「オルタ様、遅いですね」
「そうですね……」
オルタが翔の様子を見に行くといってキッチンを出てから、すでに10分以上が経過していた。翔の部屋に向かう程度なら1分あれば十分。何かを話し込んでいるにしても、オルタが長々と無駄話をするとは思えない。
当然、この2人は知らなかった。この時オルタが鏡越しに翔のチンポに犯され、無様にも廊下でイキ果てていたことを。噴き出した愛液で汚れた服や廊下の処理のために、翔の部屋に行くこともキッチンに戻ることもせずに奔走していることを。
この時のオルタは相当焦っていたが、事情を知らない2人はただ不安に思うだけだった。
「……様子を見に行った方がいいでしょうか」
特にアルトリアは自分の分身ともいえるオルタが帰ってこないことに、直感めいたものを感じていた。
「(最悪の場合、すでに敵にやられているかもしれないですね。オルタに限って、まさかとは思いますが……)」
もっとも、想定していたのは敵襲の可能性であり、不意打ちで犯されていた可能性など微塵も考えていなかったが。
「そうでございますね。わたくしたちも一度、様子を見に行った方がよいかもしれません」
コッコロも同意して調理の手を止める。
「それでは2人で行きましょうか。別々に行って連絡が取れなくなる方が愚かです」
「はい。それでは……」
頷きあった2人は、翔の部屋へ向けて出発するのだった。
――――――――――――――――――――――――――
「んっ……」
「う、く……っ」
射精の直前に鏡から引き抜かれたチンポは、今度は狂三の口に飲み込まれていた。
追加の刺激は必要ない。引き抜かれた時点で竿を精液が昇ってきていたのだ。むしろ狂三がペニスを口に含むまで我慢するほうが大変だった。
亀頭が飲み込まれた瞬間に放たれた白濁液は残らず狂三に飲み込まれ、最後の一滴まで吸い取られた。
「ごちそうさま、ですわ」
「そりゃよかったよ」
狂三が満足そうに舌で唇を舐めていた。
「あとでオルタに何を言われるか」
「この鏡のことを知られなければ、何も言われませんわ。それに翔さんだって抵抗しなかった時点で同罪ですもの」
俺は布団の上に無造作に転がっていた鏡を手に取る。手に取っただけでなく、そのままそれを見続ける。
「……何を見ているんですの」
狂三が警戒した様子で問いかけてくる。俺には一度、パンツをこっそり覗き見たっていう前科があるからな。その反応は間違ってはいないが今回は違う。
「オルタの様子だよ」
そう言って俺は鏡を見せる。そこにはオルタの様子が映し出されている。局部のアップでもバストアップ写真でもなく、大きく引いた映像が映っている。オルタだけではなくその周りの様子も分かるように。
廊下を歩くオルタの手には湿ったタオルが握られている。洗面所から持ってきて、つい先ほど床をふいたものだ。あれにはオルタのアソコから噴き出した恥ずかしい液体がこれでもかと染みこんでいる。
床の処理を済ませたオルタ。次は自分の服を着替えるつもりなのだろう。その足は自室へと向かっていた。下半身がぐしょぐしょの状態で俺たちの部屋に来ることはないだろう。
「随分と使いこなしていますのね」
「慣れてきたんだな」
そして慣れれば慣れるほど思う。このアイテムはヤバすぎる。
相手のプライバシーも何のその。不思議な鏡なんて生易しいものじゃない。相手の様子をいつでもどんな角度からでも見ることが出来る、どこでも監視カメラだ。
良識ある使い方をしなければ……え? もう遅いって? そうかもしれないな……
俺は鏡の接続を切った。こうすれば何の変哲もない鏡なんだけどなぁ。
「それで、どうする?」
「そうですわね……」
俺達は2人で考え込む。
どうするというのは、このまま行為を続けるのかということだ。
オルタは今の『処理』を終わらせるまでは部屋に来ないだろうけど、それは結局、時間稼ぎにしかならない。むしろ異常なことがあったのだから、超特急で処理を終わらせてくるだろう。
そうなると、ゆっくり行為をするのは難しい。途中で乱入されるのは間違いない。
「ですわね……残念ですが、今日はここまでということで。幸い、たくさん頂けましたし」
「そっか。ま、4回もしたからな」
「……あまりそういうことは言わないで下さいまし」
狂三の顔がさっと赤くなる。俺に犯されていた分身達の痴態を思い出したのかもしれない。言っとくけど、そのやり方を提案してきたのはそっちだからな?
