※この作品はR-18です。

このヒロインレースに遅れた二人に逆転を!≪完結≫   作:ルイ提督

4 / 9
※下品な描写あり
タイトルの元ネタはR-TYPEです。


-Operation BITTER SPERM-

「む、今日もあるな」

 

 そう呟いて、ダクネスはカズマのゴミ箱からオナティッシュを回収する。ここの所、毎日のようにカズマは自慰をしているようだ。

 

「まったく、ゴミ箱を孕ませる気かあいつは!」

 

ダクネスはニヤニヤと嗤う。アクアの襲撃から3週間、いつも通りの平穏が続いていた。アクアはカズマに真実を伝える事はなかったようだ。恐らくヘタレたのだろう。ただ、アクアは相変わらずカズマに付きまとっている。そのせいか、カズマは馬小屋に泊まっていない。

そして、最近増えたカズマの自慰、おのずと見えてくるのだ、真実が。最初のオナティッシュも泣いたアクアを引き連れて馬小屋から帰って来た日だ。カズマは最近馬小屋に行っていない。増えるオナティッシュ。つまりカズマは馬小屋で持て余した性欲を一人で発散していたのだろう。私の雇った監視がカズマの自慰を報告するわけないし、藁で隠せば回りからも気付かれないはずだ

最近のカズマは私の部屋着姿をいつにも増して血走った目で見てくる。そして自室にこもっては『ペット枠が…色物枠が…!』と意味不明な言葉を口走っている。恐らくたまっているのだろう。

ダクネスは作戦を実行する事にした!

 

 

 ダクネスがカズマのトランクスを奪うために色々と画策して約1ヵ月、カズマが4番目、最後に風呂に入る事を定着させた。そうすると、1番風呂をアクアが、2番目がめぐみん、3番目が私と、自然に風呂の順番が固定化した。

 そしてダクネスは入浴を済ました後、とある仕掛けを施した。作戦は上手くいったのだろう。カズマが風呂の後に私にこそこそと話かけてきた。

 

「おいエロネス!下着が洗濯籠に置きっぱなしだったぞ!早く回収しないと俺がすんごい事するぞ!」

 

かかった!私はできるだけ、いつも通りに話かけた。

 

「すんごい事とはなんだ!まったく…、ただ最近面倒になってきてな。どうせ明日には洗うんだ。あの籠に入れていても問題はあるまい。ただし、間違ってもお前は見ようとするなよ!そうなったら夜な夜な…」

 

「あったりまえだろ!たく、それなら知らねーからな俺は!」

 

ふて腐れたようにカズマは去る。計画通りだ。私は『どうせ明日には洗う』という部分を強調しながら言った。あの男はヘタレだが、性欲は人並み以上に持っている事をダクネスは把握していた。

 

その日の深夜、私は洗濯籠に入れた下着を確かめる。だが変化はなかった。

翌日も同じ事をするが、私の下着に変化はなかった。

 

3日目、洗濯籠に置いた私の下着に変化が現れた。私はそれを良く観察する。一見、おかしい所はない。しかし、私の下着のある部分、“クロッチ”が僅かに湿っていたのだ。私はクロッチの匂いを嗅ぐ。

 

 

 

 

 

――石鹸と、最近嗅ぎなれたカズマの精臭がした。

 

 

 

 

 

「ふふ、そうか!カズマは私で自慰をしたのか!本当にお前という奴は!」

 

恐らく、私の下着に欲望をぶちまけた後、石鹸で洗って乾かし、証拠隠滅を図ったのだろう。しかし、無駄な努力だ。強烈なカズマの匂いがこれだけ自己主張しているのだ!

