※この作品はR-18です。

異世界ハーレム奮闘記   作:文房具

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とうとうこの時が来ました。

こんな人数捌ききることが出来るんでしょうか。頑張ります。


陸戦試合 編
陸戦試合①


陸戦試合当日になった。

 

7月も中盤。期末テストも終了し、あとは夏休みを待つだけになった今日この頃。表向きは俺たちの六課入隊試験、裏向きにはオフトレーニングで無くなってしまった陸戦試合だ。うん? 表と裏が反対かな? まあ、どちらでもよいか。どっちも本命ということで。

 

大会まで残り2週間を切っている。子供たちには、今までの特訓の成果発表の場にもなっているらしい。

 

八神さんは全体を見たいと試合には参加しない。ヴォルケンリッターも同様だ。八神道場の2人も、どうしても予定が合わず今回は不参加。

 

ただ意外な人物として、

 

「お、ルーテシア。来てたのか」

「あれ、翔君。おひさ~」

 

準備を済ませ、特務六課の所有する仮想訓練施設に行くと、そこにはルーテシアがいた。

 

この娘も大会に参加するもんな。2週間前から現地入りするとはちょっと早すぎると思うけど。

 

「ちょうどいいから、観光もしとこうと思ってね。ほら、大会が始まると、身動きとれなくなっちゃうじゃない?」

「……まだ経験したことはないけど、そんなにすごいんだな、この島の8月って言うのは」

「そういうこと。翔君も覚悟しといたほうがいいわよ?」

 

覚悟って面倒な事件が起こる覚悟?

 

「それよりもどう? 今日の試合、緊張してる?」

「まさか。命の取り合いじゃないんだ。負けたっていい試合にそんなに緊張してどうする」

 

普段ならもう少し負けず嫌いだが、こと戦いになれば話は別だ。経験を積むことに集中して、勝てたら儲けもの程度の考えで挑もう。何度も言うが、死ぬわけじゃないんだし。

 

あまり気負わず、自然体で臨めば試験にも合格できるはずだ。あの時の八神さんの口調からして、このテストはほとんど形式的なものなんだろうし。

 

「むむむ……なーんか気に入らないなーそういうの。真剣にやってるこっちがバカみたいじゃない?」

 

真剣にはやるよ。本気で(命を取るつもりでやらない)ってだけで。

 

「何だよ。じゃあ何か賞品でも出してくれるのか?」

「モチベーションが上がるなら罰ゲームでもいいかもね……」

 

この娘はこの手の話が本当に好きだな。でも、ちょっとした余興があると面白いのは間違いない。

 

「そうだなぁ……あ、チーム分けはもう見た?」

「見た見た」

 

昨日の夜のうちに高町さんから送られてきていた。

 

 

Aチーム

なのは、エリオ、ルーテシア、ヴィヴィオ、スバル、リオ、アリア、ヤミ、クロ、綺凛、桜、耀

 

Bチーム

ティアナ、フェイト、ノーヴェ、アインハルト、キャロ、コロナ、翔、雪菜、アスナ、狂三、理子、ティナ

 

 

セイバー達が入っていないのは、俺のサーヴァントだからだ。つまりは俺の個人戦力として使える。ちなみにいうと、俺のマスターとしての腕はセイバー達が現界出来るギリギリラインだ。女の子として召喚したからその辺はしょうがないだろう。

 

「私たち別チームでしょ?」

「そうだったな。チームの勝敗で決めるのか?」

「正解♪」

 

確かに人数の関係上、一騎打ちの場面はそうそうないだろう。そもそも一騎打ちなら俺に有利すぎる。でも相手チーム全員を薙ぎ倒せるほど俺は強くない。どうしても勝敗はチームの総合力と、作戦にかかってくる。コイツめ、考えたな。

 

しかし俺も一度乗り気の姿勢を見せた手前、いまさら引き下がることは出来ない。

 

「賭けるのは?」

「そうだね……」

 

ルーテシアは、ニヤリと笑った。

 

「負けたチームに属している方が、みんなの前で好きな人を言うってことにしようか?」

「え――――」

 

――――えええええええええええぇぇ!!!!

 

全員の前で好きな人って、俺の場合誰を答えても、どう答えても角が立つ奴じゃねーか!

