※この作品はR-18です。

このヒロインレースに遅れた二人に逆転を!≪完結≫   作:ルイ提督

3 / 9
※下品な描写あり
※アクア様が他ヒロインをバカにします。 ヘイト?


自慰で覚醒する系メインヒロイン

 カズマのゴミ箱漁りをするようになって2週間が経過していた。あの臭い付きトランクス以降、ダクネスはそれを使った自慰にドはまりしていた。それ以外はいたって平穏な日々であった。まぁ、カズマがアクアに何やら失言をしたようで、2日間屋敷を出入り禁止になるという小さな事件はあった。はっきりいって、これくらいはいつもの事だ。その後、アクアがカズマにいつも以上にべったりしているのと、暇さえあればカズマの後をチョロチョロ追いかけているのは気にはなるが…、アクアの事だ、すぐに飽きるだろう。

 ちなみにその間に収穫できたオナティッシュは0。これはさすがにおかしいのではないかと思い始めたダクネスは今日も元気にゴミ箱を漁り始めた。

カズマとめぐみんが朝食を作り、アクアがゼル帝の世話をしている僅かな時間、その一瞬を突いての犯行であった。

 

「まったく、私とて1日1回はしないと気がすまないのに、男性なら1日5回はしないと、目についた女性を襲う性獣になると聞いたのだが…」

 

 どこか、偏った知識をぶつぶつ呟きながら日課をすましていく。そしてゴミ箱の底の方に今までとは明らか様子の違う紙くずを見つけた。それはカサカサ、いやガピガピになっていて、少し黄色く変色していた。何か柑橘系のジュースのでもこぼしたのだろうか、とりあえずその紙くずの匂いを嗅いでみると…

 

むせ返るような生臭い匂い、いや栗の花の匂いがした。

 

 とうとう見つけたのだ!ダクネスは不快ともいえる臭いを数十秒楽しみ、携行していた鉄製の小さなカンカンに、その紙くずをそっと入れた。さすがに朝からふけるわけにはいかない。

 興奮で肩を震わせながら、自室へと急ぐ。ダクネスは自室の金庫にそれをしまい込み笑顔を浮かべた。それは実に蕩けた笑顔であったが、どこか達成感も感じられる笑顔であった。

 

 

 

 

 

 

「まったく、カズマさんったら本当に最低よね!ねぇ、ゼル帝もそう思うでしょ~」

 

「ビヨっ!ビヨヨっ!」

 

この街の美しきアークプリースト、女神アクアは屋敷の庭先でゼル帝をつつき回していた。ゼル帝は食事を邪魔する憎き指をついばんでいる。

 

「何がハーレム作っちゃおうかな~よ、傍に世界で一番綺麗で聡明な超絶美少女の私がいるのに!」

 

 自分自身何だか分からないが、とてもイライラするのだ。それを解消するように執拗にゼル帝をつつく。

 

「ビヨっ!」

 

「いたっ!や、やめてゼル帝!爪の間をつつくようなドラゴンに育てた覚えはないわよ!」

 

 反撃を受けたアクアはゼル帝をつつき回すのをやめる。だが、理解できないイライラがどんどんと湧いてくるのだ。

 

「めぐみんとダクネスも最近、露骨すぎじゃないかしら!いくらカズマの事が好きだからってベタベタベタベタベタ!くっつきすぎよ!」

 

 別に二人がどうしようと勝手だが、カズマさんの隣に一番最初にいたのは私だ。その居場所をあの二人は奪うつもりなのだろうか。

 

「それに、カズマさんもカズマさんよ!毎日毎日チョロチョロとほっつき歩いて!カズマさんのお金は私のお金でもあるんだからね!」

 

 魔王討伐後、カズマはもの凄くモテルのだ。いや、お金目当てのビッチに付け狙われていると言ったほうが正しいだろうか。ともかく最近カズマの回りにお金狙いのビッチが多数出現するようになった。チョロすぎるカズマさんが、騙されて私のお金を失うような事はあってはならない!

