アインハルトは夜遅く、月が見える縁側の廊下を1人で歩いていた。足の向かう先はもちろん翔の部屋―――なのだが、時々立ち止まり何かを考えこんでいた。
「私は何をしているのでしょうか……」
ミカヤに色々と言われた。彼女の言っていることはもっともだと思うし、自分が迷惑をかけていることも理解していた。
気持ちをスッキリさせるためには告白すればよい、なんて簡単に言われたが、
「こんなこと、どう言えばいいんですか……っ!」
夜な夜な翔と綺凛の情事を想像して1人で慰めていたなど、そんなことを告白できるわけがなかった。
言いたくなかった。何も言わずに翔との関係を続けていたかった。でも周りも自分もそれを許さない。周りは様子がおかしいアインハルトを心配し、自分は不義理なことをしている自分自身を許せない。
本当に告白したかったのは、そんな最低なことではなかったはずなのだ。この胸に芽生えていた素直な気持ちは、
「私は、翔さんのことが……好き」
アインハルトも心の中ではずっと前から気が付いていた。
そうでなければ、自らが心血を注いでいた覇王流をおろそかにしてまで、こんな行為に耽るわけがない。
暗い気持ちを押さえながらも、何とか翔が寝泊まりしていた部屋にたどり着いた。
そこでアインハルトが目にしたのは、
「ひゅぎゅ! あっ、ひあっ、そ、そこ……! もっと……っ! もっとして下さい……!」
「……!」
激しく乱れる男女のカップル。少女は枕に顔を押し付け、それでも艶のある声が漏れている。男性は少女の腰を掴み、カチコチに反り返った肉棒を中腰で少女に突き刺していた。
それも一定のスピードではない。少女の反応を楽しむように、いや少女が肉棒によって鳴かされているのか。
てかてかと粘液に濡れて、全体が見えない肉棒にその空間のすべてが支配されている。
障子の隙間から覗く少女には刺激の強すぎる光景が、そこには広がっていた。
声が漏れないように口を手で塞ぎ、それでも2人の情事から目が離せないでいた。
アインハルトはまたもや2人の情事を覗いてしまう結果になってしまった。
「綺凛さん……」
お風呂から上がった後、綺凛は散歩に行くと言って部屋から出ていった。全てはミカヤがお風呂で言った単純はアドバイスのせいだったが、純真な少女たちにとっては、十分に周りのことを考えられなくなるものだった。
この場で翔に迫ろうと決意した綺凛も、少し考えれば予想できたアインハルトも。
頭のどこかで理解しつつも翔の部屋まで来てしまったアインハルトだが、現実を突きつけられて、それから先の行動をとることができずにいた。
ただ言えるのは、
「んっ、ぁ」
アインハルトにとって、数か月ぶりにもたらされた新しい『オカズ』だったということだ。
今オカズにしている、綺凛が翔に迫っている光景―――それも、実際の行為は想像で補っている―――とは比べ物にならないくらい生々しい光景だ。
知り合いの女の子が形の良い引き締まったお尻を突き出し、憧れの先輩が獣のように腰を振っている。
アインハルトの目と耳に、一生消えない爪痕になって焼き付いていた。今呼吸を忘れていなければ、その鼻にもいやらしい匂いが染みついていたことだろう。
アインハルトは翔に対する恋心をようやく自覚した段階だった。普通なら、他の女の子との情事を見ればその思いは冷めてしまう物だろう。
しかし、毎日のように2人が絡み合う場面を想像していたアインハルトには、そんな感情は一切浮かばなかった。
浮かんだ感情はただ1つ。
「うらやましい……」
まじめで、そういうこととは無縁で、感情に気が付いたばかりだったアインハルトは、友人が先に結ばれていたこの状況に、自分の気持ちを押しとどめようという気持ちになっていた。
ただうらやましいと、そこにいたかったと思いつつも、自分は身を引こうと考え始めていた。
「しょうがないですよね……」
