「ぷはぁ……っ、はっ……」
俺たちの唇の間に透明の橋が架かる。静かな部屋に響いていた粘着質な音がなくなり、心臓の音だけがやけに大きく聞こえてくる。
桜に押し倒されてキスをされた。
唇を啄むようなバードキスではなく、いきなり舌を絡ませる激しいものだ。ねっとりとした唾液が絡まり、桜から一方的に流し込まれる。しかし俺も負けてばかりはいられない。舌先で突き、舌の腹を擦り合わせる。俺の胸には桜の大きな双丘が押し付けられ、形を変える。柔らかな感触に俺の下腹部に血液が送り込まれる。にちゃにちゃと卑猥な音を立てながら、俺達は粘膜を擦り付け合う快楽に酔ってしまっていた。
虚ろだった桜の目は快感が抜けるにしたがって焦点があってきた。熱に浮かされた目には俺しか映っていない。瞳に移る俺が見えるくらいの距離で、俺たちは見つめ合っていた。
「……ごめんなさい、翔君。こんな……こんなこと」
「さく―――むっ!!」
俺が何か言う前に、桜が口をふさいできた。
「んっ、んちゅるっ、れろっ、じゅるるっ、はむっ、あむっ、れるっ、んむっ、ちゅるるっ、んんっ……んんんっ……」
「~~~~……っ! ~~~~……っ!」
さっきのキスを軽々と超えていた。
桜の舌による蹂躙があまりにも激しくて、声にならない悲鳴を断続的に上げてしまう。それほどまでに桜の口づけは情熱的だった。首に絡めた腕が巧みに俺の顔の角度を変え、様々な角度から俺の口内を舐め、歯列を舐り、舌を咥え込んで啜る。
桜は腰を悩ましくくねらせて絶え間なく俺のモノを刺激してくる。
「でも、もう、やっと再会できて、気持ちが溢れちゃって……本当はこんなことするつもりはなかったんです。もっとゆっくり、していこうと思ってたのに……っ」
「桜……」
俺は連続した記憶だからあまり気にならないのかもしれないけど、桜にとってはそうではないんだ。
聖杯戦争から10年、その長さは俺達が生きた時間から考えれば倍以上になる。しかもこの島に来て再会出来たと思えば、その時の記憶がない。それでも俺のそばにいてずっと待っていたんだ。気持ちが抑えきれなくなってもおかしくない。
俺もいきなりセックスなんて考えてなかったけど、桜の過去と(知っているか分からないけど)俺の性活について知っているなら、無理もない、かな。
「大丈夫だよ、桜。俺がそんなことで嫌いになるわけないって」
「ですよね? アハハ、あんなに一杯の女の子とイチャイチャしてるんですもん」
これは色々とバレているのでは?
この家に住んでいる女の子なら、俺のことについて知っていてもおかしくはない。内々に対してはどんとこいの俺だったが、外にバレるのに対しては大変ビビりだ。
「さ、桜?」
「私が初めての女の子じゃないですもんね」
完全にバレてる!
「分かりますよ。一緒に住んでるんですもん。女の子同士の会話にまでは翔君は入ってこれないですもんね」
やっぱりこの瞬間は冷や汗が流れるものだ。受け入れてもらえるのか心配になる。
「ち、ちなみにいつから?」
「再会してからすぐですよ? お話すればすぐに分かりますもん。みーんな翔君のことが好きなんです。翔君も男の子ですから、可愛い女の子に好意を寄せられればそうなっちゃいますよね?」
桜は体を起こし、自らの服に手をかけた。10年前の姿からは想像もできない、すっかりと少女の体へと成長した体が、徐々に俺の目の前にさらされていく。
「でも正直、少し安心したんです」
上の下着は身につけられていなかった。押し付けられていた胸の感触からわかっていたことだったが、目の前に滑らかな肢体が見せつけられると圧倒されてしまう。張りのあるおっぱいがツンと上を向き、すでに固くなっている。しっとりと汗に濡れ、鍛えられたしなやかな筋肉が艶めかしい輝きを放っている。
「……っ」
思わず生唾を飲み込んでしまう。俺の息子はすっかりと存在を主張するようにズボンを押し上げ、桜の柔らかなお尻をぐりぐりと突いている。
それを感じ取ったのか、桜はズボンから俺のペニスを取り出した。大きくカリが張り、先からはカウパーがにじみ出ている。誰かに扱われるのを必死に待っている別の生き物だ。