ダクネスは鼻息を荒げながら、湿ったパンツに履き替える。ダクネスは作戦の成功とこれからの出来事に対する期待で胸を高鳴らせた。

 

 

4日目、昨日と同じく下着が湿っている。私は狂喜しながら履き替える。

 

 

5日目、下着はいつものように湿っている。しかし、匂いを嗅いで今までと違うという事が分かる。石鹸の匂いがなく、精臭がいつもより強いのだ。あの男はバレてないと思って、下着を洗う手間を省いたのだろう。恐らく水洗いしかしていない。

私はそれを自室に持ち帰り、クロッチの部分をジュルジュルと吸う。そして快楽にふけった。

 

 

 

6日目、私の下着には多数のしわがあった。恐らく、今までは私の下着に欲望をぶっかけるだけに留めていた。だが、カズマは完全にバレてないと思ったのだろう。私の下着でペニスを荒々しくしごき、欲望をぶちまけた。そうに違いない!

 今までは、私の下着の変化はパッ見では気付かないだろう。しかし、これだけしわくちゃになった下着を見れば何があったかなんて一目瞭然だ。

 私はその場で自分を慰めてしまう。脱衣場に狂ったような嬌声と水音がなり響く…

 

 

 

7日目、私はこの作戦の最終段階に移行する事にした。恐らくこの作戦が決定打となって、ヒロインレースは決着となるだろう。私はこの作戦をオペレーション『ビタースパーム』と名付けた。これが最後の舞踏になる!

 

 

 

私は、いつものように下着を洗濯籠に放り込み、脱衣場から出る。しかし、今日はこれで終わりではない。私はカズマが脱衣場に入ったのを確認すると、脱衣場の扉の近くに身を潜める。そうすると、微かにカズマの声が聞こえて来た。

 

 

『ったく!あいつらは一体なんなんだ!?めぐみんは気が付いたら俺の腰に抱き着いてるし、ダクネスなんか露骨にあの巨乳を押し付けてくる!しかも、あんなエロイ恰好しやがって!あいつら無茶苦茶に犯してやろうか!』

 

荒々しい衣擦れの音が聞こえてくる。それにしても、無茶苦茶に犯す…か。早くすればよいのに。

 

『それに、アクアもなんだ!?一日中俺に付きまといやがって!おかげで馬小屋に行けねーじゃんか!しかも、最近のアクアは何故だか凄くかわ……ペット枠ペット枠ペット枠!』

 

やはり、馬小屋に行ってないか!カズマの性欲はもはや限界だろう。そして脱衣場は静寂につつまれていた。カズマが浴室に入った様子もない。ゴソゴソと何か漁る音がする。

 

 

『本当に、ララティーナは無防備なお嬢様だな!男がこんな物を前にして紳士でいられるわけないだろ!こんなにエロイ下着しやがって!お仕置きしてやる!』

 

それからは男のくぐもった声と微かに布のすれる音がする。

私も自然と秘所に手が伸びていた。

 

 

 

「あぁ…!くっ!もう許さねぇ!許さねえからな!今度ダクネスが抱き着いて来たら、無理矢理にも犯し……うっ!」

 

 

 

 

 

――私は脱衣場の扉を蹴り破った!

 

 

 そこには、私の下着を己の股間に押し付けて、茫然とこちらを見る男、カズマの姿があった。

 

「カズマ、何をしている?」

 

「へ、ダクネス?ここここここここ、これは…その…神聖な儀式というか、男として必要な事で…」

 

私はカズマが持つ下着を取り上げた。その下着のクロッチの部分には白濁の液体がぶちまけられていた。

そして私は優しく微笑んだ。

 

「そうか、カズマも大変だな。たまっていたのだろう?」

 

 そういって私はカズマの頭を優しく撫でる。カズマは青白い顔から一転、真っ赤になった。肩もぶるぶる震わせている。

 

「スッキリしたか?なら今日は風呂に入ってゆっくり寝るんだ。そうすれば…」

 

 

 

「ああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

カズマは叫び声を上げながら部屋を出て行った。

 

 

「ふふ、予想通りだな」

 

そういって、ダクネスはクロッチにぶちまけられた白濁の匂いをスンスンと嗅ぐ。今までで、一番強烈な香りだ。これを見て、ダクネスは不思議と自慰をする気にはなれなかった。私にとってカズマの白濁は女神エリスに勝る程の、神聖なものに見えた。そして何より……

 

 

 

 

 

 

――美味しそうだ

 

 

 

 

 

 

私は白濁に顔を近づけ、一気に啜った!