 

っと、危ない危ない。顔に出るかと思ったぜ。そもそも、『好きな人』なんていくらでも解釈できるな。うっかり恋愛で好きな人を応えるものだと思っちまった。たまには悪知恵も働かせないとね。

 

「もちろん恋愛的な意味でね♪」

「アッハイ」

 

抜け目がない奴だ。

 

「もちろん受けてくれるよね?」

「……ああ、いいぜ? 勝てばいいんだからな」

 

受けて立ってやろう。このくらいの方が緊張感が出るってもんだ。

 

「ふふ、そう簡単に勝てるかなぁ? こっちにはなのはさんがいるからね?」

「くっ……」

 

話に聞く砲撃能力。あんなのを連射してくると考えると、下手なサーヴァントよりも強いだろう。エース・オブ・エースの名は伊達ではないということだ。

 

だが、

 

「問題ない。俺が倒す」

「ほほー、言ったね~。楽しみにしてるよ」

 

メンバー的に作戦を立てれば行けるはずだ。相手はエースであっても神様じゃないんだ。全員に無双できる訳じゃない。

 

ん、待てよ。

 

「俺はともかく、お前も言うんだよな?」

「そりゃもちろんね」

「お前に好きな奴なんているのか?」

 

この聞き方はめちゃくちゃ失礼。

 

「あのね……ここで言ったら勝負にならないでしょ? でもごまかしたりしないから安心して」

 

こうしてちょっとした賭け事が行われることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

翔がルーテシアと賭け事をしている丁度その時、六課の更衣室では翔と一緒に来た女の子たちが着替えて準備をしていた。

 

ただ着替えているだけならそこは花園だったのかもしれないが、壁やロッカーに細剣(レイピア)、小太刀、雪霞狼が立てかけられているのでどうしても殺伐した空気が流れていた。

 

服装も、アスナは防弾制服だけではなく急所を守るように防具を身に着け、理子はどこにそんなに仕込むのかと言いたくなるくらいの武器を並べていた。

 

アリアは自慢の双剣双銃を背中の鞘と太もものホルスターに収納していた。

 

耀も気合が入っているらしく、靴を取り換えている。音と衝撃を吸収する素材で作られた特注品だ。

 

ヤミは単純に衣装チェンジ。防弾制服から、見慣れたバトルドレスへとお着替えだ。

 

雪菜は雪霞狼を持つだけで準備完了だ。

 

特に準備をしていないのは狂三、クロ、ティナだった。彼女達はすべて自分の能力ですべて賄っている。衣装替えも変身するように一瞬だ。

 

結局、アリアとヤミは管理局入りを辞退した。クロとティナも、年齢的な制限が入り管理局に入ることは出来なかった。なので、今回は本当にお遊びだ。

 

つまり、そこまで戦闘狂ではないクロとティナには、そこまでヤル気を出す理由はなかった。

 

「なーんか、ヤル気でないのよねぇ……なんで模擬戦なんかするんだろ?」

「そうですか?」

「そうなのよ! 終わっても何にも得られるものがないんじゃ、やってられないわ! ただ疲れるだけじゃない! ご褒美が欲しいわ。いや、むしろご褒美が与えられるべきよ!」

 

クロは駄々をこねる子供の様に手足を振り回した。

 

「お兄さんに何かお願いしてみますか? 今日の晩御飯とか」

「そうね……頑張ったご褒美とかでどこかに連れて行ってもらおうかしら……?」

「あ、プールとか行きたいよね! 8月は忙しいって言うし、今の時期に」

 

アスナの言葉にクロは首をかしげる。

 

「え、何言ってるの? お兄ちゃんと私の2人きりでに決まってるじゃない。いやよ、そんな大人数で行くなんて。私にかまってもらえなくなっちゃうし、何より私のご褒美なのよ?」

 

その言葉に、何人かの女の子がいやいやと首を振る。いやいや、君は何を言っているのかと。

 

「それは、ねぇ?」

「そ、そうですよね! クロさん1人だと先輩がかえって疲れちゃうかもしれませんし!」

「雪菜、アンタは私を何だと思ってるの? 何をすると思っているのかしら?」

 

クロのツッコミに反応する人はいない。すでにここはクロにとっての敵地になっていた。

 

