すごく面白かったです。
登場したサーヴァント全部欲しくなってしまった。
気分はブルー。最低だ。自己嫌悪で死ねるレベル。
俺が雪菜とギッコンバッタンやってた時に、クロとアスナは絶体絶命。
……笑えない。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「死にたい……」
本来は俺の方が心配するはずなのに、あろうことか息も絶え絶えなクロに心配されてしまった。
「戻ってくるけど大丈夫!?」
「あー……うん、まあ、多分」
アスナの指指す方向には、道路に止まる車を蹴散らし、アスファルトを陥没させながら猛烈な勢いで突進してくるキメラドーパント。
「よっと」
もう一度周辺にあるエナジーアイテムを集めパズルを起動、マッスル化を使用しようとする。
マッスル化、つまり攻撃エンハンスは力こぶを作っている人が描かれたエナジーアイテムだ。それを探して……
「……おっとぉ……?」
何故だろう、マッスル化のエナジーアイテムがないんだけど。
他の効果をもたらすエナジーアイテムはあるのにマッスル化だけがないことに首をひねっていると、すでに避けられない距離になっていた。
「うわっ!!!」
「お兄ちゃん!?」
「翔君!?」
トラックが衝突したらこんな感じになるんじゃないだろうか。
ビルの壁に体が叩きつけられ、こんなどうでもいいことを考えていた。
いや、痛いよ。仮面ライダーになってても普通に痛い。勘弁してほしい。なんでマッスル化がないんですか? 不良品ですか?
もしかして、いくらパズルゲーマーでも、同じ種類のエナジーアイテムの連続使用には限界があったとか?
……そういうこと?
そうですか、そうですか、分かりました。だったら他のアイテムを使うしかない。
《挑発》
挑発のエナジーアイテムによって、俺に意識を向けることには成功する。あのままだと、力尽きた2人が巻き添えになる可能性があったからな。
《巨大化》
巨大化を使い腕だけを大きくする。そして手のひらを使ってドーパントを押しつぶしてしまう。さらに起き上がってこようとしたところで巨大化したままの手で裏拳を叩き込む。
マッスル化を使っていないにもかかわらず。壁を何枚もぶち抜いて飛ばされていった。
「ホント、痛いなぁ……!」
再生するたびに歪になっていくキメラドーパント。今となっては足が何本あるのかわからなくなってしまい、ところどころ膨れている。
「もう傷はないけど?」
「それでも痛いんだよ」
「これ以上痛い目見たくないんだったら、降参したら?」
「はぁ? それじゃあこっちの気が収まらないんだよ! グチャグチャにしてやる!!」
その声とともに、全方位から鋭利な爪と自在に伸びる獣の顎が殺到してくる。強靭な顎には肉を引きちぎるための牙が生えそろっている。直撃すればパラドクスといえども変身解除に追い込まれるだろう。
それは俺を襲い――
《液状化》
――すり抜けた。
皆さんは、仮面ライダーBLACK RXを知っているだろうか?
この仮面ライダーは、しばしばライダー最強議論に名を挙げるほどの力を持つ。その大きな要因はRXの形態の一つ、バイオライダーにある。
様々な反則級の能力を持つバイオライダー。その中で最も特徴的だと言えるのはゲル化だ。劇中では体をゲル状にして、小さい隙間を通ったり、物理攻撃を無効化したり、とにかく無茶苦茶な無双っぷりを見せつけた。
液状化のエナジーアイテムの効果はそのまま体の液体化だ。
つまり。
「簡易版、バイオライダーだ」
体を水に変化させた俺には、物理的な攻撃は効かない。叩こうが潰そうが、液体になって元に戻るだけだ。
残念ながら俺もこの状態だと物に触れることが出来ないけどね。攻撃には移れない。
攻撃につかれてばてたところをメモリブレイクするという算段だ。
「こ、の……ッ!!!!」
キメラドーパントのメインの顔から灼熱の炎が放たれた。
それまですべての攻撃が全く効果がなく油断していた俺は、突然訪れた体を焼かれる感覚にたまらず退避する。
「痛い……なんでだ?」
もしかして水だから熱には弱いってことか? 流石に完璧に無敵って訳じゃないのか。