目の前で幸せそうな表情でキスをする綺凛を見て、それ以上ここに留まっていることが出来なかった。
2人に気が付かれないうちにその場を離れた。寄り道はせずあてがわれた部屋に戻り布団をかぶる。
精神が少し落ち着いたことで、心臓が限界まで鼓動し、呼吸が乱れていることがわかった。そのせいで、布団をかぶって目を閉じても全く眠くならない。
眠くならないのは心臓の鼓動以上に、呼吸の乱れよりも確実に、下腹部のワレメから漏れ始めた粘液のせいだ。
その後10分ほど経って、綺凛と翔が2人してその部屋に入ってきた。アインハルトを呼ぶ声が聞こえるが、今この2人としゃべる気になれなかったアインハルトは、狸寝入りでやり過ごそうとする。
翔と綺凛は返事がないことでアインハルトはもう寝ていると判断した。
「アインハルトさん、もう寝ちゃったんですね」
「そうみたいだな。話すのは明日にするか」
「はい。それじゃあ、んっ、おやすみなさいっ、先輩っ」
声色だけでも笑顔だとわかる綺凛の気配を背中に感じるアインハルト。
パジャマと布団の絹擦れの音がした。綺凛が布団に入った音だ。初めての行為で疲れてしまったのだろう。そのあと少しすると規則的な寝息が聞こえ始めた。
しかし、
(眠れない……)
アインハルトには眠気は訪れなかった。
原因はわかっている。対処の方法も。
(でも……)
こんなところでその『対処』をするのは躊躇らわれた。自分の家ではなく、しかも隣には寝ているとはいえ綺凛がいる。
アインハルトは体勢を変え、綺凛のほうを向く。綺凛は仰向けになって寝息をたてていた。見ただけでぐっすり眠っているのかは判断できない。
綺凛ほどの腕になれば、寝ている部屋で怪しいことが起これば目が覚めてしまうかもしれないし、日中の訓練のせいで疲れ果てて起きないかもしれない。
それを確認したアインハルトは再び綺凛に背を向ける体勢になる。
もぞもぞと布団の中の手足が動く。
「どう、しよう」
どうしようと迷っている時点で、思考は言い訳を求めているだけだということに彼女は気が付かない。最後の理性を突き崩す言い訳が。
すでに湿って色が変わり始めたパンツは、細かい言い訳など求めていない。すでに涎を垂らし始めている秘部は、もっと別のモノを求めて疼いていた。
「すぐにしちゃえばいいよね。声も抑えれば……」
そう言いつつ、アインハルトの細い腕が服の中へと入っていく。
あいさつ代わりと言うように、自らの控えめな乳房を包み込む。
一緒に訓練する中で綺凛と比較して落ち込むこともあったが、最近毎日のように刺激したおかげで、すぐに先端を固くしてしまういやらしい部分になっていた。
包み込んだ掌の中心に、硬くなった乳首が触れた。
「ひっ―――――ぐ、ぅぅぅ……っ!」
あまりの刺激に嬌声を上げそうになったが、ぎりぎりの所で歯を食いしばって堪える。
「なに、これ……こんなにビリって……っ」
翔と綺凛の情事を想像するまでもなく、体の高ぶりはすでにどんな些細な刺激も快楽に変えてしまう。
危険な行為だとわかっているアインハルトだったが、興味には逆らえなかった。
「だめ、あんまりするとバレちゃうのに……っ、ダメなのに……っ」
小指の爪ほどに膨張した先っぽを親指と人差し指で摘まみ、少しずづ、少しずづ圧力を加えていく。
グミのようなほどよい弾力のある勃起乳首。その中にある快楽神経をこすり合わせる。少し痛いくらいに乱暴にされると、もう駄目だ。
頭に靄がかかり、今自分がしっかりと横になっているのかすら、分からなくなる。いつもの感覚、目の前がちかちかと点滅し始め、体が不自然にこわばるあの感覚。
「乳首、コリッ、って……っ、気持ちいい……っ、ひうっ、うぁっ、ふきゅ……っ!」
すっかり刺激を求めて濡れている下の口を触る必要は無かった。
このままここを弄り続けていれば、いとも簡単に頂点まで達することが出来る。アインハルトもこのまま止まるつもりはない。
「うそ、もう……!? もうっ、もう来ちゃ……イ――――――っ!!!」
