※この作品はR-18です。

異世界ハーレム奮闘記   作:文房具

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アリアのお母さん (アリア)

電車に揺られ、俺たちはアリアのお母さんが収容されている刑務所へ向かっていた。

 

今日もクロは小学校の友達との約束があってここにはいない。こうして聞くと学校の友達ができて本当に良かった。

 

ま、あいつ猫かぶるの上手いし素の状態で接しているのかはわからな―――くはないな。これだけ頻繁に遊んでるってことは。面倒だったら適当に理由をつけて断ってるか。

 

狂三も何かしら調べることがあるらしい。彼女は彼女でこの事件について調べているらしい。

 

それよりもアリアだ。どうにも落ち着かない様子で、しきりに自分の姿を電車の窓を利用して確認している。

 

聞いてみると、ここの所、武偵殺しの調査のせいで会いに行けていなかったらしい。服装ももちろん制服ではなく白いワンピース姿。おでこもばっちり出している。

 

このソワソワしている感じが新鮮だ。

 

「先輩、わかってると思いますけど、さすがに神崎さんのお母さんには……」

「そんなに信用ないのか……」

 

雪菜の言葉が大きく心をえぐる。まさか人妻にまで手を出すと思われているとは。いくら何でもそこまで節操なしではない(2人の女の子と関係を持っている男の戯言)。

 

ちなみにいうと、アリアには俺たちの関係は話していない。いっても意味がないと思うし、アリア自体、恋愛なんてくだらない、興味ないってタイプの奴だしな。

 

休日だということもあってか、電車は中々に混んでいる。満員電車ほどではないにしても隣の人とぶつかりそうなくらいだ。

 

乗った時からこんな感じだったから俺たちは扉の近くで一塊になっている。みんなと他の人との間に立って壁の役割になることも忘れない。痴漢にでもあったら大変だからな。このメンバーだったら普通に撃退しそうだけど。

 

目的地まであと3駅といったところ、俺たち側の扉が開く。そこからたくさんの人がなだれ込んできた。

 

あれよあれよと人の流れに流されてしまい、いつの間にか、俺はみんなとはぐれてしまっていた。

 

「うわぁ……これはこれは……」

 

さっきまであった余裕が完全になくなり、人と人が圧迫されあっている状態になってしまった。

 

この超満員状態。通勤ラッシュの時間帯でもない、休日に出くわすとはツイてないね。

 

こうなってしまってはしょうがない、切り替えて目的の駅で降りることができるかを考えよう。そう結論付けて体から力を抜くと、俺の腕が突然引っ張られる。かなり小さく、細い腕だ。それこそ小学生くらいの。

 

「アリア?」

 

俺を引っ張ったのはアリアだった。

 

ぎゅうぎゅうに詰まっている人をかき分けて移動する俺に、周りの人が迷惑そうな目を向けてくる。不思議とアリアにはその目がない。小さいからだろうか。小さいからわずかな隙間に入っていけるのだろうか。

 

再び電車が揺れる。

 

カーブした作用で俺たちは同じ方向に揺られる。

 

「あ……っ!」

 

俺の手が挟まっていた。ここで過ごしているうちに少し日焼けして黒くなりつつある俺の腕が、アリアの白いワンピースの布地に。

 

布地と壁にではなく、布地と布地に。それが包んでいるのはふとももとふともも、さらに秘部だ。つまるところ、俺の手がアリアのアソコに押し込まれていたのだ。

 

ふにっ、と、柔らかさが手に伝わる。

 

「バッ、バカ! ど、どこ触って……っ!? ひぅ……っ! や……っ」

 

電車の揺れで緩急をつけるように。何度も何度も形を変える。

 

どのタイミングで来るかわからない揺れは、俺にその気がなくても不規則な愛撫のようなものになってしまっていた。

 

「そ、それ、ダメだって……! て、てぇ、ぬきなさいぃ……っ」

 

手を抜こうにもアリアがすごい力で太ももを合わせているため俺の手は空間のある方向へしか動かすことができない。

 

最低2枚の布に隔てられているはずの秘肉、しかし、この世界に来ての経験が、手を押し込んだ時のあそこの感触をしっかりと感じ取っていた。

 

少し離れた瞬間に腕を抜こうとすれば、

 

「ふっきゅっ……!?」

 

タイミングよくまた押し込まれ、それだけでなく、腕を抜こうとしたために押し込むだけでなく擦り上げる形になりアリアの吐息が聞こえる始末だ。

 

いつの間にか離れろと言っていたアリアは俺の胸に顔を押し付けて、声が漏れないように必死になっていた。

 

