※この作品はR-18です。

異世界ハーレム奮闘記   作:文房具

307 / 383
それぞれの就寝 (アインハルト)

アインハルトの自室。

 

日が落ちるまで続いた合同訓練の疲れをシャワーで洗い流し、今はベッドで横になっていた。

 

「はぁ……」

 

合同訓練そのものはとても有意義だった。一度も手合わせしていなかったミウラとの戦いは刺激的だったし、ヴィータの苛烈な攻撃は覇王流の攻撃に生かせそうな部分があった。

 

だがその序盤、綺凛とユウキが早退してしまったことがずっと気がかりになっていた。

 

特に綺凛だ。今朝の事といい、やはり何か具合が悪いのではないかと勘繰ってしまう。

 

「翔さんに聞いておこう……ティオ」

「ニャオ!」

 

自らのデバイスであるぬいぐるみに声をかける。主の指示通り翔の端末に向かって電話をかける。だが、

 

「通話中、ですか。お忙しいんですね……」

 

そう呟いて一度電話を切る。

 

翔は現在謹慎中だが、それでも六課からの連絡があるんだろう。そうでなくても翔には知り合いが多い。偶然同じ時間に電話がかかってきていてもおかしくない。

 

「もう少し経ったら、もう一度かけよう」

 

だが何もせずにベッドの上で横になっていると、

 

「……、……、……、はっ! い、いけない!」

 

訓練の疲れもあり、ぼーっと天井を眺めているとそのまま眠ってしまいそうになる。上体を起こして頬を何度か叩いて眠気を飛ばす。

 

アインハルトの大声に、お腹の上で丸まっていたティオが驚いて飛び跳ねた。

 

「もう1回かけてみよう。ティオ、お願いします」

「ニャ!」

 

眠らない内にと思ったが、結果は同じ……いや、少し違っていた。

 

今度はずっとコール音が鳴る。ほどなくしてから留守番電話サービスの音声へと切り替わった。

 

「でない……」

 

今回は通話しているのではなく、単純に電話に出なかったのだ。

 

「何かしてるのかな?」

 

そう『何か』をしているのではないか。

 

「……っ、そんなこと」

 

ないとは否定できない。何せ翔はたくさんの女の子と一緒に暮らしている。それも、翔が声をかければ迷いなく夜を共にするくらいの仲の女の子と。

 

一緒に暮らしていて何もないという夜が、果たしてあるのだろうか。あんなに魅力的な女性たちと一緒にいるのに。アインハルトにはそうは思えなかった。

 

実際には様々な思惑によって絶妙なパワーバランスが成り立ち、割と何もない日はあるのだが。そして今日に限っては、その推測は的中していた。

 

「明日、私とするのに……」

 

アインハルトはぽつりと呟いた。

 

別に明日アインハルトとするからと言って、翔が今日の行為を控えなければいけない理由などない。約束した時だって、『今日はしないで下さい』などと言ったわけでもないのだ。

 

「誰としてるんだろう……」

 

アインハルトから見ても美しく鍛えられていると思える雪菜か。大人の女性のイメージのあるアスナか。ミステリアスな狂三か。小悪魔的な雰囲気で少し苦手にしている理子か。それとも、自分よりも年下のクロやティナか。まさかとは思うが、ララ王女としているのかもしれない。

 

「ん……っ」

 

妄想逞しいアインハルトは、自分の知っている女性たちが矢継ぎ早に翔とセックスするシーンを思い浮かべ、内股をこすり合わせた。

 

あっという間に我慢が利かなくなった。

 

「……ティオ、電話の通知を切ってください」

「ニャ」

 

ティオに呼びかける。

 

前にヴィヴィオ達からの電話で中断された教訓からの措置なのだが、これによってこれから行う行為が阻害される心配はなくなった。

 

アインハルトの手が自分の敏感な場所に伸びる―――のではなく、最近覚えたことを実行する。

 

ベッドから降りてその四隅、ベッドの足の部分に跨る。丸みを帯びた角の部分に自らのアソコが当たるように。

 

ゆっくりと腰を動かし始めた。

 

「んっ……ぁっ」

 

それに合わせて、自分の胸元に手を伸ばす。わずかな膨らみの頂点に手を這わせると、硬くしこり始めているモノがあった。

 

「(少しだけ、少しだけ、発散するだけだから。明日は、翔さんとするんだし。ほどほどにしておかないと……)」

 

そう考えてもアインハルトの腰の動きは止まらない。

 

結局この行為をやめたのは、腰がカクついてうまく立てなくなる頃だった。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「じゃ、おやすみ」

「はい。おやすみなさい、先輩」

 

改めてシャワーを浴びた俺と雪菜は手を振って別れた。

 

いつもの就寝時刻はとっくに過ぎている。明日のためにも今日はもう寝てしまわなければ。

 

とはいえ俺も現代っ子。就寝前に少し携帯をいじってしまうこともある。

 

と、あることに気が付いた。

 

「ん、アインハルトから電話あったのか」

 