「や、でも革命的な使い方だったな。主に悪い方向で」
いくら一度繋がったことがある相手だとしても、突然断りなく行為に至るのはやっぱりマズいだろう。
「ですが、こっそりするにはこれ以上ないやり方ですわ」
「狂三もやってみたいか?」
「え? わたくしが?」
「試しに挿れてみるか? オルタが入って来ても外からじゃ分かんないんだし」
狂三だって、このまま終わるのは苦しいんじゃないのか? とは口に出さなかった。4回したとはいったが、目の前の狂三とは1回もしていないのだ。
昂った体をそのままにして帰るのは狂三も我慢ならないだろう。
「そ、そう、ですわね。じゃあ、一度お試しで……」
狂三はあっさりと折れた。
「それじゃあ」
「……元気になりすぎですわ」
再び反り返ったペニスを鏡の中に差し込む。鏡はすでに狂三の下腹部に繋がっていた。糸を引き少し口を開けている秘肉が俺のペニスに食いついてくる。早く挿れて欲しいと懇願していた。
「じゃあ、行くぞ」
「はい……っ」
俺はベッドに横になって下半身には布団をかぶせていた。これで誰かが入って来てもぱっと見では分からないだろう。
布団の中で腰を突き出す―――のではなく、鏡を下に押し込んだ。
「ひ―――っ」
オルタに比べて抵抗感がなかった。ぬるりとしたヒダ肉が、俺の肉棒を包み込んで締め付けてくる。
鏡が俺の股間の根元まで到達すると、ペニスの先端がこりっ、っとしたものを捕らえた。
それと同時に、ベッドのそばに立っていた狂三がカーペットの上に女の子座りした。
「ふ、ぁぁぁ……っ、これ、変なかんじ、しますわ……っ。翔さんが近くにいないのに、翔さんとセックスしてる感覚が……っ」
カクカクと体を揺らし、恍惚とした声を漏らしていた。
「俺のだってわかるのか?」
「バカにしないで下さいまし。そんなの当り前ですわ……こんな凶悪なモノ、間違えるはずがありません」
「そ、そうなのか……」
オルタの時はどうなっているのか実際には見えていなかった。でもこうしてみると、本当に鏡越しに挿入しているのがわかるな。
じゃあオルタも狂三みたいに、これは俺のペニスだって分かってたのかな?
そんなことを考えていると、焦れてしまったのか狂三が甘えたような声を出してきた。
「翔さん? ……動かしませんの?」
「あっ、そうだな」
オルタの心情は今考えても仕方がない。今は目の前の狂三が大切だ。
そうして鏡を動かそうとした時、
「翔。入ってもいいですか?」
「「っ!?」」
ドアの外からアルトリアの声が聞こえてくるのは同時だった。声は同じだが、トーンが全く違うので間違えることはない。
何故オルタではなくアルトリアが来たのかはわからないが、
「ああ、いいぞー」
「っ!?」
狂三はアルトリアが部屋を訪ねてきたこと、俺があっさりと入室を許可したことで2回も驚いていた。
時間を操る精霊である狂三も、この時ばかりは時間の流れを止めることはできない。俺に許可されたことで部屋のドアが開いた。ドアの向こうには2人の少女が立っていた。
「アルトリア、とコッコロもいたのか。どうかしたのか?」
普通に対応しているように見えるかもしれないが、声が震えないようにするのが大変だ。
俺は下半身に布団をかけているため外からは異常はないかもしれない。だが実際には、バキバキに勃起したチンポが鏡越しに狂三に挿入されている。
気を抜けばそのまま搾り取られるのではと錯覚するほど締め付けてくる。狂三もこの状況に興奮しているのかもしれない。
そんな俺たちの様子を知らずに2人は口を開いた。
「お休み中に申し訳ありません、主さま。ですが……」
「はい。緊急で。こちらにオルタは来ませんでしたか?」
「先ほどこちらに向かわれたはずなのですが……」
オルタではなくこの2人が来た理由が分かった。いつまでも戻ってこないオルタを心配して訪ねてきたんだな。
「や、来てないよ? な、狂三」
「そ、そうでぅ、わね……っ」
狂三が首肯しながら横目でにらんでくる。その目は潤み、今にもとろけそうになっている。全然怖くないぞ。
俺はただ、鏡を揺らして狂三の奥をかき回しているだけなんだけど。
明らかに様子がおかしい狂三にアルトリアが近寄る。
「狂三? どうかしましたか?」
「い、いえ!? どうもしませんわ!」
「そうでしょうか……? 体調が悪いのでしたら、無理はなさらない方が……」
「ぁ、あり、がとうございますわ。ですが、本当に何でもないので……」
コッコロも心配しているが、狂三の様子がおかしいのは俺が布団の中で鏡を小刻みに揺らしているからだ。音が出ない程度に奥を軽く、何度もノックする。
表面上は違和感を持たれる程度で済んでいる。だが事情を知っている俺から見ると、狂三の体が前後に揺れ、下腹部を床に擦りつけているのがわかる。