自らの意思とは関係なく、少女の体が痙攣する。お腹の中の熱が一気に弾け、一瞬意識が真っ白に塗りつぶされる。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
荒い息を繰り返すアインハルト。声を出さずにイクことが出来た。おかげで綺凛は目を覚ましていない。
こういう行為には体力を使う。溜まっていた欲求を無事吐き出し、今日はもう眠るだけ――――ではなかった。
「胸だけで、おっぱいだけでイッちゃった……初めてだけど、よかったけど……」
今日はあまりまともに訓練できなかったアインハルトには体力が有り余っていた。三角布はしっとりと張り付いて、このまま終わることを許してはくれない。
「やっぱりこっちでもスッキリしたほうが……」
まどろっこしくなったアインハルトは、布団の中でズボンを下ろした。腰を浮かして、誰にも見られていないからか、全くためらいもなく。
下ろし始める直前、腰に食い込んでいた2種類の布―――ズボンとパンツ―――を確認する。指先で触れた時に一緒に下ろしてしまおうかと一瞬悩んだが、ズボンだけに留めた。
未成熟なワレメを包み隠していた布地は、しっとりと濡れて張り付いてしまっている。
「こ、こんなにびちょびちょになってるなんて……んっ、ひゅぐぅっ!」
指を曲げて引っ掻いただけで、電流のような刺激が体を駆け抜けた。体が勝手にこわばり、固く結んでいたはずの口がだらしなく開く。
「しゅごいぃ、頭びりっとした……ちょっと引っ掻いただけなのに……っ」
喉をこきゅ、と鳴らして、今度こそ声を出さないようにと口をしっかりと閉じる。
普段身に着けている時とは全く違う手触りの薄布を、刺激が強くなりすぎないように、声を出してしまわないように、しかししっかりと快感を得られるように小刻みに指を動かす。
「ふぐっ、ああっ、ひっ、ぁ、ぴぎゅっ、んあぁっ……!」
布越しに、しっかりと熟れた媚肉を擦り続ける。すると、本人の意思とは関係なくどろりとした粘液がどんどんあふれてくる。
どんなに頑張っても、自分の体を全然コントロールできない。
「もっと、もっと……っ」
歯を食いしばり、隙間からトロリと唾液の透明な橋が布団に落ちる。
もう周りのことなど気にしている余裕はない。人の家でしているという罪悪感も、隣に友人がいるというスリルも、スパイスにすらなっていなかった。
ただ貪欲に、自らの体をいじめて、頂点まで上り詰めることしか少女の頭にはなかった。
元々限界近くまで水を吸っていたパンツの吸水能力は、そろそろ限界になりつつあった。
「これ、シーツ汚しちゃう……」
アインハルトの手には湿り切った布切れの感触が伝わっている。じくじくと刺激を求める下の口を守る、忌々しい布切れだ。
もっともっと激しくひっかきたいのに、あまり激しくすると音も出るかもしれないし、下着から染み出た愛液がシーツを汚してしまうかもしれない。
アインハルトのまじめな部分が、何とか最後の一線で踏みとどまっていた。
「ひああああぁぁあっ!?」
すっかり機能を失ったパンツ越しに飛び出た肉豆を指が跳ねると、それだけでアインハルトは軽く達してしまった。
しかし、あまりに大きな声だったからか、
「うう、ん……?」
「……!?」
隣で寝ている綺凛の寝顔が少しこわばった。
アインハルトは金縛りにあったように体の動きを止める。しかし、もう一度スイッチをつけられた体はそうはいかない。
追加の愛液が生産され、とうとう水分を吸収しきれなくなったパンツから、太ももを伝いシーツにシミを作った。
「早く、イっちゃわないと……っ」
パンツを横にずらし、アインハルトの指が自らの秘部に触れた。一度達した少女の秘部はすっかりと煮込まれてとろとろになっていた。
ふやけた肉に指先が触れ、体がブルリと震える。
「こんな、こんなに熱くなってる……」
