被験体 アッラーフ364 ヘロドトス
能力 不明
精神的にとても不安定であり、アッラーフとしては失敗
サイの適正が発見された、サイ処理が終了時に記憶を喪失
能力の発現は確認できていない
能力の発動方法を忘れたのか発現しなかったのかは不明
-ナオ·ヒメノ-
※脱走し脅威となっています早急な処分が必要
奇妙な格好の二人組が目の前に飛び降りてきた
東洋の忍者やサムライを併せたような格好をしている
その二人は手を合わせる
「ドーモ、ヘロドトス=サン、ズールーアイです」
「ドーモ、ヘロドトス=サン、ズールーブレーンです」
急に挨拶された、アイと名乗った奴は身体中に鉄球が先に付いた鎖を巻き付けている
ブレーンと名乗った奴は刃に比べて柄が短い鎌を両手を持っていた
「どこの兵だ?」
「貴様はスポンサーを怒らせた」「貴様は我らを知りすぎた」
「「これだけ言えば思い当たろう」」
「さぁな、どれだ?」
来た理由は違うらしいが、二人の息はまるで双子の用にぴったりだった
それに思い当たることが結構ある
「「イヤーッ!」」
ブレーンが両手の鎌を投擲、アイが高速で飛び込んで来た
刀、”ウシミツ”を引き抜き鎌を弾き落としす
時間が止まったように遅くなる、両脇から鎖が迫っている
刀を突き立て、その上にまるで曲芸士のように片手逆立ちめいた姿勢になる
鎖が刀に絡まる、ヘロドトスは重力に任せた縦回転で刀を引き抜き、両脇の鎖を切断する
「なぬ!テラコバルトの鎖が斬られるとは!」
「たわけが!整備を怠ったな!」
鎌がブレーンの手から二つ放たれる
頭と脚に放たれた鎌の間を潜るように跳び、ブレーンに近付く
ヘロドトスが刀を振るい、刃が肩口に食い込み、血か噴き出す
「グワーッ!」
「ウカツだな!ブレーン=サン!」
ヘロドトスが刀を引き抜き、もう一度斬りかかろうとすると、横からチャクラムが飛んでくる
「おっと!」
チャクラムを避けヘロドトスがブレーンから離れる
チャクラムがアイの元に戻ると、驚くべき速さで鎖に武器を切り替えた
鎖が右斜めと上から迫る、ヘロドトスが身を低くし、それを潜る
鎌がヘロドトスに飛来、
ヘロドトスは空いた手で拳銃を抜き取り、鎌を撃ち落とす
鎌に意識が逸れたヘロドトスの刀を鎖が奪いさる
「馬鹿めッ!」
ヘロドトスが舌打ちをする
ブレーンが踏み込む様にヘロドトスの眼前に飛び込んだ
「イヤーッ!」
「ッ!」
ヘロドトスが足元に落ちていた先の曲がった鉄パイプを脚で蹴り上げ、後ろ手に持つ
鉄パイプがブレーンの拳を一つ弾く
「ウヌゥッ!」
「だが甘い!イヤーッ!」
ヘロドトスの脇に拳をぶつけた
「ぐぅっ!」
「お主は我が古代ツンドラカラテに沈むのだ!」
ブレーンが逆の拳を再び握り締めた
「馬鹿者!離れろブレーン=サン!」
ヘロドトスが高速の拳を鉄パイプで受け流し、ミドルキックをブレーンに放った
ブレーンがよろめく
次の瞬間、目にも止まらぬ速さで、ヘロドトスが鉄パイプの先端を逆にする
よろめいたブレーンを駆けあがるようにジャンプ、ブレーンの顔にパイプが突き刺さる
「ゴボッ!ゴボボーッ!」
「まだ生きてるのか」
ブレーンの口の当たりから血の泡が噴き出している
鉄パイプの末端を掴み体の向きに逆らう様に、ヘロドトスが首を折り、引っ張る
湾曲したパイプの先端が引っ掛かって停まると体に足を掛け、無理矢理首をネジ切った
「ゴボボーッ!サヨナ――」
ブレーンが何かを言おうとした直後、
捻れた生首は街灯に叩きつけられ、街灯を曲げ、辺りに四散した
《サヨナラ!》何処からともなく声が響き渡り、飛び散った肉片が爆発四散しさらに細かくなった
ヘロドトスが停止していたアイを見る、その緑の瞳は絞られ、何にも焦点があっていなかった
アイは困惑していた、愚かなヨタモノを探しだして始末するだけの仕事だった
自分達ニンジャに任されたのだから、ある程度の実力は覚悟していたし、初めは勝機があった
自分達のようなサンシタでも勝てると、
だが、ブレーンが殴り着けた直前、奴の目が変わった、その目は何も見ていなかった
明らかに異常な変貌にアイは戸惑い、身体が固まったのだ
そしてもう一人の仲間ズールー・マスクが来るのを拒んだのを思い出した
(マスクめ...知っていたな...)
