※この作品はR-18です。

異世界ハーレム奮闘記   作:文房具

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カメンライド2009

門矢 士は旅人だが、同時に仮面ライダーディケイドだ。次元を渡る旅で何人もの仮面ライダーを見てきた。仮面ライダーではない、まったく別の戦士も見てきた。

 

そんな士にとっても、仮面ライダージオウというのは特別だった。

 

自分と同じように何人もの仮面ライダーの力を持ち、最強のライダーになる可能性を持つ存在。

 

前に見た仮面ライダージオウにはいくつもの可能性があった。孤独に覇道を極めた可能性も、仲間と共に決められた未来を乗り越えた可能性も。

 

「(今度はどういう存在になるのか、見極めさせてもらうぞ)」

 

今回1つ懸念があるとすれば、今までとは変身者が違う事だった。

 

私欲のままに振るえば世界を混乱させてしまうほどの力だ。邪悪な意思があればその時は、と思っていた。

 

邪悪な意思が無くとも、独善的な覇王になってはいけない。そう思って翔を観察してきた。

 

行動力があり、正義感もあるが、やや合理的になりやすい部分がある。時には周りを考えない行動をとってしまうこともある。それは危険な兆候だったが、

 

「いいだろう。そうやって、周りにいる奴らが支えてくれるならな」

 

別に士も、完璧を求めていたわけではない。

 

雪菜やコッコロ、口ぶりでは他にもたくさん、翔の支えになる存在がいる。足りない部分は周りに支えてもらえばいいのだ。

 

士も、そうやって仲間に支えられて旅をしてきたのだから。

 

「もっとも、女ばっかりっては、少し気になるところだがな」

 

ぼやきながらも、その手にはとあるアイテムが握られていた。自らの力の半分ほどを込めたアイテムだ。

 

見極めは済んだ。後は先輩として、少しだけ力を貸してやるだけだ。

 

「少しの間貸しておいてやる。おい、ジオウ―――夜月 翔!!」

 

士は大きく振りかぶった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、ジオウ―――夜月 翔!!」

 

「え?」

 

士が声を張り上げている。

 

「受け取れ!!」

 

士から投げられたものを受け取る。

 

それは―――

 

「ウォッチ、なのか……?」

 

始めは困惑した。何せ、今まで集めてきたウォッチとは形が違う。だが、

 

《DE DE DE DECADE!》

 

今はこいつに賭けるしかない。

 

「やってやるさ!」

《ZI-O!》

 

ジクウドライバーを腰につけ、2つのウォッチを装填する。

 

「変身!!」

 

《RIDER TIME! 仮面ライダーZI-O!》

《ARMOR TIME!》

《KAMENRIDE! DECADE! DECADE! ―――DECADE!》

 

ディケイドの変身と同じように、ディケイドのアーマーが俺に重なり合うようにして装着された。

 

ジオウの姿はアーマーの分一回り大きくなる。今までに比べると、より原型に近い姿だ。明確に違うのは頭部。平べったい画面に顔が映し出されるような形になっている。

 

「祝えッ!! 全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え過去と未来をしろしめす時の王者ッ!! その名も仮面ライダージオウ、ディケイドアーマーッ!! また一つ、特別なライダーの力を受け継いだ瞬間であるッ!!」

「お前、やっぱり言うんだな……」

 

後ろからは、待ってましたと言わんばかりのウォズの祝いの言葉が聞こえてきた。

 

「先輩、無事なのはよかったんですけど……」

「これは喜ばしいこと、なのでしょうか……?」

「ホント、どうなってんのよ……」

 

雪菜達はやっぱりこういう反応になるよな。そう言えば、ウォズの祝いの言葉を2回聞いた娘って今のところいないんじゃないのか?

 

《ライドヘイセイバー》

 

「専用武器まであるのか」

 

このまま反撃、といきたいところだけど、バオウ・ザケルガを使った反動か、体言う事を聞かなくなり始めている。

 

それにディケイドアーマーを身に着けたからと言って技量でシャーロックを上回ったとも思っていないからな。剣で斬りかかったらあっけなく返り討ちにされるだけだろう。

 

必要なのは小細工ごと撃ち抜ける圧倒的な火力だ。未完成のバオウでは貫けなかった防御をブチ抜けるほどの。

 

最初から必殺技をかます。それ以外に道は無い。

 

その前に気になっていることがある。ディケイドウォッチの形状だ。

 

「これ、もしかして―――」

 

ディケイドウォッチは他と形状が違う。つまり、

 

「こういう事か?」

 

俺はオーズウォッチを起動し、ディケイドウォッチに装填する。

 

《OOO》

《FINAL FROM TIME!》

《O・O・O OOO!》

 

ディケイドアーマーがさらに変化した。

 