 ここ最近、アクアはカズマに同行し、寄ってくる淫乱ビッチを撃退する毎日を送っていた。

 

「それに昨日なんか、あんなに怒って…!」

 

怒られるのはいつもの事だ、だが今回の件ではあふれ出る涙はいつもより多かった。

 

 昨日、カズマの趣味である馬小屋泊まりにこっそり付いていったのだ。自分にとっても馬小屋は懐かしい場所だ。辛い事も多かったが、あの時は全てが新鮮であり、カズマと二人で過ごした楽しい日々だった。

 

 そしてアクアは夜中にカズマの元へ向かった。カズマさんも懐かしく思って優しく受け入れてくれるはずだ。それに、カズマさんの事だから私の横でゴソゴソしだすかもしれない。まぁ、私は寛容だからそれくらい許すんですけど!っと何故かドキドキしながら侵入したのだ。

 

 だが、カズマさんは私が侵入した事について数回しか見た事がないマジギレをしたのだ。私は納得がいかないと、反論しようとした。でも、本気で怒るカズマさんを見て、もしかして、カズマさんは私と二人で過ごした馬小屋生活を良く思っていなかったのだろうかと思った。それに気づいた時、この女神人生の中でも一番とも言える悲しみが私を襲った。何か言おうとしても涙しか出て来なかったのだ。

 カズマさんは、そんな私を見て今までで一番優しく慰めてくれた。そしてカズマは私を介抱しながら屋敷へ二人で戻った。でもそんな事で騙される程、私はチョロインじゃない。何より、結局馬小屋で二人は過ごす事ができなかった。それが何故か凄く悲しくて屋敷へ帰ってからも泣いてしまったのだ。

 

「ビヨヨ~」

 

「う~!ありとうね~ゼル帝~」

 

ゼル帝は情緒不安定なアクアの状態を察してか、頭をアクアの足に擦り付けた。そんなゼル帝の仕草に癒されたのかアクアは少し笑顔を取り戻した。

 

『おーいアクア~朝食できたぞ~』

 

屋敷から自分を呼ぶ声がする。アクアは袖で涙を拭うとリビングへ歩き出した。

 

 そして、リビングではカズマとめぐみんが仲良く朝食を並べていた。そんな姿を見ると何故だかイライラと悲しみ湧き出る。

 

「おいアクア!ってまた泣いたのか?目が真っ赤じゃないか!」

 

 そう言うと、カズマはハンカチでアクアの目元を拭う。

 

「目ヤニがいっぱい取れたぞ、朝食の前に顔洗ってこい!」

 

 そんなカズマを見てアクアは更に泣き出す。これは悲しいからではなく、なんだか嬉しくて出る涙だ。

 

「あ~悪かったって、昨日は俺もイライラしてたんだ。今度なんでも言う事聞くから泣くのは止めてくれ」

 

そういってカズマはアクアの頭を優しく撫でた。

 

(私の綺麗な髪に薄汚い手で触るんじゃないわよクソニート!しかも、それはイケメンにしか許されない行いよ!あんたなんか私の足を舐めるのがお似合いよ!)

 

 そんな事を言おうとしたが、カズマの手が思った以上に気持ちいい。なんだか胸がポカポカしてくるのだ。アクアはカズマのイケメンスキル『頭撫で』を目を細めながら受け入れた。

 

「ん、みんなすでに揃っていたか、さあ朝食にしよう」

 

「おう!おはようダクネス!さ、メシだメシだ!」

 

みんなと朝の挨拶を交わし、朝食を取る。いつもの日常だ。

 

 だが、アクアはダクネスから何やら不穏なオーラを感じた。

 

(これは…呪いかしら?いや違うわね、単に不浄な行いをした事による負のオーラだわ)

 

そういえば最近のダクネスは妙に大人しい。以前はドM的発言と行動で回りを困らせていたが、最近はそんな事もなくまるで貴族のお嬢様のように振る舞っている。

 

(何か悪いものでも食べたのかしら?それとも、本当に何かの呪い…?呪いならダクネスとめぐみん合わせてサクっと死ねばいいのに。そうすれば私はカズマさんと私二人っきりで…)

 

「どうしたアクア?さっきから手が進んでないぞ?」

 

「…っ!なんでもないわよ!」

そういって、アクアは朝食を口一杯に詰め込む

 

(私、一瞬何を考えたのかしら?大切な仲間であるめぐみんとダクネスに対してっ…!)