桜がさわさわと触ると、何とも言えない刺激が、俺の脳内をかき回してくる。
「もしも翔君が誰か好きな女の子1人にしか気持ちが向かない一途な人だったら、って。それでも私の気持ちが変わることはありませんけど、『そういうことは』難しいですもんね」
バサッ、と無造作に服が投げ捨てられる。
唯一の衣服である白の三角布もしっとりと濡れ、張り付いてしまっている。しかも腰の横で紐を結ぶタイプのものだ。その結び目すら、何の躊躇もなく解いた。透明な糸を引く布切れもなくなり、正真正銘、生まれたままの姿になる桜。
「私みたいに汚れた女、相手にしてくれる人なんてそうそういませんから。翔君が潔癖な人だったら、絶対に受け入れてくれないと思って―――」
汚れた、か。確かに、桜は昔、間桐の蟲蔵で凄惨な調教を受けていた。あまりにも幼い桜の心には、あの時の出来事が焼き付けられ、生涯消えることのない傷になってしまっているだろう。
いつの間にか、桜の目には涙が溜まっていた。
「―――私、処女じゃないんですよ? それも男の人じゃない……蟲に初めてを奪われてる女なんです。それでも、受け入れてくれますか……?」
お互いのアソコはすでに準備万端。特に桜の体は感情を受け止めきれる限界を超えてしまっているらしい。
亀頭と入り口がキスをする。お互いの性器はお互いの熱で火傷しそうになる。亀頭をあまがみされたことで腰が浮き上がりそうになるが、何とかこらえる。桜も一瞬力が抜けたようだったが、何とかこらえていた。
後は桜が腰を下ろせば、俺たちは繋がることになる。
躊躇せずに裸になったなんてとんでもない。桜はこの上ない覚悟をもって俺の前にこうしているんだ。10年間待った感情、再会してから俺の記憶が戻るまでの感情、他の女の子としている時の感情、そもそも汚れた自分を受け入れてくれないかもしれないという感情。
全てが合わさり、今こうしてここにいるんだ。
そんな女の子に対する答えなんて1つしかない。
「もちろんだよ。おいで、桜」
「――――」
全ての力が抜けてしまったように、桜が倒れこんできた。そんな桜を抱き留め、もう離さないとばかりに力強く抱擁する。
肉棒が勢いよく桜を串刺しにし、10年間も焦らされた子宮に強烈な一撃をお見舞いする。
「~~~~~~っっっ!!!」
直後、全身を狂ったように痙攣させ、桜はトロトロとおびただしい量の愛液を溢れさせる。
「桜? たった一突きで、そんなに気持ちよかったか?」
「はっ、はっ、はっ! は、ひぃっ……は、あぁ、うあぁ……っ」
ようやく絶頂の余韻が抜けてきたのか、桜が虚ろな目を俺に向けてくる。だがまだまだ我を失っているというわけではないようだ。
「だい、じょうぶです……っ。いきなりでびっくり、しただけでぇっ!!」
大丈夫と言われた俺は、桜の腰をがっちりと掴み逃げられないようにする。上下から圧力をかけ、桜の一番大切なところに、万力のような力をかけていく。力強い一撃ではなく、徐々に押しつぶしていくように。
奥の入り口はそこだけ少し感触が違う。そこに狙いを定める。
込める力が強くなっていくと、何か言おうとしていた桜が何も言わずに顔を伏せてしまった。握りしめられる拳には大分力が入っているのか、色が変わってしまっている。
だが俺はそんなものを見なくても、竿を包む肉ヒダが痙攣し、縋りつくさまを感じれば、この上ない気持ちになる。
「たった一突きでイったってことは、ここにされるのがいいの?」
「そう、れす……っ! そこ、ひょこがいちばん、ぐりぐりが、ぐりぐりがぁ」
絞り出すような桜の声。半開きになった口からピンク色の舌と半透明の涎が零れ落ちた。
「私が、動きますから、ね? 一回やめてくださ、いっ! あ、まってまってまって……っ! ま、また、イ、っ~~~~~!」
奥をぐりぐりとしているだけで、2回目の絶頂をしてしまう。
流石に少しペースが速すぎると思った俺は、一度手を止める。桜の様子をうかがってみると、
「だから、待ってって、言ったのに……っ、こんなに早く2回も……」