 

「ん……んじゅ……んん!」

 

私は頬一杯に詰め込んだ白濁を、舌でかき回す。一気に飲むなんて、もったいない事はできない。そして、ゆっくりと咀嚼する。苦味、ほのかな塩味、普段なら不味いと評するものだろう。

 しかし、ダクネスの貴族人生の中で、カズマの白濁は一番美味しいと言えるものだった。それに、カズマの子種を口にする背徳感とカズマの一部を口にする多幸感が合わさって発狂しそうだ。

 しかも、カズマの白濁は私の口内に絡みつく。まるで口内を犯されているような感覚に陥る。それにしても粘り気の強い白濁だ。こんなものを膣内に出されたら、一発で孕んでしまうだろう。

 加えて、生命力が強そうだ!恐らく、私の卵はカズマの白濁に輪姦されてしまうに違いない。これでは双子どころではなく、六つ子を孕んでしまうかもしれない!

 興奮で肩を震わせながら、ダクネスはゴクリと喉を動かした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダクネス!カズマに何があったか知りませんか!?」

 

「どうしためぐみん?私は何も知らないぞ」

 

「そうですか…カズマが奇声を上げて家を出ていきましてね…、しかもパパパ、パンツ一丁で!」

 

「なーに、いつものことさ。そのうち帰ってくるだろう」

 

「それを言ったらお終いじゃないですか…」

 

そういって、ふて腐れるめぐみんを私は微笑ましく見守る。

 

「アクアはどうした?」

 

「アクアなら、カズマを追いかけましたよ」

 

「そうか、なら安心だ」

 

ダクネスはゆったりと椅子に腰かける。カズマはあの程度の事がトラウマになって行方をくらませる男ではない。むしろ、これからのあの男の動きが手に取るよう分かる。

 

「どうしたのですか、ダクネス?随分とご機嫌ですね?」

 

「うむ、ちょっと良い事があってな」

 

そういって微笑むダクネスに、めぐみんは思わず見惚れてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カズマさん…どこに行ったのかしら?」

 

まもなく、深夜に差し掛かる時間帯、アクアは街中で寂しそうに呟いた。先ほど、カズマが奇声を上げながら屋敷を出てったのだ。その時のカズマは、羞恥と怒りをごちゃまぜにしたような顔だった。とにかく、カズマさんが心配だ。それに弱ってる所を、他の女に付け込まれるかもしれない。それを防ぐには、私がカズマさんを慰めてあげなきゃ!

 

「カズマー!」

 

ちょっと声を抑えてカズマの名を呼ぶ。しかし、返事はない。馬小屋にも先ほど行ってみたが、カズマの姿はなかった。後、カズマが行く所はどこだろう。そう思案していると、見知った人影が街中にいた。

見知った人影…クリスが何やらそわそわしながら、あたりを見回していた。

 

「クリスじゃない。なにか落とし物でもしたの?」

 

名前を呼ばれてビクッとするクリスだが、こっちを見て安心したような顔で近づいてきた。

 

「しばらくぶりだね!アクアさん!いやちょっと探し物というかなんかね…!」

 

傍から見て、なんだかクリスは興奮しているようだ。

 

「そう、ならいいわ。それよりクリス、カズマさん見かけなかった?」

 

「っ…!それ!さっきね、助手君がパンツ一丁で街中を駆け抜けたのを見かけたの!」

 

そう言うと、クリスは興奮した様子で再びあたりを見回し始めた。そういえば、クリスはカズマと二人で喫茶店に行ったりする姿を見かけた事がある。さすがに友人ともいえる仲だ。この子はお金目当てでカズマに近づいたりはしない。しかし、アクアはクリスが興奮…いや発情しているのを感じとった。

 

「あんた、カズマに会って何するつもりよ?」

 

「へ?それは…その!いつもあたしをからかってくる助手君にお灸をすえようと、あ、あたしのスティールをくらわせて…!」

 

私はクリスを思いっきり蹴飛ばした!