 

自分への嫌悪感で一杯になったアクアは、それを忘れようと一心不乱に朝食をかきこんだ。

 

(今日の夜はダクネスを見張るべきね!クソ悪魔や悪霊は夜中に接触してくる事が多いしね!)

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ、ついにこの時が来たのだな!」

 

 草木も眠る丑三つ時、暗闇の中でダクネスは怪しく嗤う。小さな鉄のカンカンを愛おしそうになで、ゆっくりと蓋を開ける。密封されていたからだろうか、蓋を開けた瞬間、精臭があたりを漂い、霧散した。

 

そしてその紙くずの匂いを嗅ぎ……

 

 

 

―――ダクネスはまた秘所をいじらずに絶頂した。

 

 

 

匂いを嗅ぐだけで絶頂するそれ程にまでダクネスはカズマに心酔していた。

 

「んぁ!ん…あん!ふみゅ…ふきゅうううぅぅぅ!」

 

それからは声を抑えた嬌声と淫靡な水音が鳴り響いた。

 

 

(ななななにやってるのよダクネスは!全く心配して損したわ!)

 

 ダクネスの部屋のクローゼットの中、アクア心の中でそう絶叫した。心配して監視していたのにダクネス本人は盛大に自慰にふけっていたのだ。

 

(でも、ただの自慰だけでこんな負のオーラは感じないわ!一体なんで…?)

 

「かじゅま~!すきすきすき~!かじゅまぁわたしを孕ませて!!」

 

 カズマという単語に反応してアクアは再びダクネスを見る。ダクネスは黄色いガピガピの紙クズの匂いを嗅ぎながら、己の秘所をかき回していた。

 

(ったくカズマの何がそんなに良いのかしら!あんたは薄汚い糞モンスターに凌辱される方が好みだったはずなのに!)

 

理解不能のイライラを募らせながら、アクアはダクネスを再びじっくりと見る。

 

(あの黄色い紙クズはなんなのかしら?あれに接触するたびにダクネスは負のオーラを強めてるわ!何か後ろ暗いものなのかしら?でもあれ自体に呪いや悪意も感じないわ。それに毒のたぐいでもないし…、むしろ何故だか私にとって神聖な波動をあの紙から感じるんですけど!)

 

アクアの心配をよそに、ダクネスはその紙クズに舌を這わせはじめた。

 

「んっ!カズマ苦いぞ!でもなんだか癖になる!んっ!んあっ!」

 

 そしてダクネスはその紙クズを口一杯に頬張って咀嚼し、ついにはゴクリと飲み込んだのだ。

 

(うわ、食べちゃった!毒じゃないから安心だけど紙クズ食べるなんてダクネスはキ○ガイね!)

 

アクアはクローゼットの隙間から、ドン引きしながらダクネスを見る。

 

「ふふ、お腹が熱いな…カズマの精子が水を得た魚のように私のお腹で暴れ回ってるぞ」

 

そう呟くダクネスは人に見せてはいけないレベルのトロ顔をしながら、お腹を撫で回していた。

 

(このクソクルセイダー!精子!?精子って言ったわね!カズマの……精子!?)

 

 いくらアクアでもこの感情は分かる“怒り”だ。そして怒りながらも冷静にものごとを考えていた。あの黄色い紙くずが知識としては知っていた“オナティッシュ”なのだろう。

 

アクアは全力でクローゼットを蹴り破った!

