※この作品はR-18です。

異世界ハーレム奮闘記   作:文房具

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ここから4話にわたって、ゲスい表現があります。ご注意ください。


新谷航平の記録 起

《ドリームワールドへようこそ、新谷 航平様。これからこの世界のチュートリアルを始めさせていただきます》

「はぁ? ドリームワールド?」

 

男、新谷航平は、気が付くと見たことのない部屋に立っていた。十分な家具、食器、雑貨がそろっており、生活の跡がまったくないことを除けば人が住んでいておかしくない部屋だった。

 

「どこだよ、ここ……?」

 

航平はとっさにスマーフォンを取り出そうとするが、直前まで握っていたはずのスマートは影も形もない。手のひらどころか、ポケットの中にもだ。

 

落とした衝撃で画面が粉々になっていたためそこまで惜しいと思うことはないが、目的の物が見つからないためイライラする。

 

「ッチ! クソがよ……」

《ここは夢の世界。男の欲望を無限に叶えることが出来る夢の世界でございます。私はドリームワールドチュートリアル専用AIです。問題がなければチュートリアルを始めさせていただきます》

 

苛立つ航平を無視してAIは音声を垂れ流していく。頭に来ている状態でそんな機械的な音声を永遠と流されてしまえば、

 

ガシャン!!!

 

こうなってしまうだろう。

 

音が聞こえてきていたテレビを足で壊してしまう。不可思議な技術が使われていたとしても強度はそれほどなかったようだ。まったく遠慮のない体重を乗せた一撃は、いともたやすくテレビを真っ二つにする。

 

《それ、で、は、良い夢、を……―――――》

 

その言葉を最後にテレビは何も言わなくなった。部屋から一切の音が消える。

 

もう一度大きく舌打ちした航平は、玄関を探した。

 

外に出て歩き回る。しかし見知った風景は全くない。スマホも持っていないため、何かを調べることもできない。もちろん誰かに話を聞くなんて考えは微塵も思い浮かばない。

 

夕方、日が暮れる時刻に家に戻って来た。自分の家ではないが、そこ以外に行く場所は思い浮かばなかった。誰も頼れる人がおらず、どこにいるのかもわからない。イライラしていた心が落ち着いた後に襲ってきたのは、孤独感と不安感だった。

 

地元でいくら大きな顔をしていても、それはしょせんお山の大将でしかなかった。見知らぬ土地に一人放り投げられれば、薄いメッキは簡単にはがれてしまう。

 

家の中には誰もいない。

 

リビングに入ると、出て行くときには気に留めなかった機械に目が行った。翔もお世話になっているガチャマシーンだ。テレビの説明を聞いていなかった航平だが、でかでかと『ガチャする』と書いてあるボタンがあれば、触りたくなる。

 

 

 

 

『■■ ■■』をゲットしました。

5階1号室に入室しました。

 

 

 

 

「なんだこれ」

 

上の階から足音が近づいてくる。階段を下りてきたのは航平が今まで見たことのないような可愛らしい女の子だった。

 

「だ、誰だよお前」

「私? 私は■■ ■■! あなたのお名前は?」

「……新谷 航平だ」

 

低く答える航平は、今何が起きたのか理解していた。

 

(『ガチャする』を押したらあの女が出てきた。つまりはあの機械で女を出せるのか……もう一台あるが……)

 

武器・能力ガチャの『ガチャする』を押す。

 

 

 

 

デンジャラスゾンビガシャット

 

仮面ライダーエグゼイドに登場するアイテムの一つ。バグルドライバーと組み合わせることによって、仮面ライダーゲンムゾンビゲーマーレベルⅩに変身することが出来る。

 

 

 

 

「今度は訳分かんねぇ道具かよ。しかも仮面ライダーねぇ。ガキの頃は見てたが……」

 

ちなみに、航平の年齢は18歳。成人していたわけではないが、10数年前の記憶ともなれば、十分に『子供』の時の記憶だ。

 

「んで? お前は何なんだ? ここはテメェの家なのか?」

 

だとすれば流石にマズイ、と思えるだけの思考は航平にはあった。自分でも訳が分からないが、家の中に無断で上がりこんだのは間違いない。

 