 

「い、いたい!アクアさん一体何を…!?」

 

地面に転がり、驚いた様子でこちらを見上げるクリスを、私はキッと睨み付ける。

 

「まったく、今のカズマさんから下着をはぎ取ってナニをするつもりかしら?この淫売!あんたは、女盗賊らしく、盗賊達の情婦でもしてればいいわ!」

 

「…………アクアさん、さすがに私も怒りますよ?」

 

表情を消してクリスが立ち上がる。何やら神気を感じるが、この程度、私の相手ではない。

 

「それに、絶壁でちんちくりん、男女のあんたがカズマに迫っても無駄よ!」

 

「な、なにおおおおおおお!」

 

私は掴みかかって来たクリスを再度蹴飛ばす。

 

「ともかく、今のカズマさんに、ちんちくりんでも女を近づけるわけには行かないわ!消えなさい!」

 

「むかーっ!さっきから、あたしを散々バカにして!もう許さな…!」

 

「黒色破壊光線!」

 

「ちょ、ちがっ!それ違う世界の…ああああああああああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の超凄い魔法を受けて、プスプスと煙を上げるクリスを放置して私は歩きだす。ここをカズマさんが通ったのは確実のようだ。キョロキョロとあたりを見回していると、私の女神センサーが邪悪なものを捉える。そして、空を見上げると、邪悪なもの、サキュバスが空を飛んでいるのが目についた。

私は近くの家の屋根に飛び乗り、その影を追いかける。そして一気に跳躍し、サキュバスを屋根の上に引き倒した!

 

「いたた…一体何がって、アクア様!?」

 

「ふん、サキュバス風情に聞くのも癪だけど…って、あんた、私と一緒にカズマさんに謝ってくれたサキュバスね?」

 

「そ、そうです!だから放して!逃げないから放して!じゃないと私消えちゃう!」

 

サキュバスを掴むアクアの手からは、プスプスと煙が立ち昇っていた。不満そうにしながらも手を放す。

 

「あんた、カズマさん見かけなかった?」

 

「カズマさんですか…?いえ、私は見かけていませんが…」

 

そういって、サキュバスはアクアに申し訳なさそうにペコペコと謝る。

 

「そう、それならいいわ…」

 

情報を得られなかったアクアは、踵を返そうとし…立ち止まった。そういえば、カズマさんがマジギレしたのは数回しかない、それこそ、エロ本を晒した私、私を傷つけた性悪プリースト、サキュバスくらいだ。私以外の事で腹を立てたというのは、今思い返すと悔しい。アクアはサキュバスに詰め寄った。

 

「ねぇ、あんた達はこの街で何してるわけ?サキュバスの被害者がいないから今は見逃してるけど」

 

「ひぃ!それは、あの……!」

 

右手に神聖な波動をまとったアクアにサキュバスは恐怖した。自分など、この女神は片手間に残機毎消し飛ばせる存在だ。しかも、魔界で有数の悪魔公爵であるバニルさんですら、この女神相手では何度も体を消滅させられながら、カズマさん到着の時間を稼ぐくらいしかできなかった。

サキュバスは泣きながら真実を語った。

 

「淫夢サービスねぇ…上手い事考えたわね!でも、カズマさんに直接手を出してはいないでしょうねぇ!?」

 

どこか感心したようにうなずきながらも、アクアはサキュバスを睨み付ける。

 

「めっそうもございません!それに、直接の性交渉は加減が難しいんです!そんなリスクを私達は犯していません!」

 

「そう、ならいいわ。まぁカズマさん以外がどうなろうが、知ったこっちゃないんですけど」

 