メインのアーマーはそのままに、各部がオーズのタジャドルコンボのものに。

 

「なるほど、こうやって違うライダーの力も使えるってことか」

 

それも、ただカメンライドするだけじゃなくて、強化形態だ。流石ディケイド、大盤振る舞いだな。

 

「いくぞッ!!」

 

ディケイドウォッチについているボタンを押す。

 

《O・O・O OOO! FINAL ATTACK TIME BREAK!》

 

その音声と共に、俺の背中に翼が形成される。炎で出来た不死鳥の翼だ。

 

《RYUKI》

《FINISH TIME!》

 

龍騎ウォッチをライドヘイセイバーに装填する。

 

剣についている時計の針を回した。

 

《HEY!! RYUKI!》

《SCRAMBLE TIME BREAK!》

 

待機音声が流れ始め、さらに俺の後ろ、空中にできた鏡からドラグランザーが出現する。

 

――――――GYAAAAAAA!!!!

 

ドラグランザーが俺の周りでとぐろを巻き、不死鳥の翼と混ざり合った。

 

「炎か……」

 

俺の周囲に圧縮されていく炎に、シャーロックの顔が引き締まる。

 

「――――――!!!」

 

俺は渾身の力でライドヘイセイバーを振り下ろした。不死鳥の翼を形作る炎を巻き込み、圧縮され、3枚のメダル状の形になる。

 

―――GYAAAAAA!!!!

 

さらにそこにドラグランザーがブレスを吐きかける。

 

タジャドルコンボとサバイブの力を組み合わせた最強の火炎攻撃だ。

 

炎に包まれたメダルがシャーロックに迫る。

 

「はっ!!」

 

ここまで気合の入ったシャーロックの声は、今回の戦闘で初めて聞いた。

 

周囲の気温が急激に下がり、霜が降り始める。先ほど海を凍らせた凍結の超能力だ。だが下がった気温は俺の攻撃が通り過ぎると急上昇する。

 

作り上げられた氷の壁を溶かし、シャーロックへと命中した。

 

派手な爆発が起こった。

 

爆炎のせいで攻撃の結果が分からないが―――やがて拍手が聞こえてきた。

 

「まわりにICBMがあるにも関わらず火を使うとは……誘爆すれば我々はひとたまりもなかったよ」

 

シャーロックの声だ。皮肉を込めて言ってくれる。

 

「だが、実に見事だった」

 

ヤツは立っていた。服はボロボロになってはいたが。

 

「これは確かに僕の敗けだね」

 

自らの右手を見ている。右肩から先のスーツが無くなり、露出した腕全てが惨たらしく火傷していた。

 

「全然ぴんぴんしてるくせに、何言ってるんだよ」

 

今になって疲れが出て来た。今の攻撃ですらこのダメージとなると、少々うんざりした気持ちになってしまいそうだ。

 

「どんな攻撃が来るのか分かっていてここまでのダメージを受けた時点で、僕の完全敗北だよ。見事に推理を破られてしまったね」

 

シャーロックはICBMに乗り込んだ。

 

「それと君を殺してしまってすまなかった。あとでどうにか生き返らせようと思っていたんだが、その必要はなかったね」

「人を1回殺しておいて、ずいぶんと軽い謝罪だなオイ!!」

 

しかもそんな軽い調子で生き返らせるとか!

 

「ははは、本当に申し訳なく思っているよ。アリア君のためにも本当に手を尽くそうとは思っていたさ」

「は、ぇ!? アタシですか!?」

「ああ。今はそれでいいよ。これからゆっくりと理解していけばね……まあ、世界がそれを待っていてくれるかは分からないが……」

 

突然話を振られて動揺するアリアに、シャーロックは笑いかけた。

 

「ジャグラス君。君のことは本当に都合よく利用してしまったね。本当に済まない。そしてありがとう」

「良いのか、俺を野放しにして? 今、『緋弾』がどこにあるのか、俺は知ってるんだぜ? とりに行こうと思えば、いつでも取りに行けるんだ」

「僕の『緋色の研究』を聞いてそういう行動に出るのなら、それも仕方のないことだ。成功するかは……僕の口から言う事ではないか」

「……ちっ」

 

ジャグラスは顔を反らす。

 

「そう拗ねないでくれ。僕が君にあげた立場、それもうまく利用して欲しい」

「……」

 

あげた立場? いったい何のことだ? ……まあ、それは後で考えるとしてだ。

 

「ずいぶん素直だけど、今から死ぬつもりか?」

「『老兵は死なず。ただ、消え去るのみ』。私から教えられることはすべて教えたよ。さぁ卒業式の時間だ。花火で彩ろう」

 

シャーロックは笑い、ICBMのドアを閉めた。

 

