2つ結びの女、バステトが無線機の端末を置く
「トート負けちゃったかぁ...スフィンクスも連絡付かないしなぁ」
無線機がなる
それを手にとった女が耳に当てる
「なに?なにか解った?」
『こちらペルセウスA-1、ターゲット以外の敵が特定出来ました』
『Wasp Guns社のバブルカトルフィッシュ』
『他部隊が追跡中のタイガーライト』
『そして最近、勢力を拡大している敵性組織のスチームレッグです』
バステトが頭に手を当てる
「各々の狙いは?」
『不明です』
「それじゃあ――」
無線機の向こうから銃声がする
『グァッ!』
「なに!?どうしたの!」
『バブル...カトルフィッシュ...が...』
叫びが聞こえるとノイズと共に通信が切れる
暫くして通信機が再び鳴ると急いでそれを取る
「なに!?」
『こちらペルセウスA-11』
『スフィンクス殿がターゲットと戦闘しているのを発見いたしました』
『加勢します、なっ!』
「どうしたの!」
『タイガーライトです!クソッ!』
断末魔と破壊音の後に通信が切れる
「どうなってんのよ...ここは...」
バステトがうなだれる
その足元には組み立てられた時限爆弾と奇妙な機械が置かれていた
バステトが無線機をとる
「ゼウスU-9、ファントムシュガーと連絡とれる?」
『了解、行動を開始します』
「頼んだよ~も~」
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緑のパワーアーマーを着た三人が折れるように無人のビルを降りる
それぞれをデフロスター、βスター、隊長と呼びあっていた
隊長と呼ばれる一人は肩部装甲が赤く塗られ、ロッゾと名乗っている
ビルを降りる途中いくつもの銃声が聞こえた
「銃声...本物ですよ...」
「解ってる、隠れるぞ」
βスターが双眼鏡を持って覗く
「やはりスチームレッグです」
「何をしに来たのか知りませんが邪魔になるのは確実でしょうね、排除しましょう」
「リーダー格は解るか?」
「わかりますよ」
「撃つならソイツからだ」
「了解です」
βスターがスチームレッグの一人を狙撃し上半身を撥ね飛ばす
少しして白い光弾が帰ってくると直ぐ銃撃戦になった
βスターが次々と黄色い人型を撃ち抜いていく
「次、次...次ッ」
「上がってくる奴がいる」
「ここは任せたぞ、デフロスター、ベー、オレが行く」
「片付いたら来てくれ」
ロッゾが階段を降りていくと階段を登る音が聞こえる
大型散弾銃を組み立てその先頭を撃つ
散弾が先頭のパワーアーマーを砕き、片腕をもぎ取った
もう一度引き金を引き、銃を畳んで背負うと
右手に光剣を展開し、左手で短剣を逆手に持つ
ロッゾが大量の汚れた血を流す兵士を切り分け、階段の敵を斬り伏せていく
赤肩の残像を残すほどの動きに黄色い人型が振り回され、銃弾を撒きながら倒れてゆく
死体を盾に、次々と飛び移るように敵を排除する後ろから一際大きい銃声が聞こえる
ロッゾの前で数人の体を弾丸が貫通し、肉とパワーアーマーを抉った
「手伝います」
βスターが狙撃銃を撃ちながら階段を降りてきた
「デフロは!?」
「3人もいたら邪魔でしょう」
「それはそうかもなッ」
大半の兵を失った黄色い兵達が引いていく
「逃がしません...ッ」
「待て!」
βスターとロッゾが追いかけ、追撃する
スチームレッグの兵士を全て排除するとロッゾのスーツから赤い蒸気が出る
だが銃声は止まっておらずそれはスチームレッグの物とは違う銃声だった
通信が入る
『おい!なんか出てきたぞ!』
「なんか?」
「降りてみましょう」
「先に降りてるぞデフロスター!」
「さぁ、早く!」
『直ぐに追い付く』
2人がビルから出ると灰色の機械が銃を売っていた
膨れ上がった嘴の様な頭部から逆間接の脚が二本付けられ
左右非対称の大きな銃が腕の様に付いており、コンテナを背負っている
機械は黒いパーカーを着た男を追い掛け、散弾と榴弾を発射していた
「どうしましょう?」
「ベー、アイツが民間人に見えるか?」
「どちらの話でしょう?」
「小さい方だな」
「傭兵...?」
「雇い主はどこだろうな、相手はシステムの二足歩行だぜ」
「スチームレッグ...でもない...」
「どうする?」
「敵の敵は味方ですよ」
βスターがスコープを覗く
「状況はどうだ」
後ろから声を掛けられる
「こいつが加勢したいってさ」
「ああ、そうかい。何処を狙ったらいいんだ?」
「何処を撃ちましょう?」
「いま考える、お前らは待ってな」
デフロスターがスコープを覗く
機械が散弾銃を撃つと男が回り込む
機械が跳躍に為か脚を曲げると男が巨大な拳銃を2発撃つ
右脚を支える骨の一本が微かに曲がり、曲がりかけた脚が軋む
『クソッ!』
機械から声がした
