※この作品はR-18です。

異世界ハーレム奮闘記   作:文房具

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スーパーロボット大戦30がとても楽しみですね。


大本たちの会議 2日目 後編

「私に何か?」

「や、何か、って……!」

 

とぼけたキメ顔をしているが、見間違えるはずがない。こんなにも隠し切れないオーラってものがあるのに、誰も不審に思わないのか? それとも、ライダーじゃないと分からないのか?

 

ごまかしたいなら、せめて首からぶら下げているトイカメラをどうにかしろよ!

 

「先輩? その人がどうかしたんですか?」

「や、あのな……?」

 

雪菜が不思議そうに聞いてくるが、あまりにも急なコトで俺の理解も追いつかない。聖天子様達もぽかんとしている。

 

多少の異常でも、この世界ではその人の『個性』として認知されてしまうのか……!? それはさぞかし多様性にあふれた、というか実際にあふれてるな、この世界は!

 

そんなんだから、スタンドによる異常も見逃すんだぞ!

 

目の前にいる男、本編で見た時よりも多少歳をとっているように見えるが、仮面ライダーディケイド―――門矢 士だ。

 

世界を渡り歩く多次元ライダー。世界の破壊者の異名を持ち、仮面ライダーシリーズにとっても特異な存在……というのは作品の中の設定のはず。

 

無限の可能性の中で、まったく同じ存在がいたってことなのか? 本当にご本人なのか?

 

それとも、写真好きのそっくりさん? ……ありえないだろ。

 

考えているうちに、門矢 士(仮)はどこかへ行ってしまった。見回しても、首からカメラをぶら下げている人物は見当たらない。

 

「ああ、もう……」

 

何かあるのは確実だと思うのに、こう、喉にもやもやが残るこの感じ……! 護衛の仕事中じゃなければ、見つかるまで探し回るのに!

 

その時だった。

 

「ん、はい、何か?」

 

楯無さんが耳に指をあてた。

 

「……はい、……はい、わかりました。そちらで対応してください」

「何か問題ですか?」

「ん。ちょっと、ね」

 

俺が聞くと言葉を濁す。近寄って、耳元で囁いてきた。

 

「下の階に正体不明の怪物が現れたんだって。何か知ってる?」

「何も知りませんね」

 

疑いたくなる気持ちもわかるが、これはホントに何も知らない。

 

「ちょっと行ってくるわ。もしかしたら何かあるかもしれないから、ここはお願いね?」

「了解です」

「ん、それでは皆様、ごきげんよう」

 

不敵な笑みを浮かべた楯無さんは、その場を去っていった。

 

「何かあったのか?」

「下でなんかトラブったらしい」

「大丈夫でしょうか……?」

「あの口ぶりだと問題ないっぽいけど」

 

目つきの変わったライネスは鋭く聞いてきて、雪菜は不安そうに言っている。

 

しかし、俺もその『怪物』って奴を見てみたかったな。心当たりは無いにしても、見れば何かわかると思うんだけど。

 

ディケイドもいたことだし、ライダー系の怪人の可能性が非常に高い。あいつがいるってことは、そういうトラブルがあるってことだろうからな。

 

楯無さんの様子を見た各国の護衛が少し殺気立ってきた。何かあると悟ったんだろう。

 

異変が現れるまで、そう時間はかからなかった。

 

バタン!! 乱暴な音とともに、扉が開け放たれる。いや、開けられたのではない。人型の何かが、体当たりで壊したのだ。

 

扉に体当たりした個体は床に倒れこみ、それを踏みつけながら後続がなだれ込んでくる。

 

ゾンビのような、顔無しのミイラのような怪物。そいつらの名前は。

 

「『屑ヤミー』……! オーズ系の敵なのか!」

 

仮面ライダーオーズの戦闘員役。幸い、しっかりとした個体のヤミーや、敵幹部の『グリード』の姿は無い。

 

だが、

 

「次から次へと……!!」

 

とめどなく入り込んでくる屑ヤミーの群れ。どうも数が多い。

 

「まさか……」

 

まさか、楯無さんが突破されたのか?

 

実力的に倒せないってことは無いだろう。それでも倒しきれないくらいたくさん来てるのか。

 

「先輩!」

「主様!」

「ああ! とにかく倒すぞ!」

 

護衛の仕事は要人にケガをさせないこと。当たり前だが、護衛対象の安全確保が一番の仕事だ。

 

そして、安全確保と敵を排除することは必ずしもイコールにはならない。倒すのは管理局に任せようと考えている人たちが多い。

 

だが明らかに局員の数が足りない。護衛に仕事が発生するのは間違いない。だが、下の階の様子も―――楯無さんの様子も気になる。

 

「翔さん、下に行ってください! 私は大丈夫です!」

 

後ろにいる聖天子様が叫んでいる。優しい彼女は、俺と同じように楯無さんの身を案じているんだ。

 

ラ・フォリアとペコ―――ユースティアナが一緒にいれば、彼女たちの護衛が守ってくれるだろう。2人の性格的にも、見捨てるなんてことは無いはずだ。

 

だったら、

 