しかし、■■と名乗った少女は、きょとんとした様子で首を傾げていた。

 

「なに言ってるの? ここは私たちの家でしょ!」

 

少女は、航平がTVを壊したせいで聞けなかったこの世界のことについての説明をした。航平は面倒なことだと思って聞き流しつつだったが、概要は理解できた。

 

「つまりは、どういうことだ?」

 

だが、理解できたのは概要だけだ。

 

「つまりっ!」

 

少女は演説するように腰に手を当てた。

 

「貴方はこれから、世のため人のために働かないといけないんです!」

「世のため人のためだぁ……?」

 

これ以上自分に似合わない言葉ないと顔を歪めた。

 

「そうだよ! 武偵高にも入学が決まってるからね! 明日から!」

「やだね」

 

学校という単語を聞いただけで全身に鳥肌が立つ。出席日数ギリギリ、行ったとしてもケンカして途中で帰る。そのレベルの学校に行っていたのだ。学校という存在に良いイメージはない。

 

航平は椅子に腰を下ろした。

 

「なんで!」

「何でもだ」

 

頬杖をついてそっぽを向く。

 

スマホもなく、TVも壊してしまった。時計の針の音だけが響いていた。針は6時半を少し過ぎたところだ。

 

「腹減ったな……」

「何か作ろうか?」

 

すかさず■■は聞いた。

 

「お前、料理できんのかよ」

「うん。少しならね!」

 

■■は冷蔵庫を確認するが、何も入っていない。

 

「買ってくるね!」

「早くしろよ……」

 

30分ほどで帰ってきた■■は、慣れた様子で調理を開始した。

 

「ご飯炊くには時間がなかったから、おかずだけになっちゃうけど、それでもいい?」

「食えるなら何でも良い」

 

誰かが料理しているキッチンの近くで座っているなんて、ここ数年なかったことだ。匂いにつられて、虫が電灯に引き寄せられるように、ふらふらと匂いの大元に吸い寄せられている。

 

楽しそうに料理をする■■。航平の視線が、■■に注がれる。

 

「どうしたの?」

「別に」

 

短い答えに納得したのか、■■は調理に戻った。

 

(こいつ、鬱陶しいが、いい女だな……)

 

出るところは出て、引っ込んでいるところは引っ込んでいる。どこのものかわからない制服に身を包んでいるが、短いスカートから伸びる足は、シミ一つなく引き締まっている。学校で見た女子とは、『パーティ』で見た女とは比べ物にならないほど、整っている。

 

セミロングの髪色は茶髪だったが、無理やり染めたような違和感はない。周りにいた女とは素材が違うのではないかと思うような髪の毛だ。一に体、二に顔の航平が、髪の毛に気を取られるのだから、その程度が分かるというものだ。

 

「……お前、いつまでここにいるつもりなんだ?」

「え? あはは。やだなー、私だってここに住んでるんだよ? あ! もしかして、緊張してるー? エッチなこととか考えてるんでしょ! やらしーなー。なー」

「へぇ……」

 

つまりは、そういうことなんだろう。

 

航平は勝手に納得した。冷蔵を開けるが、目的の物はない。

 

「酒は買ってこなかったのかよ」

「買ってないよ!? 未成年だもん! 航平君もそうでしょ?」

「……ま、そうだな」

 

意識したことは無かった航平は、初めての注意をされる。ウーロン茶を飲みながら、調理が出来上がるのを待った。

 

その後10分ほどで料理は完成した。出来上がった夕食を平らげた航平は、ソファーに横になっていた。

 

「風呂、ね」

 

今は■■が風呂に入っていた。

 

「っち、ダセェな。童貞かよ、俺は……」

 

そのシャワーの音を聞いているだけで、心音が高鳴っていく。他の女を抱いたときは、これほどまでに高鳴っていなかった。

 

間違いなく■■は航平が抱いた中で最高の女だった。降ってわいたような状況だったが、楽しまなければ損だ。

 

「上がったよー」

 

■■に呼ばれて、航平は立ち上がった。

 