「曾お爺様ッ!!」

「アリア様、いけません!!」

 

コッコロの静止を無視して、アリアはICBMに駆け寄る。

 

「アリア君、短い間だったが楽しかったよ。何か形見をあげたいところだが、申し訳ない。僕はもう、君にあげるものを持っていないんだ」

 

シャーロックの声が中から聞こえる。

 

「だから名前をあげよう。僕は『緋弾のシャーロック』という2つの名を持っている。その名を君にあげよう」

 

シャーロックは最後の言葉を言う。

 

「さようなら、『緋弾のアリア』」

 

ICBMがゆっくりと持ち上がっていく。

 

「アリア、危ないって!!」

 

俺は体を無理矢理動かし、上昇を始めたICBMに縋りつくアリアのもとに行く。

 

「もう離れないと!」

「嫌よ! 曾お爺様がどこかに行っちゃう……!」

 

アリアの目には涙が溜まっていた。アリアにとってシャーロックは神様のような人と言っていた。アリアにとってシャーロックは敵ではなかったのだ。

 

《翔君》

「曾お爺様!?」

 

格納庫のスピーカーからだ。

 

《アリア君のことをよろしく頼むよ。あまり他の女性にうつつを抜かしすぎないように》

 

余計なお世話だ。

 

《そうかい? 僕の推理ではこれからも女性関係でたくさん苦労するのだが……まあ君のことだ。今回の様に僕の推理を覆してくれることを期待するよ》

「いえ、それは絶対に的中する推理です」

「はい。間違いございません」

「雪菜さん? コッコロさん?」

《ははは、頑張ってくれたまえ、若人。それでは――――――離れなさい》

 

俺はアリアを無理やり引き離した。

 

「―――!!」

 

アリアが何かを叫んでいるが聞こえない。

 

一気に速度を上げたミサイルは、もの凄い速さで上昇した。

 

「黒影(ダークシャドウ)! 守ってくれ!」

 

アリア、雪菜、コッコロと一緒に、羽を広げた黒影(ダークシャドウ)に包まる。ロケットエンジンの熱は一瞬で通り過ぎた。

 

「曾お爺様……」

 

白い煙の軌跡を引きながら、何処までも高く昇っていくICBM。アリアはそれを呆然と眺めていた。

 

退場も派手だったが、これで終わったのか。

 

「先輩、終わったんでしょうか……」

「あるいは始まりかも?」

「もう、先輩は」

 

雪菜は困ったような顔をする。

 

「ははは」

 

全然冗談を言ったつもりは無かったんだけどね。

 

俺は変身を解除する。

 

「あ、そうだ」

 

手に持ったディケイドウォッチ。戦闘中のどさくさで渡されたけど、改めてお礼を言わないと。

 

「士! ……士?」

 

士はいつの間にかいなくなっていた。ウォズもだ。仕事は終わったって事だろうか。

 

だとしたら、

 

「ジャグラス」

「何だ?」

「今回は助かったよ。ありがとう」

 

イ・ウーのメンバーだったとはいえ、コイツの情報が無ければここに来れなかったのは間違いない。

 

「俺の目的は全く達成されなかったけどな。まあ、もっとも……」

 

ジャグラスはちらりとアリアを見た。

 

「もしもアリアに手ェ出したら、分かってんだろうな」

「そん時は、お前と戦うことになるか? ……はっ、馬鹿らしい。教授の推理を狂わせるような奴と戦ってられるかよ」

 

ジャグラスは後ろを向く。

 

「帰りはどうするんだ? 俺が学園島まで乗せて行ってやろうか?」

「海の真ん中にコイツを放置してはいけないだろ」

 

なんせ原子力潜水艦だ。イ・ウーの犯罪の証拠も残ってるかもしれないし、六課に連絡して来てもらわないと。

 

「そりゃ仕事熱心なことで。それじゃあな。また会おうぜ」

「次も味方でな」

「だといいがな」

 

そう言ってジャグラスも姿を消した。

 

「あれ? そう言えばアイツらの船にはパトラと遠山 金一がいたわよね?」

 

ジャグラスがいなくなってから、アリアが思い出したように言った。

 

「ああ、そうだっけな……」

 

俺もすっかり忘れてた。まあ逃げられてるだろう。

 

「まあいいわ。ママの冤罪を晴らすためにも、そのうち絶対に捕まえてやるから」

「その時は俺も手伝うよ」

「当たり前でしょ!」

 

アリアは笑って言った。

 

「アンタはアタシのパートナーなんだから!!」

「もちろんだ」

 

俺もそれに応えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もちろん、先輩は私の先輩でもありますけどね?」

「わたくしの主様でもありますよ?」

「お、おお、もちろん」

 

雪菜とコッコロもニコニコと言うのだった。

 

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