 

「ダクネス!あんた何やってるのよ!」

 

 いきなり現れたアクアにダクネスは一瞬驚くも、元の笑顔に戻り、嬉しそうにお腹を撫でる作業に戻った

 

「ん、いたのかアクア」

 

「い、いたのかじゃないわよ!あんた一体何やって…!」

 

「カズマのオナティッシュで自慰をしていたんだ」

 

「ななななっ…!あんたそれがどういう意味をしているか…!」

 

 

 

 

「私が好きな男の子種で自慰をする事が不満か?」

 

 

 

 

 そういって怪しく嗤うダクネスにアクアは気圧された。しかしこれで挫けるアクアではない。ダクネスをキッと睨み返す。

 

「っ…!この変態!この事、カズマさんに言うからね!きっと怒るだけじゃなくて、あんたなんか見放されるわ!」

「ほう、そうか言うのか、それはありがたい。私とてさすがにこれを自分で言う勇気はなくてな」

 

「なんであんた平然としてんのよ!これがバレたらカズマさんに…!」

 

「カズマはこれを知ったらどうするだろうな?」

 

ダクネスの言葉でアクアは黙り込む。もしカズマがこれを知ったら…

 

「あの男は私に呆れるだろうな!そして、その後こう言うのだ『おいエロネス!そんなに俺の子種が欲しいなら直接飲ましてやる!』そういって私はカズマのペニスを口に強引に突きこまれるのだ…、んひぃ!」

 

 そういってダクネスは肩を震わせる。アクアとて理解している、あの男はヘタレだ。しかし、ヤレル建前があればカズマとて獣になるのだ。

 

「多少自惚れが入るが、私の容姿は良い方だし、スタイルもあの男の好みだ。そしてカズマとはお互い気を許し会える仲だ。もし私がカズマを思って自慰にふけっていたのなら、罵りつつもあいつは内心喜ぶだろう。私とて、カズマが私を思って自慰をしているのなら嬉しさのあまり、泣いてしまうぞ!」

 

 そう言う、ダクネスに私は反論しようとするが、出てくるのは大粒の涙だけだ。自分自身、何故だか分からないが泣いてしまうのだ。何だか、とても悔しい。それに怒りと、それに似た何だか分からない感情が私の中で暴れ回る。それは怒りの数十倍も大きいものだ。その感情は私に思っても見ない事を抱かせる。

 

(ダクネスなんか死んじゃえ!カズマの傍から消えていなくなれ!いなくなって!)

 

 もちろん、そんな事は口に出せないし、アクアはそんな自分に特大の嫌悪感を催す。どうすればよいか分からず、ただ泣く事しかできない。

 

「まったく、アクアは泣き虫だな。ただ、クリアマインドの境地にある私にはお前の最近の様子から、お前がどのような感情に振り回されているか察しがつく。どちらにしろ、うるさくしたら近所迷惑だ。自分の部屋に帰るといい」

 

 そういってダクネスはアクアを押して廊下に出そうとするが、アクアは泣きながら抵抗する。そんなアクアを見てダクネスは溜息をついた。ダクネスは金庫から何かの布きれを取り出すと、アクアに手渡した。

 

「このままここで泣かれるとカズマにいらぬ誤解を受ける、しょうがない。アクアこれをやるから自分の部屋に帰ってくれ」

 

「何よこれ………」

 

「カズマのパンツだ、カズマがさっきまで履いていた奴を風呂場から取ってきたんだぞ?しかも、私がまだ使っていない新品だ」

 

「呆れた変態ねダクネス……」

 

「む、いらないなら返して欲しいんだが」

 

 ダクネスはアクアが手に持つトランクスを引っ張る。しかし、アクアはそれを手放そうとしなかった。それを見て、ダクネスはにやりと笑った。

 

「それをどう使うか私は知らん。さ、帰った帰った!」

 

 アクアは抵抗せずに廊下に押し出される。そして、布切れを手にトボトボと自室へと帰っっていった。

 

 

 

 

 

 

 アクアは自分の部屋のベッドの上で膝を抱えて体育座りをしていた。そしてベッドの上にはカズマの下着、トランクスが広げられていた。アクアはさっきまでの事を思い返す、そうすると自然と涙と悔しさがこみ上げて来た。

 

「なんだか、カズマさんに会いたくなってきたんですけど!」

 

 涙を袖で拭きながら立ち上がる。しかし、そこで足が止まった。今は深夜、こんな時間にカズマの部屋に行ったら、カズマさんは、また怒るだろう。それは嫌だ。今カズマに邪険に扱われたら私の何かが壊れてしまう気がする。