「とりあえず、風呂入るか」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

2人は就寝の挨拶をして、それぞれのベッドに横になっていた。■■は明日から始まる学校生活に不安と期待で心を躍らせていた。

 

「航平君、ちょっと不愛想だけど、明日からはもっと仲良くなれるようにしたいなぁ」

 

少女は、暴力とは無縁な世界から来た住人だった。知識として頭に送り込まれた武偵という存在。そこでうまくやっていけるのか、正直言うと不安に思っていたのだ。しかし、持ち前の明るさで『何とかなる!』と思うことで、乗り越えようとしていた。

 

そんな不安を見せることなく、振る舞っていた。事実、航平はそんな彼女を微塵も考えていなかった。もっと別のことを考えていたのだ。

 

「……? 航平君?」

 

床を誰かが歩いている音が聞こえてきた。この家にいるのは航平と少女だけだ。それ以外には考えられない。

 

部屋の扉が開けられた。

 

「ど、どうしたの?」

 

■■は体を起こし、守るように布団を抱いた。

 

扉が開いても、廊下の電気がついていないため、部屋の光量は変わらない。

 

「ダ、ダメでしょ! 女の子の部屋にノックもせずにはいってきちゃ! 女の子には色々と準備っていうものがあるんだから!」

 

ベッドでゴロゴロしたせいで乱れた髪を最低限整える。

 

「……おいおい、この期に及んで何言ってんだよ」

 

くつくつと笑って一歩前に出る。

 

様子がおかしい、今まで見たこともない人の反応だ。■■は不安になって駆け寄った。

 

「航平君? どうしたの? 何かあった?」

「……はっ」

 

白々しい。本当にこの少女は白々しい。おかしくなって、航平は思わず顔が綻ばせてしまった。航平が知っている女という生き物は、こんな状況ならば、何も言わずにその肢体を見せつけてくるものではないのか。

 

鼻で笑って■■を突き飛ばした。後ろにあるベッドに倒れこむ。

 

男に押し倒されたというのに、■■はきょとんとした様子で、目をぱちぱちしていた。しっかりとパジャマを着て、今の衝撃で少しだけめくれている。

 

布1枚しかないからか、制服よりも体の凹凸がより鮮明に分かった。

 

「……っ」

 

航平の下腹部では、この場ではどんなものよりも凶悪な凶器が脈うっていた。

 

無垢な少女に、暴漢が覆いかぶさった。

 

「あ、ぇ? な、何?」

「いまさら何言ってんだよ。ここまで来て、何もねーとかありえねぇだろ?」

 

爛漫な■■の笑顔がぎこちなくなる。

 

その夜、航平は少女の初めてを踏みにじった。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「■です。よろしくお願いします」

 

この家の新しい住人は、黒髪ロングの凛々しい少女だった。礼儀正しくお辞儀をする彼女の全身に、男は無遠慮な視線を這わせる。

 

例によって、どこの物とも知れない制服に身を包み、まじめなはずの少女は短いスカートから、肉付きの良い素足を伸ばし、ニーソックスとスカートの絶対領域を作っていた。

 

「……あまり、じろじろと見ないでください」

「はいはい……新しい奴も増えたことだし、飯にするぞ」

 

航平は座って端末をいじり始めた。

 

航平に付き従っていた■■は、何も言わずにエプロンを着る。厨房に立つと小さな声で聞いた。

 

「……うん。何がいい?」

「何でもいい」

「手伝いますね」

 

キッチンに2人の少女が並んで一緒に料理を作る。状況だけ見ればうらやましいことこの上なかった。

 

「……仲、悪いんですか?」

「え?」

 

航平に聞こえないように問いかける。

 

「貴方を見てそう思いました。何かヒドいことをされているのではないですか?」

「大丈夫だよ。何もないの」

「そう、ですか……」

 

向けられた笑顔を見て何も気が付かないほど、鈍感ではなかった。

 

(あの男、注意しないといけないですね)

 

調理する手を止めることなく、■は考えるのだった。

 

料理が出来上がり、みんなで食べる。本当なら楽しいはずの行為だが、テーブルは重い空気に包まれていた。

 

唐突に航平は口を開く。

 