バランスを崩しながら方向転換し榴弾と散弾を男に撃つ
「狙いは曲がった脚だ!へし折ってやれ!」
「おっけー」
「了解ッ」
2つの銃声がすると右脚の骨が歪み、折れる
『何!誰だ!』
「ッ!」
男が銃を短機関銃に持ちかえ、刀を抜く
『邪魔をするなっ!』
機械が狙撃された方向に榴弾をばら蒔く、榴弾が弾み、爆炎が拡がる
「よそ見してるッ!場合かなッ!」
男が刀を振るうと大きな散弾銃が切断され、弾薬を落としながら地面に落ちる
『クソッ!』
機械がバランスを崩すと弾丸が左脚の関節に撃ち込まれ欠片が飛び散る
男が左脚を切断すると転倒し機体の胴体下部が開き、機銃が顔を出す
空かさずそこに短機関銃の射撃が撃ち込まれ、機銃が吹き飛ぶ
『この程度なんだ!俺を殺してみろ!ヘロドトス!』
歪んだ脚で火花と不快音を撒きながら立ち上がり、切られた左脚を引き摺る
軋みながら向きを変える脚に2方向から銃弾が撃ち込まれる
固まりながら機械が踏み出し、破壊されたグレードランチャーを切り離す
『クッソォ...何故勝てない...何故...』
「俺達の勝ちだ」
男が頭部によじ登り刀を突き刺した
『う、がああッ!』
機械が火花を上げ、動かなくなった
男が刀を抜き、短機関銃で横凪ぎに弾を撃つ
その方向から銃弾が帰ってきた
男が倒れた機械に隠れると銃を撃ちながら防弾チョッキを着た男達が走って来ていた
βスターが達がそれを狙撃する
何人かが倒れるとそれぞれが障害物に隠れ、銃弾戦が始まった
ロッゾが前進しながら通信を入れる
「システムの兵隊か...ファントムの部隊だな」
「スチームレッグが消えて戻ってきたのか...それとも援軍か...」
「ファントムシュガー確認、機体の上です」
銀色の外骨格に身を包み四つの白い複眼を持った人型が機械上に着地する
「世話のかかる人ですね」
ファントムシュガーが両手に光剣を展開し機体のハッチを抉じ開ける
ハッチに手を入れ、赤髪の男を引っ張り出す
「撤退ッ」
ファントムシュガーが血塗れになった赤髪の男を背負い、退いていく
「逃がすかッ!」
ロッゾがそれを追い掛けるが兵隊達に足止めをされる
ロッゾが障害物に隠れて散弾銃を撃っていると白い影が後ろから飛んでくる
「ファントムッ!!」
「ッ!」
ファントムシュガーに白い影が飛び蹴りを入れる
橙のラインが走る白いスーツに虎の意匠が入ったフルフェイスヘルメット
「くッ!タイガーライト...ッ」
ファントムシュガーが蹴り飛ばされ、赤髪の男が地面を転がる
「スフィンクスの回収は任せました、私が対処します」
ファントムシュガーが剣を展開するとタイガーライトは橙に発光する剣を鞘から抜いた
剣どうしがぶつかり、火花を散らす
「アナタに構う暇は有りません!」
タイガーライトが突きを躱わし腕を蹴り上げる
腕が跳ね上がり、そこに橙の剣が刺さる
タイガーライトが剣を引き抜き、構え直すと後ろから引っ張られた
一際大きい銃声と共に先程までタイガーライトの立っていた場所を弾丸が通り、剣を弾き飛ばす
「うわあぁ!」
「ヒカリ!辺りに気をつけろ!」
タイガーライトを引き込んだロッゾがタイガーライトを注意する
「お前ッ、って...もしかして、スバルさん!?」
「さんは要らないさ、"アリス"を借りるぜ」
「え?」
ロッゾがタイガーライトの鞘から剣を引き抜き、狙撃主、
複数の赤い目を持った黒いドクロのような機械にそれを投げる
「あッ!ちょっとー!」
無数の目を持ったドクロの目に深々と突き刺さり、鋭い機械の指が引き金を引く寸前に息絶える
ファントムシュガーが剣を交差させ上から切り掛かってきた
「隙あり!」
剣撃をロッゾが逆手の短剣で受け止め、ヒカリが蹴りを入れる
倒れたファントムが立ち上がる
「チッ...」
ロッゾとタイガーライトが攻撃をする、右手でタイガーライトの蹴りを受け止め
左腕の剣でロッゾの剣を受け止めた、ファントムシュガーの後方から銃声
「ガハッァ!」
ファントムシュガーの背中に銃弾が刺さり、亀裂が走る
「借りは返したぜ!赤いの!」
黒いフードの男が巨大な拳銃を仕舞いながら逃げていく
ファントムシュガーが膝と手を着く
「ヘロドトス...」
ファントムシュガーが脚を引き摺るように跳ね、逃げていく
タイガーライトがそれを見届けながら二本の剣を回収する
「ロッゾ!」
「隊長ー」
βスターとデフロスターが駆け寄ってくる
いつの間にか銃声は無くなっていた
「じゃあね!スバル!」
タイガーライトがファントムシュガーの方向に走って行く
「おう!無駄に死ぬんじゃねぇぞ」
「隊長、大丈夫ですか?」
「大丈夫さ、誰だと思ってるんだ」
「ハァ、でもシステムの研究所は諦めた方がいいかもしれねぇな」
「社長に報告してくれ、想定外の事態につき帰還だ、隔離エリアから出るぞ」
「「了解」」