「それに、ご褒美と言う言葉にも納得できませんわ。常日頃から家事を頑張っているわたくしにも、ご褒美はあってしかるべきではありませんの?」

「理子いいお店知ってるからぁ。一緒に行きたいな~」

「ちょっと狂三と理子まで! やめてってば! そうやって足の引っ張り合いするのは!」

「そもそも、お兄さんがご褒美をくれる前提でお話が進んでいるのはなぜでしょうか……?」

 

ティナは当然の疑問を口にするが、ヒートアップした女の子たちに、その言葉は届かない。

 

もっとも、翔ならばどこかに出かけようと言われれば喜んで行くし、ご褒美が欲しいと言われれば喜んでご褒美をあげるが。

 

「皆さん準備は―――何をしているんですか?」

 

管理局の制服に身を包んだ桜が扉を開けて入ってきた。更衣室に満ちる不穏な空気を感じ取ったのだ。

 

「間桐さん」

「ティナちゃん、いったい何が?」

 

試合ではなく、すでにここで一戦始まろうかと言う空気に桜が真顔になる。ティナが事情を説明すると、桜はため息をついた。

 

「はぁ、何を言い出すのかと思えば……だったらそれこそ、うってつけのイベントが目の前にあるじゃないですか。誰が一番かを決めるイベントが」

 

うってつけのイベントと言うのはもちろん。

 

「この模擬戦で『一番最後まで生き残っていた人』が、そのご褒美権を獲得するというのはどうでしょう? あ、もちろん勝ったチームの最後まで生き残っていた人ですからね? そうじゃないと、味方に闇討ちする人が出てきちゃうかもしれませんから。ま、それはそれで、さすがに試験に不合格になるでしょうから、管理局の仕事では一緒にいられなくなりますね。目先の利益を取るのならどうぞ」

「ですから、どうしてご褒美がもらえる前提なのか……」

 

ティナは言いかけて口を噤む。自分は狙撃手。ポジション的に、うまく立ち回れば最後まで残っている可能性が高いポジションだ。

 

「最後まで残った人が複数人いた場合はどうしますの?」

「その時はその人たち全員で、ですよ」

「あのね、アンタたち、そんなことして……」

 

アリアが口をはさむ。

 

「だったら別に参加しなくてもいいんだよ?」

「……別にそうは言ってないでしょ。結果的に勝つことになるだけだからっ」

 

理子の提案を蹴っ飛ばすアリア。そっぽを向いた唇は尖っていた。

 

こうして女の子たちの間でも、ちょっとした賭け事が行われることになった。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

みんなが揃った。外では六課の職員の皆さんが、休憩がてら観戦しているらしい。

 

それにしても人数が多い。しっかり作戦を立てないと大乱戦になりそうだ。

 

そしてなぜか女の子たちが殺気立っている。同じチーム同士でもけん制し合いかなりピリピリしている。

 

「みんな揃ったね! じゃ、試合プロデューサーのノーヴェさんから!」

「え! あ、あたしですか!?」

 

突如高町さんに指名されたノーヴェさんは、恥ずかしそうに前髪を弄る。

 

「えー、メールで説明した通り、今回は2チームに分かれてのフィールドマッチです。ライフポイントは公式のライフカウンターで管理します。ライフが0になったら行動不能……全員のライフが0になったらそのチームは負けになります」

 

『リリカルなのは』の魔法には便利な『非殺傷設定』と言うものがある。これは攻撃によるダメージを魔力によるショックに変換することで、相手にケガを負わせずにダメージを与えるというものだ。

 

この非殺傷設定は、たびたびこの世界のキャラクターに対して『覚悟がない』だとか『人を傷つけることができない』だとかのネタの種になっている。

 

それは置いておくとして、ライフカウンターはそのショックを数値化してカウント出来る便利なものだ。

 

高級なものだと、被弾した部位と攻撃に反応して、痛みと身体障害(骨折・打撲などの痛み)を疑似的に再現できるものもあるらしい。

 

そして、今回の俺たちの攻撃も非殺傷設定になるらしい。原理はわかりません。おそらく神(作者)の一手です。

 

場所はルーテシアが作ったレイヤー建造の都市マップだ。結界の中なので、攻撃が外に漏れることはない。よっぽどのことが無ければな。

 

ノーヴェさんの説明も終わり、2チームはマップの両端に分かれた。マップの広さはおおよそ五キロメートル四方だ。この程度の距離ならば射線が通ればどこからでも狙撃される恐れがある。開始から気が抜けない。