まあいい。目的は達成したみたいだしな。
キメラドーパントは明らかに疲弊している。半開きになった口からは、荒い息が吐き出されている。こうしてみると、かなりグロいな。
「は、ははっ! そうか! 火か! 火に弱いんだな!! だったら今から焼き尽くして―――」
「いや、終わりだよ」
《高速化》《高速化》《高速化》
《キメワザ! PERFECT Critical Combo!》
高速化×3。床を踏み抜いて加速。蹴りと拳の乱打を浴びせる。一発一発の威力は高くはないが、倒れるまで打ち込むだけだ。
傍から見れば、ドーパントが一人で打ちのめされているかのように見えるだろう。
「オラァァァ!!」
最後に一撃、気合をのせて頭を打ち抜く。
《All Clear》
後に残ったのは男の子と砕かれたメモリだけだった。
「本当に申し訳ございませんでした」
俺は家に帰って土下座していた。
あの後、2人と合流して変身を解いた。
2人によると、さらに集まって来ていた武偵の皆様に指示を出して、手分けして避難誘導を行っていたらしい。
俺としては、仮面ライダーの力はまだ秘匿しておきたかった。
武偵が他の武偵の装備について根掘り葉掘り聞こうとするのはマナー違反だ。そして、調べられてもガシャットの出所が分かるはずがない。
でも、もしも逃げられない状況になり説明しなければいけなくなったのなら、厄介なことになる。
とはいえ、起きてしまったことは仕方がない。臨機応変に対応していくことにしよう。
今、早急に対応しなければならないのはこっちだ。
「雪菜とエッチなことをしていました。反省してます」
「す、素直に言うんだ……」
「隠しても意味ないからな……」
素直に謝って少しでも怒りを鎮めていただきたく思います。
「えっと、もう土下座やめてもいいよ、お兄ちゃん」
「こんな昼間から発情するサルの顔はみたくないと思って……このまま地面に埋まりたい」
今ならできるだろ、物理的に。
「やめてね、絶対に」
「ハイ」
俺はおずおずと顔を上げる。
「それに、どっちかっていうと、誘惑したのは雪菜の方じゃない?」
「そうだよね、話を聞くとそんなように聞こえるんだけど」
話しの矛先は部屋の隅に立っていた雪菜へ。気をつけをして顔を伏せていた雪菜はあからさまに目をそらしていた。
「えっと……その……」
「真面目そうな雪菜がお兄ちゃんを誘惑して、本番までヤっちゃうなんて流石に意外かも」
「うーん、それは確かにそうかもね。せいぜいキスくらいだと思ってたんだけど」
ああ、どんどん雪菜が縮こまっていく。
実際、俺も予想外だったしな。
「で、どうだったの?」
「え?」
「だーかーらー、お兄ちゃんのどうだったの?」
待て。何を聞いてるんだ、クロは。
「雪菜のアソコ、お兄ちゃんの形になったんでしょ? どんな感じだったのかなぁ?」
「え、あ、あの、その……すごかった、です」
クロ、マジでやめてください。雪菜も答えないでください。恥ずかしさで死んでしまいます。
アスナさんも、ここは止めるべき場面でしょう? 聞き耳を立てている場合ではありませんよ? あなたは常識人だと信じてますからね?
「ふーん……そうなんだ。じゃあ、つぎは私だね、お兄ちゃん!」
「「「はぁ!?」」」
「だってお兄ちゃん、1回しか出してないんでしょ? 最近全然してなかったみたいだし、もう1回くらい余裕だよね!」
や、まあ、やろうと思えばやれるけどさ。
まさかの提案に俺は顔を引きつらせ、いい感じにかわそうとする。アスナさんと雪菜も、もちろん反対みたいだ。
「それに! クロちゃんはまだ小学生なんだから! そういうことをするのは早いからね!」
アスナさんは指を立ててお説教モードに突入し始めた。サキュバスみたいなクロに効果があるとはみじんも思えないな。なんなら、今日の夜、寝室に忍び込んでくるまであるかも。
「ほら、雪菜ちゃんも何か言ってあげて!」
アスナさんは、動けない俺を土下座から元の姿勢に戻してくれていた雪菜にはなしの矛先を向けた。
何か、ねぇ……経験から来る『何か』ですかな?