「ゆ、許さな、いから……っ、電車降りたら、覚悟、しなさい……っ!」

 

耳まで真っ赤にした顔で睨みあげてくるアリア。とっくにズボンを押し上げていた俺の息子がその表情に反応してしまう。

 

《次は○○駅。次は○○駅》

 

ようやく目的の駅だ。少し肩の力を抜く。そのため、止まるときのブレーキに対応できなかった。

 

柔らかい盾に隠されていた、秘部の中で一番硬いところ。度重なる刺激で無防備にも顔をのぞかせていたソコを最後の最後に思いっきり押し込んでしまった。

 

「ふっきゅううううううううううっ……!?」

 

 

 

 

 

 

扉が開き、俺たちは解放された。たくさんの人が押し込まれていたせいか少しかいた汗が、外の風に冷やされる。

 

意を決してアリアに声をかける。怒ってるのはわかるけど、だったらなおさら早く謝らければ。放置すれば放置するほど、爆発の威力が大きくなりかねない。そもそもあれは俺が悪いわけだし。

 

「ア、アリアさん? ちょ、ちょっと? どこ行くんだ?」

 

俺の言葉を無視してスタスタと歩いて行ってしまうアリア。そんなに怒っているということだろうか。アリアだったら電車から出た瞬間、発砲するくらいのことはやってくるもんだと思ってたのに。

 

これは、どうするのが正解なんだろう。このまま謝り続けるのか、それとも一度黙る――

 

パチーーーーーーーーーン!!!!!!!

 

銃声じゃないぞ。見事な平手打ちが俺の頬をとらえた音だ。

 

平手打ちって、下手すると鼓膜が破れる可能性があるらしいけど大丈夫だよね? 俺の体、空中で一回転して耳がキーンって言ってるんだけど?

 

平手打ちのあまりの威力に目を白黒させていると、顔を真っ赤にしたアリアが振り返った。

 

「トイレよ! バカ!!」

 

言い放って早足で行ってしまった。

 

そのあと、アリアに追い掛け回されたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほっぺに(手のひらの大きさの関係で)小さな紅葉を作った俺は駅から歩くこと十数分、目的の場所に到着した。

 

この島にはこういった施設はいくつかある。海のど真ん中にあるここはむしろ、大陸よりも逃げにくくなっているからだ。

 

さらに噂では、この島にはさらに上位の犯罪者を収容している施設があるらしい。

 

足取りに迷いがないアリアの後ろに続いて歩みを進めていく。受付の人も、アリアを見慣れているみたいだな。それだけここに来ているってことか。

 

通された部屋はドラマでよく見るようなところだった。

 

アクリル板が部屋の中央を真っ二つに分けていて、向こう側には簡素な扉がある。絵に描いたみたいな面会室だな。

 

しばらく待っていると、一人の女性が現れた。

 

この女性が『神崎 かなえ』。アリアの母親であると同時に、懲役864年の冤罪を着せられている人物。

 

アリアと、俺たちが助けようとしている人だ。

 

母親というより、年の離れたお姉さんの感じだ。ラノベの法則に従ってるな。明らかに実年齢と見た目があってない人。特に誰かのお母さんってパターンが多い。

 

そして実際見ると、この人が懲役864年分の犯罪を犯しているとは思えない。

 

連れてきた看守は後ろに控え、かなえさんは置いてあった椅子に座った。こちらのほうもアリアが席に座る。

 

今日は定期的に行っている定期報告と合わせて俺たちのことを紹介するらしい。

 

アリアはわかりやすく俺たちのことを紹介した。

 

「まぁ………この方たちがアリアのお友達なのね」

「ち、違―――わないけど……っ! その、なんていうか……っ」

「初めまして。アリアの友達をやっています。夜月 翔です」

「ちょっと!?」

 

さあ乗れ、みんな乗るんだ。このビックウェーブに! 言葉にしなくてもこの意思は通じるはずだ!

 

「同じく、姫柊 雪菜です。アリアさんにはとてもよくしてもらっています」

「同じく、結城 アスナです。アリアちゃんとは今度お買い物に行こうっていってます」

「み、みんな、もういいから……っ」

「ふふふ、みなさん、初めまして。アリアの母で『神崎 かなえ』と申します。娘がお世話になってるみたいですね」

「あはは。イヤ、ホントに」

 

最近は俺たちの家に住み着いてしまっている。女の子ガチャを回してないのに女の子が増えてしまった気分だ。

 

当然のように家事その他を丸投げしてくるし。キンジは大変だと思いました。

 

「んんっ!」

 

アリアは咳払いを使い、場の空気を切り替えた。

 

