このヒロインレースに遅れた二人に逆転を!≪完結≫ 作:ルイ提督
ウィズや、ゆんゆんに対する暴言があります。
しかし、それは私が考えたものです。
ヘイトを向けるのはアクア様でなく私にしましょう!
不快な方は今回は読み飛ばすのをオススメします。
今回の話は要約すると、ダクネスにオナバレしたカズマが街に逃げたというだけです。
次回以降に関わる会話もありません!
カズマが逃亡した翌日の朝、カズマはアクアと一緒にダクネスとめぐみんに土下座して謝った『勝手に出て行ってごめんなさい』と、めぐみんは『勝手に出て行くのは、いつもの事じゃないですか』と笑う。私もそれに同意した。
そんな中、カズマは私をチラチラ見てくる。そうだ!お前はやられたら、やり返す男だ!恐らく、私は今夜にも、この男の毒牙にかかる事だろう!私は期待に胸を膨らませながらも、いつも通りの姿を演じる。
私の姿を見たカズマは逃げるように街へ出て行った。どちらにしろ、夕食には帰ってくるだろう。今夜が楽しみだ!
カズマが逃げるように屋敷を出てから数十分、カズマは街中をフラフラと歩いていた。もちろん、隣にはアクアが付いてきている。
「カズマさんカズマさん、今日はどこ行くの?」
「まずはウィズの店だな~、ちょっと爆発ポーション買っときたいし」
そういって、ウィズの魔法店へと足を進める。ダクネスへのお仕置きは夜だ。それまではダクネスの顔をまともに見れそうにない。自然と早足になってしまう俺に、アクアは必死についてくる。そんなアクアの姿は、なんというか微笑ましい。
そんな俺達に、とある人物、顔なじみの女冒険者が近寄ってきた。
「キャー!カズマ様!私、今お腹すいてるの!だからそこの串焼き奢って!」
そんな、女冒険者にアクアがファイティングポーズを取りながら相対する。
「また、来たわね糞ビッチ!そんなにお腹すいてるなら、そこの生ゴミに顔を突っ込みなさい!」
「アクアさーん!さすがに糞ビッチ呼ばわりは傷つくなー!」
「そうだぞアクア、ほれ、これで買ってこい!」
「キャー!カズマ様ステキー!」
俺が渡した硬貨を手に女冒険者は走りさった。
「ちょっとカズマ!また糞ビッチでお金を無駄にしたわね!」
アクアは怒りの表情で俺の胸倉をつかんでくる。そんなアクアの肩をポンポンと叩き、悟った表情で話しかけた。
「アクア、これはいわば人脈作りだ。思い返してみろ?俺達はこの街の冒険者には随分助けられている。ヒュドラ討伐、ダクネスの結婚式の妨害、お前は見てないが、スキル教え祭りでも世話になっているんだ。こんな端金で繋がりが持てるならむしろラッキーだろ?」
「むぐぐぐぐぐ…!反論できない所が悔しいんですけど!」
アクアは怒りながらも体を密着させ、そして俺の腕に自分の腕を絡めてきた。最近のアクアは一体どうしたのだろうか。こういう事を自然としてくるようになったのだ。俺は右半身に感じるアクアの体温に、若干顔を赤くさせて歩く。
そんな俺達の前に、この街で初めて見る、かなりレベルの高い美少女が現れた。
「あの、あなたが魔王討伐の英雄、カズマさんですね!実は私、以前見た時からあなたの事を…!」
「来たわよカズマ!今度は淫乱ビッチよ!私のくもりなき眼によると、この子は金目当てで近づいて来たみたいだわ!」
美少女の顔が盛大に引きつる。心なしか、美少女の額に汗が浮かんでいる。
「あんた、今までその顔で様々な男を騙してきた見たいだけど、残念!相手はこの世界一の美少女、アクアちゃんなのでした!ほら、あっていって!ブスはあっちいって!」
アクアはシッシッ!と美少女を追い払う。美少女は悔しそうにしながらも俺達の前から走り去った。自分から世界一の美少女と名乗るアクアに苦笑するが、内心有難かった。魔王討伐後はこの手の詐欺師っぽい奴らが、俺の前に出現するようになった。昔ながらの顔馴染みならまだしも、初対面の美少女が俺に言い寄ってくるなんて、何かしらの下心があるのは間違いない。そしてフォローするとすれば、アクアは見た目だけなら文句なしの100点だ。見た目だけな!