何回かかかってきてるな。前半の方は綺凛やウェイバーと電話してた時で、後半の方は雪菜とセックスしている時にかかっていたようだ。

 

「こんなにかけてくるなんて、なんかあったのか?」

 

綺凛のことかもしれないけど、そうじゃないかもしれない。

 

「夜は遅いが……」

 

一応かけてみるか。ファイズフォンを手に取り電話をかける。

 

だが、

 

「……でないな」

「ああ。通話の通知が切られているようだ」

「何?」

 

レプリカの言葉に眉をひそめる。

 

単純に出ないだけなら、もう寝てしまったのかで片づけることも出来る。だが、通知自体が切られているとはどういうことか。デバイスというのは基本的に電源は入れっぱなし。通知を切るなんてめったなことではしないはずだ。

 

このまま布団に入っても、アインハルトのことが気がかりで眠ることはできないだろう。せめて画面越しにでも無事を確認できなければ。

 

「……すまん、アインハルト」

 

俺は手鏡を取り出した。

 

俺と結ばれた女の子のことを映し出す、あの鏡だ。

 

「アインハルトを映せ」

 

すぐさま鏡は命令を実行し、アインハルトの顔が映し出された。

 

普段よりも赤く上気した顔に、どこか虚ろな瞳。呼吸は短く口は半開きのままになっている。

 

というか。

 

「起きてるじゃん。一体何があった……?」

 

鏡を徐々に引いていく。

 

だんだん周りの状況が分かってくる。そこはアインハルトの部屋だ。特に変わった様子はない。

 

俺の意思をくみ取った鏡カメラが、ドローンのようにアインハルトの周りを旋回しながら、その様子を映し出す。

 

どうやらアインハルトは立っているようだ。ベッドの四隅にある支柱。木製で、ぶつかってもケガをしないように、角がカットされて丸みを帯びている部分。そこに跨っているように見える。

 

や、というかこれは……

 

鏡カメラがさらに動く。

 

アインハルトは薄着だ。上は黒いタンクトップ1枚に、下は薄水色のシンプルな下着だけ。部屋で1人なのだから当然だが、とても人に見せるような恰好ではない。

 

そんな格好で、一心不乱に自らの下腹部を押し付けているアインハルト。

 

オナってた。しかも角オナ。

 

声が聞こえないので断言できない―――訳がないだろ! どう見たってそうだよ! 他に説明のしようがあるか!? 見ているだけでアインハルトの艶声が聞こえてきそうだ。

 

別にいいんだよ? 俺がとやかく言うことじゃないし、というか俺は覗いてごめんなさいをしないといけないし!

 

それにしてもこの鏡、やっぱり犯罪だな。プライベートも何もあったものではない。一番は使っている俺なんだけどね! でもまさかこんな場面を覗き見ることになるなんて思わなかったんだよ!

 

無事も確認できたし、さっさと寝るが吉。年下の女の子の秘め事をこれ以上覗き見るものじゃあない。

 

そうは思うのだが、

 

「や、これはしょうがない、よな?」

 

先ほど雪菜としたばかりのはずの俺の愚息が、立派なテントを作り上げていた。我ながら節操がない。

 

鏡の中では一心不乱に腰を振り続けるアインハルト。その様子をローアングルから映し出す鏡カメラ。程よく丸くなっている角がアインハルトの割れ目に下着ごと食い込んでいる。程よい刺激なのか物足りないのかぐりぐりと執拗に、何度も何度も。

 

音や声が聞こえないのが残念でならない―――じゃなくて!!

 

「……すまん、アインハルト」

 

俺は―――

 

 

 

 

今回の行為で手に入れたアイテム

 

仮面ライダーライア変身セット

 

ライアのカードデッキ、ライアウォッチのセットパック。

龍騎のライドウォッチを手に入れている場合、使用可能になる。

 

「え? これでも手に入る訳!? 確か自分でした時はダメだって……みんなのことをオカズにしたらOKってことなのか?」

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

深夜、とっくの昔に面会時間が終わった病院に、忍び込む影があった。

 

『忍び込む影』と言ったが、その人物に影はない。正確にはあるのだが、本人の輪郭がぶれるのに合わせて、影も現れたり消えたりする。

 

それはアナザーゴーストに変身したユウキだった。

 

アナザーゴーストの力によって半分幽霊になっているユウキは、とっくに電源が落とされている正面ホールの自動ドアを通り過ぎる。

 

さらに適当な場所まで進むとその場でジャンプ。天井を透過して上の階で着地する。

 

本来ゴーストの力によってふわふわと浮かぶことができるのだが、ユウキはそこまでゴーストの力を使いこなしているわけではなかった。そして使いこなしたいとも思っていなかった。

 

ユウキがこの力を使う目的はただ1つだ。

 

さらに上の階へ。目的地に、自らの姉の病室へ近づいていく。

 

