※この作品はR-18です。

異世界ハーレム奮闘記   作:文房具

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あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


インターミドル ヴィヴィオVSミウラ 前編

身体自動操作の負担で体が動かせなくなってしまったため、救護室のベッドにコロナは寝かされていた。

 

傍らにはノーヴェとオットーがいる。

 

「頑張ったんですけど、届きませんでした。やっぱりアインハルトさんは強かったですね……」

「でもあと一歩のところまで追いつめてたぜ。あのヘンテコな鎧が無ければ勝ってたかもな!」

「あの鎧、夜月さんにいただいたものらしいですよ」

「あぁ……あいつが、か」

 

ノーヴェはノーヴェで、ティアナから(姉のスバルではうまく説明できなかったため)翔のことを聞いていた。

 

翔が今六課で追っている犯罪に関わっている可能性がある、という話を。

 

勿論、普段は全くそんなそぶりを見せない翔のことを疑っているわけではないが。

 

「(でも、あんなものを用意できるってのは……まあ、いいのか?)」

 

黙り込んでしまったノーヴェに変わって、オットーが、

 

「それでもいい試合でしたよ! コロナお嬢様はやっぱり強かったです」

「ありがとう、オットー。オットーのおかげで、最後まで戦えたよ!」

「あぁ……ああ、そうだな!」

 

ノーヴェは疑問を頭から追い出す。

 

「お前がすごいってことは、観客全員が見てたよ。お前の創成戦技(マイストアーツ)は、いくらでも応用が効くいい技だ。鍛えればいくらでも応用が効くぜ! ……だから、さ」

 

少し言いにくそうに。

 

「今のチームで、一緒にやっていけるよな?」

「はい! 私はチームナカジマの一員ですから。みんなと一緒に練習していきたいです!」

「それでは、よろしければ今後も、僕がトレーナーを」

「うん。ありがとう、オットー!」

 

決意も新たに、コロナのトレーニングの日々が始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「大変大変! ヴィヴィオの試合が始まっちゃう!!」

「なのは、そっちだよ!」

 

なのはとフェイトは仕事を終わらせ、走って会場へと向かっていた。

 

同じように走っている女性が3人。

 

「急げ急げ! はよせんと試合が始まってしまう~!」

「まだ間に合います! 足元に気を付けて!」

 

はやてとシグナム、シャマル、リイン、アギトの5人だ。

 

「はやて!」

「そっちの会議は終わったの?」

「なのはちゃんにフェイトちゃん!! 見ての通りギリギリ遅刻や!」

 

すでにコロナとアインハルトの試合は終わってしまっている。間に合っているとは言い難かった。

 

しかしギリギリ、本当にギリギリ、次の試合には間に合う。

 

ヴィヴィオとミウラの試合だ。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

そしてこちらは選手用控室。

 

治療を終えたコロナとアインハルト、リオ、綺凛の4人は、会場へ向かうヴィヴィオと、セコンドのクロを見送った。

 

「コロナは寝てなくて大丈夫なの? 話は聞いたけど……」

「大丈夫! ヴィヴィオの試合はみんなで応援したいから」

 

とは言え、すでに試合を終えた選手がいつまでも控室にいるわけにはいかない。

 

コロナとアインハルトはこれからはなのは達と合流して、客席で応援することになっている。

 

「ああ。いいね。みんなお揃いみたいで」

「ミカヤさん!?  木更さんも!」

 

ミカヤと木更も、自分を打ち負かしたミウラがどこまで行けるのか気になり、今日の試合を見に来ていた。

 

すでに敗退した選手ではあるが、選手控室に来るくらいはできた。

 

「試合、見させてもらったよ。いい試合だった」

「うん。みんな盛りあがってたわ」

「「ありがとうございます!!」」

「2人は会場で見るんだろう? 良かったら、一緒にどうかと思ってね」

 

観戦グループにミカヤと木更も、加わることになった。

 

「いいなぁ! 私も会場で見たい~!」

「私もです……」

「はは、2人は自分の試合に集中しないとね」

 

子供のように(実際子供な訳だが)駄々をこねる綺凛とリオを宥める木更。

 

「ハリーは強いよ。伊達に砲撃番長(バスターヘッド)とは呼ばれていないからね。そして、ユウキという娘も。今までの試合は、全員1分以内のK.O。私の見立てでは、アインハルトちゃんと同じか、それ以上の実力者だ」

「はいっ!」

「分かってます! でも、勝つために頑張ってきましたから!!」

 

2人の決意を聞き、客席へ向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

ヴィヴィオとミウラはリングの入り口にスタンバイしていた。

 

前回の試合の後片付けが終わり、いよいよ入場だ。

 

「そろそろね、ヴィヴィオ!」

「頑張るッスよ!」

「うんっ!」

 

セコンドであるクロとディエチに激励される。

 