人差し指と親指を使って少しだけ口を広げてみると、その奥からとめどなく溢れてくる。流石のアインハルトもここに何かを入れたことはなかったが、入り口を指の腹で撫でるだけで、情けなく腰を振ってしまう。
指のグラインドと、何も挿入していない新品肉壺の腰振りが、アインハルトをどんどん高めていく。
「はっ、はっ、はっ、腰、動く……っ、勝手に動いちゃう……っ。体のびりびりっ、全然止まんない……っ」
未成熟な秘部は、どんどん愛液でびしょびしょになっていく。指どころか掌全てに飛び散る。
布団が無ければ、卑猥で粘着質な音が部屋中に響いていたことだろう。
もはや隣に綺凛が寝ているかなんてどうでも良かった。気づかれないようにするという意識はとっくに消えてなくなっていた。
動きがどんどん大胆になっていく。滑りが良くなっていく事を良いことに、指の動く範囲が広がっていく。
狙いはやはり一番自己主張しているアインハルトの『お気に入り』だ。
思い出せばそこを弄るためにパンツをずらしていたというのに。刺激が強すぎてそのことをすっかりと忘れてしまっていた。
「――――ひっ! あっ、~~~~~っ、ひぎゅっ!」
今までにないくらい固くなっている肉豆、クリトリスに指が滑っていき―――悲鳴を上げかけた。
明らかに周りとは違う感触。充血した神経の集まりを、あまりに強い快楽で震えている指がなぞっていく。
ゆっくりと、真綿で締め付けるように滑らかに滑っていく。行って返って、行って返って。そこまで早く動かしているわけではないというのに体が勝手に丸まり、お腹が不自然に脈動する。
今ですら頭が焼ききれそうなくらいの快感を得ているというのに、すでに一度達しているというのに、アインハルトの卑猥な運動は留まることを知らない。
(おかっ、おかしいっ、おかしいです……っ! いつもなら1回イけば満足できるのに、おっぱいでもアソコでもっ、2回もしたことなんてないのに……っ!)
実際おかしくなっているのだろう。
アインハルトの顔を見れば、それは一目瞭然だ。開かれた口は声を抑えるのではなく、興奮した犬のように短く呼吸を繰り返し、ピンク色の舌が覗いている。
2つの手は下の口に向かう。
片方の手で割れ目を広げる。一番弄りたいクリトリスを弄りやすいように、肉を広げる。肉と肉の間のわずかな隙間にすらも透明の糸が引く。
もう片方の手は当然クリトリスを刺激する。ツンと充血した頂点をなぞるだけで数分と持たない快楽を享受していたアインハルトだったが、それ以上を求めた。爪で引っ掻いては、声を出しそうになり、危険だとわかっていても、行為をやめることが出来ない。
「~~~っ、ぅぅぅっ! うぅっ!? ふぅーっ、ふぅーっ……~~~っ! うくっ……!」
クリトリスを弄っていた指の爪が、肉豆を覆っていた薄皮に引っかかった。粘液にまみれた指はさらに快楽を求めた。勢いを止めることなく、指を動かす。
その結果、薄皮から敏感な肉神経が飛び出すことになった。
「ひぐっ!?」
アインハルトの呼吸が一瞬止まる。
一度解放されたクリトリスは、一層その存在を主張する。戒めから解き放たれたクリトリスは一層固くなる。
「あぁ……っ、な、ぃ、これぇ……っ!」
最近ずっと、毎日のようにオナニーしていたアインハルトだったが、クリトリスの皮を剝いたことは一度もなかった。剝けることも知らなかった。
むき出しになった快楽神経の集まりは、摘まんだだけで意識が吹き飛んでしまいそうなくらい危ないものだった。
乱暴にすれば痛みしか感じない部位だが、今のアインハルトが痛みを感じる訳がない。
「――――――っ!!!??」
それどころかあっさり達してしまった。
肉ビラを割り割いていた手に、お腹の奥から漏れ出した愛液が吹きかかる。間違いなく、今までで一番深い絶頂だ。
「ここ、こんな……こんなに……っ、知らないよ、こんなこと知らないよ……っ」