 アクアは大人しくベッドに座り直す。そこには相変わらずカズマのトランクスがあった。何故だかそれに自然と手が伸びる。

 

「ちょ、くっそ汚いクソニートのパンツなんて、触りたくないんですけど!でもこのままだと、ベッドが汚染されちゃうわ!仕方なく、仕方なくなんだから!」

 

 そういってアクアはパンツを手に取る。パンツを手に持つ手はピリピリとした正体不明の刺激があった。それになんだか胸の奥がキュウキュウとしまり、お腹の奥がジンジンと熱くなる。

 アクアはカズマのパンツを自分の腕と胸で掻き抱いた。すると、何故だろうか。カズマさんが身近にいるような感覚に陥ったのだ。

 

「ムカつくけど、なんだか安心できるわね…」

 

 あのクソニートは本当にムカつく男だ。でも何故だろう。近くにいると自分は自然と笑顔になってしまうのだ。できるなら毎日、ずっと私の隣に居て欲しい。

 

「ふふ、あのクソニートは本当に最低ね!ダクネスなんて、あんたのせいでキ○ガイになっちゃったわ!」

 

 そう呟くアクアの表情は笑顔であった。さっきまで泣き続けていたのが嘘のようである。そうして、数十分アクアは幸せな時間を過ごしていた。そして自然と目を閉じてしまう。普段のアクアなら今はとっくに夢の世界へ旅立つ時間だからだ。

 そんな時、普段から嗅ぎなれた、安心できる匂いを感じた。

 

「カズマさん……?」

 

 目をこすりながら、あたりをキョロキョロと見回す。そこにあの放蕩ニートの姿はなかった。しかし、この香りは確かにあの男のものだ。その出所を探し、それが掻き抱いていたカズマのパンツからしているのに気づいた。アクアは顔を真っ赤にさせる。これでは、あのエロネスと同じではないか!

 

「いやぁ!ダメ!汚い、汚いからぁ!ありえないありえないぃ!」

 

 そう叫ぶが、パンツを持つ手がどんどんと顔に近づいている。自分の体なのに、手の制御がきかないのだ。

 

「わ、わたしは女神アクアよ!その誇り高き女神が放蕩ニートのパンツなんて顔に受けたら、美しき顔が腐っちゃうわ!だから、やめ…やめろ~!お願いだから止まって…ファ!?」

 

 数十秒、アクアの時が止まった。トランクスを自分の手で顔に押し付ける女神。こんな姿をアクシズ教徒が見たら、さすがに信仰心は揺らぐだろう。中にはさらに信仰心を高めるものもいるかもしれないが。

 アクアの部屋は静寂に満ちていた。しかし少しずつ大きくなる音がある。

 

――呼吸音だ

 

 最初は静かなものだったが、次第にすぅーはぁーという呼吸音が部屋の中にこだました。そして1刻がたった頃、アクアはやっとパンツから顔を放した。

 そこには満面の笑顔を浮かべた女神の姿があった。そしてアクアは明るい声で話しかけた!

 

――パンツに!

 

「ねぇねぇカズマさん!カズマさん!わたし、ちょっとカズマさんに言いたい事があるんですけど!」

 

 そういって話しかけられたパンツはもちろん反応を示さない。この1刻で何があったかは分からないが、女神の脳内ではカズマ=パンツの図式が完成していた。簡単に言うと、軽い精神崩壊を起こしていた。

 

「最近、糞ビッチ共に言いよれられるからって、ニヤケ面しないで!酒や食べ物を奢るなんて論外よ!そんなブス共より、次元を超越した美しさを持ったこの私をもっと見て!甘やかして!アクア様が一番綺麗で可愛いって褒め称えて!」

 

そういって、アクアはパンツをポスポスと殴りつける。

 

「後、最近めぐみんやダクネスとイチャイチャしすぎよ!そりゃあ二人は大切な仲間よ!でもね、情けない死に方をしたクソニートを選び、才能を開花させたのは、この女神アクアよ!最初からカズマさんと苦労を共にし、今までずっと楽しく過ごしてこれたのは、私のおかげでしょ!ほら、謝って!最近アクア様の事を邪険に扱ってごめんなさいって謝って!」

