※この作品はR-18です。

異世界ハーレム奮闘記   作:文房具

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穢れた奇跡の決戦 臓硯編

《Dual ガッシャット!》

《The strongest fist What's the next stage?》

 

「MAX大変身」

 

《ガッチャーン! マザル up!》

《赤い拳強さ! 青いパズル連鎖! 赤と青の交差! PERFECT KNOCK OUT!》

 

俺はパーフェクトノックアウトに変身する。さらに、

 

《ステージセレクト!》

 

エグゼイド系のライダーには装備されているステージセレクト能力を使って場所を移す。数秒もすると、そこは人気のない町工場へと変わっていた。

 

「む、これは……」

「余計な被害が出ると困るからな」

 

ガシャコンパラブレイガンを取り出す。ここなら全力で戦える。腰を落として俺も戦闘態勢をとる。

 

「全力で戦える、か。いったいどの程度戦えるものかのぅ……バーサーカー、やれ」

「■■■■■■■――――――!!!!!!!」

 

ライダーに変身してなお霞むほどのスピードで突貫してきた。闇のオーラを置き去りにして、その剛腕が唸りを上げる。対する俺は高速化のエナジーアイテムと固有時制御を併用して迎え撃つ。

 

いつの間に拾っていたのか、その手には鉄柱が握られている。強引に捩じ切ったのか、鉄の棒の先は歪に鋭利な形状をしている。魔力が行きわたったそれは、単純な力で振り下ろされたとしても十分すぎる威力を持っている。

 

俺たちの武器の風圧に、機械に溜まっていた埃が吹き飛んだ。

 

滑るように獲物を持ち替えるバーサーカー。刺突の構えをとる。瞬きの後には貫かれているだろう。

 

嗤って前に出た。

 

「■■■■―――」

 

持ち替えた分、俺の拳のほうが早い。

 

灼熱の拳を繰り出した。

 

《分身》

 

吹き飛ぶ先に待ち受けるもう1人の俺。

 

「オラァッ!!!」

 

渾身のアッパーで上空に打ち上げる。

 

「波ァァァァアッ!!!」

 

元の俺が圧縮した火炎を放出する。バーサーカーは声もなく焼き尽くされた。それでもまだ力尽きていないのはさすが円卓の騎士だ。しかし鎧は熱によってところどころ赤くなり、這いつくばることしかできていない。

 

「な、なんだと……っ!?」

 

臓硯は目の前で起こったことが理解出来なかった。一体イレギュラーサーヴァントに何が起こったのか、バーサーカーをこうも圧倒できる実力などなかったと思っているのだろう。

 

「貴様何を……ッ!!」

「言うと思うか?」

 

その秘密はライダーへの変身と闇の魔法(マギア・エレベア)の併用。基礎能力を上昇させた上で仮面ライダーに変身した。しかし、それだけではない。俺の体には今までにないくらいのパワーが満ち溢れている。

 

それは理由があるものではない。あえて言うのならば、

 

「今日の俺は、絶好調ってことだッ!!」

 

《10連鎖!》

 

光弾をばらまく。不規則な軌道を描く弾丸は爆撃のように臓硯がいた場所を更地にした。だが、そこには臓硯の姿はない。

 

復活したバーサーカーが抱えて逃げ出していたのだ。しかしバーサーカー自体は虫の息。人一人抱えて移動するだけでもやっとといった感じだ。

 

だというのに、臓硯の余裕は変わらない。

 

「なるほどな、舐めてかかると痛い目を見るというわけだな。ではワシも、1つ秘策を見せてやるとしようか」

 

臓硯の令呪が妖しく光る。同時に、バーサーカーからも悲鳴のような軋み声が上がった。いや、これはバーサーカーの声ではない。バーサーカーの霊基が悲鳴を上げているのだ。

 

明らかに異常だ。あの令呪は普通ではない使い方をされたんだ。

 

「臓硯ッ!! 何をしたッ!!」

 

俺の叫びに対して帰ってきたのは1言。

 

「言うと思うか?」

 

兜が割れ、右手に無毀なる湖光(アロンダイト)が現れる。俺は驚いた。兜の奥のその顔が、妄執と怒りに塗れたものではないことに。それどころか、精悍な凛々しい顔立ちの青年のものになっていることに。

 

「―――ッ」

 

スピードは先ほどを軽々と超えていた。一瞬で俺に肉薄し、剣を振りかぶっている。これだけなら最初の再現だ。

 

