※この作品はR-18です。

異世界ハーレム奮闘記   作:文房具

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ロックマンエグゼ面白過ぎて執筆時間が……


禁書目録 編
禁書目録輸送ミーティング


「ここここここ婚約? ええっ!!?? 翔が!? ウソ!? え、ホント!? ホントに!? ど、どど、どういうこと?!」

「おやおや、これはこれは……」

「フェイトちゃん……」

「「……はぁ」」

「分かりやすくて、これはこれで」

 

これ以上なく狼狽するフェイトさん。

 

八神さんがニヤニヤと笑い、なのはさんも何とも言えない表情になっている。

 

後ろからは2人分のため息と、耀の楽しそうな声が聞こえて来た。

 

「……詳しく説明しますね」

 

フェイトさんにも同じことを説明した。

 

「は、はぁ~、なんだ、そうだったんだね。良かった~」

 

……良かった?

 

「翔君、ホントにいい加減にしたほうがいいと思いますよ? 見境なしなんですか?」

 

後ろから桜の冷たい声が聞こえてくる。

 

い、いや、そんなことを言われましても……

 

「はいはい! フェイトちゃんがこれ以上墓穴掘る前に、翔君は今度の移送について、ミーティングがあるからミーティングルームに行って。他の人は先に訓練場に向かってね。ララさんは……フェイトちゃん、時間あったら見ててくれないかな?」

「なのは? それはいいけど、墓穴って?」

 

まあまあ、とフェイトさんの肩を押して進んでいく。不満そうな顔をしたみんなも、この場では怒気を収めて訓練場の方向へ。俺はなのはさんと一緒にミーティングルームに。

 

俺達はそれぞれの場所に分かれるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

みんなと別れた俺は、六課のミーティングルームに来ていた。

 

「それじゃあ、当日の予定について説明するぞ」

 

前に立つのは蛇倉さん。部隊長は別の仕事に向かったのだ。

 

席についているのは俺、なのはさん、スバルさん、ティアナさん、蛇倉さんだ。

 

「今回はイギリス清教の重鎮、と言っていいのかわからんが、必要悪の教会では『禁書目録』と呼ばれている、『ナニカ』の輸送についてだな」

 

蛇倉さんが口を開く。

 

「ナニカって、何かはわからないんですか?」

 

早速スバルさんが手を挙げて質問している。

 

「イギリス清教の秘密兵器、魔導書図書館、色々な呼び方をされてる有名な一品だが、詳しいことはあまり知られてねぇな。名前のまま禁書の目録なのか、武器なのか、あるいはそういう能力を持つ人間なのか」

「ただ、魔術に対して最強に近い対抗力を持っている。というところはすべての噂に共通してるわね」

 

蛇倉さんの説明をティアナさんが補足した。

 

「つまり、イギリス清教の虎の子だ。そいつが国を離れて輸送されてくる。どこかの誰かに狙われてもおかしくないよな?」

「た、確かに!」

 

スバルさんが素直に頷いている。

 

狙われてもおかしくないんじゃなくて狙われるんだよ。もうそこは諦めないと。俺とネームドキャラクターが揃う出来事では何か起こる。

 

俺のある所に事件アリ。こう考えると、俺って死神ですか?

 

「ただ、極秘の輸送だから警備の人数は最小限。それは俺たちもそうだが。向こうは腕利きの魔術師を2人つけるらしい」

「2人……本当に最小限ですね……」

「ああ。次のページに行ってくれ」

 

言われた通りページをめくると、2人分のプロフィールが載っていた。顔写真付きで、簡単な経歴もまとめられている。ざっと目を通してみるが……うん、予想通りの2人組だ。安心したぜ。

 

「これがその魔術師だ」

「うわぁ……」

「えぇ……」

 

スバルさんとなのはさんが若干引いた反応をしている。この写真を見れば無理もないけど。

 

1人は男性。漆黒の修道服に赤く染め上げられた髪。10本の指すべてにゴテゴテとした銀の指輪が嵌められ、両耳にジャラジャラと提げた毒々しいピアスがたくさん。極めつけに右まぶたの下のバーコードのようなタトゥー。

 

もう1人は女性。比較的普通の服装だ。髪型も黒髪をポニーテールだし。ただ、Tシャツをへそが見えるように裾結びして、履いているジーンズの裾を片方、根元までぶった切ってるくらいで。

 

見かけで差別はしたくないが、何も知らずに街で見かけたら、絶対にお近づきになりたくない風貌をしている。

 

おなじみ、ステイル=マグヌスと神裂 火織だ。インデックス絡みでこの2人が出てこないと逆に不安になるからな。

 

「す、すごいですね、魔術師の人って……」

「そうだね……」

「あ、そっか。救助隊と教導隊だと、あんまり魔術師と会う機会はないのか」

 

唯一ティアナさんは、2人の格好を見ても驚いていなかった。

 

「捜査してるとね。割と見ることがあるのよ、魔術師」

 