 

アクアはパンツを殴る勢いを強めた。ポスポスという音がボスボスという音に変わる。

 

「それにね!もし、カズマさんの冒険を本にしたとするならば、誰がメインヒロインか分かる?それはね!カズマさんを導き、いつも隣であなたを支えた女神アクアよ!めぐみんやダクネスはあくまでサブヒロインよ!他の女なんてせいぜいトラブルを持ち込む脇役よ!分かってる!?」

 

ボスボスがドスドスという音に変わる。そして、部屋にまた静寂が戻る。

アクアは再び大泣きしながら、パンツへと顔面ダイブした。

 

「だから他の女なんて見ないで!もっとわたしを見て!ずっと隣に居てくださいアクア様って言って!」

 

その後は、うってかわって泣き声が響く。しかしそれも数十分で止まった。

 

「ふふ、私、パンツ相手にバカみたいね…、こんな所、信者に見られたら堕天不可避だわ…」

 

そういって私はパンツから手を放す。

 

「ふわぁ~もう寝ないと!エロネスのせいでとんだ目にあったわ!」

 

私は布団をひっかぶった。今日は寝て、何もかも忘れるのだ!

 

 しかし、微かに匂うカズマの香りが私を寝させてはくれない。手は再びパンツへと伸びていた。確かこれでダクネスは自慰をしていたらしい。あんな男の何が良いのだろうか。自慰は知識としても知っていたし、一回した事がある。自慰とは好きな男や、イケメンを思い浮かべてするものだ。昔、この世界に送ったイケメンショタがいた。見た目が好みだったため、知識としてあった自慰をした事がある。気持ち良くなるどころか、なんだか途中で怖くなってやめたが。あんな事をカズマさんでやるなんて、やっぱりダクネスはおかしいと思う。

 

「でも、ちょっとだけ!試しにやってみるだけなんだから!これでカズマさんが変な気起こしたら大変よ!」

 

 ぶつぶつ言いながらアクアはカズマの事を思い浮かべる。あの生意気な放蕩クソニートの姿を。それだけで何故か胸がとても苦しくなり、お腹の奥がジンジンと熱くなる。アクアはそっと自分の秘所へと手をあてがい……

――パンツ越しに分かる程、自分が濡れていることに気付いた

 

「え?なんで?この高貴なアクア様が…んぅ!」

 

 自分のパンツに触れただけで、ビリビリとした快感を得た。こんなの今まで経験した事がない。なんだか怖くなってきた。もうやめようかと思った時、何故かカズマの笑顔が頭の中に浮かぶ。それだけで、恐怖や不安が吹き飛んだ。

 アクアは恐る恐るパンツの上から自分の秘所を触る。それだけでとても気持ちの良い快感が襲う。ただ、何か、何かが足りないのだ。

 こんな時、ダクネスは何をしていただろうか?あのドMクルセイダーは自慰の時、必死にカズマの名を呼んでいた。

 自分が、クソニートで自慰をするなんて本来ありえない事だ。まして、名前を呼ぶなんて。でもちょっとだけ、ちょっとだけなんだから!そう思いながらポツリと呟く。

 

「カ、カカカ…カズ、カズマァ!!!」

 

 名前を呼んだその瞬間、今までの比ではない快感が湧きおこる。これは一体どういう事だろうか?分からない、でも名前を呼ぶともっと幸せになれる気がした。

 

「カズマ、カズマ、カズマ!カズマカズマカズマカズマカズマカズマ!」

 

 名前を呼ぶたびに、快感が体中を快感が駆け巡る。ありえない、こんな事はありえない。

 

「カズマさんカズマさんカズマさんカズマさんカズマさんカズマさん!」

 

 でも何か、何かが決定的に足りないのだ!それさえあれば、私は更なる快感を得られると身体が伝えてくる。でもそれが何か分からない。

 

「カズマさん…」

 