「明日は依頼があるからな。■、お前ついてこい」

「私がですか?」

「文句があるのか?」

「いえ……」

 

むしろ好都合だった。目の前にいる危険人物(仮)の監視と、実力まで見せてくれるというのだ。うまく立ち回れば、一方的に情報を得ることすら可能だ。

 

「どのような依頼ですか?」

「無能を言い訳に人様に迷惑をかける奴らをブチのめす。つまりは―――ゴミ掃除だな。お前の実力を見せてもらおうか」

「そういうことなら」

 

言い方が多少きついとはいえ、犯罪ではないことはわかった。

 

(口と態度が悪いだけで、そこまで悪い人ではない?)

 

■の推し量る目があるとは知らず、航平は続ける。

 

「おい、■■。お前はケンカじゃ役に立たねぇんだ。飯の用意くらいはしとけよ」

「うん。暴力は苦手だから。ね、帰ってきたら……」

「そん時は、な……?」

 

男の粘着質な笑顔を見て、一瞬で背中に鳥肌が立った。そしてそれに同調するように、この短い時間で一番の笑顔を浮かべる■■も、異質な存在なのかと思ってしまう。

 

「……」

 

■は何も言うことなく、食事を続けるのだった。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「足引っ張んじゃねーぞ。テメェのケツはテメェで拭け」

「……はい」

 

翌日、2人は武装集団の潜伏場所に足を運んでいた。

 

中に人がいることはすでに確認している。あとは突入して、中にいる奴らを無力化すればよいだけだ。

 

航平はバックルを腰に付けた。

 

《DENGEROUS ZOMBIE》

 

「変身……!」

 

《ガッシャット! バグルup!》

《Denger denger Death the crisis DENGEROUS ZOMBIE!》

 

何も聞かされていなかった■は驚き、後ろに飛んだ。

 

航平の足元から、吸い込んだだけで体が腐りそうな黒い霧が発生する。

 

目の前に現れたパネルをぶち抜き、『仮面ライダーゲンム・ゾンビゲーマーレベルⅩ』に変身を完了した。

 

「はっ」

 

強化された脚力で、鍵のかけられていた扉を蹴り破った。

 

こっそり戦おうなどという気持ちは一切ない。不死身の力を持っている人間にそんなものは必要ないのだ。

 

当然、中にいた人たちは何事かと騒ぎになる。銃器を持ち出し、無数の銃口がデンジャラスゾンビに向けられた。

 

「ちょ―――!」

「ははっ―――!」

 

銃弾の雨にさらされては敵わないと、■は身を隠す。だがデンジャラスゾンビは両手を広げて、銃弾を歓迎するように笑う。

 

鉛の雨が殺到した。中には爆発物を取り出した者までいる。マガジンが空になるまで打ち尽くされ、爆炎が晴れると、デンジャラスゾンビは大の字で倒れていた。

 

「な……」

 

一瞬の出来事に、■も開いた口が塞がらない。

 

「よし、女の連れがいたな。始末するぞ」

「(あんなに自信がありそうだったのに、自分の実力も理解できなかったというの!?)っち、こんなことになるなんて―――っ」

 

デンジャラスゾンビを観察するどころの話ではなくなってしまった。今は自分の命が危険にさらされている。

 

しかしここで、驚くべきことが起こった。

 

ビデオの逆再生のように、ゾンビの体が起き上がった。

 

「―――ぁあ~……ずいぶんぶち込んでくれたなぁ」

 

へらへらと、何事もないように歩き出す。その異様な光景に相手の集団もたじろぐ。

 

「テメェら、全殺しだ」

 

そこからは一方的な戦いだった。逃げようとしたものも、ゲームエリア内に召喚されたゾンビバクスターに捕まることになる。

 

「我々は虐げられた無能力者のために―――」

「テメェの言い分なんぞ知るかよボケが」

 

デンジャラスゾンビは容赦なく、男の顔を踏み抜いた。何度も何度も。顔の原型が分からなくなるまで。

 

翔がこの世界に来る1年前の出来事である。

 




ちなみに、出てくる女の子にモデルはありません。私が適当に記号を付けて作ったキャラクターです。また、本編で登場する予定もありません。
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