だが、持つ獲物が鉄パイプと無毀なる湖光(アロンダイト)では次元が違う。おまけにもう一方の手には短機関銃が握られていた。

 

銃口は明後日を向いているというのに、すでに引き金は限界まで引き絞られている。

 

騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)に侵食されている短機関銃は、コンクリートをやすやすと抉り取る魔弾を吐き出す暴れ馬だ。それを無毀なる湖光(アロンダイト)と一緒に使いこなす。

 

「こいつッ!!」

 

受け止めた剣が重い。重すぎる。両手で支えてやっと受け止められるくらいだ。言うまでもなく、弾丸は防げない。

 

「ガアアアアアァァッァァ!!」

 

下から襲ってくる鉛の鞭に火花が散った。よろけたところに追加の弾丸が降り注ぐ。倒れる衝撃を利用して滑るように移動した俺は、鋼鉄化のエナジーアイテムを引き寄せる。

 

「――――」

 

しかしそこまで甘くないようだ。

 

伸ばしていた手を無毀なる湖光(アロンダイト)で払われ空振り。そのまま蹴りを入れられ彼方まで吹き飛ばされる。

 

態勢を整えたところに殺到するのは対物ライフルの武偵弾。着弾した瞬間大爆発を起こした。

 

「黒影(ダークシャドウ)」

 

物理攻撃の効果が薄い黒影(ダークシャドウ)で体を包み身を守る。

 

「オイオイ、ドウナッテンダヨ」

「分からない」

 

令呪のブースト? でもそれだけじゃ説明つかない。特徴的なのはバーサーカー本体の表情の変化。どうしてあんなに穏やかに……普通になったんだ? まるでバーサーカーじゃなくなったみたいな……ッ! まさかッ! でも、そんなこと可能なのか?

 

「バーサーカーのクラスを変更したのか……っ!?」

 

恐るべき結論に到達する。

 

「察しが良いな、イレギュラー」

 

そこまで大きな声を出したつもりはなかったけど……蟲の力を使ったんだろうか、臓硯が嫌な笑みを浮かべている。

 

「間桐の家はサーヴァント召喚の仕組みを作り上げた。ワシにかかれば、バーサーカーの呪いを残しつつも別なクラスに移し替えることも可能というわけだ」

「言うつもりはなかったんじゃないのか? ずいぶんとおしゃべりだな。英霊になんてことしやがる」

「カカ、英霊など、死人の影法師に過ぎんさ。現世で消滅しようとも、座に戻り再び戦場に駆り出される哀れな操り人形だ」

 

皮肉を返しつつも、臓硯の言葉の意味を理解しようとする。

 

つまりはバーサーカーの狂化に加えて、他のクラスのスキルも持っているってことか。あの様子を見るとセイバー……ああ、最悪だ。

 

もっと最悪なのは―――

 

「でもそれは、ここにいられる時間を無為に短くしているんじゃないのか?」

「もちろん、霊基をズタズタにしてしまうからの。しばらくするとサーヴァント自体の現界を保てなくなるが……貴様を殺すには、十分すぎる時間があるなァ。バーサーカー、焼き尽くせ」

 

時間稼ぎもここまでのようだ。

 

青く、眩い光が目を焼く。バーサーカー、否、すでにこの呼び方は正しくない―――ランスロットが持っている剣が、騎士王の聖剣に負けないくらいの魔力を放っていた。

 

まず―――――ッ!!

 

「無毀なる湖光(アロンダイト)――――ッ!!!」

 

極光の斬撃が放たれた。視界全てが光りに包まれる。このままでは回避は出来ない。小細工をする時間もなければ、それが通じる攻撃でもない。

 

ごめん。お前を使うのは最後になるな。

 

「機龍、頼む」

 

涙を呑んで俺の目の前に機龍を召喚する。俺の盾になるように。激突した光の波が、機龍の装甲を溶かしていく。自動迎撃機能も働いているが雀の涙程度の効果もない。

 

でも犠牲は無駄にしない。

 

機龍を盾にして、ギリギリかすめるだけで済んだ。それでも無様に転がり、変身が解除されてしまう。

 

「ぅ……ぁ」

「ハハハッ! 生意気な小僧が地べたを転がる姿は、いつ見てもスカッとするわい。バーサーカー、そのまま殺せッ!」

 