こんな風に俺に近寄ってくる人たちを、アクアが撃退しながら歩く。俺も随分と人気者になったもんだと若干うんざりする。そして目的地、ウィズ魔法店についた。
「いらっしゃいませ、カズマさん、アクア様!」
「よぉウィズ!ちょっと爆発ポーションが欲しくてな!」
「ふふ、そうですか。カズマさんがよく買うものはこちらに準備していますよ」
そういって微笑むウィズに思わず頬が緩む。ほわほわとした雰囲気とは裏腹に、ボディの方はナイス爆裂である。いつも夢でお世話になっています!
「ねぇねぇウィズ、今日はあの悪魔いないの?」
「ああ、バニルさんなら今日はギルドでバイトですよ」
「そう、なら安心だわ」
そういうと、アクアは棚に置いてあるポーションをいじる作業に戻る。また水に変えたりしていないだろうか…
「それにしても、カズマさんは凄いですね!今も街の話題ですよ!」
「おっと、俺が凄いのは前からだろ?」
「そうですよね、カズマさんって前から便利な魔法具発明したり、賞金首を倒したり!やっぱり凄いです!」
俺のキメ顔にウィズはキラキラとした眼差しを向けてくる。よいぞ…!よいぞ…!
そんな俺とウィズの空間をアクアが引き裂く。
「ねぇカズマ、あんたの獣欲をぶつける相手はカズマ次第よ?でもね、ウィズだけは止めといた方がいいわよ」
「お前は何を言ってるんだ!」
スパンとアクアの頭をはたくが、アクアはひるまずにウィズへ近づいていく。
「カズマ、私が真実を教えてあげるわ」
そういってアクアはウィズの双丘…胸を両手で掴んだ!
「ひゃぁ!いきなりなんですかアクア様!」
ウィズはアクアの突然の行動に目を白黒させる。うむ、よいぞ…!よいぞ…!
「カズマ、私はこの前ウィズをナメクジの親戚って言ったわよね?でもこれは随分とオブラートに包んだ言い方なのよ。リッチーっていうのはね、言ってみれば…」
――――腐った死体よ
「ひどいですよアクア様!カズマさん、私腐ってなんかいません!」
「カズマ、私は今ウィズの胸を掴んでいるけど、これがもしカズマさんみたいな力の強い男が掴んだらどうなると思う?」
そりゃぁこんな爆乳だ。凄い気持ちの良い弾力で俺の手の中に…
「現実を見なさいカズマ!力強くウィズの胸を掴んだら、熱々の小籠包みたいにドビュって腐液をまき散らすわ!そしてボンッよ!」
なんて事を言うのだろうこの女神は。ちょっとウィズを夢で使う自信がなくなってきた。
「ア、 アクア様…?」
「例え腐ってないなんて言い張っても、私の目は誤魔化せないわ!お肌なんて経年劣化でボロボロよ!」
「アクア様!それはさすがに聞き捨てなりません!カズマさん!私の手を触って見てください!」
そういってウィズは俺に向かって手を差し出す。触っていいというなら遠慮なく触らせてもらおう。
「ね?カズマさん、私の手普通でしょ?」
うむ、実にすべすべで良い弾力だ。まったく、この女神は天使ウィズに対して何をほざいているんだろうか。
「騙されないでカズマさん。あなたなら真実に気付くはずよ!」
「はぁ?この通りウィズの手はスベスベだぞ?」
そういって俺はウィズの手を更に触る。ウィズにおかしい所はない。それこそ手がヒンヤリするくらいで…
「……って冷たっ!」
「あ…………」
思わず手を放してしまった俺を、ウィズは悲しそうな目で見つめる。やべえ!こ、これからどうフォローすれば…!
