夜。病院の消灯時間は早い。21時にはもう廊下は最低限の電気しかついていない。
昼寝をした上にいつもよりもはるかに早い時間なので眠くはならないかとも思ったが、夕飯のおかげで胃に血液が回ったのか、瞼はどんどん重くなっていく。
ま、入院はこの前したばっかりだし、気長にケガが治るのを待つとしますかね。前回よりも期間は長いし、隣に人がいないって違いはあるけど。
俺は睡魔に身を委ねるのだった―――――――――――
――――さん、起きてくださいまし。翔さん?」
誰かに揺さぶられて、いるのか? 少しだけ開いた目に映る景色がゆらゆら揺れている。その端に、一人の人物を捉えた。
「狂三、来たのか」
「はい」
そこには、片眼が前髪で隠れた少女、狂三がいた。いつの間に来ていたんだろうか。電気が消えて結構早く意識が途切れたからな。
「来てくれたのはうれしいけど、面会時間に来ればよかったのに。何も人が寝てるところを起こさなくたってさ」
「ふふ、まさかこんなに早く眠ってしまわれているとは思ってませんでしたので。本当は、暇をしている翔さんのお話し相手になって差し上げようとしたんですけど……しっかりと堪能させていただきましたわ」
寝顔かな? 別にいいけど。
「寝顔だけ見て帰ろうとも思ったんですが、せっかくお見舞いに来ましたから。少しだけお話して帰ろうかと」
「なるほど」
そーか、そーか。それじゃあ、一つ質問しようかな。
「俺の上に乗ってるのは何で?」
ここまでこんなに普通に会話してきたわけなんだけど、全然普通の状態じゃない。狂三は仰向けに寝ている俺の上にうつぶせに寝て、その上に布団をかぶせている。
しかもパジャマだからか、狂三の柔らかさと体温を薄布一枚越しに感じている。
暗さに慣れてきた目には狂三の顔が映りこむ。はかなげに作られた微笑に、しっとりと濡れた唇。
そんなものを至近距離で見せつけられれば、
「翔さん、固くなってきてますよ? 私の体に反応してるんですの?」
「そう、だな」
俺の愚息がパジャマを押し上げ、狂三の下腹部をぐりぐりとしている。
「巡回で部屋の中は見られるんですの?」
「や、そこまで見られたことはなかったと思うけど」
前回入院した時は大丈夫だった。廊下を偶に警備員が歩いてくるくらいで病室までは覗かなかった。
「それでは、静かにすれば良い、ということですわね」
「そうだな」
とっくに俺も狂三もその気だった。こんなことして何もしないなんて失礼だし、何もないとは狂三も思ってないだろう。
「んんっ、んちゅるっ、はぁっ、んむっ、はんっ、んっ、んっ……っ!」
穏やかだったのは最初の一瞬。狂三は俺の舌の侵入を拒まない。お互いの唾液をたっぷりと送り込み、舌を濃密に絡めあう。口の隙間からこぼれるのは一切気にしないで、それこそ獣のように一心不乱に狂三を貪った。
「ぷはっ! いきなり激しいんですのね。もしかして、溜まってたんですの?」
「……ま、お預け食らってたようなもんだからな」
今日だけで不意打ちのキスが2回。しかも、違う女の子からだ。こういう行為には慣れた、と言っても、それは慌てないようになったという事。ラノベ主人公じゃない俺は、キスなんかされればあっという間に下腹部を固くする。もちろん発散することなんか出来ないので、自然に収まるのを待つしかなかったのだ。
「何があったのかは深くは聞かないことにしておきますけれど……そうですね、今日はたっぷりと、わたくしの体を堪能してください、翔さん」
直接見えているのは顔だけなのに、その一つ一つの動作が、俺の理性を壊そうしてくる。
布団の中の狂三のお尻を撫で上げる。狂三のパジャマはショートパンツみたいだ。むき出しの太ももに手を這わせ、内股から手を内部に侵入させる。
「あっ!? く、くすぐったい、あっ、んんっ、ふっ、んむぅっ、はふっ、んあぁっ……っ」
内股をなぞりつつ手を進めると、その奥にある薄布に到達する。この向こうには、狂三の一番恥ずかしい部分がある。まずはゆっくりと指でなぞって―――
「……あれ?」
俺の指の先には、すでに湿って、少し押しただけで水が染み出してきそうになっている、ぐじゅぐじゅになっている布切れがあった。
「もうこんなに濡れてるのか、狂三」
「そ、それっ! はぁっ! ゆ、ゆびぃぃぃっ……!」
張り付いてしまっているモノをはがして、既に開き始めている縦筋をなぞり始めた。じゅくじゅくと熱く湿った牝肉は、触られるのを待っていたかのように震え、奥から熱い粘液を溢す。
「まさか、キスでここまでは濡れないよな。それとも、こんなに濡れやすい体質なのか、狂三?」
「そっ、それは……っ! ひっ、あっ」
意地悪な質問をしてみる。もちろんその間も、手を止めることはない。ふやけかけているところを執拗にこすり、空いている手で尻肉をわしづかみにする。