身体が冷えないようにシャドーボクシングをしていたヴィヴィオは、空中に浮かぶウサギのぬいぐるみ、デバイスであるクリスを手に取る。

 

「セイクリッドハート、セットアップ!」

 

BJを纏うだけでなく、その体は大人のサイズまで大きくなる。戦闘に適した間合いを得るための大人モードだ。

 

「待ちに待ったミウラさんとの試合! 頑張ってくるね!」

「ええ。思いっきりやってきなさい!」

 

一方、ミウラサイドは。

 

「はやてたち、間に合ったってさ。もう席に座ってるって」

「良かったです!」

 

ヴィヴィオと同じように、体を動かして待機していた。

 

「同じストライクアーツ選手同士、ずっと楽しみにしていた試合です。開幕から全開でいきますね! スターセイバー、セットアップ!」

「ああ。でも、ヴィヴィオのカウンターには気をつけろよ!」

 

ザフィーラのアドバイスに、ミウラは頷いた。

 

《さあ、参りましょう! 次の試合はこれまたルーキー同士の戦いです! そしてまさかのストライクアーツ対決!》

 

入場が始まった。

 

《レッドコーナー、ミウラ・リナルディ選手!! 収束蹴打『抜剣』と鉄槌の拳を振るうハードヒッターです!! 1回戦ではトップファイターに対してK.O勝利。その実力は本物です!》

《ブルーコーナー、高町 ヴィヴィオ選手!! 先ほどは素晴らしい試合を見せてくれたチームナカジマのメンバーで、軽快なフットワークとカウンターブローを駆使する屈指の技巧派です!》

 

2人がリングの上で向き合った。

 

《強打者対反撃型! 同じストライクアーツ選手でもスタイルが真逆なこの2人。一体どのような試合を見せてくれるのか!!》

 

お互い所定の位置につき、構えを取る。

 

どんなに騒がしい観客席でも、この瞬間だけは静かになる。集中している選手2人には、相手の姿しか見えていないだろう。

 

むしろ、そわそわしているのは客席にいるフェイトの方だった。

 

「な、なんだか緊張してきた」

「えー?」

「今からそんなんじゃもたへんよ?」

 

プレッシャーに弱いフェイトだった。

 

「ヴィヴィオちゃん、緊張してるのかな? いつもと様子が違うようだけど……」

「確かに、そうですね……」

 

合流したミカヤとアインハルトが首をかしげる。

 

「えーっと、ですね。あれは多分……」

 

理由を何となく察しているコロナは解説する。

 

観客席とは切り離された空間になっているリングでは、試合開始が秒読みになっていた。

 

《それでは―――試合、開始ですッ!!》

 

ゴングと同時にミウラが前に出た。

 

「(難しいことを考える必要は無い。とにかく防御を固めて近寄るっ!)」

 

ヴィータやザフィーラに教えられたことを頭の中で反芻する。

 

「(序盤は潜り込んでパンチ! 狙いはボディ!)」

 

大人モードになっているヴィヴィオとは身長差がある。身を低く、しっかりと腕で顔面をガードして反撃に警戒しつつ、ミカヤの時の二の舞にならないように。

 

ヴィヴィオはその場でステップを踏み。

 

「(私の格闘戦技、ミウラさんにお見せしますっ!!)ジェットステップ―――」

 

スッ、と前に出た。

 

「え、あれ……?」

 

いつの間にかミウラのガードが外されていた。

 

細かい拳に目を白黒させていると、強力なアッパーカットが命中した。

 

脳震盪のクラッシュが入り、両足から力が抜けた。

 

《ダ、ダウン! ダウン判定です!! 試合開始からわずか6秒! 閃光の連撃がミウラ選手を捕らえましたッ!!》

 

大騒ぎしているのはヴィータとザフィーラだ。

 

「あああああ!? なんでアイツは一発目を喰らうんだぁぁっー!?」

「十分に注意はしていたんだがな。ヴィヴィオの速度がそれ以上だった」

 

意識を飛ばしかけているミウラが起き上がることなく、カウントは進んでいく。

 

《崩れ落ちたミウラ選手、これは立てないか!?》

「(うわー、目の前がチカチカするー。なん、か……眠く、なって……)」

「馬鹿馬鹿!! 寝るな! 起きろぉぉっ!」

「ミウラっ!! 試合が終わってしまうぞ!!」

「ッ!?」

 

セコンドの声が、かろうじて意識を繋ぎとめた。

 

《立った! 立ちました!! カウント9! ギリギリでしたが立ち上がりました!》

「あー! 惜しいッス!」

「でも攻撃は確かに効いてるわ。立ち上がっても、ヴィヴィオの攻撃からは逃げられない」

 

試合が再開される。

 

するとすぐさま前に出るミウラ。

 

一度ダウンを貰っているのだ。ここからは多少慎重に行くのだと誰もが思っていたが、ミウラはそう考えなかった。

 

「(逃げるとかない! 前に出るんだっ!! 僕にはそれしかないんだから!!)」

 