超級の宝具を放ったというのに全く衰えを見せないランスロット。油断なく剣と銃を構え、距離を詰めてくる。

 

ああ、強いよランスロット。バーサーカー状態ではできなかった宝具の真名解放。ダブルクラスと無毀なる湖光(アロンダイト)でブーストされたステータス。どこを取っても俺を上回ってる。

 

でも、俺もここで負けるわけにはいかない。俺も、とっておきってヤツを見せつけてやらないといけないみたいだな。

 

「……どうした、バーサーカー。さっさと息の根を止めるんだ」

 

一向に動かないランスロットに焦れたのか、臓硯が追加の指示を出す。それでも、ランスロットは俺にとどめを刺すことは出来ない。

 

それは当たり前だ。

 

なぜなら、俺はそこにいないのだから。

 

「俺も秘策を見せてやるよ」

「な―――ッ!! ガアアァァァッ!!」

 

牙(タスク)の爪弾で臓硯の体をぶち抜く。こっそりと回転の穴を移動させてここまで来て。

 

「牙(タスク)、ACT3だ」

 

 

 

 

 

牙(タスク)ACT3

 

言峰綺礼の襲撃を経て覚悟を決めたことによって、ACT2からさらなる進化を遂げた新しい牙(タスク)。

自分自身を撃つことによって、回転の穴に体を巻き込んで移動することが出来るようになった。その穴は好きな場所に移動させることが出来、好きなタイミングで外に出ることが出来る。また、体の一部だけを巻き込むことも可能。

この穴に本体以外が入ろうとすると、それは破壊される。

 

 

 

 

 

 

「チュミィィィィィン!!」

 

ACT2よりもより機械的になったスタンドヴィジョンが唸り声を上げる。回転エネルギーは臓硯の体を蹂躙し、体を構成していた蟲は死骸となって細切れになり、足元に転がっていく。

 

臓硯の体は無茶な延命で常に腐りかけのズタボロ。完全な不意打ちはこたえるだろう。

 

「グッ、ァ、バー、サー」

「■■■■■―――ッ!!」

 

言うよりも早く、哀れな従僕は主の危機に馳せ参じていた。

 

無毀なる湖光(アロンダイト)を振り下ろすが、俺はすでに回転の穴の中。騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)で強化された魔弾も、回転パワーは侵入を許さない。

 

だが、このまま引きこもっているわけにはいかない。

 

回転の持続時間はおよそ十秒。だがそれだけあれば、呪文1つの詠唱くらいはできる。

 

 

 

 

 

ネギ・スプリングフィールドの魔法(vol.1)

 

『魔法先生ネギま!』の主人公、ネギ・スプリングフィールドが日本に来る前に覚えていた魔法9つ(魔法の射手、風花・武装解除、風精召喚、眠りの霧、風花・風塵乱舞、雷の暴風、白き雷、雷の投擲、ヨルダの御手)が使えるようになる。

 

 

 

 

 

 

「ラス・テル・マ・スキル・マギステル」

 

俺の紡ぐ始動のキー。それは立派な魔法使い(マギステル・マギ)を目指す少年が使うものと全く同じだ。

 

「来たれ雷精(ウェニアント・スピリートゥス)風の精(アエリアーレス・フルグリエンテース)! 雷を纏いて(クム・フルグラティオーネ)吹きすさべ(フレット・テンペスタース)南洋の嵐(アウストリーナ)!」

 

纏うは雷と風。誰にも負けない速さを。

 

「雷の暴風(ヨウィス・テンペスタース・フルグリエンス)ッ!!」

 

無防備な詠唱も、回転の穴の中なら問題ない。

 

「固定(スタグネット)・掌握(コンプレクシオー)」

 

取り込んだ魔力が体中に充填される。

 

「術式兵装(アルマティオーネ)、疾風迅雷(アギリタース・フルミニス)ッ!!」

 

バーサーカーの左手が宙に舞った。俺の手には超宇宙聖剣(スペースカリバー)。回転の穴から飛び出す、そのすれ違いざまに切り裂いたのだ。

 

頂点まで届いた肘から先と回転の穴に向けられていた機関銃は、体感時間が限界まで引き延ばされている俺の目には、とてもゆっくりと落ちてきているように見える。

 

「■■■■――――」

 

直前まで乱射されていた機関銃は、体から離れても弾をまき散らし続けている。しかし、俺の体に当たることはない。体に当たる直前に体を取り巻く暴風によって軌道を捻じ曲げられているのだ。