当然病院には、見回りや監視カメラが設置されている。だが今のユウキは幽霊。カメラには映らないし足音や気配もない。直接見られなければ問題はないのだ。それも、霊的な能力を持つ者でなければいけない。

 

それを知っているユウキは、壁などお構いなしに、真っすぐ、最短のルートで歩き続ける。

 

「姉ちゃん……」

 

そしてたどり着いた。

 

いつもはガラス越しに眺めている無菌室。その中央にあるベッドと一体化した、寝ている人の頭部を覆い隠すような機械。顔は見えないが、手足は恐ろしいほどに細い。病室の関係上、寝たきり患者に行われるマッサージが最低限の回数になっているのだ。

 

姉にこんなに近づいたのは本当に久しぶりだった。この力を貰ったおかげで病気のことを気にする必要なく、こんなに無防備に近づけるのだ。

 

もっとも、カメラ越しにこちらの状況を確認する姉には、ユウキがここを訪れていることは分からないのだが。

 

「それじゃあ、姉ちゃん……」

 

ユウキは溜め込んだ生命エネルギーを送り込み始めた。

 

ユウキがアナザーゴーストとして活動を始めたのは9月の半ばに入ってからだった。

 

8月の終わり、謎の男の甘言に惑わされウォッチを受け取ったユウキだったがすぐには行動に移さなかった。

 

冷静になった後に考え、知らない相手の言葉に素直に従うことはなかった。だがそれでも、受け取ったウォッチを捨てることは出来なかった。

 

そうして過ごしていくうちにも容態が悪くなる姉。発作が起きたことで、ユウキの覚悟は決まった。

 

『GHOST』

 

初めての変身。詳しいことは分からないのに、力の使い方は分かる。あの男が、この力なら姉を救えるといった意味も理解出来た。

 

それからというもの、ユウキは毎晩のように島中を徘徊し、生命エネルギーを集め、こうして姉に与えに来ているのだ。

 

「バイバイ、姉ちゃん。また来るからね」

 

別れのあいさつに、返答はない。

 

ユウキが家に帰ると、空が白み始めていた。

 

変身したまま部屋の中に入り、変身を解く。そこでようやく一息つくことが出来た。

 

変身はすべて部屋の中で完結させていた。それはユウキの中に、この行為が褒められたものではないという意識があるからだ。人に見られるわけにはいかないという、いわば罪の意識が。

 

ネット上ではユウキ(幽鬼)のことをヒーローだ何だと書き連ねる文章もあったが、本人には全くそんなつもりはない。

 

すべては姉のため、身勝手な理由で他人から生命エネルギーを奪っている。ユウキの良心で罪のない人には手を出していないだけだ。

 

「仮眠、とらないと……」

 

そう呟いてベッドに倒れこむ。

 

眠れる時間は1時間ほどだ。学校もあるし、行く前にシャワーも浴びなければいけない。

 

疲労を考えれば余裕で寝過ごしてしまいそうだが、ここ最近はそこまで長く眠ることはない―――眠れなくなっているという意味で。

 

だがユウキの周りにはユウキの身を案じる温かい人達が多い。不自然な姿を見せれば心配されるし、危険なことをしていると知られれば止められるかもしれない。この生活を続けるためには、誰にも知られてはいけないのだ。

 

眠るまでの少しの間、ユウキは昼間のことを考えていた。

 

「(綺凛にバレた……ばれた、かな……? でも普通に剣構えちゃったし、わかるか……)」

 

綺凛が現れたことに驚いたせいで動揺して、名前を呼ばれてとっさにいつものように剣を構えてしまった。綺凛ほどの実力者ならそれだけで分かってしまうだろう。

 

「(でも、どうしようもない、よね……)」

 

だからと言って何をできるという訳でもない。ユウキには綺凛に事情を話すつもりは無いし、だからと言って口留めをするつもりもない。

 

誰かに相談されるかもしれないが、

 

「(それは、その、とき、考えよ……)」

 

ユウキは眠りの中に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

綺凛の夢の中。

 

綺凛は両手を地面について荒い呼吸を整えていた。

 

今さっき、肩から胴体にかけて袈裟斬りにされたところだ。

 

それ自体は昨日も繰り返された光景だが、達人であるムサシにはその些細な違いを敏感に感じ取っていた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……!!」

「ん~? どうしたの? 昨日に比べて今日はずいぶんと集中できてないみたいだけど? って、分かるけどね。昼間の事でしょ?」

 

刀で肩を叩きながら、ムサシは軽い調子で言う。

 

「……何か知ってるんですか?」

「私じゃなくて、『違うムサシ』さんがね。私もそちらの方は専門外なので。詳しく聞きたいなら変わる?」

「……いえ、結構です。聞いたところで、私には何もできることはありませんから」

 

そう言って刀を構える綺凛。

 

「……そ。そういうなら遠慮なく―――はっ!!」

「ッ!!!????」

 

目にもとまらぬ剣戟に何とか食らいついていく綺凛。

 

「(今はただ、自分に出来ることを……!)」

 

その一念で綺凛は刀を振るうのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。