執務官であるティアナさん、それからフェイトさんは凶悪犯罪を担当することが多い。各地で様々な捜査を行っているのなら、そういった経験が豊富でもおかしくはない。

 

「最初は私も驚いたけどね。こういうのって、魔術的な意味? があるらしくて。向こうにとっては普通の恰好なんだって」

「ふーん。アタシ達のBJみたいなものなんだね」

 

そう言えば、スバルさんのBJもへそ出しのローラースケートだもんな。あの格好だって、相当ヤバい。BJに違和感ないのは、単純にBJを着用している人が周りにたくさんいるからだ。

 

「そうだね! 変な格好だって思っても何も言わないようにするね!」

「アンタ……絶対に言うんじゃないわよ……」

 

ティアナさんは怖い顔で念押ししている。

 

「奴さんはプライベートジェットでこっちに来ることになっている。民間機じゃない。乗っているのは禁書目録と向こうの魔術師が1人。ステイルって奴が乗ってるな。もう1人は空港で待機する手はずになってる」

 

蛇倉さんの説明を頭の中で嚙み砕く。

 

つまり空港にいるのは神裂か。飛行機に乗ってるのはインデックスとステイル……あれ?

 

「パイロットは乗ってないんですか?」

「乗ってないな。AI制御のオートパイロットだ」

 

俺の質問に蛇倉さんは資料をめくって答えた。

 

「多分、情報の秘匿のために、輸送に関わる人数も最小限にしてるんだね」

「高町さんの言う通りかと。だが、機械制御にすると、それはそれで弱点ができる」

 

ハッキングされたりってことか。

 

「そうだな。AI制御の機械で専門家が乗ってないってのは、それだけ電子的な攻撃に対して無防備だってことになる。同乗してるっつー魔術師が、スーパーハッカーだっていうなら話は別だけどな」

「それはもう、機械が苦手とか、苦手じゃないとか、そういう次元じゃないですよね……」

 

魔術師はなぜだかは知らないが、機械の類が苦手という人が多い。中にはそうじゃない人もいるかもしれないが、ハッキングを防げるレベルでPCに強い人はいないだろう。

 

最悪、コントロールを乗っ取られれば、墜落の危険もある。

 

「しかも面倒なのは……これだ」

 

ディスプレイが操作され、学園島の全体図が映し出される。島を一直線に横断する形で線が引かれている。

 

「立地的な条件で、こうして島の上空を飛ぶようなルートになってる。島に墜落したら一大事だな」

「えー!? ぐるっと海の方を飛んでもらうことはできないんですか!?」

 

スバルさんが指でディスプレイをなぞる。島の外の海上を飛ぶような形に。

 

「他の便との兼ね合いで出来ないな。せっかくこっそり運んでるのに、通常便の予定を変えちまったら、そこに何かありますよって言ってるようなもんだろ?」

「それはっ、そうですけど……」

 

人命が危険にさらされることが、スバルさんには我慢できないらしい。

 

「それに市民さまが安心して暮らせるように、俺たちが仕事をするんだ。そうだろ?」

「……はい。そうですよね!! 頑張ります!!」

 

むん! とやる気を込めるスバルさん。蛇倉さん、スバルさんを乗せるのがうまいもんだ。

 

「よし! つー訳でスバルとティアナは空港待機だ。不審者の捕縛、飛行機にトラブルがあった場合の対処、その他諸々だ」

「「はいっ!!」」

 

2人が声を揃えて応える。

 

「そして翔となのはさんだが、2人は六課で待機。主に空戦を想定している」

「飛行機に何かあったら飛んで行けってことですね?」

「そうだ。どちらのチームも臨機応変に対応してくれ」

 

『何が』起こるのかわからないからな。だが『何か』は起こるという勘がある。悲しいことに、この勘は当たってしまうことになりそうだ。

 

「なのはさん、よろしくお願いします」

「うん。こちらこそ。後ろは任せてね」

「……俺には当てないで下さいよ?」

「にゃはは。そうならないように、しっかり連携訓練しておかないとね?」

 

そういう形で、打ち合わせが終了するのだった。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

翔が打ち合わせに出席している頃、ララとフェイトは食堂の中でくつろいでいた。

 

最初のうちはお行儀よく待っていたララだったが、今では暇を持て余してしまっていた。

 

「あー……翔まだかなぁ。何にもすることがなくて暇だよ~」

「あはは、でも打ち合わせが終わったらそのまま訓練だから。しばらくは一緒にいれないと思うよ?」

「頑張ってる翔の姿は見たいから大丈夫!!」

「そ、そっか……」

 

キラキラとした笑顔に

 

フェイトは慎重に口を開いた。

 

「ね、ララさん? 翔と、こ、婚約? したいっていうのは、どうなの、かな?」

「え? どうって?」

「どうっていうのは、その……」

 

フェイトも自分の中の考えをうまく言葉にできないでいた。出て来たのはありきたりな質問だった。

 