そう呟くアクアは、今度は顔を真っ赤にし、もじもじとしながら質問してきた。

 

「ねぇ、カズマさんって童貞かしら?私のくもりなき眼は、童貞だって伝えてくるけど…」

 

そんなアクアの姿を見て、サキュバスは思わず笑顔を浮かべてしまう。アクアは私を消し飛ばせる恐怖の存在ではあるが、今のアクアはまるっきり、恋する乙女の姿だ。

 

「安心してください。カズマさんは童貞ですよ!淫夢は過去の性体験の感触を思い起こさせるのが一番効率がいいんです。でも、カズマさんはそれがないみたいなので、私達が補助して納得の行く淫夢にしていたのですよ」

 

「そ、そうよね!あのクソニートは童貞に決まってるわ!」

 

嬉しくてアクアは微笑んでしまう。カズマさんは私が居なければ一生童貞だ。血迷ってダクネスやめぐみんに襲いかかるかもしれないが、それはさせない。カズマさんの童貞は私が卒業させて上げるのだ!

 

「脅した手前、申し訳ないんだけど…カズマさんを一緒に探してくれない?」

 

そう尋ねるアクアにサキュバスは任してください!といわんばかり胸をはる。

 

「アクア様、私達はこの街の宿屋や家屋は、全て把握しています!今、仲間に聞いてきますから、ここで待っていてください!」

 

そういって、サキュバスは夜の街に飛び立つ。そして10分後、サキュバスがアクアの元へ帰ってきた。

 

「アクア様、カズマさんの居場所が分かりましたよ!」

 

「本当!?」

 

そして、アクアはカズマの居るという宿屋の場所を聞く。そこは私も行った事がある。確か、ダストやキースのパーティが根城にしている宿屋だ。

 

「じゃぁ、私はカズマさんに会いに行くね!今日はその……ありがと」

 

「ええ、どういたしまして!」

 

ニコニコと微笑むサキュバスに、アクアはテテテっと近づく。そして内緒話をするようにサキュバスの耳に顔を近づける。

 

「ねぇ、ちょっと私のお願い、聞いてくれる?」

 

アクアのお願いを聞いたサキュバスは思わず顔を綻ばせる。

 

「分かりました!その時はアクアさんにお伝えに参ります!」

 

「頼んだわよ…」

 

顔をさらに赤くさせる女神の姿は、サキュバスから見ても“この世で一番美しい女性”であった。

 

「アクア様!私達はアクア様を応援していますからね!」

 

「ふん!私が勝つのは当たり前の事よ!」

 

そう意気込む女神を、悪魔は優しく見守った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ!ダクネスの奴め!俺にこんな恥をかかせやがって!」

 

そういって、カズマは宿のベッドで転げまわる。自慰がバレたのは確かに俺の失敗だ。しかし、ダクネスはそんな俺を見て慌てるのではなく、まるで、自慰をしていた息子を諭すように優しく慰めたのだ。

 その後は、屋敷から逃げ出す事しか出来なかった。俺は潜伏スキルを使いながら街をさまよい、友人であるダストに泣きついた。ダストは尻を隠しながら俺から逃げようとしたが、事情を聞いてから俺を慰め、衣服も貸してくれた。それから俺は宿とって泣きながらベッドに入ったのだ。

こんな事は…こんな事はあってはならない!俺はやられたら、やり返す男だ!絶対にダクネスの秘密を暴き、俺以上の恥辱の海に沈めてやる!