「なあ、狂三。答えてくれないのか?」
「だっ、だからそれは……っ! ふぅぅぅっっ、それっ、そこっ……きもち―――ひぎっ……!」
顔を出し始めているクリトリスを摘まむと引きつったような声を出した。
だらしない顔をして俺の話を聞いてないみたいだったから、少し現実に戻ってもらおう。すっかり安心した様子で俺に預けられていた体は、小さな肉芽一つで強張り、動かなくなる。
摘まむといってもそれほど力を入れているわけではない。何しろ強く摘まむと痛いだろうし、粘液で滑りやすくなっている。少し体を前に動かすだけで簡単に逃れることが出来る。
しかし、恐ろしく従順になっている狂三はそんなことはしなかった。
「しょ、翔さん? 質問にはお答えしますから、その、そこを離して……っ! 下着に、擦れ……っ!」
少し残っていた皮を剝いて布地に押し付けた。俺自身は動かしていないが、摘ままれる快楽で体が震えるだけで、もしかすると、呼吸で肺が膨らむだけで、布の繊維が一番敏感なところを苛め抜いているかもしれない。
「翔さんが寝ている間、自分でいじってました! でも、目の前にあなたがいるのに、一人でしているのが、その……っ! んはぁぁぁぁぁっ!?」
早口でまくし立てるように恥ずかしいことを告白してくる狂三。あまりにも男冥利に尽きることを言われてしまって、無意識に指に力が入ってしまった。
「うわぁ……」
イク瞬間、いやらしく開いて、この中に入る、入れるべきものを求め、媚びる狂三の秘肉。本人ですら見ることが出来ないものを、俺の人差し指は全て感じていた。
俺はぐったりと痙攣している体を抱きしめるのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――
狂三は布団を剝いで俺のズボンを脱がしていた。快感の波もとりあえず収まったようでその動きはスムーズだ。
俺の息子が外気に触れた。狂三のメスの匂いを嗅ぎ続けていたせいか、クーラーが利いている冷たい空気に触れても、全く衰える気配はない。鈴口からあふれた先走り汁でべとべとになっている。別の生き物のように飢えている状態だ。
狂三も、下に身に着けていたものをすべて取り払って、俺をまたいで膝立ちになり、お互いの性器を合わせる。怪我の関係上、この体勢じゃないとできないからな。
「それでは、いきますわ……っ!」
にゅくっとの薄紅色の淫花が開く。そこに溜まった淫蜜が俺の亀頭を汚し、押し退けるように、ゆっくりゆっくりペニスが狂三の膣内に埋まっていく。
「うぁぁ……っ」
狂三の膣は完全に出来上がっていた。むせ返るような雌の香りを溢れさせる極上の肉壷に成り果てていた。ただ男の精を搾り取り、自分もその快楽に沈むための淫器だ。グニュグニュと膣肉が蠢きペニスを揉みしだき、愛液にふやけた肉襞がクチュクチュ絡み付く。
「あっ、かはっ、やっ、これ、もっ、またっ、イっ、イクっ、イっ……っ! かはっ、はっ、はっ、はっ、うあぁぁぁっ! 一度止まって……っ!」
止まっても何も、ペニスがこつんと奥の大事なところを押したんだ。そこから動いていない。根元までペニスを咥え込んだ狂三は、細かく収縮して愛液を垂れ流しにする膣から送られる快楽に、目を見開いて腰を震わせている。
「はっ! はっ! はっ!」
狂三はずっとイッてるんじゃないだろうか。そう思わずにはいられないくらいに身体を火照らせ、痙攣し続けている。上半身を俺の方に倒し、腰だけを一心不乱に振るその姿。クリトリスを摘ままれた時の比ではない。顔が多すぎる快楽にぐちゃりと歪み、舌を突き出している。
俺の方もたまったものではない。雄の肉棒を迎え入れたソコは歓喜に打ち震え、ヒダの一つ一つが全力で絡みついてくる。奥の壁を押しつぶすたびに痙攣する蜜壺。そんなところにいる俺のペニスが無事な訳がない。
境界があいまいになっている俺たちの体の中で、どんどん精液が送られていくのがわかる。
それを狂三も感じ取ったのか、腰の動きが一瞬止まり、
「わたくしの中で、
「っ!!」
一気にスピードが上がった。我慢する必要はない。ギリギリのところで押しとどめられているものは快楽に任せてぶちまける。
限界が訪れた。
「うっ! ああぁぁぁぁぁっぁぁっ!!」
「うぁぁぁぁぁっ!?」
俺の肉棒が痙攣し、大量の白濁液を吐き出した。
「あ、うっ、あ……はぁ、はぁ、はぁ」
「はぁ、はぁ、ひぅ、あっ……っ!」
2人とも何も言わずに乱れた呼吸を整えようとする。
しかしここで、予想外の事が起きた。
コツ、コツ―――
「「!!」」
足音が聞こえてきた。夜の見回りに来た警備の人だろう。
心臓の鼓動が跳ね上がった。大丈夫か? 本当に病室に入って来ないか? や、大丈夫のはずだ……!