「ク、クソッ!」
血が付いた兵隊達がそこにやって来た
「隊長!新手が―」
「黙れ!」
アイは残りの鎖を全てほどき地面に叩きつける
鉄球が先から外れ辺りに撒き散らされる
弾む鉄球に兵達が蹴散らされる
アイはそれを気にする様子もなく、チャクラムを両手に持った
彼はヤバレカバレだった
自らからの鉄球を避わしながらヘロドトスに飛び掛かった
ヘロドトスは鉄球の間を潜り抜け、自分に当たる鉄球を落とす
チャクラムが一つ放たれる
ヘロドトスがそれを踊るように避わす
アイがもう一つのチャクラムを投げる
戻るチャクラムと放たれたチャクラムの二方向からチャクラムが迫り
鉄球が四方向から迫っている
ヘロドトスは振り向きもせずに後ろから迫るチャクラムを掴み、
前から来るチャクラムを鉄パイプで反らす
ヘロドトスが後ろに向き、"ウシミツ"拾いながらを鉄球を躱わす
その動きは異常、運任せで正気の沙汰とは思えない動きだった
アイはその動きと一致しない視線の動きを見てさらに恐怖した
アイは鉄球のとれた鎖を両腕に巻き付け、ヘロドトスを待ち受ける
「アバーッ!」
アイの首が切断され犬の口めいて割れる
そこからおびただしい量の血が吹き出す、アイの身体から力が抜け、倒れる
(ここで死ぬのか...マスクに言われて辞めておけば...)
(ヨタモノ一人にしては報酬が多いと思った...ぁあブッタ...)
投擲されたチャクラムが首を完全に切り落とした
「サヨナラッ!」
アイが爆発四散し、黒焦げの肉片が残された
「...」
__________
今度は奇妙な白い格好をした小さい何者かが飛び蹴りで飛んできた
その足は石材の地面に突き刺さり、亀裂を入れた
「こんどは誰だ?」
「悪党の敵さ...」
「随分来るのが遅かったんじゃないか?英雄さん」
「ヒーローは遅れて来るモノなのさ...」
「アタシに着いてこれるかなッ!」
そのヒーローが地面を滑るように向かってきた
オレンジの光を放つ細い剣をしならせ、こちらに振った
それに刀を掬うように当てる、するとゴムのようにヒーローが跳ね返り
空中で静止、ヘロドトスに引っ張られるよいに蹴りを放つ
それを刀の上に滑らせるように受け流す
「おっとっと」
「スゴいなぁ...もしかしてお前がヘロドトスか?」
「そうだ、そう言うお前は何処の誰なんだ?」
「アタシは悪の敵、タイガーライト...」
「目的は?」
「お前を殺す、お前の仲間も殺す、システムコーポを潰す!その仲間も潰す!!」
「怖いねぇ、でも気が合いそうだ」
「話は終わりだ!!」
タイガーライトが飛び上がり脚をヘロドトスに向ける、
そしてあり得ない普通なら速度で落下する、ヘロドトスが刀で受けとめる
衝突と同時にオレンジの魔方陣が展開されヘロドトスが後方に吹き飛ばされる
顔を上げるとまた魔方陣が見える
向こう側にも魔方陣がみえ三枚の魔方陣が並んでいることに気が付いた
高速でそれを突き抜け、割りながら、真っ直ぐに剣を向けてヘロドトスに滑って行く
地面が削れ、二つの溝を作る、砂煙が舞い、時の流れがゆっくりになる
ヘロドトスは向かってくる剣先に垂直に刃を立てる
タイガーライトの剣、"ジャック"が剣先から裂けていき、手に届く寸前に
手を放し飛び退いた
「なんでもやってみるもんだな」
「その刀何で出来てるのさ...」
ヘロドトスが剣を抜き、拳銃を射つ
タイガーライトのスーツから火花が上がり、装甲に亀裂が入った
ヘロドトスが駆け寄る、タイガーライトがもう一本の剣、”アリス”を抜く
”アリス”と”ウシミツ”がぶつかり、鋭い金属音が響いた
ヘロドトスが拳銃の銃身を持ち、アリスの柄頭を拳銃の銃把で叩く
タイガーライトの手からアリスが滑り落ちる
ウシミツがタイガーライトのヘルムに食い込んで直ぐに止まる
「なんで止めたんだ...?」
「お前、誤解してたぞ」
「何がだ...?」
「俺はもうシステムコーポじゃない」
「最初はてっきりお前がシステムコーポと思ったが...」
「違うんだろ?」
「アタシももうシステムコーポじゃない...」
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ビルの上で横たわり空を見る
空に浮かぶ星は都会の光に弱められていた
「はぁ...無駄足だったな...」
まさかアタシがあんな間違いをするとは、もうちょっと慎重になるべきだった
「いや、骨折り損かな?」
綺麗に破壊されたジャックを見つめる
直せるだろうか...