 

「待ってろよ!ダクネス!」

 

 決意を新たに、ダクネスに復讐する方法を考えていると、コンコンっと扉がノックされた。ダストやキースであろうか?そう思いながら扉を開けると、そこには最近やたらと俺に付きまとう駄女神、アクアの姿があった。

 

「……来ちゃった」

 

「はぁ…お前はなぁ~!まぁいい、入れよアクア」

 

嬉しそうに部屋に入ってくるアクアを見て、自分も自然と笑顔になってしまう。それからは、アクアといつものように駄弁った。俺の話を聞いて微笑むアクアを見ていると、ちょっとだけ傷ついた俺の心が癒されていくのを感じた。情けない事だが、こいつが隣にいると、俺は安心してしまうのだ。

風呂に入ってないという俺の言葉を聞いて、二人で共同浴場へと向かった。アクアは本日2回目の風呂だが、懐かしいからという理由でついてきた。風呂から上がった俺達は、昔のように一緒に牛乳を飲み干し、安酒とつまみを買って宿に帰る。

そして、久方ぶりに二人だけでの宴会を楽しんだ。酒とつまみを平らげた俺達は部屋に一つしかないベッドに飛び込み、昔のように肩を並べて寝る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カズマさんカズマさん」

 

しかし、すぐには寝させてくれなさそうだ。二人で共有している掛布団に体をすっぽりと納めながらも顔だけはこちらに向けてくる。

 

「なんだ~」

 

「なんで屋敷を飛び出したの?」

 

「それはな~、ちょっと俺の自尊心が傷ついただけだ。ま、今回は完全に自業自得だから、お前は気にするな!」

 

「カズマさんカズマさん」

 

「なんだ~」

 

「どうして、私達の下着を床に敷き詰めて転げまわるの?」

 

「だからなんだよそれ!俺はまだそんな事してないから!というか最近洗濯物はダクネスが畳んでるだろ!?」

 

「カズマさんカズマさん」

 

同じようなやり取りが何十回もなされる。こいつは俺を寝させる気はないのだろうか。しかし、二人で寝ながら話をするのは久しぶりだ。昔は壁ドンされて会話を中断されたが、この宿ではそんな事がない。

 

「カズマさんカズマさん」

 

「なんだ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「好きだよ」

 

「そうか、俺も好きだよ…ってお前今なんつった!?」

 

 

俺は真意を問いただすべく、アクアに顔を向け…!

 

「くか~」

 

大胆に口を開けて眠る女神を目にした。俺はなんだか脱力してしまう。しかし、そんな姿にも俺は安心してしまった。そしてアクアに背を向け自分も目を閉じる。

 

「んへへ……かじゅま~」

 

そんな事を呟きながらアクアが俺の背中に抱き着いてくる。まったく、ここ最近のアクアは一体どうしたというのだろうか。少し聞き分けが良くなり、加えてなんというか…可愛いのだ。駄女神にこんな事を思うなんて、やっぱりオナッてる所を仲間にバレて、心が弱ってるからに違いない。

 そんな俺の心情をよそに、アクアは眠りながら俺の背中に胸をむにむにと押し付ける。その感触を堪能しながら、俺は昔のようにゴソゴソしだした!

 

 

 

 

翌朝、俺達はスッキリとした目覚めを迎える。

 

「さ、帰るわよカズマ!勝手に出て行ってごめんなさいって皆に謝るの!」

 

「分かったからこの手を放せって!」

 

 強引に俺を引っ張るアクアの手を振り払う。本当にこいつはお気楽だ。こいつは昨日、俺に何を口走ったか分かっているのだろうか。

 

「おいアクア、昨日の夜、お前が何を言ったか覚えているか?」

 

「昨日の夜…?カズマが私に一生隣にいてくださいアクア様って言った事?」

 

「はぁ…もうそれでいいよ…」

 

「何よカズマ!照れてるの?」

 

そういって詰め寄るアクアを俺は振り払う。

 

「よーしアクア!それなら屋敷まで競争だ!よ~いドーン!」

 

「ふん!ステータスは私の方が高いのよ!もやしのカズマには…」

 

「『逃走』!」

 

「ちょ、それズルイから!待ちなさいよ!……待って!待ってよカズマさん!私を置いていかないで!」

 

 

アクセルの街にいつものように二人の笑い声が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんだか最終回みたいな終わり方ですが、まだ少し続きます。

次回は予定になかったウィズ、ゆんゆんを出す事にします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。