「ママ。面会の時間が少ないから手短に話すね。みんなとは武偵殺しの3件目、4件目の事件を一緒に解決したの。3件目は自転車に爆弾、4件目はバスだったわ」

 

アリアは早口で言っていく。かなえさんの表情が固くなる。

 

「奴の活動は急激に活発になってきているのよ。もうすぐ尻尾を出すはずだわ……違うわね、尻尾をつかんで見せるわ。だからあたし、狙い通りまずは武偵殺しを捕まえる」

 

アリアは席を立ち上がる。

 

「奴の件だけでも無実を証明すればママの懲役864年が一気に742年まで減刑されるわ」

 

それでもまだ750年近くあるのかよ。

 

そして120年分もどんな罪を重ねたんだ。いったいどんなことやらかしてるんだ、武偵殺し。

 

「最高裁までの間に、他も全部なんとかするから。ママをスケープゴートにしたイ・ウーの連中を全員ここにぶち込んでやるわ」

 

激しい怒りを持った目だ。いつもの癇癪のものとはまるで違う。

 

思わずこっちまで緊張してしまいそうになったが、さすが母親というべきなのか、かなえさんは落ち着いた様子だ。

 

目を閉じてアリアの言葉を飲み込んだかなえさんは、ゆっくりと目を開けてこんなことを言いだした。

 

「アリア。気持ちは嬉しいけどイ・ウーに挑むのは早いわ。それよりもパートナーは見つかったの?」

「そ、それは……」

 

かなえさんの話題の切り替え方、武偵殺しのことはほとんど頭にないな。アリアもアリアで、さっきまであんなに意気込んでたのにみるみる小さくなっていく。パートナーについての話題はそのくらいアリアにとっては鬼門だってことだな。

 

パートナー。アリアの一族は、代々自分の能力をよりよく引き出してくれるパートナーを見つけ、ともに行動することになっている。

 

ところがアリアは、この性格ゆえにそういった相手を見つけることができず、一族の中でも肩身の狭い思い、もっと言ってしまえば見下されてしまっているのだ。

 

っと、あれ? なんでアリアは俺達のことを見てるんですか?

 

「……いるわ、ここに。みんなは十分に強いの。ほかの連中と違って、私のことも避けないでくれる。この中の誰かがパートナーになってくれれば……っ!」

「アリア」

「ッ!!」

 

かなえさんの一言で、アリアの口が閉じられる。

 

「パートナーはそうやって決めるものではないの」

 

厳しい一言だった。

 

その言葉を受けたアリアはうつむき、かなえさんも何も言わなくなってしまった。当然、俺達も口は挟まない。というか、挟めない。

 

面会室が無言になる。

 

何分間そうしていたんだろうか。腕時計を見た看守が立ち上がって、かなえさんの腕を引っ張った。

 

「神崎。時間だ」

 

「やめろッ!ママに乱暴するな!」

 

アリアはアクリル板をたたいて抗議するがまったく応じることはない。そんな看守は俺と目が合い、

 

「ひッ!?」

 

……なんで? ひどくおびえた表情で後ずさった。人の顔見てその反応はないよ。

 

看守はかなえさんを急いで放す。俺の顔見ただけでそこまでするのかよ。

 

「え、と、ありがとうございます、翔さん。でも、そういうことはあまりしないほうがいいですよ?」

「……はい?」

 

最後の最後に謎な言葉を残したかなえさんは、一礼して部屋を出た。

 

「……俺、何かしてたか?」

「いえ、特に何もしていなかったと思いますが……」

 

隣にいた雪菜に聞いてみるが雪菜も同じく首をかしげていた。もしかして、俗にいう殺気的なものを出していたのかと思ったけど違うのか? そうだとしたら、雪菜とかアスナがわかんないわけないし……。

 

「まあなんにせよ、翔君のおかげでアリアちゃんのお母さんは乱暴されなかったってことだよね!」

 

アスナは何とか、場の雰囲気を明るくしようとしている。そういうことに、なるのか?

 

かなえさんが出て行ってまたテンションが低くなってしまったアリア。

 

「アリア、今日は帰ろう」

「……ん」

 

すっかり力の抜けた様子で椅子から立ち上がった。

 

そのあと俺たちは何とかアリアを元気づけようとしたが無駄だった。気まずくなった俺たちは帰ることにした。今日は俺達の家には帰らず、自分がもともと住んでいたところに帰るらしい。

 

結局その日、別れて姿が見えなくなるまで、アリアが元気を取り戻すことはなかった。

 




そろそろ武偵殺し編も終わりに近づいてきました。
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