「……っ!!」
萎えかけていた俺のペニスが、急に締まりを強くした狂三に叱咤される。まだ終わるのは許さないと言われているようだ。
「お、おいっ、狂、三……?」
「ひぅ、あっ、や……っ、翔さん……っ、今大きくしない、でぇ……っ!!」
違うから。そっちが締め付けてきたから俺のは大きくなったんだぞ。
不毛な争いだ。始まりは狂三でも今は互いが互いの体を高めあっている。このままでは、ただ挿れているだけでも達してしまうかもしれない。
そもそも、狂三のとろけ顔を見たら、愚息が大きくなる事は避けられなかっただろうが。
すっかり元以上の固さを取り戻したものが、狂三の最奥を押しつぶす。
「んんっ、ふぅっ! あっ、はぁぁ……んはぁぁぁ……っ、こ、こし、うごかさないで、くだっ、ひぐっ!」
やめてくれという言葉とは反対に狂三の膣は蠢いて、絡みついてくる。この刺激に俺の腰は勝手に動いてしまうが、理性でそれと押し留めようともしているため、一番奥をぎこちなくかき回している状態だ。
狂三が俺の服を咥え、必死で声を上げるのを我慢している。普段のクールな表情は、快楽に流されまいとうっすら涙まで浮かべている。
「……っ、……っ! も、もぅ、むりぃぃぃっ……!」
「頑張ってくれ、狂三……っ!」
息をひそめてやり過ごす。そんなことが、今は歯を食いしばらないとできない。奥壁を掘削機で掘り進めるように突き続ける俺の肉棒。
一度抜いてしまえばその快感からは逃れられるかもしれないが、ギリギリのこの状態で、動くなんて選択肢を取ろうものなら、狂三はカリに膣内を削られ、俺は抜かないでくれと泣きせがむこのヒダに一気に果てさせられてしまうだろう。
――――コツ、コツ、コツ……
足音がだんだん遠ざかり、ついにお互いの心臓の音と、吐息の熱、つながっている部分の刺激しか、感じなくなった。
安心して、気を抜いた。
我慢する必要が無くなった俺たちの体は溜め込んだモノを発散するように、絶頂まで駆け上がる。
「またっ、出る、出る、出る……っ!」
「きて、きてください……っ! あああぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ!」
俺は2回目とは思えない量の白いマグマを、吐き出すのだった。
―――――――――――――――――――――――――
「こんなになって……これは帰ってからもう一回お風呂に入らないといけませんわね。んっ、ふぅ……っ、あっ」
狂三がいろいろな液体でベトベトになってしまった部分をタオルでふき取る、のは良いんだけど、タオルを動かすたびにそんな声を出すのはやめていただきたい。俺のモノがまた反応したらどうするんだ。
替えの下着を履いて、黒のゴスロリ服を着ていく狂三。用意良すぎませんか? もしかしなくても、最初からこのつもりだっただろ……俺に乗っかってオナニーしてた時点でそうだよな。
目の前で生着替えを披露してくれた事は素直にうれしいけど。あのゴスロリ衣装、ああやって着るのか。
服を着たら行為で乱れてしまった髪を結い直す。その時に普段は髪に隠れた金色の、時計のような目が――――
「……なあ」
俺はある重大な事に気が付いてしまった。とても看過できない、重要な事だ。
「なんでしょうか?」
「狂三ってさ、『物の時間を戻す弾丸』持ってたよな? あれ、俺に使えないのか?」
「ええ、使えますわよ」
「いや、使えますわよって……じゃあ、お願いします」
俺は右手を指さす。これで退屈な病院暮らしからおさらばだぜ。
「実はわたくしたち、依頼を受けてるんですの」
「聞いてないんだけど……」
先にお見舞いに来てた雪菜、耀が全く、全然、話題にも出さないというのはどういうことだろうか。
もしかして俺、ハブられてますか?
「そうですわね。翔さんにはあえて秘密にしてました。偶には、わたくし達の気持ちも味わってくださいまし」
そう言われてしまうと、俺も黙るしかなくなってしまう。
「ごめんなさい、翔さん。でも、今回はしっかりと休んでいてくださいね」
そう言って、狂三は窓から外に体を躍らせたのだった。
狂三の能力は完全に忘れてました。私のミスですね。
ちなみに、少なくとも一緒に住んでいる女の子くらい、1日目にお見舞いに来ないとおかしいだろ!? という突っ込みはナシで。入院期間を無駄に2週間にした報いがここにきてます。
そして書いていて気が付いたこと。自分、純愛(ベッドでイチャイチャしながらのヤツ)よりも、他人に知られるといけない状況でこっそり、といった方が書きやすいということです。
いえ、純愛だとどうしても毎回おんなじ感じになってしまっている気がするからかもしれませんが。リクエストには純愛が多いですし。