「疲れたか?」
「大丈夫ですよ。少しだけですから。今度は私にやらせてください」
「ああ、任せるよ」
桜は腰に手を置き、体を持ち上げる。亀頭が見えるギリギリまで抜くと、勢い良く腰を落とす。リズミカルにピストンを始めた。
「はっ、はっ、はっ」
「いい感じだぞ……っ、桜」
大きな乳房が桜の動きに合わせて上下に揺れる。こうも動かれてしまうとその頂点の蕾にいたずらすることが出来ない。しょうがないのでそれは次の機会に取っておくことにしよう。
「翔君、分かりますか……? 私の中、翔君の形になってるんですよ? お、おちんちんがぞりぞりって、私のおまんこじゅぷじゅぷしてるんです。私、もう2回もイかされちゃってるんですからねっ!?」
「さ、桜っ。そんな言葉どこで……っ」
いきなり桜から飛び出た下品な言葉に、俺は目を見開く。
「会ってからずっと! 再会してからずっとこうしたいって思ってたんです! ちょっとくらいHなこと調べててもしょうがないじゃないですか……っ!」
八つ当たり気味に言われる。
腰のスピードがどんどんと速くなってくる。桜の感情のせいだろう。中の動きも、俺から搾り取ろうと激しくなってくる。
桜も自分のポイントはわかっているのか、時には同じところに押し付け、重点的に喜劇している。その中でも一番いいのはやはり一番奥のようだ。子宮を押しつぶす感触と、桜の体が一瞬ふわっと浮くときが一緒だ。
ぐっぷぐっぷと根元までとろとろの肉に包まれ、奉仕され、俺の射精感も高まってきた。
「出すぞ、桜……っ! もう、出そうだ……っ!」
「は、い……っ! なかに、ぜんぶなかにください、しょうくん……っ!」
俺は今まで自由にさせていた桜の腰をいきなり掴む。そして今夜一番の力で、肉棒を子宮に押し込んだ。その瞬間、限界まで張り詰めた風船が割れてしまうように、俺の欲望が桜の中に向かって破裂した。
びゅる、びゅくるるるるるるるっ! どぴゅ、ぶぴゅるるるるるるるるるるる……!
奥の奥に向かって、白いマグマが吐き出されていく。
「ぅ……ぁ……っ」
「~~~~~~っ!!」
俺たちは抱き合いながら、絶頂を味わった。女性の中に射精するという何物にも代えがたい征服感と快感を。
30秒もするとお互いに何も言わず、キスしていた。最初のような激しいものではなく、優しいキスだ。唇の柔らかさを確認するような。2人ともそれ以上は求めない。
「翔君、ありがとうございます。こんな私を受け入れてくれて」
「あのな桜。俺が桜を見捨てる訳がないだろ?」
「もちろん信じていましたよ? 聖杯戦争で助けてもらってから、ずっとそう思っていました。でも、不安にはなるんですよ?」
「大丈夫だ。絶対に見捨てない。何があってもだ」
俺が言うと桜もにっこりとほほ笑んだ。
「私も、翔君のことを守り続けます! 何があっても信じますし、どんなことでもしますからね!」
そ、それはちょっと重いかも……や! ありがたいんだけどね!
「それに、フフフ」
「ん?」
「これで私も、『翔君の女』の仲間入りですねっ!」
「ぶっ!」
「お話には聞いていますけれど、実際どうなっているのか、ぜひとも翔君の口から聞いていきたいですね? ……あっ」
あまりにもコメントしにくい提案に目を反らすと、いまだ固く滾っている俺のペニスが少し震えた。
「それじゃあ、これを静めたら、詳しくお話を聞かせてくださいね、翔君?」
そう言って桜はゆっくりと腰を持ち上げ――――
「……おい、何をしているんだ。腹黒女に変態マスター」
「えっ」
「え──ひぅぅぅぅぅぅっ!?」
その声の主は、立っているだけでも竦みあがるような存在感を放つ黒い騎士王。アルトリア・オルタその人だった。
桜はすでに腰を動かしてしまったため、俺が吐き出した白濁液が掻き出され、桜の入り口から漏れ出る。勢いよくピストンされたとき『イイ』ところを擦ってしまったらしく、桜は嬌声を上げた後、無言でプルプルと震えている。こんな時だというのに、快感を我慢しようとする姿にぐっと来てしまう俺がいる。
何とも言えない空気が、俺たちの間に流れるのだった。