 こんな時、ダクネスは何をしていただろうか?そういえば頭のおかしな事を口走っていた。クソニートにあんな事いうダクネスはやっぱり頭がおかしい。めぐみんより、頭がおかしいかもしれない。でも試すだけ、今回だけだ。自分がこんな事を自慰の時に口ばしるなんてありえない。ありえない。

 

「い、いちどだけだから、絶対ありえないから!試すだけだから!」

 

言い訳をするようにアクアはブツブツと呟く。

 

「いちどだけ、いちどだけ!」

 

言い聞かせるように呟きながら覚悟を決める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カズマさん、好き!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時、頭が真っ白になるほどの快感が体中を駆け巡る。身体はビクビクと痙攣し、制御がきかない。そして、自分の秘所からはありえない量の分泌液が流れ出る。これは、失禁してしまったのだろうか?それにしては、臭いもない。これはなんなのであろうか。

 それよりも、とても屈辱的な状況である。私がクソニートを好き?そんなことはありえない。イケメンじゃない、もやしクソニートが好きなんてありえない。大金を得たらダラダラ家ですごし、女の子にセクハラし、卑怯な方法で他人を蹴落とす放蕩ニートが好きなんてありえない。

 

「カズマさん、好き」

 

でもクソニートは私を退屈な天界から抜け出させてくれた。

 

「カズマさん、好き」

 

カエルに頭から飲み込まれた私を助けてくれた。

 

「カズマさん、好き」

 

近所の人や、警察の人に迷惑かけた時、なんだかんだ言うけど一緒に謝ってくれた。

 

「カズマさん、好き」

 

アクシズ教徒の皆に何かしてあげようとした時、お祭りだとか色んなことを一緒に考えて、しかもそれを実現してくれた。

 

「カズマさん、好き」

 

私が性悪プリーストのせいで自信を失った時、カズマさんだけは私を信じてくれたし、私のために大勢の人を相手に一人で戦いに挑んでくれた。

 

「カズマさん、好き」

 

そして何よりも、私が言ったワガママ、ちょっと天界が懐かしくて帰りたいって言った時。

 今思えば、馬鹿馬鹿しいワガママ。それを叶えるために、今までチート転生者ができなかった魔王討伐を、貧弱もやしクソニートのカズマさんがやってのけた。しかも、私のために、文字通り命を投げ捨てて、私のちっぽけなワガママを叶えてくれた。

 

 

「カズマさん、大好き!」

 

 

「しょおがねえなあああああ!」の一言でどんな無理難題も解決する。最後の最後に頼れるカズマさんの事を私は大好きだ。それを思いしらされた。

 

 そうすると、今までの正体不明の感情やイライラについて納得がいった。そう、私は嫉妬していたんだ。いつもキープしてきたカズマの隣、そこを取られそうになって私は気が狂いかけていた。気づいてしまえば簡単なものだ。こんなイライラ、すぐに解消できる。

 

 私はカズマさんの事が好きだ。何故こんな事に気付かなかったのだろうか。恐らく私の明晰な頭脳が誤作動を起こしたのだろう。さすがに今回ばかりは優秀すぎる知能が恨めしい!

 アクアはカズマのパンツを手に取ると、それを超凄い魔法で次元の彼方に吹き飛ばした。私が欲しいのはパンツではない!カズマさんだ!

 

アクアはいつも通りの表情、傲慢不遜の態度と、うざったいドヤ顔を取り戻した。

 

「まったく、ダクネスもめぐみんも、サブヒロインのくせにおこがましいわ!カズマさんの一番は私、カズマさんの隣はメインヒロインである私のものよ!」

 

決意するように大声で叫ぶ!

 

「待ってなさいカズマ!あなたは私の物!いや、私はあなたの物なのよ!」

 

ヒロインレースの大番狂わせが動きだした。

 

 

 

 

 




ゼル帝は書籍ではニワトリ化するのでしょうか?
間を取って、中間にしました。ヒヨコを育てた事がある方なら理解できる「産毛が抜け始め、鳴き声に濁点が入りはじめたヒヨコ」です。
他ヒロインは、アイリスとエリスがちょろっと出ます。
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