「お仕置き?」
俺の部屋に来た理子と狂三が、唐突にそんなことを言ってきた。
「ええ、そうですわ」
「私たち、翔君に秘密にしてって言われたこと、みんなにしゃべっちゃったからね~」
「そのせいで、翔さんが皆さんに叱られてしまったわけですし」
確かに叱られた。それはもう、思い出すのも辛いくらい。
でもそれは緊急事態だったからな。島の危機だった訳だし、そもそもみんなに秘密にする判断をしたのは俺なんだし。
「つべこべうるさいですわ」
「そーそー! 翔君は黙って理子達にお仕置きすればいいんだよっ!」
言ってることは分からないが、言いなりになるしかなかった。
2人も、元々そのつもりで来たらしいからな。
―――――――――――――――――――――
「おやおや、準備はお任せしましたけれど、こんなにたくさんあるんですのね」
「えっへっへ、まあねー。理子も大人の女性になるために色々と勉強してるんだよー」
「……おい」
俺の机に並べられていくのは、理子のカバンから取り出された様々な器具。毒々しいピンク色に、どこかで見たような反り返りを持つ棒状の器具。リモコンとセットになった小さな卵型の器具。などなどだ。
それらを興味深そうに眺めている狂三。
ああ、そうそう、お仕置きの方向が完全にそっちだって分かってることだし、この前、小さい娘たちとした犯罪行為の結果について報告しておこう。
空閑遊真の黒トリガー
『ワールドトリガー』の主人公、『空閑遊真』の持つ黒トリガー。
特定の武装が備わっていない代わりに、『印』と呼ばれる能力で、戦闘の補助を行う。
また、他のトリガーの機能をコピーし、コピー元以上の性能を持った新しい能力の『印』を作成出来る能力を持つ。
この世界では魔法デバイス扱いとなり、コピーするトリガー機能は魔法になる。
能力補助のために『レプリカ』という補助デバイスもついている。
オートバジン
仮面ライダーファイズの専用マシン。
専用コードを入力することで、人型の戦闘形態『バトルモード』へ変形し、ガトリング砲をぶっぱなす。ただしフレンドリーファイヤにはご注意。
騎乗C
騎乗の才能。現代の乗り物なら、直感で乗りこなすことが可能になる。
適切サイズな息子
女の子とする時、その娘に対して一番適した大きさと形になる。これで小さい娘とする時も安心!
まあ色々と言いたいことはある。
とりあえず、空閑遊真の黒トリガーは強い。とてつもなく強い。
実は今まで魔法デバイスを持っていなかった俺にとって、この世界に合わせて変化した黒トリガーはとても都合が良かった。
シッカリしたものを買おうとすれば、スマホの最新機種並みの値段がすることになる。陸戦試合で使ったヤツは、借り物だったしね。
これで魔法系の能力は非殺傷設定に出来るようになった。
今日は何もなければ、レプリカ先生と試運転をしようかと思ってたんだけど。それはまたの機会になるようだ。
騎乗スキルも腐ることの無い良い能力だ。一緒に手に入れたオートバジンに乗る時に役立つことだろう。
それはいいんだけど、ね。最後の1つが。
「(もうヤるための能力でしかないんだよなぁ)」
なんだよ、適切なサイズの息子って! そりゃあ確かに、ティナもコッコロも苦しそうだったけどさ! なんというか、そのために生み出された能力じゃないか!
剛直といい、そういう方面の能力も徐々に揃いつつあるのかもしれない。
……と言ったものの、これも腐るような能力ではない。むしろ余計な心配をしなくてもよくなると思えば……
いやいや! 別にそんな小さい子供たちと積極的にしようなんて思ってるわけじゃなくて、あっ、違います心の中のおまわりさん―――
「それで? 何をしようってんだ。こんなに持ち込んで」
お巡りさんが思考を無理やり打ち切る。
「あー、翔君、これが何だか知ってるんだー」
「いやらしいですわね」
「2人も知ってるじゃん……」
俺を無視して、2人は話を続けていく。
「今日はこれを使いまーす!」
理子が取り出したのは毒々しい色の液体が入った小瓶。机の上に並べられた機器と合わせて、部屋が毒々しい色のオンパレードだ。
「これ、前に温泉で使った媚薬なんだよね」
「ああ、あれか」
「あの時は原液で使ったから大変なことになっちゃったけど」
「おい!」
いまさらっととんでもないことが聞こえたぞ!
