっては止められない。
頂まで登りきる寸前だった体は、最後の一押しを要求してくる。薄い、まだまだ発展途上の乳房にある2つの頂点。その2つを、いや、1つでも指で摘まんでこねくり回せば。あるいは、下腹部、濡れそぼったワレメから顔を出そうとしている豆を少し撫でれば。
しかし、アインハルトの理性が、あと一歩のところでその手を押しとどめていた。
《そんなこと言ってー、本当はヴィヴィオも隠れてトレーニングしてるんじゃないの?》
《私も、今日はくたくただよー!》
《そうだよね……このリストバンド、本当にキツイよ》
《それ、ずっとつけっぱなしなの? 洗濯とかしないわけ?》
《そうですよね……ノーヴェさんに少し聞いてみたほうがいいですよね》
《ずっと同じものをつけっぱなしは汚いです》
交わされる会話にも、相槌をうつことしか出来ない。
(早く、終わって……っ)
アインハルトの頭は、もうそのことしか考えられなかった。ジンジンとぼやける頭は普段の聡明な思考を取り戻すことは出来ない。
1秒たりとも我慢できないアインハルトは、最低な手段を使ってしまう。
「ご、ごめんなさい。私、疲れたのでもう休みますね……っ!」
《そうですか? わかりました! おやすみなさい!》
何とか声を絞り出して、通話を切る。
もちろん寝るわけがない。
「さい、てい……っ。私、最低だ……っ」
口ではそう言っても、手は止まらない。
「はっ…はっ、はふっ、っ…っ――~~~っ!っ!……ひぃ、っ、っ……」
通話を切るなり迷うことなく敏感な場所に伸ばされた両手は、むしろさっきよりも激しく快楽を貪っていた。
ピンと1センチほどにしこった胸の肉芽は、少女の初心な手つきでも着実に開発されつつあった。にちっ、と潰してしまえば、もう足ががくがくと言う、
クリトリスを摘まんでいじるなんて、普段なら痛くて出来ないのに、今晩は頭が真っ白になるくらいイイ。
時間をおいて少し冷めてしまっていたはずの体は、再び頂まで上り詰め、
「あぁああっ!!! あひぁ゛ぁあ゛あ゛っっ……―――~~~ッ゛!!!」
焦らされた体は、より深い絶頂感をアインハルトに叩き込んだ。