「行ってくる。雪菜たちは、聖天子様を頼む。俺も1人はこっちに残すから」

「はいっ……はい?」

「1人はこっちに残す……?」

 

俺は久々のゲーマドライバーを身に着けた。こうして持ってみると、ジクウドライバーとは違う質感だな。

 

感動しつつも、変身アイテムを取り出す。

 

《MightyBrothers XX!》

 

アルトリア達に返してもらった、マイティブラザーズのガシャットだ。今回はこれを使わせてもらおう。

 

「変身」

 

《ダブルガッシャット!!》

《レベルアップ!!》

《マイティブラザーズッ! 2人で1人! マイティブラザーズ! 2人でビクトリー! X!》

 

「あら……」

「翔さん……」

「わわっ! なんだかずいぶんと可愛い姿になっちゃいましたね!」

 

後ろにいる面々は、俺の変化に驚いている。

 

ずんぐりとした体形に大きな顔。真ん中から2色に分かれた髪の毛が生えたような頭部。正直言って、初見ではあまりカッコいいとは言えない姿だ。

 

「もう1回だッ!」

 

今度はレバーを開閉させる。

 

《ダブルアップ!》

《俺がお前で お前が俺で! We are! マイティ! マイティ! ブラザーズ! XX(ダブルエックス)!!》

 

ずんぐりとした外装が吹き飛び、中からオレンジと緑、2色のエグゼイドが現れた。

 

「あらあら……!?」

「翔さん……!?」

「増えちゃいました!? ヤバいですねっ!!」

 

これまた思い思いの反応をしている。

 

「雪菜、俺は残るから!」

「俺は行ってくる!」

「え、あ、あの、はい?」

 

雪菜はハテナマークを浮かべているが、長々と説明している時間は無い。

 

「ほら、持ってけ!」

「サンキュー!」

 

下の階に怪物を倒しに行く方(緑色)は、残る方(オレンジ)から専用武器である『ガシャコンキースラッシャー』を受け取る。

 

「行ってくる!」

「さて、俺たちはこっちをどうにかしないとな!」

 

ダブルアクションゲーマーによる戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「確かに、正体不明の怪物ね……」

 

現着した楯無が見た光景をそう評した。

 

多数の局員が屑ヤミーと戦っていた。戦況は劣勢という訳ではない。強さ自体はそれほどでもないのだ。

 

この状況ならば。

 

「2,3匹くらいは捕獲しておきたいわね」

 

軽く言いつつ、扇子についているアクセサリに触れた。

 

「行くわよ、霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)」

 

次の瞬間、楯無は光に包まれた。

 

体のラインの出るインナージャケットに包まれた体に、装甲が装着されていく。さらに、装甲で覆われていない部分を、水のヴェールが包み込む。

 

手には主兵装である蒼流旋―――巨大な槍が装備される。

 

楯無の持つIS、霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)だ。

 

ISは『インフィニット・ストラトス』に登場するキーアイテムだ。

 

原作では『篠ノ之 束』が開発した宇宙空間での活動を想定されたマルチフォームスーツ。光学兵器、空を飛べる、パイロットを守る絶対防御、自己進化能力による拡張性などもあり、機動兵器として使われていた。

 

しかし何故か女性しか使えず、主人公である『織斑 一夏』は世界で唯一ISを使える男性だった。

 

この世界でもそれはほとんど変わらない。

 

違う点は、化学製品ではなく魔法デバイスであるという点だ。

 

ただし、篠ノ之束の例にもれず、世界に大きな影響を与えている。

 

まず、適性が無くても空を飛べるようになる。

 

なのはやフェイトが普通に飛んでいるので忘れそうになるが、スバルやティアナは魔法に適性が無く、飛行魔法を使えない。数としては、そちらが圧倒的多数なのだ。

 

その不利を容易に覆せる。

 

また、近年、魔法を主戦力とする管理局で大きな課題になっているAMF(アンチ・マジック・フィールド)。その影響を全く受けずに魔法の行使が可能である。

 

しかし、ISの中核である『コア』は篠ノ之束にしか作れず、その数には限りがある。とはいえ、平和のための大事な戦力になっているのは間違いなかった。

 

日本の国防で大きな力を持つ更識家。そこの17代目当主として、楯無はISの力を振るう。

 

ヴェールを構成していた水が、刃よりも鋭く、屑ヤミーを貫いた。力尽きた屑ヤミーが割れたセルメダルへと姿を変える。

 

「更識さんっ!!」

「状況はッ!?」

「この怪物、何処からともなく湧いてきます!!」

「倒しても倒してもキリがありません!」

「泣き言は言わない!!」

 

鼓舞する合間にも、楯無は蒼流旋を突き刺す。実際に槍に当たったヤミーはその場で爆散し、衝撃を受けたヤミーも次々と壁に叩きつけられた。

 

チャリン、チャリンとメダルが床に転がる。

 

その強さに士気が一気に高まるが、気合だけでは体力は回復しない。

 

「ふっ!」

 

楯無は一気に前に出た。一度槍を振るうごとに何匹もの屑ヤミーが吹き飛び塵に消える。それでいて建物への被害は最小限に抑える。

 