これ以上刺激してはバレてしまう危険がある。そのギリギリを責めるようなスリルがたまらない。
それは狂三の締め付けからも伝わってきていた。
「そうですか? ならいいのですが……」
「はい……っ、お気になさらず……!」
きゅっ、と狂三からの締め付けが強くなる。ぶるりと体を震わせる狂三の言葉に、アルトリアは眉を寄せながらも納得してくれた。
「それでオルタの事ですが」
「ああ」
悶えている狂三に変わり、俺が答える。
「狂三、オルタの捜索を手伝って貰っても?」
「主様はそのままお休みいただいて」
返事をした俺ではなく狂三をご指名とは、どうあっても俺を働かせたくないみたいだ。
「わ、わかり、ましたわ」
狂三はオルタが何をしているのか大まかに把握している。簡単なミッションだ。
よろよろと立ち上がった狂三は俺を見る。
「よろしくな、狂三」
「……はい。わかりましたわ」
非難の視線を向けられるが、俺はそれ以上何も言わない。
狂三は2人の後に続いて部屋を出ていくのだった。
静かになった部屋。俺はある場所を見た。狂三が先ほどまで座っていたカーペットだ。
「うわー……」
そこは何らかの液体によって色が変わってしまっている。その液体が何なのかは、確かめるまでもなかった。
―――――――――――――――――――――
「ふー……っ、ふー……っ」
アルトリアとコッコロの後ろをよたよたとついていく狂三。
下腹部には翔のペニスの感触。それが(翔なりに気を使っているのか)小刻みに動き、狂三の奥を何度も小突いていた。
ただ歩いているだけで下の口からは洪水のように愛液が垂れ流しにされている。鏡越しに挿入されている時は、おマンコはペニスの形に変形するだけで、ぱっくりと口を開け続けている状態なのだ。
狂三の下着はとっくに吸水限界を超えていた。先ほど翔の部屋で達した時は、吹き出した愛液でカーペットに漏らしてしまった。
「(翔さんは……もうっ)」
翔の部屋を出るときにペニスを抜いてくれないかと視線を送ったが、見事に無視されてしまった。
「(翔さんが気が付かない訳もないですし、この状況を楽しんでいるでしょうけど……わたくしもそうですわね……)」
そもそもこの状況は、アルトリアに体調を聞かれた時の返答でいくらでも回避出来たのだ。それをしなかった時点で狂三もこの状況を楽しんでいる、もしくは下の口が翔のペニスを離したくないと言ってる。
「オルタ様、何処に行かれたのでしょうか」
「そうですね……」
前を歩く2人が話している。
「そう、ですわね……っ、オルタさんの、部屋には、行きましたの?」
声が震えないように、単語を短く切って2人を誘導する。
時間を考えると、そろそろ自分の部屋で着替えをしている頃だと思ったからだ。
「そうですね。まずはそこから行きましょうか」
アルトリアを先頭にオルタの部屋に向かう。
すると、
「……なんだ」
オルタはあっさりと見つかった。狂三の予想は正しかったのだ。
「オルタ、なぜ自分の部屋に? 翔の様子を見に行くのではなかったのですか?」
「……ああ。そのつもりだったのだが、な」
「何かあったのですか? お着替えもしているようですが……」
「……いや。それはな……」
二人の質問に歯切れが悪い言葉を並べるオルタ。すると、2人の後ろで顔を赤くして俯いている狂三を見つけた。
「狂三……」
「な、なんでしょうか?」
オルタに声をかけられ、心臓の鼓動が速くなる。まさか翔が手に入れた鏡のことを知らないオルタが、事の真相に辿り着くわけがない。そうは思っていても、まっすぐ見られてしまうと少しばかり焦ってしまう。
「……まさかな。何でもないさ」
「そう、です、の……っ」
そしてこうしている時でも、翔のペニスの動きは止まっていない。最初にあった配慮も無くなってきている。だんだんと動きが大きくなってきたのだ。相手のことが見えないと加減というものは分からないことが原因だった。
「(はぅぅぅっ、ヒダ、擦れて……っ 奥もそんなずんずんされると……っ)」
そして最大の理由は、翔の限界も近くなっているからだ。
バレないようにというぬるい刺激ではなく。精液を放出するための大きい刺激を求め始めているのだ。
そしてそのタイミングは狂三には分からない。
ごぶ!! びゅるるり、ぐぶぷぷぷっ!!
予告も無く奥に白濁液を叩きつけられた衝撃で狂三の足から力が抜ける。
「らい、じょうぶ、れすわ……っ。すこし、立ち眩みが、した、だけで……」
「コッコロ! すぐに狂三を部屋に!」
「はい!」
2人に抱えられ、部屋に連れていかれる狂三。オルタはその足元を見ていた。透明な雫が数滴垂れている。
「まさかな……」
オルタはそんなことを呟いていた。