「カズマさん、さすがに死姦は人として、どうかと思うの」
「すまん!ウィズ!この駄女神は後できつく叱っておく!それにウィズは死体なんかじゃないぞ!俺にとってはスーパー美人だ!俺はちょっと急ぐ用事があるから!またな!」
「ま、待ってくださいカズマさん!今は省エネモードなんです!だから…待って!私、死体じゃないです!冷たくなんてないです!なんなら私を犯して確かめても良いです!だから待って…!待ってくださいカズマさん!」
俺は悲痛な声を上げるウィズから逃げるように店を後にした。
「何を落ち込んでいるの、カズマ?」
「いや、100パーセントお前のせいなんだがな…」
アクアのウィズに対する扱いは許せないものだ。ただ、アクアの言葉で、俺は種族の違いについて改めて考えていた。そんな自分に対する罪悪感がやばい。
「カズマさんカズマさん!そろそろお昼でしょ?今日はどこで食べる?」
「お前はお気楽だな…今日は新しくできたハンバーグショップに行こうと思っているんだが…」
「え~ハンバーグ?私、ウィズ触っちゃったから今日はお肉の気分じゃないんですけど!」
「お前、これ以上ウィズを侮辱するなら縁を切るぞ駄女神」
その後、泣いて謝る駄女神を無視、置き去りにして、ハンバーグショップを目指す。そんな時、俺は友人の、ゆんゆんの姿を見かけた。
「よぉ、ゆんゆん!」
そう呼びかけた俺に気付いた彼女は、満面の笑みを浮かべてこちらに近づいてきた。
「こ、こんにちはカズマさん!私に何か頼み事でもあるんですか?」
「ゆんゆん…友人に何気なく声をかけちゃダメなのか?」
「……友人!ふきゅっ!」
ふきゅふきゅという謎の鳴き声を上げるゆんゆんを俺は飯に誘う事にする。アクアの分の金が浮いたしな。
「なぁ、ゆんゆん!魔王討伐後は俺達ってゆっくり話す機会がなかったよな、飯奢るから一緒に話さないか?」
「ええ!?そんな友達みたいな事していいんですか!?」
顔を真っ赤にしながらこちらに話しかけてくる。うーむ、やっぱりゆんゆんは滅茶苦茶可愛いな!
「当たり前だ!俺達友達だろ?」
「は、はい!」
顔を赤くしたゆんゆんを引き連れ、俺はハンバーグショップを目指した。
目的地のハンバーグショップにつき、数十分、ゆんゆんは運ばれてきたハンバーグをキラキラした目で見つめていた。
「カズマさん!これを私が食べていいんですか!?」
「おお!どんどん食え!俺の奢りだ!なんならおかわりしてもいいぞ?」
「は、はい!じゃあ頂きます」
そういってゆんゆんは泣きながらハンバーグを食べ始めた。そんなゆんゆんを生暖かい目で見守りながら、俺もハンバーグを口にする。ふむ、なかなか美味い。今度、ダクネスとめぐみんも誘おう。
そんな事を考えているとゆんゆんが、こちらをチラチラと見てくる。
「どうした、ゆんゆん。おかわりか?」
「ち、違いますカズマさん!実は私もカズマさんに言いたい事があったんです!」
なんだろうか…まさか告白!?
「いいぞ!ゆんゆん!友達にはなんでも本音で話すもんだ!」
「そ、そうですか!?なら言いますよ!」
「私の友達をやめてくれませんか?」
「ファッ!?」
まさかの絶交宣言である。俺が塩の彫像になりかけているのを見て、ゆんゆんは慌てたように話しかけてくる。
「ち、違いますカズマさん!絶交とかそういうのじゃなくて、私はあなたとの関係を友人で終わらせたくないんです!」
えっ?これは…まさか本当に告白なのか!?ドキドキとしながら俺は次ゆんゆんの言葉を待つ。
「今、この街はカズマさんがハーレムを作るって噂で持ち切りなんです」
「はぁ!?ってそんな事をちょっと前言ったなぁ…」
口は災いの元とはよく言ったもんだ。どうりで最近、女の子が話しかけてくる数が増えたのか…
「私は今まで、めぐみんに遠慮していました!でもカズマさんがその気なら、末席でもいいので、是非私をカズマさんのおよっお嫁さんに…!」
絶対に聞き逃してはならない事を、ゆんゆんが言った気がする。しかし、聞く事が出来なかったのだ、物理的に。何者かが俺の耳を塞いでいる。そして手を離される。
「カズマ、ゆんゆんとは、もう縁を切った方がいいわ」
その声はアクアの声であった。
(クソっ!失敗した!テラス席になんて座るんじゃなかった)
そう地団駄を踏む。それに聞き捨てならない事をアクアは言った。
「おいアクア!お前さっきのウィズもそうだが、俺の友人への侮辱は許さねぇぞ!」
「カズマさん、落ち着いて。これは忠告よ!ねぇ、カズマさん、ゆんゆんは学園物だと何のポジションだと思う?」
「お前は本当に突然、意味不明な事を口走るな!」
「えっと、あの…アクアさん、こんにちは」
「いいから答えてカズマ!」
ゆんゆんの挨拶を無視しながら、アクアはこちらを見つめてくる。いつになく、真剣なアクアの表情に気圧されて俺は思わず答えてしまった。
「後輩って言いたい所だが、ゆんゆんはこの世界での数少ない常識人だからなぁ…委員長ポジション?」
「そうよカズマ!正解よ!これが何を意味しているのか分かってる!?この世界はね、ちょっと前まで転生拒否するような人がいっぱい出るほど、残酷でエロエロな世界なの!そんな世界の委員長ポジションってのはね……!」
――不良の肉便器よ!