「翔の事、好きなのかなって」

 

口に出しただけで、恥ずかしさで顔が熱くなる。そんな問いに、ララはあっけらかんと答えた。

 

「あ~、それね~」

 

フェイトはララから昨日の事件のあらましを聞いた。フェイトも昨日ララの誘拐未遂が起きたのは知っていたが、その場でどのような言葉が交わされたのかは、初めて知ることになった。

 

「それでね。その時から翔のことを見るとドキドキするようになっちゃって。結婚するなら翔しかいないって思ったんだ」

「そうなんだ。翔らしいね」

 

ニコニコと語るその態度を見れば、経験の無いフェイトでもわかってしまう。

 

ララが翔に恋してしまっていることが。

 

「(そうだよね。そんなこと言われちゃったら、王女様が婚約者にしたいって思うのもしょうがないかも)」

「翔って他の人にもああいう事言ってるのかなぁ?」

「そうだね……結構色々な人に言ってると思うよ」

 

フェイトがぱっと思いつくだけでも、その数は片手では足りないくらいだ。周りにいる女の子全員がそうだとすると、10数人規模だ。

 

「そっかぁ、じゃあ他にも翔と結婚したいって思ってる人いるかもしれないね」

「そ、そうだね……」

 

結婚まで考えている人が何人居るのかは分からないが、少なくとも翔のことが好きだと言う人には何人も心当たりがある。

 

「じゃあ翔は、その人達の誰かと結婚したいって思ってるのかな?」

「ど、どうなんだろうね? 翔もまだ高校生だし、あんまり結婚とか考えてないんじゃないかな?」

「かなー……」

 

王族である自分と一般市民の価値観の違いに、まだララは慣れていない。

 

「でもやっぱり、このドキドキって翔のことが好きってことだよね」

「それは……」

 

フェイトは頷けなかった。だがそれは、経験がない自分が無責任なことは言えないと思ったからであり、心の中では理解している。

 

「でも、これが好きって事だったらうれしいな」

「え?」

「だって昨日から、ドキドキするようになってから、ずっと楽しいんだもん。翔といろんな楽しいコトして、翔も私にドキドキしてくれるようになったら、すごくうれしいなって」

「(ま、まぶしい!! うう、こんなことなら、私も学生時代にもっと経験しておけばよかったかなぁ……)」

 

仕事や執務官試験の勉強に明け暮れた自らの青春時代を思い出し、少しだけブルーになるフェイト。そんなフェイトにララは問いかけた。

 

「フェイトにはそういう経験ないの? 誰かのことを考えて、ドキドキすることって」

「ううん、私には―――」

 

否定しようとして、

 

「(……あれ?)」

 

重要なことに気が付く。

 

「(私も、翔と会う時にドキドキしてる……?)」

 

どきん、と心臓が跳ねた。

 

多い。恋を恋と自覚出来ていないララと、自分と共通点が。

 

「(つ、まり? 私……私も、翔のことが、好―――)」

 

その結論に到達する直前、フェイトの思考が正体不明の感情で沸騰する。

 

「(いやいやいや! ないよね! だって翔だし!! ヴィヴィオのお友達のお兄さんで、今は一緒に働く同僚ってだけなんだし!! そうだよ! 大体、年だって結構離れてるし!! エ、エリオと同じくらいなんだよ? そんな相手に、そんな……)」

 

いくら言い訳を重ねてても、心臓の鼓動はどんどん早くなっていく。

 

その様子に気が付いたララが、心配そうに首を傾げた。

 

「どーしたの? 顔、真っ赤になってるよ?」

「へっ!? あ、そ、そっかなぁ? あはは~……た、確かに暑いかも~!? 汗までかいてきちゃったっ」

 

少し胸元を上げて、手で顔を扇ぐ。だがそんなものでは、火照った顔は全く冷やされない。むしろ他人に指摘されたことで汗までかいてきた。

 

「ホントにへーき?」

「うん! 大丈夫だから気にしないで!!」

「そっか。それで、フェイトは経験ある?」

 

ララは改めて問いかける。

 

「そ、そうだね……学生時代は全然、そんなことなかったよ? あっ」

「そっかー、そうなんだね」

「あ、うん。そうだよ……ほっ」

 

思わず『学生時代は』という言葉をつけてしまったことに焦ったフェイト。ララが細かい言葉尻をつつかない性格だったから助かっていた。

 

一安心したフェイトだったが、

 

「あっ、翔だ!」

「ッ!!??!?」

 

再びフェイトの心臓が飛び跳ねる。

 

「そっ、それじゃあ、翔も来たし私は行くね!!」

「え? うん、それじゃあね~」

 

急に立ち上がったことで、床と椅子が擦れ不快な音をたてたが、そんなことを気にしてはいられない。

 

「あ、フェイトさ―――」

「ごめん翔っ、これから仕事があるから!!」

 

返答を聞かず、逃げるように隣を通り過ぎた。爆発しそうになる心臓を押さえながら。

 

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