「え、っと、私ですか?」
案の定、雪菜は困り顔になってしまった。
仕方ないので助け舟を出すことにした。
正直、あんまりしない方がいいと思う。体、小さいし。あ、変な意味にとるなよ。小学生の体は、まだ本番に耐えれる体にはなってないってことだ。
せめて中学生になってるんだったら考えたんだけど。流石に、ね。
と、わざとらしいほどの正論をはいてみる。
すると、とにかく全力で駄々をこねてきた。
俺の腕をつかんでぶんぶん振り回し、肩を掴んでゆすってくる。
「そんな!! あんまりだよ!! 私ならどうなってもいいから!!」
「ダメだ。ウェ。俺はクロが心配なんだよ。ウェ」
「心配しないで!! 私、頑張るから……っ!!」
「クロ……オェ。ゴメン」
どんどん気持ちが悪くなってくる。そして肩が痛い。どんだけ強く握ってんだ、クロは。肩が外れるんだけど。
「なんか、会話だけ聞いてるといい話をしてるみたいに聞こえるね」
「そうですね……」
そこ、露骨にため息をつくのはやめてほしい。
しばらく駄々をこねていたクロだったけど、突然俺の耳に口を寄せてきた。
「ふーん、お兄ちゃん、そういうこと言っちゃうんだ。本当は全然そんなこと思ってないくせに……」
こそばゆい感覚に身をすくめると、そこには妖しく微笑んだクロの顔があった。雪菜とアスナさんには見えていないみたいだ。この顔で見つめあっているのを見られたら大慌てで引きはがしてきそうだな。
その時間は数秒で終わりを迎えた。クロはゆっくりを離れると、これまたわざとらしく納得し、いじけている風を装う。
「もー、お兄ちゃんも強情なんだから。とりあえず今は、そういうことにしておいてあげる」
「そうだね。そのほうがいいね。良かった、翔君がロリコンじゃなくて」
「安心しました。先輩、そこまで変態じゃなかったんですね」
「傷つくなぁ……」
この2人は俺のことをどう思っているのだろうか。確かに、クロが原因で出したことは多いけど、というか、この世界での射精のほとんどはクロのせいだけど。あれ? 否定できないんじゃないか?
や、それを言うんだったら、
「浮気公認してるみんなの方がおかしくない?」
さっき3人は俺に、女の子の気持ちにはきちんと責任を取れと言ってきたのだ。それに対する俺の返答がどうであれ、自分たちは受け入れると。
つまり、きちんとした合意の上でなら、浮気OKという訳だ。
「それは仕方ないですよ」
「そうだよね」
「そうだね」
本当に意味が分かりませんが? クロはともかく、雪菜とアスナさんは誠実な付き合いを望んでると思ったんだけど。
「だって、これからも女の子を召喚するんだったら、お兄ちゃん、自動でハーレム作るってことだよ?」
「召喚しないって選択肢は……?」
「先輩は召喚したくないんですか?」
「出来るならしたい」
クズだな、俺。関係を持った女の子に対して他の女の子を呼びたいとか。でも仕方がない。色んなキャラに会いたいと思うのは仕方のないことなんだ。
「じゃあいいよ。翔君のしたいようにして?」
「いや、でも……それ最低なことなんじゃ?」
「「「うん」」」
「ごめんなさい。知ってます」
全員真顔で頷いてきた。
「でもしょうがないと思いますよ? 早いか遅いかの違いだと思います」
「絶対お兄ちゃんハーレム作るもんね」
「だったら、早めに広い心を持っておかないとだよね」
「さっきから3人がヒドイんだけど?」
ハーレムなんて作れるわけないだろうが。舐めてんのか? 違うか? 違うな。
「という訳で、召喚しよっ!! お兄ちゃん!!」
「え」
クロが俺をガチャマシーンの前まで引っ張る。
思いっきりしかめっ面をすると、3人は頷いてくる。
「分かりましたよ。回します」
『時崎 狂三』をゲットしました。
5階4号室に入室しました。
うわぁ……これ、大丈夫でしょうか? いやな予感しかしないんだけど。
色々なことが回りだした俺たちの奇妙な生活。ここからが本当のスタートだ。
俺は体に走る痛みに耐えながら、そう思うのだった。
雪菜たちの心情はこれから悶々と過ごすよりは、ある程度は割り切ってしっかりと自分たちを見てもらう時間を作りたい、といった感じです。
こういう物は主人公の1人称では書き切ることが出来ませんね。
とりあえず、ここまでが第1章です。
ヒロインのハーレム容認、主人公チートへの第一歩です。
次回からは各原作をベースにしたものを書いて行こうかと思っています。
適度にオリジナルを入れていけたらいいと思っているのですがどうなることやら。
モチベーションがあっても時間がないことが多くなってくるので大分ゆっくりになるとは思いますけどね。
とりあえず構想中なのは、
武偵殺し編:伊・Uメンバーはガチャじゃなくてそのままですことに決定しました。
絃神島襲撃編:某宣教師と某仮面のタキシードのコンビが登場する予定です。
聖天子暗殺編:銀魂の将軍暗殺編のノリで。聖天子は死にませんけどね。
時間旅行編:今回召喚した狂三、まだ登場していないまどマギのほむほむと一緒に時間旅行しながら事件を解決する感じの物を書きたいと思います。
アリシゼーション編:原作メンバーのほかにデアラの電子精霊も出したいなぁ。立ち置が難しいけど。
こんなラインナップになってます。
今後もこの小説をよろしくお願いします。