俺はアクアの腹を思いっきり殴った!
「うぎっ!げほっ!い、いくら鬼畜のカズマさんでも、女の子のお腹を本気で殴るのはどうかと思うの…」
「おいアクア、分かるだろ。今の俺はマジギレモードだ。それ以上喋るな」
「待って!カズマさん!待って!信じて、信じてよ!女神の勘では、この子は近いうちに破滅するって出てるの!だから、お願い!この子とは縁を切って!」
そう言って泣きながら縋りついて来る女神を蹴飛ばし、ゆんゆんに向き直る。
「ゆんゆん、このバカは放っておけ!そしてさっきの話の続きを聞かせてくれ」
「カズマさん!?アクアさんが凄い表情で私を睨み付けているのですが…!」
「いいからはやく!私を是非カズマさんの…何!何にして欲しいって!?」
「カ、カズマさん、がっつかないで…!」
そうやって騒ぐ俺達に予期せぬ介入者が現れる。そいつら、三人組の男たちは、薄汚れた衣服に、貧相な武器を持っていた。おそらく、最近この街に来た駆け出し冒険者だろう。
「あ、ゆんゆん先輩じゃないですか!」
「あなたたちは…」
3人組を見た、ゆんゆんは表情を暗くする。
「なぁゆんゆん先輩!俺達、最近苦しくてさ!ちょっとお金貸してくれないか?」
「ええ!?またですか!それに、この前貸したお金、まだ返してもらってないのですが…」
「お願いしますゆんゆん先輩!俺達“友達”だろ?」
その言葉を受けて、ゆんゆんは嬉しそうに微笑んだ。
「しょ、しょうがないですね!私は今、そんなにお金を持ってないので、これくらいでいいですか?」
ゆんゆんが財布から出した金貨、それを男達はひったくるように掴む。
「サンキューゆんゆん先輩!」
そういって男達は去る。ゆんゆんは男達を苦笑しながら見送る。俺は、そんなゆんゆんを茫然と見つめる事しかできない。そして、そんな俺のマントをアクアがクイックイッと引っぱる。
「カズマさん、これはさすがの私も予想外よ。というか、もうこの子は手遅れよ…」
俺は泣いた。
「ゆんゆん!俺はちょっと、めぐみんとの用事を思い出したから、今日はこれでお開きだ!お金を渡すから、会計は任せた!後、おつりはゆんゆんに全部やるよ!」
俺は金をテーブルに叩きつけながら、この場を去る。
「ちょっとカズマさん!?これ、私が1ヵ月暮らせるくらいのお金なんですが…、どうしてそんなに泣いてるんですか?それに私、まだカズマさんに返事をもらってないです!待って、待ってよカズマさん!」
泣きながら屋敷へ帰る俺に、アクアが寄り添う。
「カズマさん、泣き止んで?帰ったらみんなで、ゆんゆんを更生させるための対策会議を開きましょ。だから泣き止んで!」
そういって俺の涙をハンカチで拭くアクアを見て、俺はさらに涙を流した。
書籍本編でもゆんゆんは手遅れ
誰か助けて!
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