「でも今回は用法容量を守って使うから大丈夫! とにかく私たちはこれを飲みます」
「それからわたくし達は、これを穿いて立ちます」
これまた卑猥な、パンツとディルドが一体化したブツを狂三が掲げる。黒いエナメル質で、あそこを覆う部分以外は完全に紐だ。
説明を聞く。どうやらディルドには電源が付いていて、スイッチを入れると振動、回転、伸縮するらしい。
「先に立っていられなくなった方が負け。勝ったほうだけが翔君とえっちなこと出来るってルールで!」
「……はぁ」
確かあの媚薬、筋弛緩剤も入ってるんだよな。1回でもイったら間違いなく、そうでなくても大きい快楽を受ければ立っていられないだろう。
でも、それは、さ? そんなルール決める必要あるのか? 普通に器具を取り入れたプレイをすれば……
「「いいから」」
結局はそういうことがしたいだけか。
2人がいいと言うなら、まあ、いいのかな? ……俺が我慢出来るか分かんないけど。
―――――――――――――――――――――――――――
準備を終えた俺たちは、さっそくコトに取り掛かっていた。
「それじゃあ、同時にね?」
「もちろん。不正はナシですわ」
だが下着姿になった2人を目の前に、ベッドに座った俺にすることは無い。あえて言うなら我慢することだ。
2人のイメージに合った、黒と金の精緻なデザインの下着姿。それが包み込む、2人の肉付きの良い体。
それを目の前にして、理性を保っているのが一番大変だ。
俺の苦労など知る由もない2人は、息を揃えて、コップに入った液体を飲み干した。
……俺だったら、絶対に飲めないな。あんな蛍光ピンクの液体。
体への変化はすぐに、しかしあの時の雪菜のように劇的には表れなかった。
「ふ……っ、んっ」
「はふっ、……っ、ぁ」
2人の肌に段々と赤みが差し、息遣いが荒くなってきたのだ。
「なる、ほど。これが媚薬というものですのね……」
「あははー、やっぱスゴイなぁ、夾ちゃんの薬は。心臓のバクバク、止まんないよ……んっ」
会話しつつ、自分のお腹とかおっぱいに手を這わせるの、本当に目の毒だからやめていただきたいんですけれど。
「理子さん、それじゃあ、そろそろ」
「ん、そうだね」
そろそろ、下の口に疑似肉棒を咥えさせなければ、ゲームが始まらない。それは分かっているし、言葉の意味も分かる。でも2人の様子を見ていると、それ以外の意味、具体的には我慢が出来なくなってきたという意味にも聞こえてしまう。
2人は腰にある紐に手をかける。抵抗なく脱ぎ捨てられた。
「うわー……もう結構濡れちゃってるね……」
「触ってないのに、こんなに……」
だから、そうやって自分のモノの具合を確かめるのはやめてくれって!
次に手に取るのはあのパーツが着けられた卑猥な下着だ。
するりと、特に抵抗なく上へと昇っていく。だが、最後まで順調に行くわけではない。太ももの中ほどで一旦停止する。
出っ張っている部分を、自分のナカに挿入しなければならないからだ。
「んっ、ぁ……」
「中々……っ、ぁ!」
「だからさ……」
もう言うのも疲れたよ。こんなの見せられてどうしろって言うんだよ。
いくら媚薬を使っていても、一気に刺し貫く、というのは難しいのか、まずは先端で解きほぐすように入り口を刺激している。
どんどん漏れ出している粘液が、くちくちと卑猥な音を立てている。あれで滑りを良くしてるのか。
それでも、なかなか最後まで吞み込めないみた、い、だ……?
「……」
何故か、狂三が、こちらを、見ている。
見ているだけではない。俺の方に歩いてくるぞ!? 内股に液体が垂れているのが分かり、目を奪われていると、
「翔さん……」
「く、狂三? うぉ!?」
押し倒され、唇を奪われた。
「ちゅぅ、れろ、れぉ、ちゅ、あぅ、ちゅぅる、じゅるっ、ちゅぱっ」
狂三の舌が俺の唇を割り裂き、口内へ侵入してきた。俺の舌が無理やりからめとられ、巻き込まれる。
素晴らしい感覚に流されそうになるが、このキスには目的があったようだ。
狂三の手が、下腹部でごそごそと動く。
「ふぎゅっ!? ううぅぅん……!」
滑らかだった舌の動きが、一瞬停止する。
不自然な息遣いと熱を持った吐息が流れ込んでくる。俺の服には狂三の股間からしたたり落ちた、挿入されたせいで溢れ出してきた愛液が卑猥なシミを作り出していた。
「んんんんっ!! ちゅうぅ、ちゅぱぁ……ぁぁ、これで、全部入りましたね」
見ると、確かにディルドは根元まで呑み込まれていた。
ベッドに膝立ちになり、ズレている紐をわざわざ俺の目の前で柔肉に食い込ませた。ぱちん、という音がして、ごく小さい面積の黒い布地が、そこから生えた合成樹脂が、何食わぬ顔で狂三のナカを貫いている。挑発してんのか。
「今はこんな偽物ですけれど……」
自分のお腹をなぞり、次いでズボンを押し上げている俺の肉棒をなぞる。
