※この作品はR-18です。

骸の島『ヘロドトスの骸』   作:トウトウ@脳缶

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気を付けよう、ちょっと過激


首なし騎士の首のあるお休み

 

 微かな音がボンヤリと耳に届く

 ハァ...ハァ...と言う音とヒューヒューと言う音

 規則的に響くその音は、私の唇から漏れていました

 それに気付くのにどれだけ思考を巡らせたでしょう...

 体が跳ねて、痙攣しているのに気が付くまでに何度達したのかも解りません...

 私の首には手が掛けられ、喉にきつくのし掛かっています

 僅かな隙間すら残されず気管を塞がれ、息ができません...

 何本もの指が私の首筋を圧迫し、血の流れを止め、思考を邪魔します

 普通なら死んでしまうのでしょうか、でも私はもう死んでいます、それを確める事は叶いません

 

 人間、酸欠になると体の先、初めに指が痺れだします、それから腕、脚、耳、眼...

 全身に甘い痺れが広がって、身体から自由が奪われて、視界が霞んで染まっていきます...

 血も足りなくなって思考も雲り、頭がちゃんと回らなくなって

 身体には不思議な感覚だけが残されます

 彼の体温を感じながら、感覚の海を漂う...

 なんと心地がいいことでしょうか...

 

 身体に力が入りません、だから抵抗出来ないし、したいとも思いませんでした

 うまく物を考えられません、だから何も考えませんし、考える必要もありません

 私が感じるのは彼の指が私に伝える快楽だけでした、なんだか幸福でした

 

 これのきっかけは私の一言でした、彼は快く私の首に手を掛けました

 最初に首を絞められた時の感覚を私はよく覚えています

 激しいめまいと死を超える苦しさで薄れる意識の中で見つけた快楽...

 満たされるような幸福感...

 実際に満ちたのは二酸化炭素でしたが...

 

 直ぐに私の首を絞められる事に対する抵抗感は無くなりました

 今は彼から首に手にかけられただけで、体から力を抜き、彼に体を委ねます

 そこからは彼に必要とされ、使われるのを待ちます、私から求める事をしませんでした

 いつもその必要がありませんけど...

 抵抗する気など起きなくて、手が首にのし掛かって、絞められる度、心地よくなって...

 彼は少しだけ、ほんの少しだけ嬉しそうな、愉しそうな顔で私の首を絞めます

 彼は狂っている、私もきっと彼に会う前から狂っていたに違いありません

 私を受け入れ、必要としてくれた彼が喜んでいるのを視ると私はさらに心地よくなって

 嬉しくて、愛しくて、ただその心地よさと奇妙な浮遊感にうっとりと身を任せてしまいます

 鉛のように溶けやすい私の心が彼に熱され、赤熱した意識が熔けて流れだすまで...

 死の苦しみと増幅した快楽に溺れながら...

 

_________

 

「ちょっとまって、モノちゃんまって」

「...なんでモノちゃんはさ、ワタシにそれを話したの?」

「えっと...アンズさんに訊かれたからですけど...」

「休日に何したか訊いたのはワタシだけどさ?」

「そういう事はさ...誤魔化すとかね...?」

「それにまさかそんな事してるなんて思わなかったし...」

「モノちゃんが今どんな顔してるか判る?」

「どんな顔ですか...」

「笑ってるよ。」

そう、彼女は笑っていた、何時も面倒くさそうで嫌そうな顔の彼女が...

たまに笑う時よりもその笑顔は明るかった...

ワタシは彼女が怖くなった...

 

「もうモノちゃんと司令官にどう接していいかわからないよ...」

「いつも通りでいいですよ。モノは気にしませんし、彼も気にしませんよ」

「えぇ...」

「ぁ...でも少し恥ずかしいので広めちゃ駄目ですよ...」

笑みを浮かべながら話していた彼女の顔に紅みが差した

ワタシにこれを広めるほど度胸は無いし、

もし有っても広めたいとも思わなかっただろう




いろいろ駄々漏れ
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