 

全員が戦闘服を身にまとい、準備万端。始まりの合図を今か今かと待っている。試合開始まで残り1分。

 

俺が所属するBチームは、リーダーのティアナさんによって最終確認がされていた。

 

「今回は人数が多いから、1on1になっても横からの奇襲に気を付けて。人によっては1対2になる人も出るかもしれないけど、その時は無理する必要は無いから。やられないことに集中してね」

 

空中に投影されたディスプレイに今回不参加の八神さんが映し出される。後ろにはなぜか銅鑼が置いてある。

 

《それじゃあみんな元気に―――試合開始やっ!!!》

 

ガリューによって鳴らされた銅鑼の合図で、戦場にいくつもの道が張り巡らされた。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウイングロードッ!!」

「エアライナーッ!!」 

 

試合開始とともにノーヴェとスバルの魔法が発動する。魔力によって作られた青い道が、戦場にくまなく張り巡らされた。空中に足場を設置する魔法だ。これを使えば、空を飛ぶ技能のない戦士も、宙に浮いて戦うことが出来る。

 

翔達は一斉にその道へ踏み出した。

 

初めに小細工は必要ない。お互いに真っ向からのぶつかり合いだ。

 

「翔さん、私はヴィヴィオさんとッ!!」

「了解した! 俺は―――ッ!!」

 

目の前から砲撃が迫ってきていたことに気が付き、横に飛んだ。相手も狙っているわけではない。ただのけん制だ。翔たちの相手にはあの『エース・オブ・エース』がいる。中、遠距離の射砲撃は彼女が最も得意とする距離。かすっただけでもライフが持って行かれる。

 

そして、相手は1人ではない。

 

「あんたの相手は私たちよ」

 

ピンクのツインテールを風に揺らし、二丁の拳銃を構える―――アリアだ。その手に持つ二丁拳銃はみんなが見慣れている(家でもしょっちゅうブッパなしているので)物とは違った。

 

「おいおい、俺に2人がかりか? Sランクの武偵が?」

「あんたの実力はよくわかってるわ。ランクなんてあてにならないもの。油断するわけないじゃない」

「その通りです。今までの借り、ここで返します」

 

俺の前に立ちふさがったのは、アリアとヤミだった。アリアは空中に設置された半透明の道に仁王立ちして俺を見下ろし、ヤミは背中からはやした白い翼で空中を舞っている。

 

「もー、こういう時でも翔君はモテモテなんだからー」

「理子……!」

 

いつものふざけた様子で、理子が俺の後ろにふわりと着地した。そのまま体を摺り寄せてくるせいで、防弾制服を押し上げるたわわな果実がふにゃりと歪む。

 

アリアはそんな理子をぎろりと睨んだ。

 

「4月の飛行機の中のことを思い出すな」

「その時と比べるなら、大分状況が違うけどね」

 

武偵殺しの事件も懐かしいものだ。あれもだいぶ原作からかけ離れた事件だった。

 

「ごめんねぇ、アリア。アリアのパートナー、理子が盗っちゃった♪」

「……言ってくれるじゃないの、理子……っ! 翔! あんたもデレデレしない!」

「してねぇよ!」

 

なんで今日のアリアはそんなに攻撃的なんだ。や、いつものことか?

 

犬歯をむき出しにして、銃を握る力が強くなるアリア。引っ張られるように、『裏』の笑みを浮かべる理子。

 

「私とも遊べよ、オルメス」

「吠え面かかせてやるわ、理子ッ!」

 

2人のボルテージは最高潮。

 

俺は超宇宙聖剣(スペースカリバー)を取り出して構える。

 

「なら私は、5月のあの事件の借りを返すことにしましょうか」

「パンツのことか」

「あなたが言わなければ、思い出していませんでしたよ……っ!」

 

俺とヤミは、初めて会った時が初めて戦った時だ。あの時は俺が不意を突く形で撃退に成功した。

 

さて、今回はどうだろうか。少なくとも、こんなに人の目がある中で『あの手段』を使うつもりはない。

 

戦場のほとんど中央。視線を奥にずらせば高町さんが見える。その奥には賭けの相手であるルーテシアも。

 

各々が戦場へ散っていき、最初の相手と相対し始める。

 

陸戦試合が始まった。

 

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