 

雷と暴風の力を纏った俺は、とうとうバーサーカーの反応速度を超えることに成功した。いや、それはおこがましいか。不意打ちでもあったし、臓硯の無茶な指令のせいで霊基がどんどんボロボロになって力が出せていないんだ。

 

せめて少しでも早く座に返してあげることが、俺にできる精いっぱいだ。

 

「ッ!!」

 

臓硯の体から蟲が噴き出した。風にすりつぶされ俺の体に届くことはないが、一度飛び上がって距離をとる。

 

すると再び鉛の嵐が俺を襲った。しかし無意味だ。

 

風にいなされた弾丸はあちらこちらで光の花を咲かせる。空中で一回転しつつ、俺の口は滑らかに呪文を紡ぐ。

 

「影の地、統ぶる者(ロコース・ウンブラエ・レーグナンス)、スカサハの我が手に授けん(イン・マヌム・メアム・デット)、三十の棘を持つ(ヤクルム・ダエモニウム)、愛しき槍を(クム・スピーニス・トリーギンタ)―――」

 

着地した。

 

「―――雷の投擲(ヤクラーティオー・フルゴーリス)ッ!!」

 

雷でできた巨大な槍を、

 

「掌握(コンプレクシオー)」

 

左手に取り込んで保持する。

 

見ると切り離したはずのランスロットの腕がくっついていた。目を凝らすと、傷口から蟲が湧いている。臓硯が何らかの治癒を施したのだろう。

 

かまうか。

 

「固有時制御(タイムアルター)2倍速(ダブルアクセル)」

 

さっきの2倍のスピードで加速した。正面からの突撃。互いに突撃することも考えれば、ぶつかり合うまでに1秒もかからない。そのわずかな時間を、さらに超宇宙聖剣(スペースカリバー)でねじ伏せる。

 

ランスロットの無毀なる湖光(アロンダイト)にも、刀身から漏れ出すほどの魔力が収束している。

 

これが最後だ。

 

全てがスローモーションの中、お互いの剣が相手の首に吸い込まれていき―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ランスロットの無毀なる湖光(アロンダイト)は空を切る。

 

足元に打ち込んだACT3に吸い込まれるようにして地面に潜り込んで回避した。全体重を乗せた一撃が全くの空振りに終わったランスロットは、これ以上ないくらいにバランスを崩している。

 

ロケットのように飛び出した俺は左手を鎧にねじ込んだ。

 

「左腕開放(デクストラー・エーミッタム)ッ!!」

 

地面から空に向かって、常識ではありえないことだが、その方向に向かって稲妻が迸った。封印していた雷の投擲(ヤクラーティオー・フルゴーリス)は鎧と、その下にある鋼の肉体を貫いてランスロットを串刺しにしていた。対魔力のおかげかまだ息がある。

 

今度は右腕から極星の光が溢れ出した。

 

「超宇宙(スペース)――――」

 

光りに焼かれる直前。

 

「――――聖剣(カリバー)ッ!!!!」

 

ランスロットの目に涙が浮かんでいた気がした。

 

星の斬撃は雷の投擲(ヤクラーティオー・フルゴーリス)をやすやすと切り裂き、空に向かって光の柱を作り出した。必勝の攻撃は、寸分たがわず俺に勝利をもたらしてくれた。

 

すでに現世からの退去が始まっているランスロット、その横を通り過ぎる。

 

その先にいるのは、守る者のいなくなった臓硯。

 

「イレギュラー……ッ!! 貴様ァァァァ!!」

 

もはや吠えることしかできない怪人。体はどんどん腐り落ち、それを止めることは出来ないようだ。それもそうだ。俺は臓硯の蟲蔵を跡形もなく消し飛ばしているのだから。新しい体の補充もできない。臓硯も追い詰められていたのだ。

 

「終わりだな、臓硯」

「ふざけるなッ! ワシがッ! ワシがどれだけの時間をッ! 手をッ! 尽くしてきたと思っているッ!」

 

俺は手を向けて一言。

 

「それで人を不幸にしてたらお終いだよ」

 

――――術式開放(ペルフェクトゥス・プラスマティオーニス)。

 

「雷の暴風(ヨウィス・テンペスタース・フルグリエンス)」

 

俺の放った最後の一撃は、臓硯を跡形もなく消し飛ばすのだった。

 

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