絶頂によって朦朧とした意識のまま皮むけクリトリスをにぎにぎする。霧がかかった意識にすさまじい雷が落とされ、一瞬で体がこわばる。
どんどん未知の扉を開けていくアインハルト。すでに2回イッているというのに、皮むきクリトリスを弄りたくてたまらなくなってしまっている。
ここを弄ればどれだけ気持ちよくなれるのだろうか。それだけを考えていた。まじめな考えなど、破綻した理論でねじ伏せられる。
「だめ、だめ、あんまりすると綺凛さんが起きて……っ、あと1回……うん、あと1回、クリでイったら終わりにするから……っ」
だめ、だめ、言い訳を重ねつつも股間の肉豆をこする手は止まらない。
あと1回。そんな回数で終わるわけがない。
「――――っ、――――っ、――――っ」
少女の『性』への欲求は留まることを知らない。最終的に少女が求める『コト』は、たった1つだった。
――――――――――――――――――
「―――さん、――うさん、翔さん」
誰かに呼ばれている。枕元に誰かが座っている。
うっすらと目を開けると、誰かが俺を見下ろしているのが分かった。頭の輪郭がぼんやりと分かる。だが寝起きで、しかも部屋が暗いせいで誰か判別できない。
というか、こんな夜遅くに訪ねてくるなんて、人物は大分絞られるわけだが。
意識が覚醒してくる。霞んでいた視界も鮮明になり、訪問者の顔もしっかり確認できるようになる。
「アインハルト?」
「はい。こんな夜遅くにすみません……」
パジャマに身を包んだアインハルトがそこにいた。
思いつめた表情の中に、普段の彼女には無いものが混じっている。この世界に来てからの俺には色々と縁があるものだ。
恋する少女を超えて、性を欲する女の色だ。
「そうだな。どうしたんだ。何か相談事か?」
ただ事ではないとわかった俺は体を起こして―――
「っ!」
「わっ!」
アインハルトに抱きつかれた。
「アインハルト?」
背中をさする。ぎゅっと手をまわされ俺も動揺する。綺凛もそうだったけど、いきなりこんなに大胆になるなんて、何があったんだ。
「私、見たんです」
耳元でしゃべられて少しくすぐったいが、そのままの姿勢で聞く。
「翔さん、綺凛さんとお付き合いするようになったんですか?」
「ん、あぁ……そうだな」
その前に説明しないといけない事情があるけど、今は黙って聞くことにする。
「見ました。私、2回も見たんです」
「2回も見た?」
一体どういうことだ? 2回も見たって。正直心当たりがないんだけど……
「最初に見たのは朝練の時です。翔さんも覚えてますよね? 綺凛さんが翔さんに迫った時がありましたよね?」
「あれ覗かれてたのか……」
衝撃の真実だったが、俺としては見られて困るようなことをした覚えはない。若干綺凛の言動が怪しかったけど、そこは大人として毅然とした態度で断ったからな。
「そして2回目は今日です」
「ん?」
今日?
「今日、さっき、綺凛さんとえっちなことをしているところ、私見ました」
それはアウトだ。
人の家に、しかも大会の特訓に来ているのにセックスに励むとか、言い訳無用のスリーアウトだよ!
俺の心臓、バクバクしてきた。
……で? そんな俺のところにアインハルトはどうして来たんだろうか。事情を知らないアインハルトにとって、俺はもう他の女性と関係を持っている男性な訳だけど。
「もっと早く、言っておけばよかったです」
「な、何を?」
「翔さんのことが好きだって」
「……」
声に涙が混じり始めている。
アインハルトの告白を聞いた俺の心臓が、落ち着きを取り戻していく。
「でももう遅いから。綺凛さん、私と違ってずっと頑張ってて、頑張ってたの私知ってるから」
「……」
「最低だって言われてもいいです。今回1回だけ。ううん。何回でも、好きな時に、都合の良い女の子になりますから。それで全部忘れますから」
抱きついていたアインハルトの顔が目の前に。そして―――
「私とえっちなことしてください」
―――唇を塞がれた。