「あと少ししたら、ここに溜まったものをわたくしのナカに出していただきますわ」
うっすらと汗をかいた額に張り付く前髪。細められた目は、発情しているとは思えないほど、ミステリアスな空気を纏っていた。
その後ろでは、
「いやー、えっっろいモノを見させていただきました。ゴチです!」
理子が手を合わせていた。あの下着はすっかりと飲み込まれ、装着されている。
理子はそっちでもイけるらしい。
「あらあら、いけない人ですわね。わたくしと翔さんの情事を見て、興奮してしまわれるなんて」
「んん~? でもちょっと反則臭かったよねぇ? 負けた人はえっちできないのに、フライングでキスしちゃうなんてさぁ?」
「別にわたくしが勝ってしまえば問題ないのでしょう?」
「そう簡単にいくかなぁ? たしかに狂三ちゃんは強いけど、ベッドの上じゃあヨワヨワかもしれないしぃ?」
「きひっ、ええ、ええ! その言葉、そっくりそのままお返しいたしますわぁ……!」
それはもう、2人とも闘志を前面に出している。
でも半裸でそんなに言い争っても、あんまり怖くないよ。
そして部屋の真ん中に立ち、ゲームが始まる。
リモコンを渡されたのは俺だ。これ、一応お仕置きって事だからな。強さも変えられるって話だ。これで楽しんでね、と理子は言っていた。
部屋の真ん中、適度に距離を置いて2人は立つ。
「それじゃあ、いいよー」
「はい、いつでも」
「ん、了解」
リモコンは理子と狂三、2つある。おまけに挿入されているディルドの多機能さゆえにか、ボタンやつまみが非常に多い。もうちょっとしたラジコンだ。
「(とりあえず、最初っから全開ってのは芸がないよな)」
パワーは最低。機能は自動ピストンだけ。
スイッチを入れた。
「んんっ!? くひっ、ひぁ……っ、んんっ!」
「ひゃんっ! ンっ、んぅぅああっ……っ!」
ほぼ同時に体を少しだけ『く』の字に折り曲げ、足の指をもじもじとさせ始めた。別に動作確認をしたわけじゃなかったけど、問題なく動いてるみたいだな。
2人は逃げ場のない快楽を逃がそうとしているのか、徐々に落ち着きが無くなってきている。視線も落ち着きない。
パワー最低ではそこまでの刺激は得られないはずだが、今の2人にはそれで充分らしい。媚薬の力ってすげー。
だが、媚薬が効いているのは2人だけではなかった。
「(あー、やっば……)」
狂三と口づけを交わした俺にも、しっかりと効果が出ていた。
口のなかに残っていたものが摂取されたのか、それとも体温で気化したものを吸い込んでしまったのかは知らないが。俺は薬が効きやすい体質なのかもな。
あれだけ互いの唾液を交換し合ったんだ。しょうがないのかもしれないが。
意識がだんだん朦朧としてきた。飲んだことは無いが、酒で酔っぱらうとこんな感じになるんだろうか。
だったら、酒に酔った男女が夜の街に消えていく理由も理解出来た気がする。
ぼやけていく思考の中、俺の息子だけが元気よく、いつもよりも元気がいいんじゃないかと思うくらい、硬く反り返っていたのだ。
理子の持ってきた薬。夾竹桃のものだと言っていたが、やはり彼女の腕はすさまじいようだ。なんだかんだ、一番危険なのは薬物なんだな。
しかも目の前の2人は、体が求めてやまない快楽を思う存分、我慢しているとはいえ、がっつりと享受している。
俺が座ってムラムラしているのに、下の口が咥えたエグイ偽肉棒からは、絶えず粘液がしたたり落ちている。
快楽を逃がそうとしているのか、腰を振っているがしっかりとパンツで固定され、しかも下の口もがっちりと咥え込んでいる。
それでいて声を我慢しようと艶めかしい吐息が漏れているのだ。
生殺しという言葉がこれ以上に合う場面はそうそうないだろう。
頭と下腹部の熱に浮かされた俺は、段々と意識が朦朧としてきて―――……
―――――――――――――――――――――――――
「くふっ、どうしたの狂三ちゃん? 可愛い声出ちゃってるけど?」
「理子さんこそ、ずいぶんとお腹に力が入っているようですわ。辛いのなら、休んでしまわれてはどうですか?」
お互いがお互いを挑発し合うが、
「……」
「翔君? ぁぅ……っ」
「どうか、んっ、されましたか?」
2人の声を無視して向かうのは机だ。いくつもの淫具が武器のように並べられたあの机である。
「お仕置きなのに、お前らだけ楽しんでるなんておかしいだろ?」
机の上に並べられたたくさんの
確かに、これは2人が思い描いていたシナリオ通りだった。
わざわざこんなに器具を持ってきたのも、我慢する2人に、健康な男子高校生の翔の方が抑えきれなくなるだろうという予想があったからだ。
その時に使ってもらおうと思っていたのだが。
「な、なんか、思ってたのと少し違うような……?」
「今の翔さんは、その……目が少し怖いですわ……」
薬で理性を無くした翔が、2人に襲い掛かるのだった。