前に出るミウラとは対照的に、ヴィヴィオはそこから動かない。

 

攻撃をしっかり見て、避ける。ただそれだけだ。

 

ミウラの拳は当たらない。だが、拳圧でBJが傷ついていく。

 

《ダウン直後にもか関わらずこの豪速の強打! ミウラ選手攻める攻める!!》

 

だが、ヴィヴィオには当たらない。BJをいくら引き裂けても、ライフを削るには至らない。

 

《そしてミウラ選手の攻撃に合わせて、正確なカウンターが突き刺さる―――!!》

 

踏み込めるところは踏み込み、しっかりとダメージを取っていく。

 

細かい連撃を積み重ね、足が鈍ったところで、意識を刈り取る一撃をお見舞いする考えだ。

 

「ヴィヴィオの奴、うめぇな……まさかここまでだとは……」

 

ヴィータの目から見ても、確かな技術だった。

 

クロは腕を組んで得意げに鼻を鳴らした。

 

「当然よ。私とヴィヴィオが、どれだけミウラの試合を研究したと思ってるのよ。全部学習済みなんだから!」

「知性と技巧! 文系格闘少女の本領ッス!!」

 

しかし、研究熱心ならミウラも負けてはいなかった。

 

「(ヴィヴィオさんの攻撃は、確かに早いけど、決め技以外はそんなに重くない!)」

 

いくら前に出ても、躱され、反撃を受ける。それでも前に進み続ける。

 

「だったら―――」

 

拳が交錯する。

 

「相打ち覚悟で反撃できます!」

「う、く……!」

 

よりライフを削られるのはヴィヴィオだ。

 

自らの拳の3倍近いダメージを受け、ヴィヴィオの防御が一瞬だけ緩くなる。

 

「ここッ!! 空牙!!」

 

すかさず繰り出したミウラの蹴りが、ヴィヴィオを切り裂いた。

 

衝撃に踏ん張ることが出来ず、ヴィヴィオの体が後ろに飛ばされた。

 

「―――!!」

 

リングの外、スタジアムの外壁にめり込むほどの勢いで激突する。

 

《何と言う事でしょうか!! ガードの上から吹き飛ばすこの威力!! たった2発でライフの30%を削られてしまった! ヴィヴィオ選手、危険か!?》

 

レフェリーが慌てて駆け寄るが、

 

「(だ、ダメだ。もう我慢できない……っ)」

「ヴィヴィオ選手、試合の続行は―――え?」

 

その顔は苦悶の表情ではなく、

 

《え、笑顔!? ヴィヴィオ選手、満面の笑みを浮かべています! いや、ミウラ選手も笑っている! これはいったい―――?》

「ですよね!」

「はいっ! ですね!」

 

実況も置き去りにして、2人だけで、言葉も使わずに通じ合う。

 

ヴィヴィオは試合中、真面目な顔をしていないと失礼に当たると思い、楽しい表情を我慢することにしていたのだ。

 

しかし、ミウラの凄さを体感して我慢が出来なくなってしまった。

 

ファイトスタイルの嚙み合う者同士、一瞬も油断できない戦いで2人の心が通じ合い、ヴィヴィオにつられてミウラも笑ったのだ。

 

《格闘戦技使い同士の試合は、開幕からダウンを奪い合う激しい試合! しかしリングアウトから復帰したヴィヴィオ選手、待ち受けるミウラ選手ともに笑顔です! ラウンド1は残り2分。試合再開です!》

 

試合はまだまだこれからである。

 

《さあ、リング中央、激しい打ち合いが続いています!》

 

ミウラの拳を防御し、受け流し、反撃の拳を叩きこむ。細かく削っていくヴィヴィオに対して、ミウラはどんどん前に出る。

 

被弾を覚悟で前に出て、防御の上からどんどん打ち込む。しっかり受け止めているはずなのにガリガリとライフが削られていく。

 

腕へのダメージも蓄積していく。

 

やがてガードが外れ、ヴィヴィオのボディに拳が突き刺さった。

 

《ミウラ選手、ボディブローが炸裂!! さらに追撃を仕掛けますが……》

 

ヴィヴィオのステップはまだまだ素早い。ダメージを感じさせない動きで、これまで以上にしっかりと間合いを取る。

 

甘く踏み込んだミウラの顔面に、ヴィヴィオのカウンターが入る。

 

軽い脳震盪のクラッシュが入ったミウラの足から一瞬、力が抜ける。

 

「ここッ!!」

「まだッ!!」

 

ここを好機と踏み込んだヴィヴィオ。踏ん張って歯を食いしばったミウラ。2人の拳が交差した。

 

ここで1ラウンドが終了する。

 

前の試合に比べれば派手さは無いが、堅実な、それでいて拮抗した試合に観客は変わらない声援を送っている。

 

激しい格闘戦は、まだまだこれからだ。

 

――――――チャリン、チャリン

 

 

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