蒼流旋は楯無の魔力で操られた水を纏っている。通常の槍は振るえば鈍器になるが、蒼流旋は研ぎ澄まされた水によって剣の様に切断もできる。

 

纏った水のヴェールも同じだ。身を守る盾にもなり、相手を貫く槍にもなる。半端な防御ではすり抜けてしまう。水滴の1粒が楯無の武器だ。

 

「(さて、どうしようかしらねっ! こういう相手なら辺り一面を吹き飛ばすんだけど……それをするのは流石に危険。結局、ちまちま潰すしかない、かっ!)」

 

広範囲を攻撃する技はあるが室内で使うのは、まして上の階に護衛がいるのだ。選択肢には上がらない。

 

後ろから光弾が飛んできた。

 

「魔力弾……じゃない?」

 

現れたのはダブルアクションゲーマーに変身した翔だった。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「大丈夫ですか、楯無さん!」

「夜月君!? 何であなたがここに!? 上は大丈夫なの?」

「それなら、問題ないです。上にも俺がいますから」

「……なるほど。そういう力も持ってるってことね(この姿、パラドクスに似てるけど、見たことの無い形態……彼の仮面ライダーにはまだまだ知らないことがあるのね)」

「理解が早くて助かりますが、上にもあの怪物は出てます。要人はそれぞれの護衛で守れてますけど……」

「だったら、ここを突破されるわけにはいかないわね……!」

 

突破されてたわけじゃないのか。だというなら、上にも発生源があることになる。上は上の俺に任せるしかない。

 

柱の影から、扉の外から、屑とは言え無限湧きでは先にこちらが参ってしまう。どこかに発生のもとがあるのか? や、出てくる場所がランダムすぎるな。

 

俺たちは背中合わせになりつつも、どんどん屑ヤミーを駆除していく。

 

それでも、一向に数が減らない。このまま時間をかけすぎるのはいけないか。でもどうする?

 

「……や、ここは……」

「何か方法がある!?」

「ここにいる全員を強化します!」

 

俺は新しい能力を発動させた。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「雪霞狼ッ!!」

 

雪菜の槍が相手を切り裂き、柄で相手を殴打する。その攻撃の隙を埋めるように、襲い掛かってきた屑ヤミーを俺が殴り倒す。

 

「翔さん……!」

「聖天子様、あまり前に出ないでくださいまし。精霊よ……お二人に加護を!」

 

コッコロの力で、疲労が少なくなる。

 

しかし、

 

「雪菜っ! まだいけそうか!?」

「はぁ、はぁ、はいっ! 全然いけます!」

 

周りと見ると、押されている人はいなかった。それでも、何処から襲ってくるのか、いつ終わるのかもわからない屑ヤミーの相手に、疲労の蓄積が見える。

 

「クソっ、下はどうなってんだ……!」

 

何でこんなにたくさん、いつまでも出てくるんだ!? 

 

「あの分裂した先輩がどうなってるか分からないんですか!?」

「分かんないな!」

 

背中合わせで戦いつつ、俺たちは会話を交わす。

 

残念ながら、ダブルアクションゲーマーにそんな便利機能は無い。

 

「はっ!? ……なるほどね」

「先輩? 何があったんですか?」

 

俺だけが感じ取れたんだろう。下の階で、あの能力が発動したのを。魔法、というよりも権能と言ったほうが良い力。

 

「こっちも使ってみるか……!」

 

俺の足元に黄金の魔法陣が浮かび上がる。

 

「この場にいる全員を強化する!」

 

プリンセスナイトの能力だ。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「これは……!」

「なんだ? 体が、急に軽く……?」

「こんな能力まで隠してたなんてね……」

「正確には、ついこの間手に入れたんですけどね」

 

誰にも聞こえないようにぼそりと呟く。

 

『プリンセスコネクト! Re:Dive』の主人公の力。直接の効果が見えないから正直地味だが、その効果は絶大だ。最強クラスのサポート能力。それが弱い訳がないのだ。強化する相手さえいれば。

 

押し寄せる敵に疲労困憊だった管理局員の顔つきが、見る見るうちに鋭くなっていく。まるで疲労を忘れてしまったかのように、攻撃を始めた。

 

「……これが味方だったら、確かに頼もしいわね……一気に押して!!」

「「「はいっ!!」」」

 

俺と楯無さんを中心に、反撃が始まった。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「むむむ……!」

「先輩から力が流れ込んでくる……? 先輩、これって……!」

「俺の新しい能力だ。コッコロ! 俺たちに支援魔法をかけてくれ!」

「は、はい! わかりました、主様っ!」

 

俺のプリンセスナイトのバフの上に、さらにコッコロの精霊の加護が加わり、会場全体を満たした。

 

「おおっ!!」

「これならいけるぞ! 一気に押し込めるッ!!」

「先輩! 私達も!」

「ああ!」

 

一気にパワーアップしたことで、管理局員だけでなく護衛も勢いづく。

 

こうして、俺たちは何とか屑ヤミーの大軍を撃退することができたのだった。

 

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